ワンフロアオフィスで解決!?メリットと導入時のポイントを解説

在宅ワークやフリーアドレスの導入など、働き方が変わっている昨今では、スペースの最適化などの観点から拠点を集中させる企業が増えています。そこで注目を集めているのが、会社のスペースを一つのフロアに集約するワンフロアオフィスです。本記事では、オフィスの課題を紹介したうえでワンフロアオフィスのメリットや導入ポイントを解説していきます。

 

オフィスフロアの代表的な課題

オフィスフロアの代表的な課題

まずはオフィスが抱える代表的な課題から見ていきましょう。どのようなレイアウトに変える場合でも解決すべき課題を把握していないと適切な対応はできません。

 

オフィスが抱える代表的な課題と問題点

課題の例 問題点
騒音や雑音への対策 ・機械音や話し声で気が散る
コミュニケーションを取りやすくする工夫 ・物理的な壁や区切りがあるせいで話す機会が少ない
リフレッシュスペースの設置 ・リラックスできる空間が少なく、ストレスが溜まりやすい
空調の自動化 ・空気が乾燥している
・換気ができていないと空気の質が悪くなる
・人口密度によって、同じ設定温度でも室温が変わる
シーンにあわせた適切な照明の明るさ ・オフィスが暗いとパソコンや書類が見にくくなり、眼精疲労や頭痛、肩こりにつながる
使いやすいレイアウトへの改善 ・通路が狭い
・動線がややこしい
スペースを有効活用できる対策 ・テレワークの導入で空席になっているデスクが多い

 

オフィスの課題を放置すると、すべて生産性の低下につながります。従業員一人ひとりが能力を発揮するために快適なオフィス環境は欠かせません。

 

オフィスフロアの改善で得られる効果3つ

オフィスフロアの改善で得られる効果3つ

紹介したような課題を解決するためにはオフィスの改善が欠かせません。オフィスフロアの改善で得られる効果を3つ解説していきます。

 

効果1.生産性アップにつながる

まず、仕事環境の改善は生産性アップにつながります。例えば、集中できるように音や視線を遮れるレイアウトにしたり、作業をするために必要なスペースが十分確保できていたりするとより働きやすい環境に近づきます。作業のしにくさや集中を害する要素を把握し、フロアの改善に努めましょう。

 

効果2.従業員のストレス緩和につながる

適切なレイアウト変更は従業員のストレス緩和が期待できます。オフィスにおいて、ある程度の緊張感は気を引き締めるうえで必要です。しかし、環境によるストレスはないに越したことはありません。

 

<オフィス環境でのストレスの要因例>

  • 騒音や雑音が多い
  • 動線が悪くて移動が不便
  • 周りからの視線が気になる
  • 使いたいときに会議室が使えない
  • 机が狭い・広々作業できる場所がない

 

過多なストレスは従業員の健康や業務の進捗に悪影響を及ぼすため、ストレスがかからないオフィスになるように見直していきましょう。

 

効果3.離職率の低減につながる

快適なオフィスで従業員の満足度が得られると、離職率の低下が期待できます。「エンゲージメントと退職率の関係」という研究では、従業員の満足度の高まりは退職率低下に寄与するという結果が出ています。

 

従業員の意見を取り入れて環境改善をしていけば、従業員にとって使いやすいオフィスに仕上がりやすくなります。すると、従業員の満足度は自然と高まるでしょう。パイロットオフィスを活用するなど、最適解を探して試行錯誤をしてみてください。

 

≫ パイロットオフィスとは?成功に導く5Stepと事例を紹介

 

ワンフロアオフィスのメリット3選

ワンフロアオフィスのメリット3選

ワンフロアオフィスとは、複数の階や拠点に分かれている会社のスペースを一つのフロアに集約するオフィススタイルのことを指します。ワンフロアにするメリットや解決できる課題を確認していきましょう。

 

①コミュニケーションがとりやすい

まずワンフロアにすると部署間の物理的な壁や距離をなくせるため、コミュニケーションの活性化が期待できます。著者はワンフロアオフィスでの勤務経験がありますが、プロジェクトに関わる他部署の人から意見をもらうためによくフロア内を出歩いていました。

 

相手の席に行けば簡単にコミュニケーションがとれるため、わざわざメールを作成せずに済みます。さらに一部フリーアドレスを導入していた企業だったこともあり、周りの目を気にせず気軽に移動でき、話しかけられたのだと考えています。

 

部署を超えたコミュニケーションがスムーズにできれば、プロジェクトが円滑に進みやすくなります。

 

②レイアウト変更がしやすい

ワンフロアオフィスは、レイアウト変更がしやすいのもメリット。というのも、固定の壁や仕切りで細かく分けないオープンなレイアウトが採用される場合が多いためです。レイアウトの見直しは、従業員の増減や新しい働き方の導入など、さまざまな場面で必要とされます。各地域やフロアごとにオフィスを抱えているとそれぞれでレイアウト変更が必要ですが、ワンフロアだと一括でレイアウト変更が行えるため効率的と言えるでしょう。

 

≫オフィスデザイン事例6選!リニューアルのメリットとポイント

 

③コスト削減が期待できる

ワンフロアオフィスにすると、拠点ごとに用意していた備品などを共有化できるため、重複している分を削減できます。各拠点で用意している備品には以下のようなものがあります。

 

<各拠点で用意している備品例>

  • コピー機
  • 参考書籍
  • 事務用品
  • 延長コード
  • テッシュなどの雑品
  • 商品やカタログなど在庫

 

ワンフロアならこれらの備品だけでなく、空調や電話線などの設備も一元管理できるため、設備管理費の削減も期待できます。ワンフロアにするなら備品類の最適化も同時に進めていきましょう。

 

ワンフロアオフィスの導入ポイント5つ

ワンフロアオフィスの導入ポイント5つ

続いて、ワンフロアオフィスを導入する際のポイントを5つ紹介していきます。

 

ポイント1.プライバシーの確保や集中できる環境を作る

まず安心して作業ができるように、プライバシーの確保や集中できる環境を作りましょう。視線を遮るためには、ローパーテーションや観葉植物などが活用できます。

 

ローパーテーションの例

ローパーテーションの例

出典:クロス上部半透明ローパーテーションラダーローパーテーション

 

仕切りは視線を遮るだけでなく、音を遮る効果もあるため集中しやすい環境作りにはおすすめなアイテムです。

 

≫オフィスの防音対策について解説!具体的な方法や対策事例を紹介

 

ポイント2.気分転換できる場所をつくる

次に考慮すべきはリフレッシュスペースです。ストレス緩和や生産性向上には適度な休憩が欠かせません。自席だと周囲の目が気になる場合もあるため「リラックスして良い場所」は別途作るべきです。リフレッシュスペースでの交流を促すなら、コーヒーや軽くつまめるお菓子などを用意しておくのも良いでしょう。

 

≫リフレッシュスペースはオフィスに必要?メリットと事例4選

 

ポイント3.空調自動制御システムの導入を検討する

ワンフロアオフィスには空調を自動管理するシステムの導入がおすすめです。厚生労働省の事務所衛生基準規則では「気温は17度以上28度以下、湿度は40%以上70%以下」になるように努めなければならないと定められています。ただ、ワンフロアオフィスはスペースが広くなる分、空調管理が難しくなる場合があります。

 

空調自動制御システムは、センサーを用いて室温や湿度、二酸化炭素濃度などを検知し、常に快適な室内環境を維持してくれます。空調管理をはじめ、スマートオフィスの考え方をワンフロアオフィスに組み込んでいくとさらに生産性の高いオフィスに近づけられるでしょう。

 

≫スマートオフィスとは?導入におけるメリットやデメリットを解説

 

ポイント4.感染対策をする

オフィスで忘れてはいけないのが感染対策です。ワンフロアオフィスは多くの従業員が一か所に集まるため、感染症が広がりやすいと言えます。まずは、基本的な感染対策を従業員に意識づけてください。

 

<感染対策の例>

  • マスクの着用を促す
  • 消毒や飛沫防止の徹底
  • 正しい手洗い・手指消毒を促す

 

対面席にはパーティションを置き飛沫対策をするのが効果的です。フロア内で流行り病が蔓延しないように感染対策を徹底しましょう。

 

ポイント5.オフィスデザインの専門家に相談する

そして、レイアウト変更には施工などの専門知識が必要なため、構想段階からオフィスデザインの専門家を巻き込むのが得策です。解決したい課題や、理想のオフィスレイアウトを専門業者に相談すると適切な提案や対策をしてもらえます。

 

当社ではさまざまな企業様のオフィス施工を経験しているため、要望に応じたご提案が可能です。ご予算や施工期間などの相談も承れますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

 

ワンフロアオフィスで活用できる事例5選

ワンフロアオフィスで活用できる事例5選

最後に、ワンフロアオフィスで活用できる施工事例を5つ紹介していきます。

 

事例1.会議室前の交流スペース

事例1.会議室前の交流スペース

まず会議室前に交流スペースを設けた事例を紹介します。会議室は基本的には予約制なため、時間がきたら部屋を退出しなければいけません。著者が勤務経験のある会社ではどの部署も会議が多く、会議室の取り合いでした。会議室のすぐ近くに交流スペースを設けておけば、会議が区切り良く終わらなかった際に、話が冷める前にまとめられて便利です。もちろん、会議関係なく従業員同士が話せる場所にも活用できます。

 

事例2.集中スペース

事例2.集中スペース

施工型パーティションで部屋を仕切り、デスクトップパネルで席を区切った集中スペースの事例です。ワンフロアオフィスは名前の通り、一つのフロアにオフィスの機能をすべて揃えます。個人で集中したい場合には、区切られたスペースが効果的です。ワンフロアオフィスで集中スペースを作る際はパーテーションなどで仕切り、作業に没頭できるスペースを作ってください。

 

≫Web会議や集中時にオフィスにあると役立つ個別ブースとは

 

事例3.ミーティングスペース

事例3.ミーティングスペース

こちらはフロア内にミーティングスペースを作った事例です。ガラスパーテーションを使った仕切りなので、ワンフロアの奥行きある広い雰囲気を損ねません。外から見て人の有無で使用中かどうかを判断できるため、使用者の入れ替えがスムーズです。

 

事例4.リフレッシュスペース

事例4.リフレッシュスペース

3段ブロックの施工型パーテーションで仕切ったリフレッシュスペースの事例です。3段ブロックの上下にはガラスを採用しているため、明るさや奥行きを保っています。中央には木目のパネルを採用し、目隠しをしつつ安らげるデザインに仕上げています。

 

≫木目調インテリアで遊び心をプラス!魅力的なオフィスデザインを実現するコツ

 

事例5.床のカラーでエリア分け

事例5.床のカラーでエリア分け

最後は床の施工事例です。例えば、執務エリアはグレー、ミーティングスペースはオレンジ、リフレッシュスペースはグリーンのように床を色分けすると、パーテーションを使わずにゾーニングが可能です。

 

≫オフィスレイアウトにおけるゾーニングとは?考え方や事例を紹介

 

さらに「白は清潔・純粋」のように色には与えるイメージや効果があるため、それらを加味して床色を選ぶと良いでしょう。エリアごとに色味を変えれば、気持ちの切り替えにも役立ちます。

 

ワンフロアオフィスでより働きやすい仕事環境を創ろう!

ワンフロアオフィスでより働きやすい仕事環境を創ろう!

オフィスが抱える課題やワンフロアオフィスのメリット、導入のポイントなどを解説しました。流行っているからと言って安易にワンフロアオフィスに変更すれば良いというわけではありません。オフィスの課題を把握したうえで、適切なレイアウト変更をしていきましょう。ワンフロアオフィスには期待できる効果も多いため、ぜひ貴社に合ったワンフロアオフィスに仕上げてください。

 

 

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