パーテーションは、学校や塾、各種スクールなどでも活用されています。学校やスクールの利用者は、子供から大人まで幅広い年代です。共通点は、安全で、静かな環境が適していることでしょう。今回は、学校用間仕切りに求められる性能やドアの種類、おすすめパーテーション3選についても解説します。勉強に集中でき、創造力を刺激するような空間づくりの参考にして下さい。
学校用間仕切り・パーテーションに求められる性能6つ
学校やスクールのパーテーションに必要な性能とは、どのようなものでしょうか。
安全性
もっとも重要視されるのは安全性です。とくに、子供たちが通う学校や塾では、ぶつかって倒れやすいパーテーションは向いていません。パーテーションには、置くだけのタイプで、低いローパーテーションと、天井や床に固定するタイプで、壁のようなハイパーテーションがあります。子供たちが利用する学校や、大勢が出入りするスクールでは、固定するハイパーテーションが向いています。
防犯性、堅牢性
学校では、防犯性や堅牢性も重要です。パーテーションで可能な防犯対策は、視認性の良い空間づくりや、出入口のセキュリティ性を高めることなどがあります。室内から廊下が見え、周囲からも室内が確認できるようにするためには、ガラスパーテーションがおすすめです。
ガラスパーテーションのフレームは、スチール製とアルミ製の2種類があります。より壊されにくい堅牢性を求めるなら、スチールのガラスパーテーションが良いでしょう。天井に近い欄間(ランマ)を開ける場合でも、侵入防止用バーの取付けも可能です。
防音性、遮音性
静かで落ち着いた学習空間づくりには、防音性や遮音性も大切です。低いタイプのローパーテーションや衝立は、目隠しはできても声や音は漏れてしまいます。また、工事が必要なハイパーテーションでも、天井に近い部分を開けたランマオープンのスタイルにすると、音漏れします。学校で防音性を重視した個室を作りたいなら、天井まで塞ぐランマクローズにする必要があります。なかでも防音性や遮音性が高い間仕切りは、スチールパーテーションです。
不燃性
万が一の火災から生徒や教職員を守るためには、不燃性も重要です。不燃性は、燃えにくい性能のことです。建築基準法において、防火性能をもつ材料は3つに分類され、不燃材料、準不燃材料、難燃材料があります。不燃材料は、火災時でも20分間燃焼せず、変形や亀裂を生じたり、避難する上で有害となるガスや煙を発生させたりしないという防火性能をもちます。
フレキシブルさ
学校や塾では、生徒の人数に合わせて教室を増やしたり、大きな部屋を小さく仕切ったりと、フレキシブルさも求められます。レイアウト変更に合わせて間仕切りの位置を変えるには、施工型パーテーションが向いています。なかでもアルミパーテーションは、比較的安価で経済性もあり、シンプルな構造のため施工時間も短く済みます。パネル表面のカラーも豊富で、ブランドカラーに合わせたり、温かみのある木目調にしたり、内装デザインと統一性を持たせることができます。ブロックスタイルにして、ガラスとカラーパネルを組み合わせるデザインも人気です。
環境性能
近年深刻化している気候変動や環境問題の解決策として、また、SDGsの達成のためにも、学校でも環境対策は重要視されています。学校用間仕切りを選ぶ上では、移設ができてリユースが可能な施工型パーテーションを選び、廃棄物をなるべく出さないことが対策になります。また、購入時に中古販売を利用したり、不要になった際に買取してもらったりすることも環境配慮につながります。
学校用間仕切り・パーテーションのドアや引き戸の種類
次に、学校施設の出入り口のあり方や、間仕切りのドアの種類について解説します。
学校施設の出入り口はどうあるべき?
学校や各種スクールの教室等の扉は、同時に多数の人が出入りすることが想定されます。避難経路としての役割もあり、安全で、出入りしやすいことが求められます。また、防犯対策も欠かすことができません。文部科学省の「学校の防犯対策に関する調査研究報告書」では、教室等の出入り口は、視認性を確保することが重要と位置付けています。
学校用パーテーションのドアや引き戸の種類
学校施設の教室や事務室では、どのようなドアを使えば良いのでしょうか。種類と特徴をご紹介します。
引き戸
引き戸は横にスライドして開閉させる扉で、学校や各種スクールでよく使われています。床の溝やレールの上を滑らせたり、上から吊ったりという方法があります。幅は約2m必要で、1枚の扉を移動させる片引き戸や、2枚を左右どちらからも動かせる引違い戸などがあります。
片開きドア
片開きドアは、押したり引いたりして開閉する開き戸の1つで、1枚扉のスタンダードなタイプです。リーズナブルで、気密性が高く音漏れしにくいなどのメリットがあります。扉の幅は約90cmで、左右どちらかを吊元にし、部屋の内側に向かって開けるのが一般的です。室内が狭い場合には外開きも可能です。しかし、学校では廊下を歩く生徒にぶつかる恐れがあり、基本的には内開きを選ぶケースが多いでしょう。ドアの前後にスペースを確保しなければならない点や、開けておく場合にストッパーが必要な点などがデメリットです。
親子ドア
開き戸の1つで、片開きサイズの親扉と、小さい子扉の2枚を合わせたドアです。幅は約1m20cmで、車いすの出入りも可能です。日常的には、子扉を閉めたまま親扉だけを開閉させる使い方が多いでしょう。教室を大人数が出入りする時や、荷物の搬入時には両方開け、広く開口を取るようにします。
両開きドア
片開きサイズのドアを2枚合わせた、大開口がとれる扉です。幅は約1m80cmで、片開ドアの2枚分になります。ドアノブやレバーハンドルは、2枚のうちどちらかに付けるのが一般的です。親子ドアと同じように、日常的には片側は固定し、広く開けたい時だけもう1枚も開放するといった使い方が多いでしょう。
学校用パーテーションドアの種類まとめ
学校用パーテーションのドアの種類と特徴 | |||||
種類 | 幅 | 気密性 (音漏れ) |
開けやすさ | 開口の広さ | コスト |
引き戸 | 約2m | △ | ◎ | 〇 | △ |
片開きドア | 約90cm | ◎ | 〇 | △ | ◎ |
親子ドア | 約1m20cm | 〇 | 〇 | ◎ | △ |
両開きドア | 約1m80cm | 〇 | 〇 | ◎ | △ |
ドア窓のスタイル
学校用パーテーションでは、室内からの視認性を高め、ドア近辺での衝突事故を防ぐためにもドア窓が役立ちます。ドア窓のスタイルは下記のようなタイプがあります。
腰上窓
ドアの上半分の高さにある四角い窓
スリット窓
縦に細長い長方形の窓
框窓(かまちまど)
外側にぐるりと枠をとり、ドアの内側をくり抜いて入れた大きな窓
学校用間仕切り・パーテーションおすすめ3選と施工事例
最後に、学校用間仕切りにおすすめのパーテーション3選と、それぞれの施工事例を解説します。
ガラスパーテーション
視認性の良さでは、ガラスパーテーションがもっともおすすめです。ブロックスタイルなら、おしゃれでスタイリッシュな雰囲気になります。この学校の事例では、ドアにオレンジを使って目立たせることで、出入り口に自然と誘導できるようにしています。災害時や緊急時にも、ドアを目立たせておくことは避難のためにも有効です。
スチールパーテーション
防音性や不燃性、堅牢性を求めるならスチールパーテーションが向いています。この事例では、標準よりさらに防音性を上げるために、グラスウールという防音材を充填しています。
大学生以上が学ぶ本スクールでは、静かで講義が聞きやすく、集中できる環境づくりを大切にしています。
アルミパーテーション(中古)
フレキシブルで経済的な間仕切りを選びたいなら、アルミパーテーションがおすすめです。この塾の事例では、より費用を抑えるために中古アルミパーテーションを利用しています。きれいにクリーニングされているため、見た目は新品と大差ありません。当社オフィスボールでは、不要になったパーテーションを買取し、中古で販売するリユース事業を展開しています。新品の販売や施工も行うため、不足部材は買い足して頂くことも可能です。環境への配慮は、子供たちの未来のためにも大切な取り組みです。
学校用間仕切り・パーテーションのおすすめ3選【施工事例付】まとめ
今回は、学校用間仕切りに求められる性能6つとドアの種類をご紹介し、学校におすすめのパーテーション3選についても解説しました。学校や各種スクールの間仕切りは、安全であることが何より大切です。防犯対策として視認性の良いガラスパーテーションや、授業に集中できる、防音性の高いスチールパーテーションなどがおすすめです。フレキシブルで経済的な間仕切りを選びたいなら、アルミパーテーションが向いています。またドアについても、衝突を防いだり、視認性を良くしたりするために、窓付きがおすすめです。