OAフロア選びのポイントを解説!JAFA認証マークにも注目

オフィスにOAフロアを導入したいと考えている方は多いです。しかし各メーカーから様々な製品が販売されており、どれを選べばいいかわからない方も多いのではないでしょうか。そこで、この記事では、OAフロアの選び方やおすすめのメーカーなどについて解説していきます。

 

OAフロアとは?

OAフロア

OA(オフィスオートメーションの略)フロアは、建物の床に敷き空間を作ることで配線ルートを作り出すものです。作り出した空間を利用してVVF(電気ケーブル)やLANケーブルなどを配線し、電気やネット、電話などを利用できるようにします。例えば電気を利用できるようにするためには、大元となる分電盤からVVF(VAとも呼ばれる)を配線し、OAタップやコンセントなどに繋ぐ必要があります。前提として、パソコンやHAB(ハブ)は基本的にOAタップから電源を確保するため、デスク周辺にOAタップを設置しなければなりません。そのため、必然的にデスク周辺で必要になりますが、VVFを床上に露出した状態でデスク周辺まで配線すると、オフィスがケーブルだらけになり見た目が悪くなります。

 

見た目の悪さを解消し、スッキリしたオフィス空間を作り上げるため、床下に隠ぺい配線できるOAフロアを活用する方法が有効です。ちなみに、OAフロアをフリーアクセスフロア(フリアク)や二重床と呼ぶこともあります。

 

OAフロアを設置するメリット

OAフロアを設置するメリットは、配線を隠ぺいし見た目を綺麗にするだけではありません。一例を挙げると配線を床下に隠ぺいすることで、ケーブルやモールに足を引っかけて転倒する恐れがなくなります。また、床上からケーブルやモールがなくなるので、清掃を行いやすくなるのもメリットです。ほかにもモールを踏み破損する恐れもなくなるので、オフィスを綺麗に保ちやすくなるでしょう。著者が過去に入った現場の中には床上モールを使用しているオフィスもありましたが、よく見るとモールが破損しており、見た目がいいとは言えないような状況でした。

 

ほかにもレイアウト変更を行いやすくなるのが、OAフロアを設置するメリットです。例えば、複合機の設置場所を変更したいとき、OAフロアを設置していれば、パネルを剥がすだけでOAタップやLANケーブルの位置変更ができます。パネルを剥がせば、必要な場所からケーブルの位置を変更できるので、複合機を移動できる幅(自由度)が高くなるのです。

 

仮に壁の中に配線している場合は、配線変更が困難です。壁から出ている範囲でしかケーブルを移動できないため、ケーブルの長さが足りないことが多くあります。壁を取り外せば配線変更できますが、クロスを張り替えなければいけなくなるため現実的ではないでしょう。

 

OAフロアの選び方の5つのポイント

大きく分類すると、置敷き(おきじき)タイプと支柱(しちゅう)タイプがあります。選ぶときには、次の5つのポイントを参考にするといいでしょう。

 

  • 施工期間・費用
  • 配線方法・配線収納容量
  • 耐荷重
  • 材料
  • 施工条件

 

OAフロアの主な3つの種類とメリット・デメリットを詳しく解説

 

施工期間・費用

施工条件によっても異なりますが、それぞれのタイプによる施工期間や費用の目安は次の通りです。

 

OAフロア(種類) 施工期間 費用
置敷きタイプ 1週間~ 2,700円/㎡~4,500円/㎡
支柱タイプ 2週間~ 5,700円/㎡~10,000円/㎡

 

置敷きタイプは接着の必要がなく、クッションシートを引いた後にパネルを並べていくだけなので、スピーディーな施工が可能です。反対に支柱タイプは墨出し(設置場所を床に書く)や支柱のレベル出し(支柱の高さを決めること)、支柱の接着などを行うため、置き敷きタイプより施工期間が長くなり費用も高額になります。施工期間や費用が限られているときは、置敷きタイプを選ぶのがおすすめですが、著者が工事で入るオフィスや学校では支柱タイプのOAフロアがよく使用されています。

 

耐荷重

耐荷重(どのくらいの重さまで耐えられるか表す指標)は、基本的に支柱タイプの方が置敷きタイプよりも優れています。しかし材質によっても変わるので、数値を参考にするのがいいでしょう。OAフロアには「耐荷重:〇〇N」と表記されています。N(ニュートン)とは、1㎡あたりに耐えられる強さの単位で、この数値が高ければ高いほど耐荷重が優れています(1000N=100kg)。

 

耐荷重 設置例
3000N 一般的なオフィスや事務室、店舗・家具・複合機など
4000N 病院・学校・小規模サーバー・大きな書庫など
5000N サーバールーム・大規模なオフィス・銀行・官公庁・サーバラック・制御機器など

 

基本的にカタログを確認すると数値が記載されているので、参考にするといいでしょう。什器(じゅうき)や機器などの重さを確認し、設置業者と相談しながら選ぶのがおすすめです。

 

【OAフロア】フリーアクセスフロアの耐荷重の目安と選び方

 

材質

材質には、樹脂・コンクリート・アルミ・スチールなどがあります。主に置敷きタイプでは樹脂やコンクリートが使われており、支柱タイプではアルミやスチールが使用されていることが多いものです。それぞれ特徴があるので、選ぶときの判断材料にするといいでしょう。

 

素材 特徴
樹脂 ・軽量

・接着剤、ビス打ち不要

・工期が短い

・価格が安い

・部屋の形状に合わせてカット可能

・建物への負担が少ない

・床によってはがたつきがでる

コンクリート ・電子機器の誤作動や通信不良によるノイズを防ぐ

・歩行性が高い

アルミ(日本初のOAフロアはアルミ) ・コンピュータールームや機械室、クリーンルームや電気室などに最適(非磁性体であるため、磁気の影響を受けない)

・歩行性が高い

・耐震性が高い

スチール ・リサイクル性に優れている

・歩行性が高い

・耐震性が高い

 

ちなみにさきほどの見出しで触れた、素材ごとの耐荷重の目安は次の通りです。

 

素材 ニュートン
樹脂(置敷き) 約2000~3000N
コンクリート(置敷き) 約3000~5000N
アルミ(支柱) 約3000~6000N
スチール(支柱) 約3000~5000N

 

素材の特徴と耐荷重を確認すると、実際に使用できるOAフロアを絞れます。

 

配線方法・配線収納容量

配線方法は、パネル下配線と溝配線の2種類が存在しています。パネル下配線は、支柱タイプを利用して床と床の間に作られた空間に配線する方法です。支柱の高さを変えれば配線容量を変更できるのが特徴で、配線が多いときに活躍してくれます。溝配線は、置敷きタイプにある溝を利用し、配線を収納して上からカバーを被せる方法です。配線が多い時にはケーブルが収まらない可能性がありますが、パネルを剥がすだけで配線変更や増設を行えます。配線数が少なければ溝配線(置敷き)を選ぶと工費や作業時間を削減できますが、施工条件によっては採用できないケースもあります。

 

施工条件

床にがたつきがある建物では、置敷きタイプは設置できません。高さ調整ができないためフロアにがたつきが生じ、つまずいたり歩行時の違和感があったりする歩きにくい床になってしまいます。床にがたつきがあるケースでは支柱タイプを選択して、レベル出しを行い平らな床に仕上げるといいでしょう。またOAフロアの導入によって、天井が低くなり圧迫感を感じてしまうこともあります。導入時には天井の高さも考慮し、支柱の高さやOAフロアの種類を考えるのもポイントのひとつです。

 

信頼できるOAフロアを見極める「JAFA性能評価認証制」

OAフロアを選ぶ時には、2019年に新しくできた「JAFA性能評価認証制度」を参考にするのがおすすめです。フリーアクセスフロア工業会(JIS)が定めた測定方法に基づいて審査されているので、製品を選ぶときの指標になります。具体的には耐荷重や耐衝撃、帯電性などの試験を行い、基準に満たしている商品に「JAFA認証マーク」が表示されます。OAフロアを導入するときは、コストダウンを図りたい気持ちから低価格のものを選んでしまうかもしれません。しかし長年使用することを考えると、信頼できる製品を利用する方が事故や破損などを防げる可能性があがるといえるでしょう。ですからOAフロアを選ぶ時には、「JAFA認証マーク」が表示されているか確認するのがおすすめです。

 

おすすめのOAフロアメーカー3選

OAフロアは、次の3つのメーカーから選ぶのが特におすすめです。

 

  1. ナカ工業
  2. 株式会社イノアック
  3. アイリスオーヤマ

 

それぞれについて詳しく解説していくので、ぜひ参考にしてください。

 

OAフロア(フリーアクセスフロア)の主要取扱メーカーを徹底解説

 

ナカ工業

創業90周年のナカ工業は、「やさしさと安心」のある空間づくりを目指している会社です。施工体制を整え、品質にこだわり抜いた製品を作り出しています。一般オフィス用の「IBフロア 3000N仕様」は、スチールパネル製の支柱タイプです。高さを50〜300mmまで変更できるので、様々な施工条件に合わせられます。任意の場所から配線を床上に持ってこられるケーブル取り出し口もあるので、思い通りに配線可能。基準を満たした品質や性能を認証するJAFA認証品です。

 

株式会社イノアック住環境

住宅や建築などに特化している株式会社イノアック住環境は、国内外の特許を数多く取得している会社です。各分野のスペシャリストを抱えており、耐久性や施工力、コストパフォーマンスに優れたオンリーワンの製品を生み出しています。おすすめのOAフロアは、JAFA規格適合品の「NP 3000Nシリーズ」です。置敷きタイプながら支柱の高さを4種類(NP-40A・NP-75A・NP-50A・NP-93A)から選べ、パネル下配線方式を採用しています。置敷きタイプ特有のスピーディーな施工を可能にし、配線容量や天井に合わせて選択できる優れものです。

 

アイリスオーヤマ

スマートな空間作りを実現しているアイリスオーヤマでは、ニーズに合わせた製品を販売しています。例えば石灰石を主原料にした「LIMEX(ライメックス)」(プラスティック代用品)は、地球温暖化防止に貢献している製品です。「LIMEX」はプラスチックの配合量が少ないため、焼却時にCO2排出量を約30%削減できます。ほかにも「ウッドコア」というOAフロアは、CO2を吸収してくれる木材を使用している製品です。木材を粉砕しメッキ鋼板(こうはん)で挟んでいるサンドイッチ構造を取り入れているため、目に見える場所には木材は露出していません。また約4.2kgと軽量なため搬入を行いやすく、作業効率もアップするでしょう。このように環境や施工などのニーズに合わせたOAフロアを取り扱っています。

 

OAフロアとの相性が良いタイルカーペット

OAフロアと相性が良いのは、簡単に張り替えできるタイルカーペットです。タイルカーペットは、OAフロアにピールアップボンド(ピールアップ工法)という接着剤を使用して貼り付けます。ピールアップボンドを使用すれば素手で簡単に張り替えられるため、汚れや破損があってもすぐに交換でき、配線の変更や増設も行いやすいでしょう。色や柄、素材だけではなく、静電や防臭効果などがついているものもあるので、好みのタイルカーペットを探しやすいのもメリットといえます。

 

OAフロア選びのポイントを解説!JAFA認証マークにも注目【まとめ】

この記事では、OAフロアの種類と選び方について解説しました。OAフロアを導入するとケーブルを床下に収納できるため、すっきりとしたオフィス空間を作れます。床上にあるケーブルで転倒する恐れもなくなり、レイアウト変更も行いやすくなるので、導入を考えてみるのがおすすめです。選ぶときには「JAFA認証マーク」が表示されているかも確認するといいでしょう。

 

 

 

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