【ボード工事】内装仕上工事でのポイントや施工例を徹底解説

内装工事では作業工程にボード工事という作業があります。「ボード工事とはどんな作業をするのだろう?」内容を知らない方も多いかもしれません。ボード工事を行うと部屋の壁を簡単に作ることができます。

 

当記事では以下について解説します。

 

  • どのような工事なのか?
  • 施工するメリット
  • 施工時の注意点
  • 種類
  • 工事の例

 

ボード工事とは?

内装ボード工事

ボード工事をおこなうと建物の壁や天井を製作できます。内装仕上工事では、石膏でできている石膏ボードを使用することが多いです。軽鉄と呼ばれる金属製の棒で骨組みを作り、その上からボードを貼っていくと壁や天井の下地が完成します。クロスや塗装など表層仕上げを行うことで仕上がった状態になるのです。また機能性に優れており、住宅・ビル・ホテルなどさまざまな内装に利用されています。

 

施工するメリット

施工するメリットは以下の通りです。

 

  • 遮音性が高い
  • 長年経っても変化が少ない
  • 加工が容易
  • 耐火性

 

遮音性が高い

遮音性にとても優れています。理由としては「音をさえぎることができる」「音を反射させないで吸収する」「振動させない」「振動を短時間で止めることができる」4つの性質があるためです。遮音効果の例としてメーカーの吉野石膏から販売されている「A-2000・WI」という品番を紹介しましょう。A-2000・WI を施工した部屋は、隣の部屋から交通量の多い道路と同じ大きさ(80dB)の音が鳴っていても夜の閑静な住宅街程度の音(24dB)まで軽減できるという結果がでています。

 

オフィスでは遮音性能が必要な会議室や役員室に利用されることも多いです。遮音性の高い石膏ボードは住宅などでも騒音防止に効果を発揮します。

 

長年経っても変化が少ない

木材とは違い、長年経っても変化が少ない材料です。木材は時間が経つと反る、ひび割れが入ってしまうなど劣化してしまいます。しかし、石膏ボードは石膏でできているため反るなどの変化は一般にはありません。弱点として水に弱い点が挙げられます。石膏は水に溶ける性質があるためです。 普通の石膏ボードを水周りに利用することは避けましょう。水を使う場所に貼りたいときは、耐水機能を持った品番か水に強いケイカルボードがおすすめです。

 

加工が容易

石膏ボードは加工が容易にできます。定規を当ててカッターナイフで簡単に切ることが可能です。また、ヤスリで削ることも可能で大きさの調節も容易にできます。小さな隙間を埋めることもできるため、天井の穴など補修工事にも便利な材料です。

 

耐火性

石膏ボードは耐火性に優れています。構成成分に約21%の結晶水が存在しているためです。隣の部屋で火災が起きたとしましょう。隣の部屋から壁の石膏ボードが高熱を受けると成分の結晶水は熱分解します。熱分解してできた水分がだんだん蒸発することで温度上昇を阻止し、一定時間燃え広がるのを防ぐ働きがあるのです。

 

石膏ボードには不燃、準不燃、難燃と3種類の基準があります。それぞれ耐火時間の条件をクリアした材料が表示でき、条件は建築基準法にのっとったものです。

 

不燃 20分間燃焼しない
準不燃 10分間燃焼しなし
難燃 5分間燃焼しない

 

参考資料:001205298.pdf (mlit.go.jp)

 

施工時の注意点

施工時の注意点は以下の通りです。

 

  • 粉が出る作業
  • 音が出る作業
  • 大きいため搬入時注意
  • ビスピッチに注意
  • ライトとボードの継ぎ目位置に注意
  • 扉周りの割付に注意

 

粉が出る作業

ボードを加工するとき、削るなどして大量の粉が発生します。ボード工事をおこなうと現場が粉まみれになることも。作業前に業者はブルーシートなどで徹底した養生をおこないます。しかし、念のため工事前に現場周りのPCなどの機械や汚れては困るものは移動したほうが良いでしょう。また、発生した粉を現場内で踏んで外に持ち出し廊下が汚れてしまったなどのトラブルはよく起こります。現場内だけでなく共用部の導線にブルーシートを引く、現場で靴を履き替えるなど対策をする必要があります。

 

音が出る作業

音を出す作業があり、近隣に迷惑をかけてしまう場合があります。ボードを貼るときに電動ドライバーやエアータッカーなど機械を使用することが多く騒音が発生するのです。騒音によって近隣とトラブルになることもあります。工事の前は近隣の方への挨拶を忘れないようにしましょう。工事をおこなう時間も考えなければなりません。住宅街での早朝、夜間の工事は避けるなど。オフィスなどの現場では業務をしている平日の昼間を避けて土日や平日の夜間に工事をすることも多いです。

 

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大きいため搬入時注意

一般的な石膏ボードの大きさは910×1820mmです。大きいため搬入時には危険がともなうこともあります。搬入口から現場へ搬入する間に通行人とぶつかる可能性も。ぶつかってしまうと大けがにつながることも考えられとても危険です。搬入中、エレベーターや壁にぶつけてしまうこともあります。ぶつけてしまうと壁に傷がつき賠償を求められることに。エレベーターや壁などは徹底した養生をします。現場の管理者は通路で危険な場所がないか搬入前に確認をしておくと良いです。事故を起こさないためにはゆっくり搬入をおこない、通路の曲がり角では1度止まるなど対策をしましょう。余裕を持った搬入が大切になります。

 

ビスピッチに注意

ボードを貼るときのビスピッチは決まっています。ビスピッチは国土交通省の公共建築工事基準仕様書に定められているためです。適切な間隔でビスを打っていないボードは剥がれ落ちる可能性があります。もし天井が人の頭上に落ちてきたら大事故です。中にはビスピッチを守っていない悪質な業者もあり注意しなければいけません。依頼した業者がビスピッチを守っていなかった場合はやり直しをしてもらいましょう。

 

周辺部 中間部
天井に貼る場合 150mm間隔 200mm間隔
壁に貼る場合 200mm間隔 300mm間隔

 

参考資料:001473539.pdf (mlit.go.jp)

 

ライトとボードの継ぎ目位置に注意

ライトの真下にボード継ぎ目があるなど仕上がりを大きく損なうケースがあります。壁が仕上がってから照明を取り付けるとボードの継ぎ目が浮き上がって目立つことも。

 

ダウンライトを塗装仕上げの壁際に設置する場合は継ぎ目の目立ちによる失敗が多いです。対策としては前もって業者にライトの設置位置を伝えましょう。継ぎ目の位置がライトの真下にかぶらないように調節してもらいます。

 

また、仕上げのボードは壁の上から貼ってもらうようにしてください。ボードを上から貼ってもらうことで横の継ぎ目が天井のライトと遠ざかり継ぎ目の目立ちを防ぎます。ただし、天井の高さによっては人の目線である床から1.6m付近に継ぎ目がくるため考慮しなければなりません。

 

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扉周りのボード割付に注意

扉周りは貼り方によってボードの継ぎ目がひび割れすることも。扉周りは”かぎかっこの形””に加工したボードを扉の角に合わせて貼ります。扉は重量物で閉まるときの衝撃が大きいため周りの壁にも影響が出ます。両脇、最後に扉上の順番でボードを貼ってしまうと扉の衝撃でズレ、ひび割れしてしまうのです。”かぎかっこの形”で貼ると扉の縦と横が1枚になりズレることがなくなります。扉周りのボードはかぎかっこの形にしてもらいましょう。

 

石膏ボードの種類

一般的な建物の多くは天井や壁が石膏ボードでできています。価格が安く丈夫でとても汎用性が高い材料です。普通の石膏ボード以外にも機能性で5種類が存在します。

 

ホルムアルデヒド吸収分解ボード

ホルムアルデヒド吸収分解ボードにはシックハウス症候群の抑制効果があります。シックハウス症候群の原因の1つは建材から出るホルムアルデヒドです。ホルムアルデヒド吸収分解ボードはホルムアルデヒドを吸収分解することができるため健康に気を使っている人にはおすすめです。

 

シックハウス症候群は建材から出る化学物質やダニなどが原因です。湿疹や頭痛など人それぞれの症状が見られます。

 

硬質石膏ボード

硬質石膏ボードは普通のボードより強度があります。衝撃を受けても壊れにくいです。廊下の壁など人の移動が多くものをぶつける可能性がある場所に向いています。

 

強化石膏ボード

強化石膏ボードは成分にガラス繊維が使われています。ガラス繊維を含むことで耐火性に優れており、ビルの耐火区画などに使われることが多いです。

 

シージング石膏ボード

シージング石膏ボードは石膏ボードに防水加工をしてあります。湿気に強いためキッチンや洗面所の壁などに使われています。

 

化粧石膏ボード

化粧石膏ボードは表面が仕上がっています。塗装など表層仕上げの必要がなく、短い工程で工事可能です。DIYなど小規模な工事にも向いています。

 

ボードを用いた工事の例

会議室の施工

防音が必要な会議室は壁にボードを使うと良いでしょう。軽鉄、ボードで作られた造作壁パーテーションと違い隙間が少ないことが特徴です。造作壁は厚みやグラスウールの充填量で防音効果を調節できます。またビルでは天井上の躯体から床まで造作壁を施工することも可能です。躯体から造作壁を施工すると天井上からの音漏れが軽減され、より防音効果が期待できます。

 

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パーテーション面への増し張り

パーテーション面にクロスを貼る方法の1つがボードの増し張りです。クロスの糊は鉄やアルミ製のパーテーションパネルに使えません。そのためボードをパーテーションの上から増し張りします。増し張りをするとパーテーション面にもクロスを施工可能です。

 

【ボード工事】内装仕上工事でのポイントや施工例を徹底解説 【まとめ】

今回はボード工事についてご紹介しました。石膏ボードは遮音性など機能性に優れている材料です。種類も豊富にあり、用途によって使い分けができます。オフィスのレイアウト変更などで壁や天井の施工を検討している方はオフィスボールにご相談ください。

 

 

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