部屋を仕切る壁をオフィスで設置するといくらかかるのか、費用を知りたいという人は多いと思います。固定壁や可動式などの費用相場と、将来のレイアウト変更や移転を見据えた間仕切りの選び方を紹介します。また、現場調査でのチェックリストもプロが徹底解説します。
部屋を仕切る壁の費用相場
まず壁の種類やメリット・デメリット、費用の目安について紹介します。
壁の種類
オフィスの部屋を仕切る壁・間仕切りは『固定壁』、『可動式間仕切り』、『簡易式間仕切り』に分類できます。
『固定壁』
<特徴>
- 軽量鉄骨(LGS)と石膏ボードを用いて天井や床に固定
- デザイン性や遮音性が高い
<適した場所>
エントランス、応接室、役員室など
『可動式間仕切り』
<特徴>
- アルミ、スチール、ガラスの3種類に分類される
- 既成サイズの部材を現場に合わせてカットして組み立てる
- 将来的に移設が可能
<適した場所>
会議室、商談コーナー、リフレッシュスペースなど
『簡易式間仕切り』
衝立、折りたたみパネル、ローパーテーション、アコーディオンカーテン等
<特徴>
- 簡単に設置や撤去ができる
- 軽量で動かしやすい
<適した場所>
ミーティングスペース、コピーコーナー、休憩スペースなど
3種類のメリット・デメリット
| 種類 | メリット | デメリット |
| 固定壁
(LGS造作壁) |
・耐久性が高い | ・工事に時間と費用がかかる |
| ・遮音性・断熱性が優れている | ・変更や撤去が難しい | |
| ・多彩なデザイン表現が可能 | ・施工後の修正が困難 | |
| 可動式間仕切り
(施行型パーテーション) |
・レイアウト変更が可能 | ・工事が必要 |
| ・納期や施工時間が比較的短い | ・遮音性は素材による | |
| ・素材や機能性の選択肢がある | ・頻繁な移動に向かない | |
| 簡易式間仕切り
(衝立等) |
・手軽で迅速に設置可能 | ・プライバシーの確保が限定的 |
| ・コストが抑えられる | ・遮音性や断熱性が低い | |
| ・一時的な区切りに適している | ・ぶつかると倒れやすい |
費用の目安
『固定壁』
部屋を仕切るための固定壁の費用は約20万円~です。費用には部材費に加え、施工費や運搬費、搬入費、養生費などがかかります。部材費には骨組みとなる軽量鉄骨(LGS)や石膏ボード、仕上げ材などが含まれます。仕上げ材は、クロスや塗装、石材、グリーン、タイルなどから選択できます。
『可動式間仕切り』
部屋を仕切る間仕切りのパネル1枚当たりの費用は、アルミパーテーションは2万5千円程度、スチールパーテーションは4万円程度、ガラスパーテーション(アルミタイプ)は4万円程度です。費用の項目は、部材費、施工費、運搬費、搬入費、養生費などです。また、中古品を利用すれば部材費を抑えることが可能になります。
『簡易間仕切り』
部屋の簡易間仕切りは、約1万円〜比較的安価に導入できます。衝立や折りたたみパネルは置くだけですぐに使えます。ローパーテーションは代金に加えて組み立て費が掛かります。また、天井に取り付けるアコーディオンカーテンは約3万円〜です。
将来を見据えた壁・間仕切りの選び方
オフィスでは将来的なレイアウト変更や万が一のリスクなどを考えておく必要があります。撤去や移設等を見据えた間仕切りの選び方を解説します。
再利用が可能か
将来のレイアウト変更を見据えて選ぶなら、部材の再利用が可能な施工型パーテーションやローパーテーションがおすすめです。固定壁は防音性の高い個室が作れるものの、移設や部材の再利用はできません。移設したいときは、壊して撤去し、新規で作り直す必要があります。
防音性が高いか
防音性の高さで選ぶなら、固定壁であるLGS造作壁や可動式のスチールパーテーションが適しています。例えば、オンライン会議やWeb商談などが増加すると、周囲の騒音を排除できる防音性の高い個室が必要になることがあります。
耐震性が高いか
従業員や重要な機器類を守るために、高い耐震性を備えた壁を選びたいという企業も多いと思います。施工型パーテーションには標準より耐震性を高めた製品があります。支柱やガラスフレームに特殊な金具や緩衝材が施されています。
壁・間仕切りの『撤去・移設』に備えた工夫3つ
先々のレイアウト変更や移転をスムーズに行うために、壁や間仕切りの設計・工事でやっておくべき工夫を3つ紹介します。
【パーテーション移設】パーテーション工事・間仕切りはオフィスボール
床材や壁材の先張り
部屋を仕切る壁を撤去する可能性があるなら、床材や壁材は間仕切り壁より先に張っておきましょう。壁を建ててからカーペットやクロスを張ると、壁を撤去したとき、壁の跡だけ何も張っていない状態になります。後から部分的に張ると手間やコストが掛かります。
色やサイズの統一
将来的な拡張やレイアウト変更に備えて、部屋を仕切る壁の色やサイズはなるべく統一しておくと良いでしょう。施工型パーテーションやローパーテーションは幅や高さが選べます。とくにローパーテーションの幅は約10~20㎝単位で展開されているため、連結する際は色々なパターンの組み合わせができます。
原状回復を考慮
賃貸オフィスの場合、壁や床に穴を開けたり、天井の設備を移設したりすると原状回復が必要になります。将来的に移転の可能性が高い場合には、原状回復を考慮して間仕切りの種類やスタイルを選ぶと良いでしょう。
また、ランマオープンのスタイルなら、設備や空調などの移設も最小限に抑えられます。
失敗しない現場調査チェックリスト
最後に、部屋を仕切る壁を建てる際の現場調査でチェックしておくべきポイントをプロが解説します。
天井の高さ
現場調査では、まず天井の高さの確認をします。オフィスの天井は、平らだとは限りません。梁があったり、配管が露出していたりすることもあります。天井裏にパイプやダクトが通っていると、他の部分より天井が下がっていることもあります。
当然、加工が多いと費用が高くなります。天井高をしっかり計っておくことで、必要な材料と作業を想定した見積りを算出してもらうことができます。
消防設備や空調の位置
壁を建てたい位置に、天井の消防設備や空調、照明器具、点検口などがぶつからないか確認します。消防設備には感知器やスプリンクラー、非常用のスピーカーなどが挙げられます。設備の移設・増設工事を行うと、壁を作る工事とは別に費用が掛かります。とくに空調やスプリンクラーの工事は大掛かりになることが多く、費用もかさみます。
搬入経路
現場調査の際は、搬入経路の確認も行います。壁を建てる工事では、長い支柱や大きくて重量のあるパネルなど、たくさんの部材を運び入れます。オフィスビルの廊下の壁や床、エレベーター周りなどに傷を付けないように、プラべニアなどで養生を行うのが一般的です。
部屋を仕切る壁は性能と費用のバランスで選ぼう
オフィスなどで部屋を仕切る壁には、固定式・可動式・簡易式があります。造作壁やスチールパーテーションは費用は高めではあるものの、防音性などの性能や意匠性の高さが魅力です。アルミパーテーションやローパーテーションは取り入れやすく、衝立や折りたたみパネルには手軽さがあります。






















