内装工事で使用されるスタッドとは?種類や施工の流れを解説

内装工事で使用する、スタッドという材料をご存じでしょうか?工事で使用する材料は普段は目にしないものが多く、専門用語を使用しているため、スタッドを知らなくても不思議ではありません。そこでこの記事では、内装工事で使用するスタッドについて解説します。

 

【内装工事】スタッドとは?

スタッド

スタッドとは、壁や天井の下地となる軽量鉄骨(LGS)のことです。天井にピタリと這うように設置されている金属がランナーで、ランナーから垂直にぶら下がる、鉄板を折り曲げたようなC型の金属がスタッドです。これらを接続するボルトも含まれます。公共工事や建築工事などでは、JIS規格品のスタッドの使用を求められます。国家規格であるJIS規格品のスタッドには、次の5種類がありますのでご覧ください。

 

種類 スタッド(㎜) 許容高さ(m)
50形 50×45×0.8 2.7
65形 65×45×0.8 4.0
75形 75×45×0.8 4.0
90形 95×45×0.8 4.5
100形 100×45×0.8 4.5

参考:KIRIIチヨダウーテ株式会社

 

上記の表で紹介したスタッドですが、壁の高さによって、使用できるスタッドが異なります。ちなみに、主に使用されているのは、65形と100形です。50形のスタッドは、外部の壁に面する箇所に使用する前提のものです。

 

スタッドの種類

スタッドには、C型と角形の2種類があります。C型の方が使用する材料が多いため、施工に時間がかかるのが特徴的です。角形スタッドは、天井と床にランナーを固定し、固定したランナーにスタッドを差し込み組み立てていきます。最後に、ビスで留めれば完成です。C型スタッドでは使用する材料が増え、先程角形スタッドで紹介した材料のほかに、スペーサーと振れ止めが必要です。ちなみに、JIS規格品はC型スタッドのみです。

 

C型スタッドの特徴

公共建築工事共通仕様書で紹介している、公共建築工事標準仕様書や石膏ボード施工マニュアルでは、JIS規格品であるC型スタッドの使用を求められます。特に公共工事では、国土交通省監修である公共建築工事標準仕様書をもとに工事を進めるため、C型スタッドによる施工が必須です。つまりC型スタッドの1番の特徴は、公共工事や建築工事など幅広い現場で使用を求められることです。また、角型スタッドを使用できない現場はありますが、C型スタッドを使用できない現場はありません。ほかにも、C型スタッドには、JIS規格品という絶対的な安心感があります。

 

≫ 内装工事で行うボード張りのビスピッチには決まりがある【仕様書】

 

角型スタッドの特徴

角型スタッドの特徴は、次の4つです。

 

  1. C型スタッドに比べて商品価格、施工費用が安い
  2. C型スタッドに比べて短い時間で施工可能
  3. 配線を行いやすい
  4. C型スタッドに比べてサイズが豊富

 

角型スタッドを使用すれば、商品価格が安く、施工手順が少ないため、施工費用を抑えられます。また、施工手順が少ないため、短期間で設置が可能です。ほかにも、使用する部材が少ないため、壁や天井の中に行う隠(いん)ぺい配線を行いやすいのも特徴的です。しかし、角型スタッドにはJIS規格品がありませんので、JIS規格品の使用が求められる現場では使用できません。

 

内装工事でスタッドを使用する施工工程

内装工事でスタッドを使用する施工工程は、次の通りです。

 

  1. LGSの設置
  2. 石膏ボードの張り付け
  3. 配線
  4. 塗装・クロスによる仕上げ

 

それぞれの工程について詳しく解説していくので、ぜひご覧ください。

 

①LGSの設置

まず、壁や天井の下地にあたるLGSを設置していきます。墨出しを行ったあとに、ランナー、スペーサー、スタッド、振れ止めの順に設置していきましょう。最近では、施工費用が安いLGS下地の設置が主流です。木材のように、シロアリや腐食による被害もありません。こちらの記事でLGSの施工方法について詳しく解説していますので、気になる方はご覧ください。

 

≫【内装工事】LGSのピッチと施工方法について!規格も解説

 

②石膏ボードの張り付け

LGSによる下地を設置したら、石膏ボードを張り付けていきます。石膏ボードをLGSのスタッド部分に、ビスで確実に留めていきます。また、壁や天井の内部にグラスウールを敷けば、結露対策や断熱性の確保などが可能です。壁や天井にあたる箇所なので、確実かつスムーズに施工していきます。

 

③配線

電気やLNAケーブルなどの、配線も行います。現場によって配線する流れは異なりますが、一般的にはLGSの設置後に壁や天井の内部にケーブルを配線し、石膏ボードが張り付けられてから指定箇所にコンセントやスイッチなどを設置するための穴を空けます。余談ですが、電気屋さんは仮設電気の設置から仕上げの照明やスイッチの取付などを行うため、最初から最後まで現場にいることで有名です。

 

④塗装・クロスによる仕上げ

最後に、塗装やクロスによる仕上げを行えば完成です。どちらで仕上げるかは、お客さまの好みや要望によってかわります。クロスによる仕上げは、豊富なデザインや色から選べるのが特徴です。消臭や防カビ、抗菌機能などを持った、機能性の高いクロスも販売されています。塗装による仕上げを選べば、クロスとは異なる質感の仕上がりにすることが可能です。

 

≫【内装工事】ビニールクロス貼り替えの費用相場!種類と機能

 

短時間で設置できるパーテーション

スタッドを使用するLGSではなく、パーテーションによる間仕切り壁であれば、時間を短縮した設置も可能です。価格の安いアルミパーテーションや遮音性の高いスチールパーテーション、デザイン性の高いガラスパーテーションなど、お客様の要望に合わせて使用するパーテーションを選べます。また、当社では新品価格の約50%の価格で、中古パーテーションを販売しています。コストをかけたくないお客様でも気軽にパーテーションを設置できるので、気になる方はご連絡ください。

 

≫ガラスパーテーションとは?価格や使い方を解説【施工事例アリ】

 

内装工事で使用されるスタッドとは?種類や施工の流れを解説【まとめ】

この記事では、内装工事で使用するスタッドについて解説しました。スタッドにはC型と角型の2種類があり、施工工程を短縮できるのは角型スタッドです。しかし、C型スタッドは仕様書で使用を求められることが多く、使用できない現場がないため、使用する現場を選びません。スタッドを使用するLGSではなく、最短2日で納品できるパーテーションを設置するのもひとつの方法です。

 

 

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