自宅やオフィスにおいて、可動式の間仕切り壁を導入することでスペースを有効に活用することができます。さらに、防音タイプを採用することでより快適な空間を作れるでしょう。本記事では、防音タイプの可動式間仕切り壁の種類やメリットデメリット、代表的な商品を紹介します。
可動式間仕切り壁とは?
可動間仕切り壁とは、本来の意味で言うと施工型パーテーションのことで、移設可能な固定された壁のことを指します。一般的には、自由に動かせる壁というイメージの方が強いですが、これは移動式間仕切りと呼ばれます。本記事では、一般的な認識と同じく自由に動かせる壁のことを「可動式間仕切り壁」と表現して解説します。
防音効果のある可動式間仕切り壁の種類
種類 | 防音効果 | おすすめ使用箇所 |
パネル式(引き戸) | △ | 住宅・オフィス |
パネル式(折れ戸) | △ | 住宅 |
収納式 | 〇 | 住宅 |
スライディングウォール | ◎ | オフィス、公共施設 |
アコーディオンカーテン | ✕ | 住宅・オフィス |
可動式間仕切り壁は、様々な種類があります。種類によって防音効果が異なるため、用途に応じた選定が必要となります。ここでは、自宅に設置できるものからオフィスやホールなどで使用される本格的なものまで、特徴や防音効果について紹介します。
パネル式(引き戸タイプ)
パネル式で引き戸タイプの可動式間仕切り壁は、引き戸のように開閉できる仕様となっています。引き戸パネルが複数枚設置されており、レールに沿って開閉が可能です。自宅のリビングと洋室の間に設置することで、普段は開放して広いリビングとして使用し、来客があった際は閉めることで洋室とリビングを分けることができます。
パネル式(折れ戸タイプ)
パネル式で折れ戸タイプの可動式間仕切り壁は、クローゼットの扉のように開口部の両サイドに扉が溜まる仕組みです。引き戸タイプと異なり、扉が折りたためるため最大限に開口部のサイズを確保することができます。用途としては引き戸タイプと同様で、自宅での使用に適しています。
収納式
収納式とは、キャスター付の収納棚を間仕切り壁として使用するタイプです。収納棚の移動は簡単に行えますが、頻繁に開閉する場合には適しません。子供の成長に合わせて部屋のレイアウトを変えたい場合や、オフィスで収納兼目隠しとして使用したい場合におすすめです。
スライディングウォール
スライディングウォールは、天井レールからパネルが吊り下げられた間仕切り壁で、状況に応じて開閉が可能です。パネルをレールに吊った状態で壁際に格納できるため、スペースを有効に活用できます。パネル自体が重いため、後付けで設置する場合は天井を一部解体してレールを施工する必要があるため、大がかりな工事になります。
アコーディオンカーテン
アコーディオンカーテンは、天井レールにジャバラ状の生地が吊り下げられた間仕切りです。自宅での使用だけでなく、オフィスの更衣室など様々なシチュエーションでの使用が可能です。様々な生地の種類があるため、部屋のデザインに合わせたおしゃれな間仕切り壁を設置することができます。
可動式間仕切り壁のメリット
可動式間仕切り壁を設置することで、様々なメリットが得られます。ここでは、3つのメリットを紹介します。
スペースを有効活用できる
可動式の間仕切り壁を設置することで、スペースを有効活用できます。一般的な間仕切りと異なり、状況に応じて開閉ができるため、限られたスペースを2パターンの用途で使用することが可能です。開放することで2部屋を1つの空間として使用することができ、閉めることで2つの部屋を別の用途で使用することができます。限られた空間を有効に活用したい場合におすすめです。
レイアウトの幅が広がる
間仕切り壁の開閉が可能なため、レイアウトの幅が広がります。通常の間仕切り壁の場合、限られた空間の中でレイアウトを考える必要がありますが、可動式間仕切り壁の場合は様々なパターンでレイアウトを設計することができます。生活の変化に合わせて開閉することで部屋の間取りを変えられるため、様々な使い方ができるでしょう。
後付け設置が簡単
可動式間仕切り壁の後付け設置は基本的に工事が必要ですが、レールを設置してパネルを設置するだけの作業ですので、比較的短時間で施工が完了します。造作壁や施工型パーテーションと比べると、施工性の良い商品が多いため簡単に後付け設置が可能です。ただし、スライディングウォールに関しては施工難易度が高く、工期もかかります。
可動式間仕切り壁のデメリット
可動式間仕切り壁は、メリットだけでなくデメリットもあります。ここでは、造作壁や施工型パーテーションのような一般的な間仕切り壁と比較してデメリットを紹介します。
費用が高い
一般的な間仕切り壁と比較すると、費用が高いというデメリットがあります。レールやパネルなど特殊な部材が多いため、材料費が高くなることが理由として挙げられます。引き戸タイプの費用として1スパンでおおよそ6万円~ですが、造作壁の場合はおおよそ5万円~です。可動式間仕切り壁の場合、商品によって価格が大きく変わりますので、価格面では一般的な間仕切りと比較して劣るといえるでしょう。
強度が劣る
可動式間仕切り壁は、造作壁や施工型パーテーションと比較すると壁の強度は下がります。パネルがレールに吊られた状態のため、力を加えると簡単に動いてしまいます。また、引き戸やクローゼットの扉のようにパネル面を押すとガタガタと音が鳴ります。強い力を加えるとパネルがレールから外れてしまうこともあるため、強い力が加わらないように注意が必要です。
可動間仕切り壁の製品紹介
可動間仕切り壁は、様々な種類がありさらにメーカーごとに多様なラインナップがあります。ここでは、代表的な製品を紹介します。
LIXIL ラシッサ
ラシッサは、LIXILのインテリア建材シリーズの名称で、パネルタイプ(引き戸、折れ戸)の可動間仕切りを取り扱っています。引き戸タイプは、パネル面をガラスやアクリルパネルにすることもできるため、部屋のレイアウトや用途によって自由に仕様を選べます。
タチカワブラインド プレイススウィング
プレイススウィングは、タチカワブラインドの可動間仕切りを扱うシリーズです。ガラスパネル仕様の商品を主に扱っていますが、全面パネルやふすま調のガラスなど様々なラインナップがあります。特徴として、「折れ戸と引き戸の複合タイプ」の設置が可能で、出入りは引き戸方式、格納時は折れ戸方式という使い分けが可能です。
タチカワブラインド アコウォール
アコウォールは、タチカワブラインドの可動間仕切りで、アコーディオンカーテンタイプになります。一般的なアコーディオンカーテンとは異なり、生地ではなく硬質塩ビ形材を使用しており、上質で落ち着いた空間を演出する木目調のパネル仕様となっております。折れ戸とアコーディオンカーテンの中間といった位置付けで、折れ戸と比較すると格納時はコンパクトに収まります。
アクシス ce-fit
ce-fitは、アクシス株式会社の可動間仕切り収納で、部屋の寸法に合わせて制作するオーダーメイド家具です。ハンドル操作により収納本体を簡単に動かせるため、簡単にレイアウト変更が可能です。収納形状のバリエーションも豊富で、棚だけでなく、ハンガーパイプ付収納も選択できます。
オカムラ FSW
FSWは、オカムラのガラス製スライディングウォールです。先頭のパネルを開閉操作するだけで簡単にパネルの設置・開放ができるため、折れ戸のような感覚で使用できます。ペアガラスにより遮音効果もあり、ミーティングスペースやロビー・ラウンジなど様々なシチュエーションで導入が可能です。
オカムラ フェローウォール60
フェローウォール60は、オカムラのスライディングウォールでオフィスの会議室に求められる遮音性能51.1dbが確保された商品です。格納時は、壁際に折りたたむような形でおさめられるだけでなく、壁を掘り込んで施工することで、その中に収納することもできます。壁を掘り込むことで、格納時にスペースを取ることがないため、空間を最大限に有効活用できます。
用途に応じた防音タイプの可動式間仕切り壁を設置しましょう
可動式の間仕切り壁は様々な種類がありますが、会議室などで防音性能が必要な場合はスライディングウォールがおすすめです。会議室ほど防音性能は必要無く、ある程度音を遮ることができれば良いと言う場合はパネル式や収納式タイプを選定すると良いでしょう。当社では、可動式間仕切りのほか、オフィス内の施工型パーテーションや造作壁といった内装工事全般の施工実績が豊富にあります。商品選定などでお困りごとがございましたら、お気軽にお問合せください。