スライドドア・引戸を間仕切りに付けるメリットや防音性を解説

スライドドアや引戸の間仕切りはスムーズに出入りができます。クリニックや学校、住宅などでよく利用されています。一方オフィスでは、『開き戸』の方が一般的です。しかし、オフィスでもスライドドアを用いることでレイアウトの幅が広がります。間仕切りに取り付けるメリットや気になる防音性、活用事例について解説します。

 

スライドドアの基本

最初にスライドドアの特徴や素材について解説します。

 

スライドドアってなに?

横に動かして開け閉めするタイプのドアで、引戸と同義で使われます。間仕切りやパーテーションには『スライドドア』と『開き戸』の2通りのドアが選べます。開き戸は押し・引きするため、ドアの前後にスペースが不可欠です。一方、スライドドアなら横方向に動かすため、奥行きが取れない場所にも取付けられます。

 

スライドドアの主な素材

アルミニウム

アルミニウム

軽量で耐久性が高く、モダンなデザインに適しています。アルミはフレームやレール部分によく使われています。例えば、アルミフレーム+ガラスのスライドドアはスタイリッシュでおしゃれに見えます。

 

ガラス

ガラス

透明または半透明のガラスを用いたスライドドアは、空間に明るさと広さを感じさせる効果があります。ガラスの種類は、丈夫な強化ガラスやおしゃれなアンティークガラス、すりガラスなどが選べます。

 

ステンレス鋼板

丈夫で湿気や腐食に強く、耐久性の高い素材です。クールでスタイリッシュなデザインに適しています。屋外や高湿度環境にも対応できるため、オフィスだけでなく工場や商業施設などに広く用いられています。

 

木材

ナチュラルな風合いが特徴で、インテリアに温かみを加えます。例えば、オーク、ヒノキ、パインなどの無垢材や集成材、化粧貼りパネルなどが使われます。

 

樹脂・化粧板

樹脂や化粧板のスライドドアは軽量でリーズナブルな価格が魅力です。例えば、 PVC(塩化ビニル)やメラミン化粧板、プリント化粧板などがあります。色柄のバリエーションが豊富でメンテナンスもラクに行えます。

 

間仕切りにスライドドア・引戸を付けるメリット5つ

次に、スライドドアにはどんな魅力があるのか紹介します。

 

動かしやすい

スライドドアや引戸は誰でもラクに動かせることが魅力です。軽量な素材と滑車やレールの工夫によってスムーズに動かせます。

 

静かで安全性が高い

スライドドアは開き戸に比べて閉めるときの音が静かです。ソフトクローズ機構や指挟み防止設計なども施され、静かで安全性が高いことが魅力です。

 

省スペース

スライドドアや引戸は、開き戸のような開閉スペースが不要な省スペース設計です。間仕切り沿いにスライドさせるため、前後スペースが取れない場所にも設置できます。著者の自宅でも、廊下が狭い場所にスライドドアを使っています。室内も有効に使えるので、必要な家具が置けて助かっています。

 

バリアフリーに適している

スライドドアは開け閉めがしやすく、ドア下の段差も小さくできるためバリアフリーに適しています。車椅子の利用者や高齢者など、ドアを押し開ける動作がしづらい人でもスライド式ならラクに出入りできます。

 

搬出入もしやすい

ドアを横にスライドする設計によって出入口を広く取れるため、什器や家具の移動、大きな物の搬出入もスムーズです。

 

≫防音タイプの可動式間仕切り壁について解説!種類や製品を紹介

 

間仕切りのスライドドア・引戸の種類

スライドドアや引戸のバリエーションのなかから代表的な5つを解説します。

 

片引き戸

片引き戸

1枚のドアを間仕切りに沿ってスライドさせる、もっとも一般的なタイプです。開けっぱなしにしても邪魔になりません。奥行きがない場所にも適しています。

 

両引き戸(引き分け戸)

両引き戸(引き分け戸)

2枚のドアが1本のレールの上で左右に分かれて開閉します。ドアを4枚に増やすと開口が広くなります。例えば、大広間や自動ドア、エレベーターの扉などに用いられます。

 

引違い戸

引違い戸

2枚のドアが2本のレールの上で行き違いに開閉します。ドアの枚数を増やす事も可能です。袖壁は必要ないものの、全開はできません。例えば、教室や住宅のクローゼット、パントリーなどで使われています。

 

3枚片引戸

3枚の扉が3本のレールの上で開閉します。開口が広く、車いすなどでも通りやすいことが魅力です。ただし、左右のどちらかに3枚分の戸を引き込むスペースが必要です。

 

引込み戸

ドアが壁のポケットに収納されるため、開閉スペースを取りません。間仕切り沿いに什器や家具を置くことができ、スペースの有効活用ができます。狭い部屋や開口をすっきり見せたい場合に適しています。

 

スライドドアの設置方法2つ

 間仕切りのスライドドアや引戸には次の2つの設置方法があります。

 

  • 上吊り式
  • 下レール式

 

特徴と価格の違い

2種類の特徴や価格の違いを表にまとめました。

 

項目 上吊り式 下レール式
別名 ハンガードア 敷居レール・床レール
レールの位置 上部のみ(天井や壁) ドア枠の上下
特徴 上部のレールにドアを吊り下げる 床側でドアの荷重を支える
見た目 床にレールがなくスッキリ 床にレールや溝がある
施工性 施工や調整が複雑 構造がシンプルで施工しやすい
価格 高くなりやすい 比較的安価

 

 ≫ガラスパーテーションとは?価格や使い方を解説【施工事例アリ】

 

上吊り式のメリット・デメリット

上吊り式のメリット・デメリット

〈メリット〉

  • ドアの荷重を天井側で支えるため、開閉が軽くてスムーズ
  • 床の掃除がしやすく、見た目もスマート
  • 床がフラットで車いすなどでも通りやすい

 

〈デメリット〉

  • 天井裏の構造(梁・断熱材・点検口など)に制約を受けやすい
  • ドアが揺れやすい
  • 施工が難しいため価格やメンテナンス代が高くなりがち

 

下レール式のメリット・デメリット

下レール式のメリット・デメリット

〈メリット〉

・シンプルな作りで比較的安価

・重いドアでも受け止めやすい

・部品の交換・修理がしやすく、メンテナンス性が高い

 

〈デメリット〉

・レールで段差ができてしまう

・レールの溝にホコリが溜まりやすい

・床材や段差の影響を受けて開けにくい場合がある

 

スライドドアに付加できる機能

次に、間仕切りのスライドドアに付けられる主な機能を解説します。

 

ソフトクローズ機能

ドアから手を離してもゆっくりと静かに閉まる仕組みのことを言います。閉まる途中でダンパーなどの機構を使い、速度を滑らかに落とします。多くのスライドドアに施され、ドアが勢いよく「バタン」と閉まることを防ぎます。

 

指挟み防止機能

スライドドアを開閉するときに、ドアの隙間に指を挟んでしまうリスクを低減するための機能です。指を挟みそうになったとき、感知センサーやクッションを使って自動的にドアの動きを止めたり、逆方向に開いたりして、事故を未然に防ぐ安全装置です。

 

自動開閉機能

センサーやリモコン、スマートフォンアプリなどを使って開け閉め操作ができる機能です。センサーは、人や物体を感知して自動的にドアを開閉します。手動での操作が不要なため、荷物を持っていても通れます。また、リモコンやスマートフォンのアプリから遠隔操作できるタイプもあります。

 

スライドドア・引戸に防音性はある?!

気になっている人も多い、スライドドアの防音性について詳しく解説します。

 

スライドドアの防音タイプ

間仕切りのスライドドアには防音タイプがあります。一般的には、スライドドアは開き戸より防音性や気密性が低くなりがちです。とくに上吊り式は、ドアの下部に隙間ができるので音や空気が漏れやすいです。しかし、防音(遮音)タイプのスライドドアを選べば、開き戸と同じように高い遮音性能が期待できます。

 

≫オフィスの防音対策について解説!具体的な方法や対策事例を紹介

 

防音タイプの特徴

間仕切りに取り付ける防音タイプのドアには次のような特徴があります。

 

スチールやガラス製

スチール

重量感のある素材にすることで密閉性が向上し、防音の効果が高まります。ガラスの場合は、複層ガラスや合わせガラスを使うと遮音性能を高められます。また、住宅用では木材の繊維を固めたMDFなどの素材が使われる場合もあります。

 

厚みがある

防音タイプは一般的なスライドドアよりも厚みがあり、重厚な構造になっていることが多いです。厚さは 35~60 mm 程度で、厚いほど質量が増して音の逃げ道を減らせます。

 

遮音材が充填されている

ドアの内部に吸音材を充填したり、遮音シートを挟み込んだりして音の伝達を抑える仕様になっています。

 

気密パッキン付き

ドア枠とドア本体の間に高性能の気密ゴムシールやパッキンが付いており、隙間からの空気や音の漏れを防ぎます。

 

間仕切りにスライドドアを活用している事例

最後に、上手にスライドドアを活用している事例を解説します。

 

クリニックの事例

クリニックの事例

スライドドアはバリアフリー対応がしやすいため、クリニックではよく活用されています。診察室への出入りの際、ドアにぶつかったりバタンと閉まったりする心配がありません。子供から高齢の方まで幅広い年代の人が安全に利用できます。

 

『相談室』の事例

『相談室』の事例

オフィス内の相談室にスライドドアを用いている事例です。遮音性の高いスチールパーテーションで部屋を間仕切り、ランマクローズにしています。相談者のプライバシーを守りながら、安心して会話がしやすい空間づくりをしています。スライドドアは静かに閉まるので、落ち着いた雰囲気に適しています。

 

≫小規模オフィスのレイアウト手引き|失敗しないためのポイント

 

室内が狭い事例

室内が狭い事例

室内が狭くても、スライドドアを設置して上手にスペースを活用している事例です。開き戸の場合、室内を有効活用したいときは外開きを選ぶことになります。しかし、廊下側にスペースがない場合や、往来の多い場所には適していません。スライドドアなら、横にもう1枚分の幅があればドアを設置できます。

 

スライドドア・引戸はスムーズで省スペース!上手に活用しよう

スライドドア・引戸はスムーズで省スペース!上手に活用しよう

スライドドアは横に水平に動かして開けるドアです。間仕切りに付けるメリットは、スムーズに動かせることやスペースを有効活用できることなどがあります。また、バリアフリーにも適しています。スライドドアの種類は片引き戸や両引き戸などがあり、設置方法は上吊り式と下レール式があります。ソフトクローズ機能や指挟み防止機能が付けられ、防音タイプを選ぶことも可能です。ぜひ、オフィスの間仕切りにもスライドドアを上手に活用しましょう。

 

 

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