小規模オフィスのレイアウト手引き|失敗しないためのポイント

小規模オフィスは、働きやすさと機能性を限られた面積の中で両立させなければなりません。適切なレイアウト設計ができていないと、作業効率の低下や従業員のストレス増加につながりかねません。本記事では、小規模オフィスならではのレイアウトの考え方や注意点、具体的な設計ポイントを分かりやすく解説します。

 

小規模オフィスのリフォームイメージ

小規模オフィスのリフォームイメージ

まず、小規模オフィスのレイアウトイメージを一挙に見ていきましょう。「どのようなデザインにできるのか」「どれがイメージに近いか」を確認してみてください。

 

<小規模オフィスのレイアウトイメージ例>

広さ オフィスイメージ 写真 概要
10坪 シックで落ち着きあるオフィス シックで落ち着きあるオフィス ■壁面にホワイトボードを設け、日常業務の整理から簡単なミーティングまでその場で対応可能

■作業と打ち合わせを切り替えやすい、実用性の高いオフィス

10坪 インスピレーションを刺激するカジュアルオフィス インスピレーションを刺激するカジュアルオフィス ■デスクチェアだけでなく、クッションやラフな座席も配置

■気分や作業内容に応じて場所を選べるため、限られた空間でも発想を広げやすい

10坪 素材感を活かしたレトロモダンオフィス 素材感を活かしたレトロモダンオフィス ■レンガや木材など素材の存在感が空間のアクセントに

■落ち着いた雰囲気の中で、気分を高めながら仕事に向き合えるオフィス

20坪 リラックスと交流を両立したカフェテイストオフィス リラックスと交流を両立したカフェテイストオフィス ■自然光を多く取り入れ、カラフルな内装が気分を明るくしてくれる空間

■テーブルやソファなど多様な居場所があり、交流が生まれやすい

20坪 集中力を高めるワークフォーカスオフィス 集中力を高めるワークフォーカスオフィス ■デスクを一列に配置し、視線が交わりにくいレイアウト

■周囲を気にせず、各自が作業に集中しやすい環境を整えている

30坪 木目の温もりを感じる上質モダンオフィス 木目の温もりを感じる上質モダンオフィス ■広い空間を贅沢に使い、木目と自然光のバランスを重視

■落ち着きと開放感を両立した、明るく心地よいオフィス

※紹介例のレイアウトや面積はイメージです。

 

面積やコンセプトによって、同じ小規模オフィスでも空間の使い方や印象は変わります。圧迫感を出さないように注意しながら、理想のレイアウトに近づけていきましょう。スムーズにレイアウト変更を進めるなら、専門業者に相談し、アドバイスをもらいながら進めるのがおすすめです。

 

≫オフィスのレイアウト変更を業者に依頼する流れと施工事例を紹介!

 

小規模オフィスのメリット

小規模オフィスのメリット

次に、小規模オフィスならではのメリットを解説していきます。

 

<小規模オフィスの主なメリット>

メリット 理由
レイアウトを柔軟に変えやすい ■小規模だからこそ意思決定が早い

■個人の要望も比較的反映しやすい

コストを抑えやすい ■テナント料・内装工事費・光熱費を抑制しやすい
統一感を出しやすい ■コンセプトを空間全体に反映しやすい
状況把握がしやすい ■従業員同士の距離が近く、情報共有が円滑
コミュニケーションが取りやすい ■声をかけやすく連携が取りやすい

 

小規模オフィスは、工夫次第で快適性と生産性を両立できます。特に統一感のあるレイアウトは、従業員の心理的負担が軽減しやすく、働きやすさの向上にもつながります。

 

≫小規模なオフィスをレイアウトする際のコツや注意点を解説

 

小規模オフィスにおけるレイアウトの注意点

小規模オフィスにおけるレイアウトの注意点

メリットがある一方、小規模オフィスには注意すべき点も存在します。

 

<小規模オフィスの主な注意点>

注意点 起こりやすい問題
作業スペースが狭くなりやすい ■業務効率や快適性が低下
収納不足になりやすい ■書類・備品があふれ整理しづらい
会議スペース不足 ■WEB会議や来客対応が難しい
圧迫感が出やすい ■精神的ストレスが蓄積
増員に対応しづらい ■人員計画の柔軟性が低下

 

これらはメリットの裏返しでもあります。事前に把握して、レイアウト設計時に適切な対策を講じていきましょう。

 

≫小規模オフィスを広くおしゃれに魅せるアイデア9選!

 

【必須】小規模オフィスのレイアウト前の確認事項

【必須】小規模オフィスのレイアウト前の確認事項

大前提として、小規模オフィスで最も重要なのは「人数に対して適切な面積を確保する」ことです。厚生労働省が定める事務所衛生基準規則では「従業員一人当たりに必要な気積は10m3以上」とされています。一般的な天井高2.5mのオフィスに換算すると、一人当たり4m2(1.21坪)以上が目安です。

※計算式:10m3÷2.5m=4m2

 

面積を確保できていない場合、圧迫感が生じ、作業効率の低下や集中力の欠如につながります。コストを抑えるために単純に面積を削るのではなく、人数に見合った広さの確保が重要です。

 

さらに、将来的に増員する可能性がある場合は、人数ぴったりではなく一定の余裕を持った面積を選びましょう。余裕のないオフィスは、人を増やすという選択肢そのものを失うケースもあるため注意です。

 

小規模オフィスのレイアウトポイント5選

小規模オフィスのレイアウトポイント5選

続いて、小規模オフィスならではのレイアウトのポイントを紹介していきます。大前提である「人数に見合った面積のオフィス」をクリアできているのを確認できたら、ポイントを押さえてレイアウト計画を練っていきましょう。

 

ポイント1.コンセプトを決める

まず、オフィス面積が広い・狭いに関わらず、コンセプトは最初に明確にしなければなりません。方向性が定まらないまま仕切りを設けたり、什器や設備を選んだりすると、空間が雑多になりやすいためです。

 

コンセプトとは、デザインイメージを言語化したものです。レイアウトの軸になる「〇〇なオフィス」をまず決めましょう。コンセプトが決まれば、内装のカラー、家具のデザインなどが決められ、統一感のあるオフィスに仕上げられます。

 

≫小規模オフィスのレイアウト手順!小規模ならではのポイントも紹介

 

ポイント2.ゾーニングする

コンセプトが決まったら、ゾーニングも丁寧に行いましょう。ゾーニングとは、執務・会議・収納・動線などを整理し、空間を役割ごとに分けることを指します。

 

家具などを配置する前に空間全体を役割ごとに区分けしておくと、無駄な動線や使いづらさを防げます。特に、使用できる面積が制限されやすい小規模オフィスほど、ゾーニングの良し悪しが使い勝手を左右すると言えます。

 

≫オフィスレイアウトにおけるゾーニングとは?考え方や事例を紹介

 

ポイント3.収納を考える

小規模オフィスでは収納計画も欠かせません。理由は、収納不足は散らかったオフィスにつながり、整頓されていないオフィスは従業員の作業効率を下げる可能性があるためです。とはいえ小規模オフィスでは、面積的に収納スペースも制限されやすいため、収納には工夫が必要なケースも多いです。

 

<収納の工夫例>

工夫 イメージ 概要
壁面収納を活用する 壁面収納を活用する出典:KOKUYO ■床面積を使わず収納量を増やせるため、圧迫感が出にくい

■視線の抜けを確保しやすく、小規模オフィスでも空間を広く見せやすい

収納と仕切りを両立させえる 収納と仕切りを両立させえる ■間仕切りと収納を兼用でき、スペース効率が高い

■視線を遮りつつ完全に閉鎖しないため、閉塞感を抑えやすい

背の高いキャビネットを間仕切りとして使う 背の高いキャビネットを間仕切りとして使う出典:OSAMARU ■収納とゾーニングを同時に実現できる

■壁を新設しないため、レイアウト変更にも対応しやすい

デスク下・足元収納を活用する デスク下・足元収納を活用する出典:IKEA ■個人の備品をデスク周りに集約でき、共用収納を減らせる

■動線を増やさず作業効率を維持しやすい

天井近くの上部空間を使う 天井近くの上部空間を使う ■使用頻度の低い物を収納でき、日常動線を邪魔しにくい

■床にものを置かないため、空間がすっきり見える

ペーパーレスにする ペーパーレスにする ■そもそも必要な収納量を減らす

■物理収納を最小限に抑える

 

さまざまな工夫がありますが、単に「収納を増やす」だけでなく「収納量そのものを見直す」視点も大切です。収納方法の工夫と合わせてペーパーレスなど、データの電子化を進めると、限りある面積をより効率的に活用できます。

 

≫オフィス移転はペーパーレス化に好都合!その効果と流れを解説

 

ポイント4.働き方に合わせる

企業にとって最適なレイアウトは、働き方によって異なります。面積によってはすべての希望を反映できない場合もあるため、働き方にあわせて優先順位を決めるのが大切です。

 

<働き方に合わせたレイアウトと考え方>

働き方 採用するレイアウト例 レイアウトの考え方
出社がメイン 固定席・十分なデスクサイズ ■日常業務の大半をオフィスで行う

→安定して作業できる固定席と作業スペースを優先する

ハイブリッドワーク フリーアドレス・席数削減 ■常時全従業員が出社しないため、固定席を設けるとスペースが無駄になりやすい

→固定席をなくし、フリーアドレスにする

→削減した面積をコミュニケーションスペースなど、他エリアに有効活用する

可変レイアウト ■出社人数が日によって変動する

→デスクや什器を移動しやすい構成にする

ミーティングスペース重視 ■出社の目的が個人作業よりも対話や意思決定になる

→執務席よりも打ち合わせスペースを優先する

少人数・多役割 多目的スペース ■一人が複数の役割を担う

→用途は固定せず、作業・打ち合わせ・軽作業を一つの空間で兼用できるスペースを作る

 

オフィス面積が制限されやすい小規模オフィスだからこそ「どんな働き方を実現したいのか」「何を重視したいオフィスなのか」を基準に、レイアウトの優先順位を決めましょう。

 

≫出社したくなるオフィスとは?メリットや具体的な方法を紹介

 

ポイント5.従業員に意見を聞く

そして、従業員の声を反映することも欠かせません。実際に使う従業員の意見を反映すると、日々の業務に合った使いやすいオフィスになりやすくなります。また、意見を聞き、反映しようとする姿勢そのものが、会社への信頼感や帰属意識を高めるきっかけにもなります。

 

例えば「出社時は、ミーティング以外の時間を静かに集中して作業をしたい」という声があれば、集中ブースを設けるといった具体的な対応が可能です。実際に著者が働いていた会社では、定期的な聞き取り調査を通じて従業員の要望を把握し、コーヒーメーカーなどの設備をスピーディーに導入していました。こうした取り組みは従業員の満足度を高め、出社への前向きな姿勢にもつながっていたと感じます。

 

小規模オフィスは比較的レイアウト変更がしやすいため、コンスタントに聞き取りを行い、従業員の希望を反映するよう心がけてください。

 

小規模オフィスにおすすめなデスクレイアウト

小規模オフィスにおすすめなデスクレイアウト

最後に、小規模オフィスにおすすめなデスクレイアウトを紹介していきます。小規模オフィスの面積は限られているため、スペースを無駄なく使えるデスクレイアウトを選ぶのがおすすめ。省スペースで配置しやすいのは「対向型」「同行型」「背面型」の3種が代表的です。

 

<小規模オフィスにおすすめなデスクレイアウト>

対向型 同行型 背面型
対向型 同行型 背面型
■デスクを向かい合わせで配置する

■対面しているためコミュニケーションがとりやすい

≫対向型の詳細はコチラ

■全てのデスクを同じ方向に配置する

■向かいの人と視線が合わないため作業に集中しやすい

≫同行型の詳細はコチラ

■背中を合わせて着席するようにデスクを配置する

■2列の机と1本の通路でレイアウトができるため、スペース効率が良い

≫背面型の詳細はコチラ

 

また、人数に対して広めなオフィスであれば「ブーメラン型」「クロス型」など、遊びのある配置も選択可能です。面積に余裕がないと「圧迫感を感じる」「椅子が引きにくい」「通路が狭い」などが発生しやすいため、注意してください。

 

ブーメラン型とクロス型のレイアウト▼

ブーメラン型とクロス型のレイアウト

≫ブーメラン型レイアウトのメリット!手順やスペース確保術も解説

≫クロス型(卍型)レイアウトとは?メリットデメリットや注意点を解説

 

デスクレイアウトを決めたら、収納やパーテーションを組み合わせて、オフィス空間を整えていきましょう。

 

≫オフィスにおけるデスクの基本レイアウト9選!運用方法も解説!

 

小規模オフィスはスペースを最大限に有効活用しよう!

小規模オフィスはスペースを最大限に有効活用しよう!

小規模オフィスは、特にスペースの最適化が大切です。限られた面積の中で「何を実現したいオフィスなのか」を明確にし、機能や配置を取捨選択することが重要です。

 

すべてを詰め込むのではなく、働き方や業務内容に合った優先順位を決めると、使いやすく生産性の高い空間を作りやすくなります。また、ゾーニングやデスク配置や収納などを工夫することで、小規模でも快適なオフィスは実現可能です。

 

当社は、多くの企業さまにレイアウト提案をさせていただいております。もちろん、レイアウト決定後の内装工事も承れますため、レイアウトに迷った際はぜひお気軽にお問い合わせください。

 

 

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