オフィスの応接室や会議室、ミーティングルームは、取引先やお客様を応対する場所として使われます。なかでも、ゆったりとした雰囲気で、おもてなしを目的としているのが応接室です。今回は、これから応接室を作りたいという人や企業向けに、レイアウトのポイントと会議室と兼用時の家具選びのコツを解説します。
応接室レイアウトのポイント4つ
まず、応接室の基礎知識をご紹介し、レイアウトのポイント4つを解説します。
応接室の役割とは
オフィスの応接室は、来客をおもてなしする部屋としての役割を持ちます。来客がゆったりと落ち着いた雰囲気で話せるよう、家具は、ソファやローテーブルなど、重厚感のあるものが好まれます。また、内装やインテリアも、重要なお客様を迎えるのにふさわしい、上質で落ち着いたデザインが適しています。
一般的な応接用の家具
一般的な応接用の家具は、1人用ソファ×2台と2~3人用ソファ×1台、センターテーブルなどで構成されます。部屋の広さに余裕があれば、スツールやサイドテーブル、コーナーテーブル、キャビネットなども設置します。書類やパソコン、手荷物を置く場所としても活用できます。
応接室と会議室の違いとは?
応接室がおもてなしを主な目的としているのに対し、会議室やミーティングルームは打ち合わせや商談、会議など、主に話し合いの場として利用されます。社員同士だけでなく、取引先など、外部の人を交えて使う機会も多いでしょう。スクリーンやプロジェクターを使う場合もあります。資料を見たり、メモをとったりしやすいように、家具はテーブルとチェアが向いています。
応接室レイアウトのポイント4つ
応接室をレイアウトする際のポイントを4つ解説します。
●エントランスから近い場所に配置
応接室は、オフィスのエントランスや入口から近い場所にレイアウトして下さい。おもてなしが目的なので、遠い場所まで歩かせることは避けましょう。セキュリティの面でも、執務空間を通らずに行ける場所が適しています。しかし、人の出入りが多く、落ち着かない場所は向いていません。
●おもてなしの雰囲気づくり
応接室は、役員や役職者が使うことが多く、日ごろの感謝を伝える目的や、商談をスムーズに進めるためなどに活用します。来客がリラックスできて、おもてなしの気持ちが伝わるような雰囲気づくりをしましょう。通路幅などにも余裕を持ったレイアウトを心掛けて下さい。観葉植物や絵画などを飾るのもおすすめです。
●防音対策
応接室での会話は、重要な内容も多いため、防音対策が求められます。来客が安心して会話できるように、静かな環境を整えることが大切です。情報漏洩は、自社にとっても大きなリスクとなるため、周囲に声が丸聞こえにならない部屋を作る必要があります。
●応接セットが置ける広さを確保
応接室は、ソファなどの大きな家具を置いても、圧迫感が出ない広さが必要です。寛いだ雰囲気で会話できるように、狭い場所に無理やりつめこむことがないようにして下さい。ソファの奥行きは、70~90cm程度あります。ローテーブルの奥行きは45~60cm程度です。
応接室と会議室、兼用時の家具選びのコツ
応接室は、オフィスの広さが限られている場合などに、会議室と兼用する場合があります。ここでは、会議室と兼用時の家具選びのコツを解説します。
おもてなしに相応しい家具を選ぶ
会議室を兼用した場合でも、おもてなしに相応しい家具であることは大切です。応接専用の家具は、ゆったりと座れるソファとローテーブルの組み合わせが一般的です。会議室と兼用の際は、家具の種類は変更した方が使い勝手が良くなります。しかし、おもてなしの気持ちを表し、寛いだ雰囲気を演出することは、変わらず心掛けましょう。
打ち合わせのしやすさも重視
会議室と兼用時は、おもてなしだけでなく、会話や打ち合わせがしやすい家具を選ぶ必要があります。ソファタイプより、テーブルとチェアの組み合わせの方が適しています。応接として使うことを考慮すると、通常の会議室よりも、上質で重厚感のある家具を選ぶのがおすすめです。
チェアは用途別に選ぶ
会議室と兼用時の応接家具は、用途によって選ぶべきチェアが変わります。事前に用途をしっかりイメージして選ぶことが大切です。用途は主に次の3パターンがあります。
●応接メイン
来客がリラックスできるコンパクトなソファタイプのチェアがおすすめです。ソファタイプは、1人用ソファにキャスターが付いています。メーカーによって名称は異なり、コンパクトソファ、応接会議チェア、テーブル用イスなどと呼ばれています。チェアの張地は、皮革やビニールレザー、布地などから選べます。
●会議メイン
用途が会議メインの場合は、出入りがしやすい、5本脚のオフィスチェアがおすすめです。なかでも、ハイグレードなタイプを選べば、応接にもふさわしい上質な雰囲気が演出できます。チェアの張地に革張りを選べば、座り心地は抜群で、高級感も演出できます。脚の素材にアルミダイキャストを選ぶと、より重厚感が出ます。
●カジュアルに使う場合
おしゃれなカフェやラウンジのような雰囲気で、カジュアルに応接室を利用したい場合は、ラウンジチェアがおすすめです。幅が広くて柔らかく、包み込まれるような座り心地です。座面はソファのように低めで、少し後ろに傾いていることで、自然とラクな姿勢になります。カフェのように寛いだ雰囲気で、新しいアイデアや活発な意見交換ができるでしょう。
家具は正しく配置
家具を選んだら、正しく配置することも重要です。上座の位置や、正しい配置について知っておきましょう。基本的には、応接室のドアから遠い席が上座、手前が下座になります。来客には奥側の上座に座ってもらうため、絵画や観葉植物などは、来客側から見やすい位置に飾りましょう。社内利用の場合も、上座と下座を意識するのがビジネスマナーです。しかし、上座と下座の考え方には例外もあります。景観が良い部屋では、入口側の方が景観を楽しめる場合、扉に近くても上座となります。
応接室レイアウトに適した間仕切り3選【事例アリ】
最後に、応接室レイアウトに適した間仕切り3選を、事例と合わせてご紹介します。
防音性ならスチールパーテーション
応接室の防音性を重視するなら、スチールパーテーションが適しています。スチールパネルには石膏ボードが裏打ちされているため、遮音性に優れています。また、中空構造になっているため、グラスウールやロックウールを充填することで、さらに防音性をアップできます。外部からの声や音が遮断された静かな空間では、重要な内容でも安心して話すことができます。
≫ スチールパーティションの性能や価格を徹底比較!事例4選も解説
おしゃれな見た目ならガラスパーテーション
おしゃれでスタイリッシュな応接室を作りたい場合は、ガラスパーテーションがおすすめです。明るくて開放的な空間では、圧迫感を感じさせず、会話も弾むでしょう。ガラスに半透明のシートを貼れば、明かりを取り込みながらも、プライバシーは確保できます。
≫ ガラスパーテーションとは?価格や使い方を解説【施工事例アリ】
リーズナブルに作りたいならアルミパーテーション
応接室をリーズナブルに作りたいなら、アルミパーテーションがおすすめです。シンプルでコストパフォーマンスの良い間仕切りで、色のバリエーションも豊富です。事例では、ブロックパネルを選び、デザイン性も高いおしゃれな応接会議室になっています。
≫ アルミパーテーション|施工手順と間仕切りの使い方事例9選
応接室レイアウトのポイントと会議室と兼用時の家具選びのコツ【まとめ】
オフィスの応接室は、主におもてなしを目的としています。レイアウトの際は、来客がゆったりと落ち着いた雰囲気で話せるよう、余裕のある広さを確保して下さい。インテリアも家具も重厚感のあるものが好まれ、家具はソファとローテーブルの組み合わせが一般的です。しかし、会議室と兼用時は、会話や打ち合わせがしやすい、テーブルとチェアの方が適しています。
応接室を作る際は、レイアウトのポイントと家具選びのコツを、ぜひ参考にしてみて下さい。