内装仕上げ工事とは?業者の選び方と施工に必要な資格も解説

内装仕上げでは、どのような工事を行うかご存じですか?内装仕上げに携わった経験がないと、どのような作業をするかわかりにくいと思います。そこでこの記事では、内装仕上げ工事の内容や施工業者の選び方、必要な資格について解説していきます。

 

【内装工事】内装仕上げ工事とは?

内装工事とは?

内装仕上げ工事(内装工事)とは、パーテーションを活用して部屋を作ったり照明器具を設置したりして建物の内部を使用できる状態にするために行うものです。仕上がりによって、快適に過ごせたりお客様に好印象を与えたりできる空間になります。オフィスではOAフロアの設置やIP電話、ネット回線を使用できるようにするためのLAN工事、店舗ではカウンターの造作工事、食洗器やシンクの設置などの水まわり工事など、利用方法や業態などによって工事内容が変わります。内装仕上げ工事と内装工事では言い方が違うために異なる内容の工事だと思うかもしれませんが、基本的に違いはありません。しかし店舗では内装仕上げ工事だと設備工事が含まれず、内装工事に電気やガスなどの設備工事が含まれるといった違いがあります。

 

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内装仕上げ工事の9つの内容

内装仕上げ工事の9つの内容を解説します。それぞれの内容を見出しで詳しく紹介します。

 

  • インテリア工事
  • 天井仕上げ
  • 壁仕上げ
  • 間仕切り
  • 床仕上げ
  • たたみ
  • ふすま
  • 什器・大工
  • 防音

 

①インテリア工事

インテリア工事では、カーテンや手すり、照明器具などの設置を行います。例えばカフェや居酒屋などにスポットライトを設置すれば、お洒落なイメージを与えられるでしょう。このとき、オレンジ色の電球色を取り入れると落ち着いた雰囲気を演出できます。反対に、集中して作業を行いたいような場所では(オフィスやコワーキングスペースなど)、明るさのある昼白色や昼光色を取り入れるのがおすすめです。このように照明器具ひとつとっても与える印象が変わるため、インテリア工事は居心地の良さやお客様からの印象に直結する重要な工事です。

 

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②天井仕上げ

天井仕上げには、在来工法天井(ざいらいこうほうてんじょう)やシステム天井、スケルトン天井などの種類があります。在来工法天井はLGS(軽天)で作った下地に石膏ボードやジプトーンなどを張り、塗装を塗ったりクロスを張ったりして仕上げる、店舗やオフィスでよく見られる手法です。システム天井は吊りボルトでLバーやBバーを吊り、天井をはめ込みます。ライン型とグリッド型があり、グリッド型は格子状(こうしじょう)に組んでいるのが特徴で、ライン型は照明がライン上に配置されているのが印象的です。また、在来工法天井とシステム天井のどちらも、吊り天井と呼ばれています。スケルトン天井は天井材を取り払い、躯体(コンクリート)がむき出しになっている状態の天井のことをいい、おしゃれで開放的な空間を演出できます。天井仕上げではこれらの手法を駆使して、理想とする空間に近づけていきます。

 

③壁仕上げ

壁仕上げでもLGSで作った下地に石膏ボードを張り、クロスや塗装で仕上げていくのが基本です。住宅でもよく使用されているクロスは、豊富なカラーバリエーションとデザインのものがあり、低価格で施工できます。アクセントとして、木目調やタイル調のクロスを使用するとお洒落な空間に仕上げられます。塗装を選択すると、ペンキ特有の独特なお洒落な空間を演出可能です。ほかにも、調湿効果のある漆喰(しっくい)や高級感を演出できるカラーガラスなどを選択するのもいいでしょう。

 

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④間仕切り

間仕切りは、新たな部屋を作るために欠かせないものです。石膏ボードを使用したりパーテーションを活用したりして、オフィスでは会議室や執務室、店舗では個室やバックヤードなどを作ります。多くの店舗やオフィスで用いられている造作壁(LGSや木材などの下地に石膏ボードを張るイメージ)は、周囲に音が漏れにくいのが特徴です。造作壁で仕上げると仕上げの種類も豊富(クロスや塗装、タイルなど)ですが、複数の工程が必要になるので設置に時間がかかります。パーテーションを使用すれば施工時間やコストを抑えられるものの、遮音性に劣ります。また、曲線の壁を作ることもできません。しかし、レイアウト変更で一部を解体して間取りを変更したり、移転のさいに解体して再利用するなど状況に合わせて柔軟に使用できます。このようにそれぞれにメリットとデメリットがあるので、利用方法や予算などを考慮して選ぶのがおすすめです。

 

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⑤床仕上げ

床仕上げ材は、オフィスではタイルカーペットやフロアタイルなど、店舗ではフローリングやクッションフロアなどがあります。オフィスで使用されるタイルカーペットやフロアタイルは、OAフロアの仕上げ材として使用されています。タイルカーペットは遮音性や保温性に優れており、部分的に外せるため汚れた部分を取り換えたり洗ったりするのが容易です。フロアタイルはデザイン性に優れており、天然素材を使用するより楽に手入れできます。店舗で使用されるフローリングは、調湿効果があり経年劣化によって深みのある色に変化していきます。より簡単に施工できるクッションフロアには、汚れにくい防汚機能のついているものや防臭機能がついているものなど、機能性を高めたタイプも販売されています。

 

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⑥たたみ

オフィスや店舗にたたみを導入するのもいいでしょう。とくにオフィスでは、たたみを使用するイメージが湧かない方もいるかもしれませんが、実際に導入しているケースもあります。たたみは原料である草の匂いにリラックス効果があり、断熱性に優れているため床下から上がってくる冷気をシャットアウトできるというメリットがあります。設置例を挙げると、社員が休憩するリフレッシュスペースを和室にし、社員がくつろげる空間を作るのもいいでしょう。ほかにも少人数で会議する空間にたたみを導入し、絵画や盆栽を飾るのもいいと思います。海外のお客様の訪問時に和室に案内すれば、お互いの緊張がほどけ、近い距離間で会話できるかもしれません。ほかにも旅館の和室、飲食店の小上がりなど、たたみを活用するケースがあります。

 

⑦ふすま

たたみを導入したなら、同時に和室の定番であるふすまの導入を考えてみるのもいいでしょう。ふすまは簡単に取り外しができるため、暑い夏は取り外して風の通りがいい涼しい空間にしたり、寒い冬はふすまを閉めて暖房効果を高めたりできます。また、ふすまにはふすま紙(ふすまがみ)を張りますが、大きく和紙と織物(おりもの)に分類できます。ふすまに和紙を張ると断熱効果で冬にはより暖かく、夏には吸湿効果を発揮し湿気を吸い込みます。織物のふすまは、施工時にシワになりにくいのが特徴です。このような特徴を考慮しながら、オフィスやホテルの和室にふすまを導入するのもいいでしょう。

 

⑧什器・大工

オフィスや店舗では、什器(じゅうき)・大工工事などで書庫や食器棚、収納棚などを作成します。ちなみに什器は什器屋さんが工場で制作したパーツを搬入し現場で組み立てることを指し、大工工事は大工さんが現場に搬入した材料を加工し、寸法を合わせて加工・制作することです。大工工事の方がコストが掛からない傾向がありますが、大工さんの技量によって出来が左右されます。什器はコストがかかるものの、工場で緻密なプランを練り作成されていますので、イメージ通りのものを作成してくれるでしょう。

 

⑨防音

防音工事とは、屋外の騒音を聞こえにくいようにしたり屋内の音が外に漏れないようにするものです。例えばオフィスでは、室内の音を外に漏れにくくすることで情報漏えいのリスク軽減を見込めます。また外の音を聞こえにくくすることで、より作業に集中できるようになるでしょう。ほかにもスポーツ教室やライブハウス、カラオケなどでは、防音工事を行わなければ周辺店舗や近隣住人とのトラブルに発展してしまう可能性があります。

 

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内装仕上げ工事業者の種類

内装仕上げ工事業者を選定するときは、次の4つから選択するのがおすすめです。

 

  • リフォーム会社
  • デザイン会社
  • 工務店
  • インテリアショップ・家具メーカー

 

それぞれ価格や施工範囲、特徴などが異なるので、工事内容やご自身の要望に合わせた会社を選ぶといいでしょう。

 

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①リフォーム会社

リフォーム会社は、店舗や住宅のリフォームを専門としている会社です。自社で施工したり専門業者に業務を依頼するなど会社によって行える工事範囲に違いがありますが、クロスの張替えやパーテーションの設置、照明交換などのような工事を行います。リフォームに関する知識が豊富で、主に現場での対応力に優れているのが特徴です。しかし住宅のリフォームを得意としていて、店舗やオフィス工事の経験がなく不得意としている会社もあります。ですから工事依頼の前に、依頼予定の会社の実績を確認し、依頼する工事の実績があるか確認しておくといいでしょう。またリフォームを専門としているリフォーム会社は、新築工事の経験がない可能性があります。

 

②デザイン会社

デザインやオリジナル性の高い内装を求めるなら、デザイン会社に依頼するのがおすすめです。デザインを専門としているので、事業のコンセプトに合ったデザインを作成してくれます。例えば飲食店の場合、調理を行いやすい導線づくりやお店のコンセプトに合った内装を提案してくれます。より高いクオリティーの内装デザインをしてくれますが、デザイン料が発生し、デザイン作成後に施工会社を探さないといけない場合もあるので工期が長くなる恐れがあります。ですから工事を行う前に、価格や施工会社を手配してくれるかどうかといった点を確認しておくといいでしょう。

 

③工務店

工務店は地域密着型の会社が多く、ハウスメーカーよりも工事の自由度が高いのが特徴です。ハウスメーカーではあらかじめ用意されているプランや設備から選択するのが一般的ですが、工務店では好みに合わせて自由に材料や設備を選択可能です。またハウスメーカーに依頼するよりも、低価格で工事を行えます。しかし、デザインや設計を苦手としている会社もあります。

 

④インテリアショップ・家具メーカー

家具を販売しているインテリアショップや家具メーカーのなかには、リフォームを手掛けている会社もあります。ショップの家具と統一し、価値観や世界観を内装にも取り込みたい方におすすめです。価格は高い傾向にあり、できることの幅が狭い可能性があるので、事前に打ち合わせ行い価格や施工範囲を確認しておくといいでしょう。簡易的な店舗リノベーションや好きなインテリアで統一したい方におすすめです。

 

内装仕上げ工事の工期

作業内容や会社によって大きく異なりますが、店舗全体の大がかりや内装リノベーションだと3〜6ヶ月くらい、部分的なクロス張りだと1週間くらいで完工できます。しかし、これはあくまでおおまかな目安なので、実際に工事に入る前に業者に工期を確認するのがいいでしょう。また工期を確認していても、スケジュール通りに完工されないケースも考えられます。そのため事前に工程表や引き渡し日の日程などを確認し、不安を感じた場合はその都度業者に確認してみるといいでしょう。

 

内装工事に必要な資格

内装工事に必要な資格は、主に次のようなものがあります。

 

資格 詳細
建築施工管理技能士 1〜2級まである国家資格。合格率は30〜40%。保有していると大規模工事を行っている元請会社に転職できる可能性あり。
建築士 設計や工事を管理するために必要な資格で、合格率は10〜30%。ゼネコンや内装工事業者、設計事務所などに転職可能。
内装仕上げ施工技能士 国家資格の技能検定。1〜3級まである。
電気工事士 1〜2級まである国家資格。電気工事を行えるようになる資格。

 

クロスを貼ったり大工工事を行ったりするだけなら、特に必要な資格はありません。しかし建築工事を請け負うためには、建設業法に基づいた「建設業の許可」を受ける必要があるので注意が必要です。

 

内装仕上げ工事とは?業者の選び方と施工に必要な資格も解説【まとめ】

この記事では、内装工事について解説しました。内装仕上げ工事にはたくさんの種類があるので、そのなかから必要な工事を行う必要があります。依頼する業者にもそれぞれ特徴があるので、事前に打ち合わせを行い、施工可能か確認するといいでしょう。

 

 

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