オフィスパーテーションのレイアウト事例と注意するポイント4つ

オフィスレイアウトを考えるとき、パーテーションで間仕切って、空間を有効利用したいと思う人は多いでしょう。パーテーションには、置くだけのタイプや、壁のようなタイプなど、様々な種類があります。用途や目的によって、適したものを選ぶ必要があります。今回は、パーテーションの種類やレイアウト事例を紹介し、レイアウトの際に注意するポイント4つも解説します。

 

オフィスパーテーションの種類と特徴

■オフィスパーテーションの種類

オフィスパーテーションには、大きく分けて下記の3種類があります。

 

卓上型

卓上型は、デスクの上に置いたり、取付けたりして使用します。新型コロナウィルスの流行によって普及した、飛散防止用のアクリルパーテーションも含まれます。

 

置き型

置き型は、床に置いて使用します。衝立(ついたて)タイプや、キャスター付きで移動できるタイプ、バリエーション豊富なローパーテーションなどがあります。

 

施工型

施工型は、天井と床で固定する間仕切りで、必ず工事が必要になります。ハイパーテーションとも呼ばれています。工事が必要な分、卓上型や置き型より、費用や納期が掛かります。しかし、頑丈で、防音性や不燃性がある製品もあり、高機能です。

 

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■オフィスパーテーションの比較

卓上型、置き型、施工型、それぞれの特徴を比較してみましょう。

 

オフィスパーテーション 比較表
機能 卓上型 置き型 施工型
遮音性 ★★★
セキュリティ性 ★★★
安定性 ★★ ★★ ★★★
デザイン性 ★★ ★★★ ★★★
施工性 ★★★ ★★
費用 ★★★ ★★

 

■オフィスパーテーションの特徴

オフィスで使われている3種類のパーテーションは、さらに細かく分類されます。それぞれの特徴について解説します。

 

卓上型

デスクトップパネル(卓上型)

卓上型のパーテーションは、デスクに取付けるタイプと、卓上に置くだけのタイプがあります。

 

〈デスクに取付けるタイプ〉

●名称:デスクパネル、デスクトップパネル
●高さ:約30cm~50cm
●設置場所:デスクの前面や、デスクを囲ように、コの字型に取付け
●素材:布張り、スチール
●取付け方法:パネルの下部にある突起部分を、デスク天板の穴に差し込むなどして固定

 

デスクの天板から、高さ30cmくらいのものだと、手元は隠れますが、正面の人の顔がしっかり見えます。また、45cmや50cmでは、手元も顔も隠れます。座ったまま背伸びをすれば、目線は合わせられる、というような高さです。素材が布張りのものはピンナップができ、スチールは、マグネットが使用できます。デスクパネルは、デスクとシリーズになっている製品が多いでしょう。

 

〈卓上に置くだけタイプ〉

●名称:アクリルパーテーション、飛散防止パネル、自立式デスクパーテーション
●高さ:約45cm~60cm
●設置場所:向かい合う座席の正面や、隣り合う席の間など
●素材:アクリル、フェルト貼り、プリント化粧板など
●設置方法:置くだけ

 

卓上に置くだけのタイプは、新型コロナウィルスの流行によって、需要が高まりました。飛散防止パーテーションなどと呼ばれ、主に透明のアクリル製です。高さは、座って口元が隠れる45cm程度から、頭の高さまである60cm程度のものが多いでしょう。しかし、高さが60cmのパネルを自立させるには、大きめの脚が必要になります。脚がじゃまになる場合は、コの字やT字、十文字にする方法もあります。また、学習室やカフェのカウンター席などで、隣の席との間を仕切るために、利用されることもあります。

 

置き型

置き型のパーテーションは、床に置いて使います。自立式の衝立(ついたて)タイプと、部材を組み合わせて設置する、ローパーテーションがあります。

 

〈衝立タイプ〉

●名称:ついたて、スクリーンなど
●高さ:約1m50cm~1m80cm
●設置場所:床
●素材:アクリル、アルミフレーム、木、布張りなど
●設置方法:置くだけ

 

衝立タイプは、主に、パネルから垂直に出ている、安定脚によって自立します。半透明や木製など、おしゃれなものが多く、簡単に移動できるのがメリットです。安定脚の形状には2種類あり、標準的な脚と、キャスター付きがあります。衝立の高さが高いほど、脚の出る幅も大きくなり、通行のじゃまになることはデメリットです。また、ジグザグに折り曲げることで自立できる、折り畳み式の製品もあります。安定脚がないとスッキリしますが、ぶつかると倒れやすいというデメリットもあります。

 

〈ローパーテーション〉

●名称:ローパーテーション
●高さ:約1m~2m程度でバリエーションがある(*詳しくは下記参照)
●設置場所:床
●素材:スチール、布張り、木目調シートなど
●設置方法:組み立て作業が必要

 

ローパーテーションは、部材を組み合わせて、自立させる間仕切りです。1枚で使うことも可能ですが、複数枚を組み合わせ、レイアウトをつくります。ミーティングルームをつくったり、コピーコーナーや、カフェコーナーをつくったりといった使い方ができます。素材は、布張りだけでなく、ホワイトボードや木目、表と裏の素材が違う製品などもあり、多様な用途に対応できます。高さにも、下記のようなバリエーションがあります。

 

*高さのバリエーション

約1m:手元は隠れ、座って周囲が見渡せる
約1m20cm:座って目線が隠れる
約1m60cm:立って目線が隠れる
約1m80cm:立って頭まで隠れる
約2m10cm:ドアが取付けでき、個室がつくれる

 

施工型

施工型パーテーションは、工事が必要で、壁のような見た目です。最大の魅力は、一度設置した後も、解体して、移設できるという点です。床から天井まで支柱を建て、パネルやガラスをはめ込みます。天井に近い部分はランマ(欄間)と呼ばれ、オープンかクローズを選択できます。施工型パーテーションの種類は、大きく分けると4種類あり、用途や機能、費用が異なります。それぞれの特徴をみていきましょう。

 

〈アルミパーテーション〉

●名称:アルミパーテーション
●高さ:天井まで(天井付近はオープンも可)
●設置場所:床から天井
●素材:支柱やフレームがアルミ材
●設置方法:工事が必要

 

施工型パーテーションのなかで、もっともリーズナブルで、軽量です。主な部材は、支柱とパネルで、他のパーテーションよりシンプルなつくりです。施工時間が比較的早い、というメリットもあります。標準的なタイプには、不燃性はありません。しかし、近年、パネルの芯材に不燃コアをつかった、不燃認定された製品も出ていて、人気があります。

 

〈スチールパーテーション〉

●名称:スチールパーテーション
●高さ:床から天井まで(天井付近はオープンも可)
●設置場所:床から天井
●素材:スチール
●設置方法:工事が必要

 

不燃性と防音性を求めるなら、スチールパーテーションが適しています。支柱を2枚のパネルで挟み込む構造のため、見た目もすっきり、スマートな印象です。スチールパーテーションのパネルには、防音効果や断熱効果が期待できる、石膏ボードが裏打ちされています。

 

〈ガラスパーテーション〉

●名称:ガラスパーテーション
●高さ:天井まで(天井付近はオープンも可)
●設置場所:床から天井
●素材:アルミまたはスチールの枠、ガラス
●設置方法:工事が必要

 

ガラスパーテーションは、アルミやスチール製の枠に、ガラスをはめ込んだパーテーションです。スタイリッシュでデザイン性があり、エントランスや会議室でよく利用されます。ガラスは透過性や採光性があり、個室をつくっても、明るく広々とした印象になります。また、ガラスパーテーションを使用することで、ガラスの持つクリーンなイメージが、企業の透明性や、コンプライアンス体制を、印象付けてくれる効果も期待できます。

 

〈スライディングウォール〉

●名称:スライディングウォール、移動間仕切り
●高さ:天井まで
●設置場所:床から天井
●素材:アルミ鋼板またはスチール、ガラス
●設置方法:天井へのレール設置工事と、パネルの吊り込み作業が必要

 

スライディングウォールは、レールに沿って簡単にパネルを動かせる、移動式のパーテーションです。天井にレールを設置し、パネルを吊っています。空間を、大きくひと部屋で使ったり、2部屋に分けて使ったり、有効利用できることがメリットです。スライディングウォールは、受注生産品で、ほかの施工型パーテーションより、納期や費用がかかります。しかし、天井の高さが同じ場所なら、移設は可能です。

 

パーテーションのレイアウト事例

次に、レイアウト事例と、それぞれのレイアウトに向いている、パーテーションの種類をご紹介します。

 

直線レイアウト

直線レイアウト

直線のレイアウトには、施工型パーテーションが向いています。安定脚などの出っ張りがなく、狭い空間でもじゃまになりません。ローパーテーションの場合は、連結できる長さが決まっていたり、途中に、安定脚や補助パネルを入れたりなど、制約があります。メーカーや製品にもよりますが、直線に連結できるパネルは3枚、おおよそ、3m60cm程度までとされています。

 

L字レイアウト

卓上タイプや置き型では、転倒防止のために、短い辺と長い辺のバランスに制約があります。一般的には、長辺に対して、短辺は1/3以上の長さが必要です。短辺の端を固定することも推奨されています。

 

ローパーテーションでは、L字を左右2つ合わせて、半個室のミーティングスペースをつくる場合もあります。

L字レイアウト

 

施工型パーテーションの場合は、建物の壁面をつかって、個室をつくることが多いでしょう。

L字レイアウト2

 

T字レイアウト

T字レイアウト

卓上タイプには、T字型の製品が多くあります。また施工型パーテーションや、ローパーテーションでは、2つのコーナーや、2部屋をつくる際に、T字レイアウトが活用されます。ローパーテーションは、片側の辺が短いと、倒れやすくなるため、なるべく、床や壁に、しっかり固定しましょう。

 

コの字

コの字レイアウト

比較的、安定感のあるレイアウトです。しかし、L字やT字と同様に、バランスが悪いと、倒れる可能性もあります。端は、固定すると安心です。また、コの字で個室をつくるケースもあります。窓面を利用して、コの字レイアウトにする場合、ローパーテーションでは、窓際に、隙間ができます。しかし、施工型パーテーションなら、窓の方立(柱)などを利用し、しっかりと部屋を塞ぐことが可能です。

 

H型レイアウト

卓上タイプや、置き型に適したレイアウトです。アクリルパーテーションでも、H型は人気があります。ある程度の高さがあっても、安定感があることがメリットです。ローパーテーションでも、もっとも安全なレイアウトとされています。しかし、面数が増えるので、コストが掛かることがデメリットでしょう。

 

パーテーションのレイアウトで注意するポイント4つ

最後に、パーテーションのレイアウトで、注意するべき、4つのポイントを解説します。

 

■用途や目的にあったパーテーションを選ぶ

パーテーションには、たくさんの種類があります。用途や、目的に合うものを選びましょう。衝立タイプや、ローパーテーションは、バリエーションの豊富さや、手軽さに魅力があります。しかし、多くの人が通る場所に設置すると、安定脚がじゃまになることや、ぶつかって倒れる心配があります。人の往来が多い場所や、使用頻度の高い個室には、施工型パーテーションがおすすめです。

 

■パーテーション工事では、法令にも注意!

天井までの壁をつくる場合、消防法や、建築基準法といった、法令を遵守する必要があります。天井には、火災を早期発見するための感知器や、初期消火に役立つ、スプリンクラーなど、消防設備があります。間仕切りによって、感知できないエリアができたり、スプリンクラーの散水の障害になったりする場合は、移設や増設をしなければなりません。

 

また、建築基準法では、通路幅に規定があります。個室が片側にある通路は、1m20cm以上、両側にある場合は、1m60cm以上の幅が必要です。パーテーションを設置する際は、難しい法令をしっかり遵守するため、専門の業者に依頼すると安心です。

 

■オフィス環境が悪化しないかチェック

レイアウトの際は、オフィス環境への配慮も重要です。天井には、消防設備のほかに、空調や、照明器具なども、配置されています。間仕切ったことで、『照明が減って、暗い』、『個室に空調がなくて暑い』などの不満が発生すると、業務にも、支障が出る恐れがあります。労働安全衛生法のおいても、快適な作業環境を整えることは、事業者の努力義務とされています。間仕切る際は、空調や照明についても考慮しましょう。不足があれば、移設や増設の工事を手配してください。

 

■工事できる時間や、申請書類を早めに確認しよう

パーテーションの工事では、大きな音が発生します。組み立てに使用する道具は、主に、電動ドライバーです。フロア内に音が響き、業務中の場合は、電話の音が聞こえないなどの、支障が出る場合もあります。また、支柱やパネルを切る際には、さらに大きな音が発生します。賃貸オフィスの場合は、ほかの会社の迷惑になることや、搬入や施工ができる時間が、決められていることもあります。事前に、工事の申請が必要な場合も多いでしょう。パーテーション工事を検討するなら、管理会社などに早めに伝え、工事できる時間や、申請書類などを確認しましょう。

 

オフィスパーテーションのレイアウト事例と注意するポイント4つ【まとめ】

レイアウトに、パーテーションを活用する際は、なにより、安全に設置することが大切です。パーテーションには、卓上型、置き型、施工型があります。直線やL字のレイアウトには、施工型パーテーションが適しています。コの字やT字、H型は、どのパーテーションでも可能です。しかし、倒れてケガをする危険もあるため、できる限り、固定して下さい。また、パーテーション工事の際は、法令を遵守し、ビルの管理会社などに、早めに相談しましょう。

 

 

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