内装工事の見積もりに関する疑問を感じませんか。
「見積もりに記載されている項目の意味・作業内容がわからない。。。」
「内装工事の見積もり金額を抑えるにはどうすればいいの?」
内装工事は頻繁に行うものではないので、上記のように見積もりに関する疑問点がでてくるものです。そこで、この記事では内装工事の見積もりに記載されている項目について解説していきます。内装工事の見積もり金額を抑える方法についても解説します。
内装工事の見積もりに記載されている工事内訳
それでは、内装工事の見積もりに記載されている工事内訳(各項目)について解説していきます。
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設計費
設計費とは内装のデザインやレイアウト、電気やエアコンなどの設備を決めて図面にするためにかかる費用のことです。設計費は内装工事を行う面積(坪数)で決まったり、内装工事にかかる費用の何割か(10%くらいですが、割合に関しては依頼する会社によって異なります)がかかったりします。設計にこだわりを持って内装工事を行うことで、従業員同士がコミュニケーションを取りやすかったり、創造性を高めたりできるオフィス空間を実現できます。前に入っていたオフィスの内装が残っている状態の居抜き物件、内装工事がまだ行われていないスケルトン物件など、物件の違いによっても費用が変わります。またデザイン会社に依頼するよりも、施工業者に直接依頼した方が安くなるケースが多いです。
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仮設工事費
仮設工事費とは、店舗の内装やエレベーターなど建物を傷つけないように養生(養生材を使用して、床や壁などを保護)するのにかかる費用のことです。電気設備が整っていない場合は工事中に使用する仮の電気、他にも仮設水道や仮設トイレなどの費用が含まれています。例えば、夜間作業が必要で電気設備がない場合、夜間の作業効率を下げないように仮設電気を導入する必要があります。電気を導入することで、作業中の事故を防ぐ効果があります。このように工事を円滑に行うために欠かせない仮設費ですが、仮設費といっても物件によってその内容は異なるものです。
解体工事費
解体工事費とは、内装を解体する際に発生する費用です。居抜き物件のように、内装が残っている状態の物件で発生する費用です。例えば、前オフィスの内装を解体し、新しいオフィス空間を作りたい時に解体工事費がかかってきます。理想とする内装工事を行うときに不要な内装を解体し、解体したものを搬出するときにかかる費用のことです。
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内装工事費
内装工事費とは、天井や壁、床を作るための費用のことです。施工方法によって、記載される項目が異なります。
軽量(LGS)・ボード工事費
軽量(LGS)工事費とは、軽量を使用して壁や天井を作るときに発生します。軽い鉄でできている軽量を使用して壁や天井の下地を作り、その上に石膏ボードといわれる壁や天井になるボードを張る作業です。価格が安く耐火性能もあることから、軽量を使用して工事を行うことが増えています。
木造造作工事費
木造造作工事費とは、床や窓枠など木材を使用する工事で発生する費用のことです。軽量を使わないで木材で天井や壁を作る場合にも、木造造作工事費として記載されます。ほかにも書類やパンフレットなどをまとめておく書庫、休憩用のベンチなどを作るときにも、木造造作工事費として記載されていることがあります。
電気工事費
照明器具やコンセントを増やしたり位置を変更するときに発生します。テーブルの近くにコンセントを作ったり間接照明を設置したりするときにも発生する費用です。既存の照明やコンセントを新しいものに変更するだけなら費用を抑えられます。しかし新しく配線し、理想とする場所に照明やコンセントを作る場合、費用が高くなる可能性があるので業者と相談しながら決めていくことをおすすめします。また電気には容量があるため、現在の容量で理想とする電気設備を設置できるか確認することも重要です。
水道管工事費
水道管工事費とは水回りに関する工事にかかる費用のことで、給排水工事と記載されていることもあります。既存の配管を使用できるか、新しく配管を設置する必要があるかどうかで金額が変わります。配管が用意されている場合は、配管を洗浄するだけの工事で済むので、費用を抑えられます。しかしスケルトン物件ならトイレや配管などを新設する必要があるため、費用が高くなります。
ガス工事費
ガス工事費とは、ガスの配管やガスに関する設備を設置するためにかかる費用のことです。居抜き物件で、すでに配管が用意されている場合、必要な場所まで配管を追加したり器具を取り付けたりする程度で済みます。
諸経費
諸経費とは、現場まで向かうためのガソリン代や駐車場、資材を運ぶためにかかります。現場で作業するのに必要な費用を諸経費としてまとめて請求してくるので、あまりにも気になる場合は、内訳を説明してもらうことをおすすめします。ほかにも、現場監督の人件費が諸経費に含まれていることもあります。現場監督の人件費とは、各業者の仕事内容を明確にし、スムーズに仕事を行えるようにするために欠かせない費用です。
家具工事費
オーダーメイドの家具を取り付けるためにかかる費用が家具工事費として記載されます。より具体的にいうと、依頼された家具(什器)を工場で作成して、現場まで運搬し、設置するためにかかる費用です。例えば作業をするために必要なデスク、会議用の大きなテーブルなどを作成してもらい、設置する場合に記載される項目です。
塗装工事費
天井や壁などを塗装する場合に発生するのが塗装工事費です。ドアやサッシ周りの塗装など部分的に塗装する場合にも、塗装工事費が発生します。クロスを張り天井や壁を仕上げ、塗装を使用しない際には塗装工事費は発生しません。物件の状況によっては、下地を入れ替えたりパテ処理をしたりして塗装を行うケースもあります。このような作業の違いによっても塗装工事費にかかる費用が異なるので、気になる方は事前に確認するのいいでしょう。
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左官工事費
左官工事費は、床や壁などに対して左官工事を行う時に発生する費用です。温度の変化を抑え結露の少ない調湿効果のある珪藻土、カビの繁殖を防いでくれる漆喰(しっくい)などの材料を使用して、内装を仕上げていきます。アレンジひとつで床や壁を空間に合わせた雰囲気に仕上げることが可能ですが、技術力が求められる仕事です。
防水工事費
内装工事でいう防水工事費とは、室内の防水処理を行うためにかかる費用です。防水処理を行っていないために、下の階のテナントに漏水するケースがあるため、状況によっては行う必要があります。例えば、店舗で油汚れの酷い厨房に水を流して清掃した場合、その水が原因で漏水するケースが考えられます。そのような事態を防ぐために、防水処理を行う必要があります。オフィス内装工事ではあまり見かけない費用項目です。
空調工事費
エアコンを設置するのにかかるのが空調工事費です。オフィスのように面積の広い場所では、家庭用のエアコンでなく、業務用のエアコンを使用します。オフィスの温度が高すぎると、集中力を欠き業務効率を低下させる原因になりかねません。快適に働けるオフィス空間を作るためには、空調工事も必要です。
内装工事費用を抑える5つの方法とは?
内装工事の費用を抑える方法は、次の5つです。
- 一括で施工してくれる業者に依頼する
- 複数業者に相見積もりを依頼する
- 分からないところは業者に質問する
- 材料のグレードを下げる
- 居抜き物件を活用する
内装工事を始める前に5つの項目を確認しましょう。また、業者と相談しながら工事を進めるのがおすすめです。
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一括で施工してくれる業者に依頼する
工事費用を抑えたい場合、一括で引き受けてくれる業者に依頼することをおすすめします。多くの工程がある内装工事では、それぞれの工事を別々の業者に頼むより、一括で施工してくれる業者に依頼した方が費用を抑えられます。例えば、水道や電気工事を別々の業者に頼むのではなく、ひとつの業者に頼み、水道や電気工事を行える業者を紹介してもらうことで、工事費用は抑えられます。理由は、ひとつの業者が予算を基に一括で施工するためです。また予算内での工事を行いやすいのも一括で依頼するメリットです。別々の業者に施工を依頼した場合、予算内でどこまでの工事を行うのか折り合いをつけるのが難しくなります。費用を抑えるには、一括で依頼できる業者に依頼するのがポイントです。
複数業者に相見積もりを依頼する
一社だけではなく複数の業者に見積もりを依頼することはポイントのひとつです。複数の業者に見積もりを依頼することで、どのくらいの価格でどのような施工ができるのかが見えてきます。反対に最初から一社に決めてしまうと依頼した業者の価格しか知らないため、工事費用が適正なのか判断できないでしょう。相見積もりを依頼するときのポイントは、一社ごとに現地調査を行い、一緒に周り話しを聞くことです。一緒に現地調査を行うことで、担当者の人柄や能力、今までの施工経験も垣間見れるでしょう。担当者の人柄や能力などを理解できるのも、相見積もりを起こなうメリットです。
分からないところは業者に質問する
見積もりには専門的な知識が多く、施工業者によって項目の内容にばらつきがある場合もあります。自分で考えたり調べたりしても分からないことが多いので、疑問点は施工業者に質問するのがいいでしょう。質問時に答えがあいまいな業者の場合、思いもしなかった追加料金がかかるような可能性があります。質問をすることで、あいまいな回答をする業者を避け、信頼できる業者を見極めることにも繋がります。
材料のグレードを下げる
費用を抑えるためには、使用する材料のグレードを下げる事もひとつの手です。人件費や諸経費などを抑えることは難しいですが、資材や材料のグレードを下げることは比較的簡単です。例えば、天井のように目立たないところや、お客様から見えない場所 (バックヤードなど) の材料のグレードを下げる方法があります。材料のグレードを下げても、似たような材料を使用すれば理想とする内装に近づけられる場合があります。また業者のアイデア次第では、材料のグレードを下げてもイメージに近い、またはより魅力的な内装空間を作れるでしょう。
居抜き物件を活用する
元の内装や設備が残っている居抜き物件を活用すれば内装工事費用は抑えられます。前店舗の内装が残っているので、新しく行う工事の作業を減らせるでしょう。反対にスケルトン物件の場合、一から内装を作れるため自由度は高くなります。しかし、一から工事を行うため、費用が高額になることは容易に想像できます。工事内容を減らせば、費用も下げられるので、居抜き物件を活用するのもおすすめです。
内装工事の見積もりの見方と工事費用を抑える5つのポイント【まとめ】
この記事では、内装工事の見積もりの見方について解説しました。見積もりに明記されている項目を理解していれば、見積もりを精査したときの疑問点が減ります。どの作業にどのくらいの費用がかかっているのか理解できるので、覚えておくと便利です。オフィスや店舗内装工事の際には、これら工事費用を抑えるための方法5つを実践してみてください。
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