働き方改革やテレワーク定着で注目を集めるコワーキングスペースですが、実際にどのような場所で何ができるかわからない方も多いです。本記事では、コワーキングスペースの特徴や利用方法、メリット、効果的な活用のコツまで詳しく解説します。
コワーキングスペースの特徴
コワーキングスペースとは、複数の利用者が同じ空間を共有しながら業務に取り組めるワークプレイスです。また、フリーランスや個人事業主、起業直後の少人数チーム、テレワーク中の従業員などが主な利用層で、事業立ち上げ期や少人数フェーズに特に向いている形態です。
コワーキングスペースの例▼
出典:WeWork 丸の内北口
コワーキングスペースは、デスクや椅子、Wi-Fi、電源、複合機といった業務に必要な設備があらかじめ整っており、契約後すぐに作業を開始できる点が大きな特徴と言えます。また、コワーキングスペースでは他にも利用できる設備があり、主なものは以下の通りです。
<コワーキングスペースで利用できる主な設備と概要>
| 設備・サービス例 | 概要 |
| 高速Wi-Fi | ■業務に支障のない通信速度を確保
■セキュリティ対策済の専用回線が一般的 |
| 電源コンセント | ■各席に電源を完備
■長時間のPC作業にも対応 |
| 複合機・プリンター | ■印刷・スキャン・コピーが可能
■月内枚数制限がある場合もあり |
| 会議室 | ■別料金または時間単位で予約利用
■Web会議用個室ブースを備える施設も多数 |
| フリードリンク | ■コーヒーや紅茶、ウォーターサーバーなどを無料提供(利用料に込) |
実際に使える機能を把握したうえで、自分の働き方に合った施設を選びましょう。
コワーキングスペースとの違いに迷う言葉
コワーキングスペースと混同されやすい言葉に「シェアオフィス」と「レンタルオフィス」があります。これら3形態には業界全体で統一された厳格な定義は存在しないものの、一般的に共通認識とされている特徴や違いはあります。ここでは、それぞれの代表的な特徴とコワーキングスペースとの違いを解説していきます。
シェアオフィス
シェアオフィスとは、1つのフロアや部屋を複数の事業者で共有して利用するオフィス形態です。共有のオープンスペースに加えて、パーテーションや半個室で区切られた専有エリアが混在する構成が一般的で、コストを抑えつつ業務集中環境を確保したい個人事業主や小規模事業者に選ばれやすい形態と言えます。
<コワーキングスペースとシェアオフィスの違い>
| 比較項目 | コワーキングスペース | シェアオフィス |
| フロアの使い方 | 仕切りのないオープン空間を全員で共有 | 共有エリアと半個室・パーテーション席が混在 |
| 利用目的の傾向 | 交流・協業・コミュニティ形成 | 業務集中・コスト効率 |
| 個室の有無 | 基本なし(Web会議ブースのみ) | 半個室や仕切り席を備える施設が多い |
| 契約形態 | ドロップイン〜月額まで対応 | 月額契約が中心 |
| こんな人におすすめ | 人脈構築したいフリーランス・起業家 | 静かに作業したい個人事業主・小規模事業者 |
レンタルオフィス
レンタルオフィスとは、業務設備が予め整った専用個室を月単位で借りる貸事務所の総称です。一般社団法人日本レンタルオフィス協会では、レンタルオフィスを“小規模企業向けとして、使いやすく保証金などの契約コストも低いオフィス”と位置付けています(引用:一般社団法人日本レンタルオフィス協会)。
一方コワーキングスペースは「共有のオープンスペースで席を使う権利」を契約する形態であり、レンタルオフィスのように「個室そのものを専有して借りる」点とは根本的に異なります。月額費用もコワーキングスペースの方が明確に安く、レンタルオフィスは立地によっては10万円を超えるケースも珍しくありません。主な違いは下表にまとめましたので、参考にしてください。
<コワーキングスペースとレンタルオフィスの一般的な違い>
| 比較項目 | コワーキングスペース | レンタルオフィス |
| フロアの使い方 | 共有のオープンスペースで席を使う | 鍵付き専用個室を1区画専有して借りる |
| 独立性・セキュリティ | 低(他利用者と空間共有) | 高(自社専用区画で施錠可) |
| 法人登記の可否 | 一部の施設で可(オプション) | ほぼ全施設で可 |
| 月額費用の目安 | 月5,000〜30,000円程度 | 月50,000円〜10万円超 |
| 来客対応 | 共用ラウンジ等で対応 | 専用個室内で直接対応可能 |
| こんな人におすすめ | 流動的な働き方を好む個人・小規模チーム | 機密性・来客対応・拠点としての信用度を求める事業者 |
なお、3形態の境界線は曖昧で、1つの施設内に専用個室・半個室の固定席・オープンな共有席を併設するハイブリッド型も増えています。施設選びの際は名称ではなく、実際の空間構成や設備を確認することが重要です。
コワーキングスペースの利用方法
コワーキングスペースの利用方法は、大きく分けて「月額会員」と「ドロップイン」の2つが主流です。月額会員は定額で一定期間自由に利用できるプラン、ドロップインは時間単位や1日単位で必要な分だけ利用できるプランが一般的です。
<コワーキングスペースの利用方法別・料金相場目安>
| 利用方法 | 料金相場目安 | 特徴 | 向いているケース |
| ドロップイン(時間制) | 1時間300〜700円 | 受付するだけで即利用可能 | 出張・外出先での一時利用 |
| ドロップイン(1日制) | 1日1,000〜3,000円 | 当日中の出入り自由 | 終日作業を行いたい日 |
| 月額会員(地方) | 月10,000〜20,000円 | 固定席や24時間利用可の場合あり | 週数回以上の定期利用 |
| 月額会員(首都圏) | 月15,000〜30,000円 | 法人登記等オプション多数 | 拠点として継続利用 |
| 法人登記オプション | 月3,000〜10,000円 | 月額プランへの追加契約 | 起業・登記住所が必要な場合 |
事業フェーズや目的に合わせて柔軟に組み合わせられる点が、従来の賃貸オフィスにはない強みと言えます。
コワーキングスペースを利用するメリット
続いて、コワーキングスペースを利用する主なメリットを解説していきます。
メリット1.オフィス費用が削減できる
コワーキングスペースを利用すれば、自社オフィスを構える場合と比較して大幅な費用削減が可能です。
一方コワーキングスペースのフリーアドレスプランなら、月額1〜3万円程度で同等の業務環境を確保できるのが相場と言われています。さらにオフィス賃料は粗利の10〜20%以内が適正とされており、創業初期や少人数フェーズでは固定費の最小化が経営の安定に関わります。
メリット2.充実したオフィス機能が利用できる
コワーキングスペースには、業務に必要な設備があらかじめ揃っています。設備例は以下の通り。
<コワーキングスペースの主な設備>
- 電源
- 複合機
- 会議室
- 高速Wi-Fi
- モニター
- ロッカー
- Web会議用個室ブース
自社で揃えれば数十万円規模の初期投資が必要な機能を、月額利用料の中で使い放題です。家具の購入や通信回線の契約手続きも不要なため、契約初日から業務に集中できます。
メリット3.多様な働き方に対応できる
国土交通省「令和6年度テレワーク人口実態調査」によると、雇用型テレワーカーの割合は全国で24.6%、首都圏では約4割の水準を維持しています。また、週1〜4日のハイブリッドワークが定着傾向にあり、出社とテレワークを組み合わせる柔軟な働き方が標準となりつつあります。
そのような中、コワーキングスペースは、自宅作業の合間の利用や出張先での一時利用など、多様なシーンに対応可能な働き方を実現する受け皿として機能しています。コワーキングスペースをはじめ、会社以外でも働ける場所の増加は、このような背景から増えていると言えます。
≫オフィスワークとテレワークの違いは?メリットデメリットを解説
メリット4.業界関係なく交流できる
コワーキングスペースの大きな特徴は、異なる業界・職種の利用者が同じ空間で働く点にあります。仕切りのないオープン空間に共有ラウンジやカフェスペースが設けられた空間設計のため、利用者同士が自然と顔を合わせやすく、業種の垣根を越えた交流が生まれやすい構造なのが一般的。
メリット5.清掃や管理いらない
自社オフィスを運営する場合、清掃・備品補充・設備メンテナンスは大きな負担になりかねません。給湯室の補充をしたり、ゴミ出しを行ったり、複合機のトナーを交換したり…。
メリット6.セミナー参加でスキルアップできる
多くのコワーキングスペースでは、ビジネススキル向上を目的としたセミナーや勉強会が定期的に開催されています。マーケティング、税務、法務、最新IT技術など、テーマは幅広く、利用者特典として無料または割引価格で参加できる場合が大半です。
コワーキングスペースの注意点を踏まえた効果的な活用術
コワーキングスペースは便利な反面、共有空間ゆえの注意点も存在します。事前に注意点を把握し、適切な対策を講じることで、快適に業務を進められる環境を整えられます。ここでは代表的な4つの注意点と、それぞれに対する効果的な対策を紹介していきます。
コツ1.周囲の音や話し声対策をする
コワーキングスペースは不特定多数の利用者が出入りするため、電話や雑談、キーボードの打鍵音などが気になりやすい注意点があります。集中して作業を進めたい場面では、こうした環境音が大きなストレスとなる可能性があります。
そのため、事前に施設内の静音エリアやブースの位置を把握しておき、当日スムーズに対応できるようにしておきましょう。
≫オフィスの防音対策について解説!具体的な方法や対策事例を紹介
コツ2.作業スペースを確保する
人気のコワーキングスペースでは、ピーク時間帯(午後など)に席が埋まり、希望のスペースが確保できない場合があります。フリーアドレス制の場合、特に窓際席や電源完備席は早い時間帯から埋まる傾向があります。
対策として、午前中の早い時間帯に入室する、もしくは予約システムがある施設を選ぶ方法が効果的です。固定席プランに切り替えれば、毎回席探しに時間を取られる心配もなくなります。利用頻度が週3日以上であれば、固定席への切り替えも検討するのも一手です。
コツ3.情報漏洩対策をする
共有空間で業務を行うため、PC画面の覗き見や会話内容の漏洩リスクは避けられないのも事実。機密情報を扱う業務では、特に慎重に対応をしてください。
なお、離席時は必ずPCをロックする、PCは常に持ち歩くなど、自身の持ち物はしっかり自己管理しましょう。
コツ4.空調対策をする
共有空間の空調は、利用者全体の平均的な体感に合わせて設定されているため、個人によっては寒すぎたり、暑すぎたりと感じる場合があります。長時間の作業では、体調に影響しかねません。
コワーキングスペースから自社オフィスへ移行するタイミング
コワーキングスペースは事業立ち上げ期や少人数フェーズに最適ですが、事業拡大に伴い自社オフィスへの移行が必要となる局面が訪れます。具体的な移行検討のタイミングは下記の通りです。
<事業拡大に伴い自社オフィスへの移行するタイミング例>
- 従業員が増えて常時席が確保できなくなったとき
- 採用活動・ブランディング面で自社オフィスが求められるとき
- 月額利用料が自社オフィス賃料を上回るほど割高になったとき
- 来客対応の頻度が高まり、専用応接スペースが必要になったとき
- 機密情報を扱う業務が増え、セキュリティ面で不安が出てきたとき
コワーキングスペースから自社オフィスへ移行する場合は、移転にあわせてレイアウト設計やパーテーションを用いたエリア分けなどが必要になるケースが一般的です。
≫セットアップオフィスとは?居抜き・他オフィスサービスと一挙比較!
特に費用を抑えたい場合や今後の人数増減によってレイアウト変更を前提とするケースでは、LGS造作壁ではなく施工型パーテーションを使って簡易的に区画分けする選択肢もあります。
パーテーションを用いた区分け例▼
当社ではデザイン設計からレイアウト関係の工事全般を承っているため、移行をご検討の方は、ぜひお気軽にご相談ください。
≫事務所・オフィスの内装工事の費用や種類!おしゃれな施工例も紹介
コワーキングスペースを効果的・戦略的に活用しよう!
本記事では、コワーキングスペースの特徴・シェアオフィスやレンタルオフィスとの違い・利用方法と料金相場・利用するメリット・効果的に活用するコツ・自社オフィスへの移行タイミングまで幅広く解説しました。
当社では、施工型パーテーションの設置・撤去から内装工事、オフィス移転業務、電気工事まで一貫対応が可能です。コワーキングスペースからの移行に伴うレイアウト設計・エリア分け・会議室の造作など、ご依頼内容に応じて柔軟にご提案いたします。移転をご検討の際は、ぜひお気軽にお問い合わせください。











