オフィスのレイアウトや働き方の多様化に伴い「パーテーション」の役割は年々重要性を増しています。しかし、種類や選び方を誤ると、使いにくい空間になる可能性もあります。本記事では、パーテーションの種類や素材、目的別の選び方を施工視点でわかりやすく解説します。
パーテーションとは?
パーテーションとは、空間を仕切るために設置する間仕切りの総称です。壁のように固定するものから、移動できる簡易的なものまで幅広く含まれます。
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高さで見るパーテーションの種類
パーテーションは高さの違いによって大きく2種類に分類されています。主な種類である「ハイパーテーション」と「ローパーテーション」について解説していきます。
ハイパーテーション(施工型)
まず、床と天井を固定するパーテーションのことを「ハイパーテーション」と呼び、別名「施工型パーテーション」とも呼ばれます。
ハイパーテーションの施工例▼
壁に近い構造を持つため、空間を明確に区切れる点が特徴です。また、空間に求める役割に応じて欄間(天井付近の開口部)を塞ぐ・開けるも選択可能です。
<ハイパーテーションの主なメリット・デメリット>
| メリット | デメリット |
| ■遮音性が高い
■空間をしっかり区切れる ■デザインの自由度が高い ■欄間あり:通気性が確保でき圧迫感を軽減できる ■欄間なし:気密性が高まり音漏れを抑えやすい |
■工事が必要
■コストがかかる ■レイアウト変更時は再施工が必要 ■欄間あり:開口部から音が伝わる場合がある ■欄間なし:やや閉鎖的に感じやすい |
ローパーテーション
ローパーテーションは、ハイパーテーション以外のすべてを指します。デスクにおいて使用する高さの低いものから、身長よりも高いものまで、高さのバリエーションが豊富。
ローパーテーションの設置例▼
用途に応じて高さを選ぶため、個人の作業スペースの確保や、簡易的なゾーニングに適しています。圧迫感が少ないため、開放的なオフィス環境を維持しながら区切りを設けたい場合に有効です。
<ローパーテーションの主なメリット・デメリット>
| メリット | デメリット |
| ■設置が簡単
■移動・再配置が容易 ■コストが比較的低い |
■遮音性が低い
■空間の独立性が低い ■全ての高さから視線を完全に遮れない |
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パーテーションの素材種類
続いて、パーテーションの主な素材について、特徴を解説していきます。パーテーションは、さまざまな種類の素材から商品を選べます。
アルミ
軽量で扱いやすく、コストバランスに優れた素材がアルミです。ハイパーテーションの中でも導入しやすく、一般的なオフィスで広く採用されています。
<アルミパーテーションが向いているシーン>
- 一般的な会議室の設置
- コストを抑えたオフィス施工
- 短納期のレイアウト変更
- 標準的な執務スペースの区切り
- シンプルなデザインのオフィス
シンプルな見た目が多く、標準的な会議室や執務エリアの区切りに適しています。短期間での施工にも対応しやすい点も特徴です。
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スチール
強度と遮音性に優れているのがスチールパーテーションです。パネル内部に吸音材を入れると、さらに音漏れを軽減できる点が特徴です。
<スチールパーテーションが向いているシーン>
- 集中作業スペース
- 機密情報を扱う部屋
- 会議室・役員室・応接室
役員室や集中スペースなど、音漏れを防ぎたい場合や静かな環境が求められる場所に多く採用されています。
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ガラス
ガラスパーテーションは視線を遮らず、開放感と採光を確保できる素材です。オフィス全体を明るく見せながら空間を区切れるため、デザイン性を重視する場合に適しています。
<ガラスパーテーションが向いているシーン>
- 明るさを保ちたいオフィス
- デザイン性を重視した空間
- 来客エリアやエントランス
- 圧迫感を軽減したい会議室
- 採光を確保したいレイアウト
すりガラスを採用したり、ブロックパネルの一部にガラスを取り入れたり、ガラスの活用次第でプライバシーとのバランスも調整可能です。
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アクリル
出典:はざいや
アクリルパーテーションは軽量で透明性が高く、主に飛沫防止用途として活用されます。受付や飲食スペースなど、人と人の間に設置することで衛生対策として機能します。
<アクリルパーテーションが向いているシーン>
- 受付カウンター
- 飲食スペース
- 対面接客の場面
- 飛沫対策が必要な環境
- 一時的な仕切りの設置
施工を伴わず手軽に導入できる点が特徴です。
その他
木製パネルや布製、カーテン型など、パーテーションの素材種類は他にも多く存在します。加えて、ホワイトボード機能を備えたタイプや、マグネットが貼れる金属パネル内蔵型など、機能性を持たせた製品も増えています。
ホワイトボード機能がついているパーテーション▼
出典:TS-ES1512WB
ローパーテーションは設置や移動が容易で、レイアウト変更や一時的な用途にも対応しやすい点が特徴です。特に、小規模オフィスや家庭環境では、コストを抑えながら空間を区切れる手段としておすすめです。
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目的別パーテーションの選び方7選
種類豊富なパーテーションですが、多いからこそ、何を選べば良いか迷う方も多いでしょう。基本は、目的に応じて「高さ」と「素材」を選べば失敗することはありません。ここでは、目的ごとにあったパーテーションを施工例を交えて紹介していきます。
目的1.視線を遮りたい
視線を遮る目的であれば、用途に応じてローパーテーションとハイパーテーションを使い分けることが重要です。座った状態での視線遮断であれば、デスクトップ型のパーテーションなど、ローパーテーションでも対応できます。
座った状態で視線を遮れるローパーテーション▼
出典:PW1012
一方、立ち上がった際も含めて完全に視線を遮りたい場合は不透明なハイパーテーションが適しています。
視線を完全に仕切るハイパーテーションの施工例▼
「視線を遮る」を目的とした場合「どの方向からも視線を遮ぎりたい」「座っているときに目が合わなければいい」のか、どの程度遮れれば良いかが高さを決める基準です。なお、紹介した事例は半日で施工完了しております。
目的2.空間を区切りたい
空間を区切る場合は、固定するか可変にするかで選択が変わります。しっかりとゾーニングするなら安定性の高いハイパーテーションが適しています。以下の事例は1日で施工完了しており、クライアントさまの業務を大きく止めることなく対応できています。
ゾーニングを目的としたハイパーテーションの施工例▼
一方で、人数や用途に応じて配置を変えたい場合はローパーテーションが有効です。運用方法を想定した選定が重要です。
配置変更可能なローパーテーション▼
出典:KPV-18-3V
空間の仕切りを常駐させるか、フレキシブルに動かしたいかを考えてパーテーションの種類を選んでください。なお、迷った際は施工会社に相談すると、目的を達成しやすい提案をしてもらえます。
目的3.部屋を作りたい
会議室や応接室など、独立した部屋を作る場合はハイパーテーションが適しています。壁に近い構造を持つため、プライバシーや遮音性を確保できます。
部屋を作った施工例▼
またこちらの事例ではオフィスのデザインに合わせて木目調のパネルを採用しております。この事例のように、素材やデザインを好みに合わせやすいため、企業イメージに合わせた空間設計が可能です。なお、事例のような規模の会議室であれば工期は1日程度で対応可能です。
目的4.空間をフレキシブルに使いたい
実は、ハイパーテーションでも可動できるタイプもあります。それがスライド式です。
スライド式のハイパーテーションの施工例▼
こちらの施工は、1日で完了しております。スライド式にすると、必要に応じて空間を広げたり区切ったりできるため、会議室とイベントスペースを兼用するなど柔軟な運用が可能になります。固定と可変のバランスを取る設計が重要です。
目的5.音漏れを防ぎたい
遮音性を重視する場合は、スチールパーテーションの採用が有効です。さらに欄間を塞ぐことで気密性が高まり、音漏れを抑えやすくなります。以下は、施工期間1日で仕上げた事例です。
欄間を塞いだスチールパーテーションの施工例▼
特に、会議室が複数隣接しているレイアウトでは、それぞれの会話音が干渉し合い、作業や会議への集中を妨げる要因になりやすいです。そのため、お互いの音を響かせたくない環境では、遮音性の高い構造を選ぶ必要があります。
また、応接室や機密性の高い打ち合わせスペース、個人で集中して作業を行うスペースにおいても、音環境は重要な要素です。これらの空間では、スチールパーテーションや欄間クローズ仕様を選定することで、快適かつ機能的な環境を実現しやすくなります。
≫オフィスの防音対策について解説!具体的な方法や対策事例を紹介
目的6.仕切りと明るさを両立したい
明るさと仕切りを両立するにはガラスパーテーションが適しています。以下のガラスパーテーションの施工は、1日で実施完了しております。
仕切りと明るさの両立を目指した施工例▼
光を通しながら空間を区切れるため、閉塞感を軽減できます。すりガラスや部分的な目隠しを組み合わせることで、プライバシーとのバランスも調整可能です。
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目的7.明るさと遮音性を両立したい
明るさを確保しながら空間を区切りたい場合は、ガラスパーテーションが有効です。光を通すため、オフィス全体の開放感を維持しつつ仕切りを設けられます。
ダブルガラスの施工例▼
遮音性を重視するならスチールパーテーションを選ぶのが一般的ですが、こちらの事例のように「ガラスを使用したいけど遮音性も高めたい」など、頭を悩ませるケースもあるでしょう。そのため、ハイパーテーションを検討する際は施工会社に相談しながら進めるのがおすすめです。当社では経験豊富なスタッフが揃っているため、経験を踏まえて理想の空間づくりを提案させていただきます。
パーテーションの種類は目的にマッチするものを選ぼう!
パーテーションは種類や素材によって機能が大きく異なります。遮音性やデザイン性、使い方を踏まえて選定することが重要です。また、ハイパーテーションは、仕様によって使い勝手が大きく変わるため、設計段階での判断がポイントと言えます。






























