オフィスに間仕切壁を設置する際に採用されることが多いパーテーション。簡易的な間仕切りから遮音性に優れた壁まで、様々な用途で活用できます。本記事では、パーテーションの種類や造作壁との違い、設置前に知っておくべき注意点などを紹介します。パーテーション壁の設置を検討中の方は、是非参考にしてみてください。
パーテーションの壁とは?
パーテーションは、金属製のパネルで作られた間仕切壁です。工事不要な床置き型や突っ張り型のパーテーションと、工事を必要とする施工型パーテーションがあります。目隠し程度の簡易的な壁が必要な場合は、工事不要のパーテーションを採用し、壁としての機能を持たせたい場合は施工型のパーテーションを採用することが一般的です。
オフィスに間仕切壁を設置する方法
オフィスに間仕切壁を設置する方法は、パーテーションだけではありません。用途に応じて使い分けをすることで、機能面・コスト面でメリットが大きいといえます。ここでは、間仕切り壁を設置する方法を紹介します。
非施工型パーテーション
工事を伴わない非施工型のパーテーションは誰でも簡単に設置ができ、目隠しや簡易的な間仕切壁が必要な際に重宝します。非施工型のパーテーションの種類は2種類あるため、それぞれ用途に応じて使い分けが必要です。
床置き型パーテーション
床置き型のパーテーションはローパーテーションとも呼ばれ、簡単に設置や移動ができることが特徴です。ミーティングスペースとしての目隠しや簡易ブースなど、様々な用途で使用できます。パネル同士連結ができたり、スライド式の扉パネルがあったりと、商品の種類も豊富です。
突っ張り型パーテーション
突っ張り型のパーテーションは、床置き型のパーテーションより高さのあるパネルを設置できます。天井と床を突っ張ることで固定するため、内装仕上を傷つけることなく間仕切りの設置が可能です。施工型のパーテーションに比べると強度は劣りますが、賃貸で内装工事ができない場合におすすめです。
施工型パーテーション
施工型パーテーションは専門業者による工事が必要なパーテーションで、代表的なもので3種類あります。
①アルミパーテーション
アルミパーテーションは、施工型パーテーションの中でも一番安価に施工ができます。価格を重視する際に採用すると良いでしょう。床と天井でしっかり固定されており十分な強度がありますが、遮音性はあまり期待できないというデメリットがあります。倉庫や更衣室など小部屋を作る場合や、遮音性を求めない壁を作る際におすすめです。
≫ アルミパーテーション|施工手順と間仕切りの使い方事例9選
②スチールパーテーション
スチールパーテーションは、不燃性、遮音性に優れています。応接室など、遮音性が必要な壁を作る際に使用すると良いでしょう。また、建築基準法において、内装制限のある場合に不燃性の材料を使用しなければならないという決まりがあります。そういった場合、不燃性のスチールパーテーションを採用する必要がありますが、通常は工事会社が判断するため、検討段階では特に気にしなくても問題ありません。
≫ スチールパーティションの性能や価格を徹底比較!事例4選も解説
③ガラスパーテーション
ガラスパーテーションはパネル部分にガラスが使用されており、デザイン性に優れています。おしゃれな壁を作りたい場合におすすめです。また、ガラスパーテーションは閉鎖的な空間になりづらいため、開放的な印象を与えることができるという特徴があります。
≫ ガラスパーテーションとは?価格や使い方を解説【施工事例アリ】
造作壁
造作壁は、LGS下地や木下地の上に石膏ボードを貼り、さらにその上にクロスや塗装などの仕上げを施す間仕切壁です。新築の際に採用されることが多いです。パーテーションは、現地に合わせて材料を工場で加工しますが、造作壁はすべて現地で加工するため、自由度が高いという特徴があります。また、表面仕上げの種類は、クロスや塗装、ダイノックシートやタイル、エコカラットなど選択肢が豊富です。
≫ 造作壁(LGS壁)とは?パーテーションとの違いや施工事例を紹介
施工型パーテーションと造作壁の違い
パーテーション | 造作壁 | |
デザイン性 | △(種類が少ない) | 〇(種類が豊富) |
価格 | 〇(7,400円/枚~) | 〇(6,000円/㎡~) |
施工性 | 〇(1工程) | △(2工程) |
工期 | 〇(最短1日) | △(最短2日) |
メリット | ・部分改修向き ・居ながらの工事が可能 |
・全体改修や新装向き ・デザインの種類が豊富 |
施工型パーテーションと造作壁の違いは見た目だけではありません。ここではさまざまな視点から、違いについて紹介します。
デザイン性
一番大きな違いとしてはデザインです。パーテーションのデザインは、金属性のパネルもしくはガラス張りとなります。パネルの場合、カラーバリエーションはあるものの、限られたデザインから選択しなければなりません。一方造作壁は、クロスや塗装などのさまざまな表面仕上げが選択可能です。
価格
パーテーションと造作壁の価格は種類によって異なります。アルミパーテーションは価格が安く、ガラスパーテーション、スチールパーテーションの順に価格が上がります。造作壁については表面仕上げがクロスや塗装の場合が安く、ダイノックシートやエコカラット、タイルなどを選択すると価格が上がります。
施工方法
パーテーションの施工方法については、工場で製作した材料を現場に搬入し、その後、支柱を固定してパネルをはめ込むという流れになります。端部のカットなど、加工は最小限となるため埃が出ることはありません。造作壁の施工は、壁を作る工事とクロスや塗装など表面を仕上げる工事の2工程必要です。
工期
工期について、オフィス内の改修程度の規模であればパーテーションの方が短い時間で施工ができます。数量が少なければ1日で終わる場合もあります。造作壁については、2工程必要なため、最低でも2日必要です。
パーテーション壁を設置する際の注意点
パーテーション壁の設置を検討する際に、注意しておくべき事を紹介します。間仕切壁を設置する場所によっては、別の工事が必要となるケースがあるため事前に確認しておきましょう。
内装工事が可能かどうか
間仕切を設置しようと考える建物について、賃貸であれば内装工事が可能かどうか管理会社へ確認が必要となります。施工型パーテーションを設置する場合、支柱を天井と床で固定します。その際、天井と床にビスを打つ必要があり、数ミリ程度ですがビスの穴が開くことになるため、管理会社へ事前に確認をした上で施工することをおすすめします。
空調設備の位置確認
パーテーションで部屋を作る際、既存の空調設備の位置によっては冷気や暖気が届かない可能性があります。これまで1つの空間だった場所にもう一つ部屋を作ると、新設された部屋に空調設備の追加が必要となります。しかし、欄間(パネル上部)をオープンにすることで、冷気や暖気を取り込むことができるため、増設は不要となります。
照明設備の位置確認
空調設備と同じく既存の照明設備の位置によっては、新しく作った部屋の照度が不足する可能性があります。既存照明を考慮して間仕切の位置を設定し、新しい部屋に照明を取り込めるようなレイアウトにするのが好ましいでしょう。また、欄間オープンのパーテーションの場合、照明設備と間仕切の干渉は問題ありません。
こちらの事例のように、照明部分の下地をカットすることで解決できます。
防災設備の追加
パーテーションの形状を欄間クローズのタイプとし、完全な個室を作った場合、スプリンクラーや感知器など防災設備の追加が必要になる可能性があります。床から天井まで壁でふさぎ、独立した部屋を作ることで火災を検知する際の障害となるからです。
オフィスにパーテーション壁を設置した事例
当社にて、オフィスにパーテーションを設置した事例を紹介します。
アルミパーテーション
オフィス内にアルミパーテーションにて部屋を作った事例です。シルバーフレームにブラックパネルで施工しております。既存の空調や点検口と間仕切の位置が干渉する部分がありましたが、欄間をオープンタイプとしているため、下地をカットして間仕切を設置しました。こちらの工事は、1日で施工が完了しました。
スチールパーテーション
講習室に、スチールパーテーションを設置した事例です。遮音性を高めるため、グラスウールを充填しております。
防災設備工事
また、こちらの事例では、欄間クローズのパネルを採用したため、防災設備工事も行っております。パーテーション工事、防災設備工事を行ったため施工は2日かかりました。
ガラスパーテーション
オフィス内にミーティングスペースを設けるため、ガラスパーテーションにて間仕切を設置しました。ブラックフレームを使用し、床から天井まで1枚のガラスにて施工を行いました。今回のような面積の狭い部屋を作る際は、ガラスパーテーションにすることで圧迫感が無くなり、広々とした空間を演出できます。こちらの工事は2日かかっています。
ローパーテーション
面談室をローパーテーションにて施工しております。ローパーテーションは、床と固定していないため、自由に動かすことも可能です。また、今回は当社にて設置を行いましたが、ローパーテーションはドライバーさえあれば誰でも簡単に設置ができます。こちらの工事は1日で完了しております。
オフィスの壁には施工型パーテーションがおすすめ!
今回は、パーテーション壁について、種類・特徴の紹介や、造作壁との違いについても解説しました。オフィスに壁を設置する際は、本記事の内容を参考にしていただき、用途に応じてどういったパーテーションを選定すべきか検討しましょう。パーテーション壁の設置を検討中の方は、是非当社までお問合せください。種類の選定やレイアウト設計、照明や空調、防災設備の追加工事の有無などご提案させていただきます。