ガラスパーテーションの選び方|失敗しない導入条件と注意点

ガラスパーテーションはオフィスの会議室やエントランスなどの区切りに用いられる間仕切りです。仕切っても圧迫感を与えず、暗くなりにくいことが魅力です。導入に必要な条件や注意点、費用を抑えるためのポイントについても解説します。

 

ガラスパーテーションの基礎

ガラスパーテーションの基礎

どんな間仕切り?

ガラスを組み込んだ仕切り壁のことを言います。ガラスの透明感やきらめきが、オフィスのイメージアップに繋がることも期待できます。オフィスでは主に、解体や移設が可能な金属製の施工型タイプが使われています。家庭用では木製フレームなども活用されています。

 

選べるフレーム

オフィスで用いられるガラスパーテーションは枠にスチールやアルミが使われ、用途やデザインに合わせて選べます。 

 

・アルミフレーム

おしゃれでコストパフォーマンスの良いタイプです。カラーバリエーションが豊富なパネルとガラスを組み合わせることが可能で、個性的なデザインを作り出せます。 

 

 » アルミパーテーションとは?メリットデメリットや施工事例を紹介

 

・スチールフレーム

枠が細くモダンな印象を与え、機能性にも優れたタイプです。不燃性で強度が高い分、アルミフレームより高価になります。また、遮音性や耐震性などの機能に優れた製品もあります。

 

» スチールパーティションの性能や価格を徹底比較!事例4選も解説

 

ガラスの種類

パーテーションに用いることができるガラスの種類と特徴を表にまとめました。

種類 透明度 特徴
フロートガラス 透明 表面が均一
型板ガラス 半透明(ぼかし程度) 表面に凹凸がある
すりガラス 半透明(シルエット程度) 表面がザラザラしている
カラーガラス 色による 色付きでデザイン性が高い
ダブルガラス(ペアガラス) 透明・半透明 空気層を挟んだ二枚構造

 

選べるスタイル

大きな一枚ガラスのほかにもスタイルを選ぶことができます。適用シーンと合わせて解説します。

 

・全面ガラス

部屋を仕切る間仕切り全体をガラスで構成するスタイルです。視線や光を遮らないため圧迫感を感じさせず、空間の広がりを感じられます。仕切りとしての機能を保ちつつも視認性を維持し、おしゃれな印象です。

 

<適用シーン>
  • 受付・エントランス
  • デザイン性を重視した共用エリア

 

・腰上ガラス

腰上ガラス

パネルとガラスのコンビスタイルです。下部のパネルは耐衝撃性を持ち、視認性を確保しながら安全性の高い仕様になっています。

 

<適用シーン>
  • 会議室や休憩室
  • オフィスの通路

 

・ブロックガラス

天井までを四段程度に分けたブロック構造は、リズムと幾何学的な美しさを演出します。段ごとにガラスやパネルを装着でき、多彩なデザインと安全性アップが可能です。

 

<適用シーン>
  • エントランス
  • 会議室や休憩室

 

・連装ガラス

連装ガラス

ガラスを何枚も連結したスマートなスタイルです。スチール製の枠は支柱が少なく、ガラスの美しさが際立ちます。メーカーによっては高遮音性や高耐震性を備えた製品も取り揃えています。

 

<適用シーン>
  • エントランス
  • 会議室やプレゼンルーム

 

ガラスパーテーションがオフィスにもたらす5つのメリット

ガラスパーテーションがオフィスにもたらす5つのメリット

仕切っても開放感がある

ガラスパーテーションは、オフィスを仕切っても明るさや視界を遮りません。プライバシーを保ちながら、空間の開放感を最大化します。

 

採光性に優れている

ガラス素材を用いることで、自然光や周辺の照明の明るさも室内に取り込みやすくなります。明るく快適な作業環境を作り出し、照明コストの削減にも寄与します。

 

柔軟性がある

ガラスパーテーションは取り外しや移設が可能な間仕切りです。変化する業務ニーズと人数の変動に合わせてオフィスレイアウトを柔軟に変更できます。

 

明るくおしゃれ

ガラスを使った間仕切りは、シンプルでありながらも洗練された印象を与えます。透明性や明るさがオフィスのブランドイメージや企業イメージの向上に寄与します。

 

メンテナンスしやすい

ガラスは汚れを落としやすく清掃が簡単です。定期的に水拭きなどを行うことで、美しさを長く維持できます。

 

失敗しないための「設置条件」と法的な制約

失敗しないための「設置条件」と法的な制約

施工時は建築基準法や消防法等に準じる必要があります。知っておくべき条件や法的な制約を解説します。

 

内装制限と不燃材料の重要性

建築基準法では「内装制限」に気を付けます。例えば、オフィスが11階以上や地下、あるいは大きな商業施設内の場合などは、不燃性の内装材やパーテーションを使う必要があります。ただし、ガラス自体は不燃でも、フレームが可燃性の製品や不燃認定を取得していない製品は設置ができません。

 

消防設備(感知器・スプリンクラー)への影響

ガラスパーテーションを天井まで設置する際は、消防設備への影響を考慮しなければなりません。例えば、感知器やスプリンクラーの動作を妨げたり、避難誘導灯が見えなくなったりする場合は、消防法に基づいて設備の移設や増設が求められることがあります。

 

一方、著者の経験ではランマ部分をオープンにするなどの設計変更により、工事を回避できるケースもあります。

 

通路幅と排煙規定

3階以上の建物や同じ階にある居室面積200㎡以上の建物では、建築基準法において必要な通路の幅が規定されています。片側に個室がある通路は1.2m、両側は1.6mの確保が求められます。パーテーションの配置によって通路幅が狭くなったり、窓や排煙口が塞がれて排煙規定に違反したりしないように注意が必要です。

 

【比較表】透明ガラス vs くもりガラス vs 飛散防止フィルム

【比較表】透明ガラス vs くもりガラス vs 飛散防止フィルム

ガラスは透明か半透明か、フィルムは張るべきかなど迷う方は多いと思います。特徴や用途を比較した表を紹介します。

 

透明度 種類 特徴 適した用途
透明 透明ガラス

(フロートガラス)

圧迫感を抑えて広く見せる エントランス

小さな個室

半透明 くもりガラス

(型板・かすみガラス)

向こう側が見えにくく、光は通すが視線は遮る エントランス

会議室・応接室

半透明 透明ガラス+フォグラスシート すりガラス調のシート張り

デザインや飛散防止も可能

ミーティングルーム

プレゼンルーム

透明

半透明

飛散防止フィルム 割れても破片を吸着し、安全性を高めたフィルム 地震や衝撃時の安全対策

紫外線カット

 

選定における後悔や失敗の例

ガラスやシートの選定で失敗しないように、著者が現場で見聞きした設置後の後悔例を紹介します。

 

・落ち着かないという後悔

あるオフィスでは、開放感やデザイン性を重視して全面透明ガラスを選んだものの、設置後に落ち着かないと後悔していました。従業員からも改善の要望が出たため、改善策としてすりガラス風のシートを後付けしました。

 

・半透明の具合で後悔

コストを優先して型板ガラスを選んだところ、見え方で後悔していた事例もあります。同じ半透明のガラスでも型板ガラスは向こう側がぼやける程度に見え、すりガラスの方が不透明です。すりガラスか、透明ガラス+すりガラス風のシートを選んだ方が向こう側は見えにくくなります。

 

»【Foglas】フォグラスとは?目隠し!すりガラスシートの施工方法

 

費用を抑えてデザイン性を保つ工夫

費用を抑えてデザイン性を保つ工夫

できるだけコストを下げつつ、ガラスパーテーションをおしゃれに取り入れる方法を説明します。

 

コスト対策にはアルミフレーム

コストを抑えたいならアルミ製の枠を選んで下さい。また、著者がおすすめしたいのは、天井まで全面を一枚の大きなガラスにせず、ランマ部分で分けるスタイルです。分割した方が費用は安くなります。

 

ブロックスタイルでおしゃれに見せる

ブロックスタイルを選ぶとおしゃれさが増します。パーテーションをブロック状に分割することで1枚あたりのガラスが小さくなり、安全性や施工性もアップします。万が一割れてしまっても部分的に交換すれば良いため、維持費の抑制につながります。

 

フレームの色で差を付ける

ガラスパーテーションの枠は主にシルバー、ホワイト、ブラックの3色から選べます。それぞれ印象が異なるため下記を参考に選んで下さい。

 

・シルバーフレーム

スタイリッシュで落ち着いた上品さを演出します。無機質な金属の質感が知的でシャープな印象を与えます。例えば、先進的で知的なイメージの企業や、すっきりと整ったワークスペースを目指すオフィスにマッチします。

 

・ホワイトフレーム

清潔感があり、明るく軽やかな雰囲気になります。壁や天井の色と馴染みやすく、ガラス本来の透明感や開放感を最大限に活かせます。圧迫感を与えにくい色のため、著者が以前営業をしていた時も、とくに広さに余裕がない場所にはホワイトを勧めていました。

 

・ブラックフレーム

おしゃれでモダンな印象になります。ガラスの透明感に黒の引き締まったラインが映え、洗練された現代風のオフィス空間を作り出せます。 デザイン性の高いオフィスやクリエイティブな業種にぴったりです。

 

ガラスパーテーション導入における注意点

ガラスパーテーション導入における注意点

DIYは可能なのか、掃除はどうすべきかなど、パーテーション導入に伴う注意点を解説します。

 

DIYはNG?プロに依頼すべき境界線とは

重量のあるガラスパーテーションはDIYには向いていません。少しの歪みが破損につながることもあり、施工には高い技術が必要です。設置はプロに依頼して下さい。もしDIYで施工したいなら、ガラスではなくアクリル素材の製品を選ぶと良いでしょう。アクリルは軽くて割れにくい素材のためDIYも可能です。

 

日常の掃除のやり方

日常の掃除は、乾いた柔らかい布で乾拭きします。汚れが目立つ場合は、水で湿らせて絞った布で拭き、乾拭きします。頑固な汚れには中性洗剤を薄めて使用し、水拭きと乾拭きで仕上げてください。ガラスクリーナーはスプレーを直接かけず、クロスにスプレーしてから拭くと金属部の変色や床の液だれを防げます。

 

シート剥がれ対策

ガラスに張ったシートやフィルムは、紫外線や経年劣化、鋭利なものでこったりすることなどが剥がれやキズの原因になります。軽度の剥がれはDIYで修復可能で、表面の汚れを取り除き、石鹸水を使って張り直すことができます。しかし、剥がれた粘着面にゴミが付着した場合は粘着力が低下して再張り付けは難しいため、専門業者に依頼しましょう。

 

ガラスパーテーションの導入事例集

 色や機能にもこだわっている、おしゃれな事例を3つ紹介します。

 

事例1:ホワイトカラーで圧迫感を軽減

事例1:ホワイトカラーで圧迫感を軽減

ガラスとホワイトカラーの組み合わせによって狭さや圧迫感を軽減している事例です。白色は膨張色とされ、視覚的に空間を広く見せる効果があります。家具も白で統一し、さわやかで好印象なオフィスに仕上げています。

 

事例2:ブラックでおしゃれに引き締め

事例2:ブラックでおしゃれに引き締め

重くなりがちなブラックも、パーテーションの枠に使えばおしゃれに空間を引き締めてくれます。木目のパネルで柔らかさをプラスし、さらにオレンジを差し色に使う事でオリジナリティを演出しています。

 

事例3:ダブルガラスで意匠性と防音性の両立

事例3:ダブルガラスで意匠性と防音性の両立

意匠性の高い連装ガラスの事例です。支柱の数が少なく、すっきりとおしゃれに見えています。さらに2枚重ねたダブルガラス仕様のため、美しいだけでなく防音性にも優れています。

 

【まとめ】最適なガラスパーテーションで理想のオフィスへ

ガラスパーテーションは明るくスタイリッシュに仕切りたいときに最適な間仕切りです。仕切っても開放感があり、採光性やデザイン性に優れています。コストを抑えながらもおしゃれに見せたいなら、アルミフレームのブロックスタイルがおすすめです。法令に注意しながら、ガラスパーテーションを理想のオフィス環境づくりに役立てて下さい。

 

 

Tachikawa
Tachikawa
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大手家具メーカーでの勤務を経て、2022年6月よりオフィスボール株式会社の専属ライターとして活動。メーカー勤務で培った経験を活かし、パーテーションの素材や構造に関する専門知識をもとに、読者にわかりやすい記事を執筆しています。細やかな気配りを大切にし、読者の疑問や不安に寄り添う丁寧な解説が強みです。近年はAIも活用し、執筆活動の幅を広げています。

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