内装工事の仕上がりに影響する!パテ処理の重要性と施工方法

パテ処理は、クロスや塗装の仕上がりを綺麗にするために行う下地処理のことです。内装工事の仕上げ作業に欠かせませんが、パテ処理や作業手順について理解している方は少ないのではないでしょうか。そこで、この記事ではパテ処理について解説します。パテの種類や作業手順も解説しているので、ぜひご覧ください。

 

パテ処理とは?

パテ処理

パテ処理とは、壁や天井などの下地を調整する作業のことです。下地の隙間や段差などにパテを塗り、下地の表面を平らにすることで、最後の仕上げであるクロス塗装などの見た目を綺麗にできます。一例を挙げると、石膏ボードを固定するためのビスの穴、ボードとボードの境目の段差などにパテを塗ります。ほかにも、石膏ボードがかけていたり、へこんでいたりするときに、パテ処理を行い下地を平らにしていきます。

 

≫ 【内装工事】クロス貼りの手順と種類を解説!必要な道具も紹介

 

 

パテ処理を行わないと、ビスのへこみや石膏ボードのジョイント(つなぎ目)などがクロスや塗装の表面に透けてしまうのです。ちなみに、塗装のパテ処理の方が、クロスのパテ処理よりも精度が求められます。クロスの方が分厚い材料が多いため、多少のへこみや段差などを隠せます。しかし、塗装は膜厚(まくあつ)が薄いため、クロスよりもへこみや段差などが仕上がりに影響してしまうのです。

 

パテの種類

パテには、多くの種類のものがあります。次の表に、代表的なパテを記載しました。

 

パテ 特徴
合成樹脂エマルション系パテ ボードやモルタル、コンクリート用。作業性に優れているが、湿度や水に弱く、強度が高くない。
石膏系パテ 水と練り合わせると硬化する。下塗り用のパテとして使用されている。
炭酸カルシウム系パテ 仕上げ用パテとして使用されている。硬化後、ペーパーで削りやすい。

 

パテには様々な種類があり、基本的に下塗り用と仕上げ用を状況に合わせて使用します。下塗り用のパテは粒子が荒く、へこみ部分のヤセ方が少なくなるのが特徴です。また、仕上げ用のパテは粒子が細かく、へこみ部分のヤセがあります。

 

*ヤセとは…へこんでいる目地などに塗ったときに、平らに塗っても、パテが乾燥するにつれて凹みが生じること。

 

ほかにも、既に練られていて水を加えて硬さを調整するもの、粉状のパテに水を加えて練り上げるものなど、使用方法も異なります。

 

パテ処理の作業手順

パテ処理は、次のような作業手順で行います。

 

  1. パテ処理前の下準備
  2. 下塗り
  3. 中塗り
  4. 上塗り
  5. ヤスリ掛け
  6. 清掃
  7. シーラー塗り

 

業者や施工状況によって、パテを塗る回数が変わりますが、ここでは一番綺麗に仕上がるといわれている、3回塗り時の作業手順を解説します。

 

①パテ処理前の下準備

パテ処理を行う前に、下準備を始めます。まず養生を行い、窓のような周辺のものが汚れないようにします。それから、石膏ボードのジョイント部分にファイバーテープ(寒冷紗)を貼りましょう。隙間が広いときは、パテを入れてから貼るのがおすすめです。ドアの開口部のような壁の角には、コーナーガードを貼り、ボードの出隅を平らにしていきます。

 

②下塗り

次に、パテの下塗りを行います。下塗りとはパテの土台を作るようなもので、粒子の荒い下塗り用のパテを、4号くらいのパテベラを使用して塗りあげていきます。石膏ボードのジョイントやビス穴、デコボコしている箇所などをパテで埋め、できるだけ下地を平らにしていきます。また、躯体(コンクリート部分)に塗装やクロスなどの仕上げを行うときは、躯体(くたい)にもパテ処理を行わなければいけません。

 

コンクリート部分である躯体は必ずしも平らな状況ではなく、大きめの穴のような段差ができたり細かいデコボコがあったりするため、仕上がりに影響してしまうからです。躯体にパテを塗るときは、下塗り用の荒いパテを塗るのが適しています。

 

③中塗り

次に、パテの中塗りを行います。施工状況や予算などによっては中塗りを行わないこともありますが、中塗りを行った方がパテの仕上がりは綺麗になります。中塗りでは、下塗りよりも粒子が少し細かくなったパテを使用して、5号くらいのパテベラで塗っていきます。

 

パテベラの大きさは、4号から5号になることでヘラの幅が広くなるのが特徴です。中塗りの次の工程で上塗りを行いますが、上塗りではより大きいパテベラを使用します。つまり、工程が進むごとに、パテベラの幅の広さが大きくなっていくのです。ちなみに、2回塗りでパテ処理を行うときは、中塗りの工程をカットすることが多いです。

 

④上塗り

次に、パテの上塗りを行います。上塗りは仕上がりを綺麗にするための化粧のようなイメージで、さらに細かい粒子の仕上げ用のパテを、より幅を広くして塗ります。上塗りの目的としては、これまで塗ったパテを整えるようになめらかな平らな面にし、乾いて少しヤセタ部分のパテを上塗りで補うようなイメージです。ポイントとしては、これまで塗ったパテのキワを隠すように、より幅広くパテを塗ります。そうすることで、なめらかな平らな面に仕上がっていきます。

 

⑤ヤスリ掛け

パテが乾燥したら、随時ヤスリ掛けを行います。下塗りには荒めの紙ヤスリ(#100くらい)、上塗りは細かい紙やすり(#180くらい)を使用します。上塗り時のヤスリ掛け時に、力のない人は少し粗目のヤスリ(#120~#160くらい)を選ぶのもいいでしょう。

 

*ヤスリの数字によって荒さが変わります。目安として粗目(#40~#100)、中目(#120~#240)、細目)#280~#800)、極細目(#1000~)という形です。ちなみに、ヤスリの数字は、番手と呼ばれています。

 

パテが乾燥すると、パテ処理したあとの細かいデコボコがでてしまうので、ヤスリ掛けを行い表面を綺麗にしなくてはいけません。目視でわからない箇所は、手で触り、すじがあった場合にヤスリ掛けを行います。ボードが傷つかないように丁寧かつ迅速に行い、寒冷紗が浮き出てこないように気を付けて施工しています。

 

⑥清掃

ヤスリ掛けを終えたら清掃を行い、パテ処理が終了します。ヤスリ掛けを行ったあとには粉じんがでてしまうので、ほうきのような清掃道具で綺麗にしていきます。

 

⑦シーラー塗り

シーラーとは、塗装やクロスで壁を仕上げるときに使用する下地処理剤です。シーラーを塗ることで、下地と仕上げ材の定着を良くし、浮きや剥がれを防止します。また、シーラーを塗ることで、クロス張り替え時にクロスを剥がしやすい下地にすることができます。シーラーには、木材や金属、コンクリート下地などに使用するものなど、種類があります。

 

クロスの貼り替えでもパテ処理は行うの?

クロスの貼り替えでは、すでにパテ処理を行ったところにクロスを貼り替えるため、新たにパテ処理を行わなくてもいいと考えている方もいるかもしれません。クロスを剥がすときには裏紙が残るようになっているのですが、接着剤の種類や室内環境などによって、ボード表面の紙まではがれてしまうことがあります。クロスが剥がれた部分が原因で下地がでこぼこになってしまうことがあるので、そのような場合ではパテ処理が必要です。また、画鋲(がびょう)などで穴が空いているとき、ボードが破損しているときなどでも、パテ処理を行う必要があります。

 

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まとめ

この記事では、クロスや塗料で仕上げる前段階である、パテ処理について解説しました。パテ処理は、仕上がりに直結する重要な作業です。施工状況に合わせて適切なパテを選択し、下地が平らになるよう丁寧にパテ処理を行っていかなければいけません。

 

 

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