パーテーションや間仕切りは、オフィス空間を仕切ったり、視線を遮ったりという役割を果たします。仕切り方には種類があり、求める性能や用途によって、選ぶべき方法が異なります。そこで今回は、パーテーション・間仕切り等でオフィスを仕切るメリットと方法をご紹介し、選び方についても解説します。
パーテーション・間仕切りでオフィスを仕切る4つのメリット
パーテーションや間仕切りなどでオフィスを仕切る4つのメリットを解説します。
①集中力アップにつながる
パーテーション等で仕切ると、周囲の視線や雑音が遮られ、集中力アップにつながります。デスクの背後を人が通ったり、周囲が騒がしかったりすると、どうしても気が散ってしまいます。しかし、パーテーションや衝立でデスクを囲ったり、個室を作ったりすると、作業に没頭できます。仕切られた空間では、プライバシーの確保も可能になります。
②防音効果が得られる
パーテーションによっては、防音効果が得られます。オフィスは様々な音や声で溢れています。周囲で同僚が電話していたり、キーボードを打ったり、シュレッダーをかけたりしていると、落ち着いてミーティングや作業ができないこともあるでしょう。パーテーションのなかには、防音素材を使っているタイプがあり、静かな環境づくりに適しています。防音性の高い空間は、情報漏洩を予防し、セキュリティ対策にもなります。
③生産性アップも期待できる
周囲の雑音が軽減され、従業員の集中力が上がれば、生産性アップも期待できます。パーテーションなどでオフィスを仕切ると、執務スペースとミーティングスペース、休憩スペースなどがゾーニングできます。空間をしっかり分けることでメリハリがつき、作業効率も上がるでしょう。
④おしゃれな空間になる
パーテーションはデザイン性が高いものが多く、仕切ることで、オフィスがおしゃれな空間になります。一般的に、オフィスはシンプルで無機質なイメージになりがちです。しかし、ガラスや木目、コーポレートカラーなどを使ったパーテーションを設置すれば、明るくおしゃれな印象のオフィスになります。
パーテーション・間仕切りでオフィスを仕切る方法6つ
次に、パーテーションや間仕切りでオフィスを仕切る方法を詳しく解説します。間仕切り方は、施工型パーテーション、LGS造作壁、ローパーテーション、衝立、オフィス家具、カーテンの6種類です。
施工型パーテーション
施工型パーテーションは、パネルや支柱、レールといった部材で構成される、工事が必要なパーテーションです。最大の魅力は、一度設置しても、レイアウト変更や移転の際に解体して、ほかの場所に再設置できることです。素材などによって、スチールパーテーション、アルミパーテーション、ガラスパーテーション、スライディングウォールの4つに分類されます。
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スチールパーテーション
遮音性や不燃性に優れた、高性能なパーテーションです。エントランスや会議室、役員室など、本格的に仕切りたい場所に適しています。スチールパネルの裏側には石膏ボードが貼られ、裏表2枚で支柱を挟んだ中空構造をしています。パネルの厚みは6~8cm程度です。内部に空気層があることで断熱性が高まり、雑音や大きな声を遮る役割を果たします。
アルミパーテーション
アルミフレームのシンプルな構造で、スチールパーテーションより安価に仕切ることができます。施工時間も比較的短く、レイアウト変更の多いオフィスにも向いています。標準タイプのパネルの芯材は、ペーパーコアなどの軽量な素材です。一方不燃タイプは、不燃コアや難燃コアが使われています。パネルの厚みは5cm程度です。
ガラスパーテーション
パネル部分の一部や全体に、ガラスが使われているパーテーションです。ガラスには採光性や透過性があるため、オフィスを仕切っても、明るく開放感があります。エントランスやミーティングルームなど、来客スペースに向いています。ガラスをはめるフレームは、スチールやアルミ製で、スチールのガラスパーテーションの方が価格は高くなります。
スライディングウォール
天井のレールに沿って、パネルを動かせるパーテーションです。手動と電動のタイプがあります。パネルの素材は、軽いアクリルやポリカーボネート製、遮音性のあるスチール製などです。重量は素材によって異なります。場所に合わせた受注生産となり、大規模な工事も必要なため、費用は高くなります。
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LGS造作壁(ぞうさくかべ)
内装工事で作られる間仕切り壁です。直線だけでなく、曲線や波型など様々な形状に建てられ、表面仕上げに多様な素材が使えることが魅力です。もっとも一般的な仕上げ材は、クロス貼りです。ほかにも、塩ビシートや塗装、タイル、石などで仕上げられます。エントランスなど、デザインにこだわりたい場所に向いています。
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ローパーテーション
既製品のパネルや支柱を組み立てる、床置きのパーテーションです。表面は、カラフルなクロス仕上げやホワイトボード、木目柄など、豊富な種類から選べます。簡易的なミーティングコーナーやコピーコーナー、リフレッシュコーナーなどを作る際に適しています。L字やコの字、ロの字、安定脚を使えば直線にも設置できます。しかし、直線に連結できるのは3面までなど、レイアウトに制限があるので注意して下さい。
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衝立(ついたて)
衝立は、置くだけで設置できる、簡易的な間仕切りです。床置きタイプと、卓上タイプがあります。どちらも軽量で、床置きタイプには安定脚やキャスターが付いているため、簡単に移動できます。比較的安価で、手軽に導入できることも魅力です。
オフィス家具
キャビネット(収納)やプランターボックスなど、オフィス家具を使って仕切る方法もあります。本格的な壁を建てなくても、オフィス家具を置くことで、部署ごとに空間を分けたり、打ち合わせコーナーを作ったりできます。家具の高さは、1m20cm程度がおすすめです。座った状態で目線が隠れ、起立状態であればオフィスを見渡せます。
カーテン・アコーディオンカーテン
カーテンやアコーディオンカーテンを使う、簡易的な間仕切り方もあります。来客や打ち合わせの頻度が少なく、専用のミーティングコーナーを設けるほどではない場合に適しています。カーテンは、比較的安価で、不必要な時はたたんで端に収納できるというメリットがあります。しかし、防音性が低いことや、素材によっては、カビが生えたり、汚れたりしやすいことがデメリットです。
オフィスを仕切る方法6つの特徴一覧
ご紹介した6つの間仕切り方の特徴を一覧にしました。選ぶ際の参考にして下さい。
オフィスを仕切る方法6つ | |||||||
種類 | 施工型パーテーション | LGS造作壁 | ローパーテーション | 衝立 | オフィス 家具 |
カーテン・ アコーディオンカーテン |
|
スチール | アルミ | ||||||
防音性 | ◎ | △ | ◎ | × | × | × | △ |
不燃性 | ◎ | 〇 (不燃仕様) |
〇 (不燃仕上げ) |
○ (不燃仕様) |
× | △ | × |
デザイン性 | 〇 | 〇 | ◎ | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
安さ | × | 〇 | × | 〇 | ◎ | 〇 | 〇 |
移設可 | 〇 | 〇 | × | 〇 | ◎ | ◎ | △ |
オフィス用パーテーション・間仕切りの選び方
最後に、オフィスのパーテーションや間仕切りの選び方を解説します。
防音性の高さで選ぶ
オフィスの間仕切りに防音性を求めるなら、スチールパーテーションやスチール製のスライディングウォール、LGS造作壁がおすすめです。それぞれのパーテーションの内部には、防音素材である石膏ボードやロックウール、グラスウールなどが使われています。壁の厚みは6~13㎝になり、しっかりとした個室が作れます。
レイアウトによって選ぶ
レイアウトによっても、選ぶべきパーテーションが変わります。例えば、直線やL字に間仕切りたい場合は、安定脚を使わない、施工型パーテーションやLGS造作壁が向いています。なかでも、アルミパーテーションは、比較的安価で、移設可能なことがメリットです。
手軽さや安さで選ぶ
手軽さや安さなら、衝立やオフィス家具が向いています。衝立は安価で導入しやすく、空間に圧迫感を与えません。軽いため、簡単に動かせることも魅力です。仕切りに適したオフィス家具は、低いキャビネット(収納)やプランターボックスなどです。キャビネットは、書類や荷物を収納しながら間仕切りにもなり、空間を有効活用できます。片面で使う場合は、裏側もきれいに仕上がっているものを選びましょう。
まとめ
今回は、パーテーション・間仕切り等でオフィスを仕切るメリットと方法を紹介し、選び方も解説しました。オフィスを仕切ると、集中力や生産性アップが期待でき、種類によっては、防音効果が得られたり、おしゃれになったりします。オフィスの間仕切りは、施工型パーテーションやLGS造作壁のほか、ローパーテーションや衝立、オフィス家具、カーテンなどから選べます。導入の際は、防音性の高さやレイアウト、手軽さ、安さなど、重視するポイントを絞って選ぶようにして下さい。