大迫力のバンド演奏を楽しむことができるライブハウス。将来は「自分でライブハウスを経営してみたい」という夢を持っている方もいるのではないでしょうか。 今回は、気になるライブハウス・スタジオでの、内装工事のポイントについて解説していきます。
工事の費用は必要な防音のレベルによって決まる
内装工事をおこなう費用は、規模や内容によって大きく変動します。特にライブハウスを 造るための工事費用は、必要な防音レベルによって差が出ることもあるのです。
どのくらいの防音が必要?
ライブハウスの防音レベルとして、最低限満たしていたい条件は、近所迷惑に迷惑が掛からないことです。音漏れによって周囲の住宅や会社からクレームを言われてしまうなどトラブルを起こすと、せっかく始めたお店も営業が厳しいという事態に陥ることもあります。また、外部への配慮と同じくらい内部に入ってくる騒音への遮音対策も重要です。大通りに沿いに面している場所や線路沿いなど、外から大きな音が入ってくる可能性があるケースも考えられます。外からの騒音はアーティストの演奏を妨害してしまう、観客が気持ちよく聴くことができないなどの原因に。ライブハウスとしてのグレードを損ねてしまうため、回避しなければならない問題の1つです。防音は近所への配慮、外からの騒音の両面から考える必要があります。
音の種類 | 騒音レベル |
閑静な住宅街 | 25dB程度 |
テレビの音 | 45dB程度 |
ピアノ | 110dB程度 |
ドラム | 120dB程度 |
ボーカル | 110dB程度 |
費用を抑えるには?
ライブハウスを製作する際は、他の内装工事に比べて費用を抑えることが難しいと言えます。徹底した防音を求められるため、遮音性の高いボードの施工などが必須です。材料の替えが効かないことが多く、防音工事での施工費を抑えるポイントがあまり存在しません。
また、カウンターやテーブルなどのインテリアを中古で探してみる、安いものにするなど、内装工事以外で費用を節約する手段もあります。どうしても費用を抑えたいという方は、居抜き物件を探してみるという手段も考えましょう。理想のスペースを見つけることは難しいかもしれませんが、以前ライブハウスだった物件では、防音工事をする必要がない可能性が高く、コストが抑えられます。防音に必要だった費用を、塗装やクロスなどに当てることで、空間を高級感のあるデザインに変身させることも可能です。
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ライブハウスを施工するときのポイント
防音対策
何もない空間にライブハウスを施工する場合、1番重要なポイントは防音対策です。防音対策には遮音性の高い材質を用いるなどが効果的です。
≫ 防音・吸音パーテーションおすすめ3選!費用の比較や注意点
壁には遮音性能の高いボードを採用
まず、考えられる防音対策の方法は、部屋の壁に採用するボードを遮音性の高いものにすることです。内装工事で最もポピュラーなボードは、石膏ボードという種類。石膏ボードは材料の石膏を専用の紙で包むことで、板状の形にしてメーカーから商品化されています。ボードの厚み、材料として使われている石膏の密度の高さなど、遮音性を高めるためのラインナップも豊富です。一般的な施工方法としては、建物の躯体の上から増し張りをする、軽鉄と合わせて壁を建てるなどが挙げられます。遮音性の高いボードを複数枚重ねて使うなどすると、より高い遮音効果が期待できることもあり、ライブハウスの壁面には施工が必須と言えるでしょう。
吸音材の使用
壁面には、吸音材の使用も検討しましょう。代表的な吸音材の例としてグラスウールが当てはまります。グラスウールとは、ガラスを細かい繊維状にした材質でできている、綿のような見た目の断熱材です。断熱の他、吸音や振動を抑えることに秀でています。利用方法は、壁内部に隙間なく充填するなどです。ライブハウスでは、グラスウールを使用することで、断熱効果によるエアコン等の電力消費節約につながるなど、メリットが多いと言えます。
また、壁面には吸音ボードも向いています。吸音ボードは、グラスウールをクロスで包み、ボードにしたものです。部屋の壁面に施工するだけで、高い効果があります。
防音の扉
防音性を保つ上で、扉選びはとても重要です。扉は当然開け閉めをおこなうため、隙間があり、音の逃げ道になってしまいます。音漏れを防ぐには、気密性の高い金属製が望ましいです。商品の中には、フレームの中にグラスウールを充填して吸音性を高めているものも存在します。また、入り口に扉を2枚用意するなども良いでしょう。1枚しかない場合には、演奏中に扉を空けてしまうと必ず音が漏れてしまいます。2回扉を開けないと部屋に入れない構造にすれば、どちらかの扉が閉まっている状態をつくることができ、音漏れの心配が激減するでしょう。
スラスラの壁を施工
音を外に逃がさないためには、スラスラ(スラブtoスラブ)の壁がぴったりと言えます。スラブtoスラブの壁とは、建物の床から天井上の躯体までを仕切る構造です。天井内部や床の仕上げ下に空洞があると、部屋から外に音が通り抜けてしまいます。天井内部など躯体から床までを完全に仕切れる壁を設置することで、音の逃げ道を無くすことが可能です。
音質の良い環境を造る
音楽にとって音質の良い環境造りは演奏者、観客どちらの視点からも重要なポイントです。さらに、音質の良さはライブハウスの評判に直結するため、手を抜いてしまうと今後の経営に影響してしまうことも。音が響きすぎてしまうと、聴きづらさにつながってしまうことも多く、吸音する必要があります。また、普段演奏するジャンルに合わせた音響設備をそろえることも大切な要素です。
照明が重要
防音性を高めるため地下にあるなど、窓がない施設も多いです。外からの明かりが入ってくることがないため、光による演出は照明任せになります。角度、色、光の強さなど少し違うだけで舞台のイメージがガラッと変わってしまうことも。照明のレイアウトデザインは慎重に検討しましょう。また、どれくらいの電力を照明に使用できるかもレイアウトに影響することがあります。業者と設計段階に、綿密な話し合いをおこなうことが大切です。
工事の流れ
①業者に連絡
テナントでライブハウスをオープンさせたいと考えている場合は、最初にメールなどで内装業者へ連絡しましょう。連絡時には、どのような音楽をメインに演奏するスタジオなのかを伝えるようにします。返信が来たら現地調査の日程など、今後のことについて話しましょう。
②打ち合わせ・現地調査
打ち合わせや現地調査を複数回おこない、どのくらいの防音がいるかなどを確かめます。レイアウトなど後から変更することが難しいケースもあるため、綿密に業者と意見をすり合わせるようにしましょう。
③施工
打ち合わせが終わり、図面が完成すると施工段階へ移ります。
④引き渡し
施工が完了したら、問題がないか検査をして引き渡しです。
注意が必要な騒音トラブルに法律は関係ある?
ライブハウスによる騒音トラブルは訴えられることがあります。過去には、ライブハウスが同じビルの上階の店から訴えられてしまい、数百万円の賠償金を払うように命じられた裁判も。判決の理由は、振動が上階に入っている店に伝わり営業妨害になったこと、騒音の数値が条例違反に近しかったことなどが挙げられます。
また、別のトラブルでは、防音工事を店舗スタッフがおこなったため、適切な工事がされていたのか疑わしいとされたケースもありました。高額な賠償を払わなければならないこともあるため、適切な防音工事なしにライブハウスは成り立ちません。トラブルを防止するためにも、防音工事をおこなう場合はプロへ相談するようにしましょう。
音楽スタジオの施工ポイント
リハーサルや録音をおこなう音楽スタジオも、防音、音の響きすぎへの対処がポイント。演奏が外に漏れ、近隣への迷惑にならないように対策するのはもちろんですが、スタジオでは隣の部屋のリハーサルを邪魔しないように配慮する必要もあります。各部屋ごとに防音扉の設置や壁の遮音、吸音が必要です。部屋数が増える分だけ費用が高額になる可能性があることを考慮しておきましょう。そのため、同じ広さのスペースをいくつの部屋に分けるかがとても重要です。どんなアーティストへ貸し出すのかをしっかりと検討した上で、業者と部屋のレイアウトを確認しましょう。
ダンススタジオの施工ポイント
ダンススタジオでは、激しく動き回るなどで足音が下の階に響くことを考慮しましょう。BGMが外に漏れるのを防ぐ防音性にプラスして、振動への対策が重要です。また、滑りやすい床材などは踊りにくさにつながることも。ダンスの種類によって、最適な床材を選ぶことがとても大切です。そのほかにも、音楽スタジオより広いスペースを必要とする、確認するため鏡の施工をするなどもポイントとして挙げられます。
≫ 床工事の種類・費用相場や内装工事依頼前に確認すべき3点!
ライブハウス・スタジオの内装は防音が要?工事のポイント!【まとめ】
ライブハウスの施工は、防音が大切なポイントです。適切な材料を使用することで、高音質で周囲とのトラブルがない空間造りを目指しましょう。施工を検討している方はお気軽にオフィスボールまでご連絡ください。