コールセンターの騒音問題を解決!失敗しないパーテーション選び

コールセンターでは「隣席の声がうるさい」「お客様の声が聞き取りづらい」といった音の悩みがつきものです。とはいえ業務上、声を出さずに対応はできません。本記事では、コールセンターに最適なパーテーションの選び方4つのポイントから、施工有無別の事例、騒音対策まで、詳しく解説していきます。

 

コールセンターにパーテーションが必要な理由

コールセンターにパーテーションが必要な理由

複数の従業員が一斉に電話対応するコールセンターには、独特の音環境課題があります。パーテーションは単なる仕切りではなく、応対品質と従業員の定着率を左右する重要な設備です。ここでは、なぜパーテーションが必要なのか、3つの視点から解説していきます。

 

理由1.隣の声や音がうるさい

コールセンターの最大の悩みは、室内全体の騒音レベルの高さです。多くの従業員が同時に通話するため、隣席の話し声、キーボードのタイピング音、コール音などが入り混じります。

 

オフィスの快適な騒音レベルは40~50dBが目安とされていますが、コールセンターはこの基準を大きく超える場合が少なくありません。電話口のお客様にも周囲の雑音が伝わったり、自分の声が他席に紛れたりすると「通話が聞き取りにくい」というクレームの原因になります。

 

≫オフィスの防音対策について解説!具体的な方法や対策事例を紹介

 

理由2.何を話していたか分からなくなる

隣席の通話内容が混線して聞こえると、自分が今何の話をしているのか分からなくなる場面もあります。日本音響学会誌に掲載された研究によれば、騒音下では作業成績が低下するというデータもあり、応対ミスの増加につながるリスクが指摘されています(参考:短期記憶作業時における騒音の影響 : うるささの心理的印象と作業成績

 

また、周囲の音が大きいと、お客様の声が聞き取りづらくなり、聞き返しが増えてしまいます。聞き返しが続けば、お客様にストレスを与えるだけでなく、従業員自身も会話の流れを見失いがちです。そのため、作業に集中できる一定の音環境は欠かせないのです。

 

理由3.従業員の集中力・離職率に影響する

騒音はストレスの大きな原因であり、定着率にも影響します。厚生労働省の令和5年雇用動向調査によると、コールセンターを含む「サービス業(他に分類されないもの)」の離職率は19.3%と、全産業平均の15.4%を上回っています。(参考:令和5年 雇用動向調査結果の概要(産業別の入職と離職)|厚生労働省

 

職場環境の整備は人材定着と採用コスト削減に直結するため、パーテーション導入は単なる音対策にとどまらず、人材戦略上も重要な投資といえるでしょう。

 

コールセンターのパーテーション選びで押さえたい4つのポイント

コールセンターのパーテーション選びで押さえたい4つのポイント

次に、本題であるコールセンターに最適なパーテーションを選ぶための4つのポイントを順に解説します。これらを押さえて、導入後のミスマッチを防ぎましょう。

 

ポイント1.防音・吸音性能

最優先で考えたいのが「音をどう抑えるか」です。コールセンター向けのパーテーションには、性質の異なる2種類の音対策性能が求められるためです。

 

具体的には、音を物理的に遮る「遮音性」と、音の反響を抑える「吸音性」の両方が必要です。遮音性が低ければ隣のスペースに音が漏れたり、吸音性が低ければ室内に音がこもって響き続けたりするためです。

 

遮音と吸音のイメージ▼

遮音と吸音のイメージ

理想は両者の組み合わせです。例えば、フロア全体を区切るのは遮音性の高いスチール、デスク間の仕切りは吸音性の高い布張りローパーテーションを使うなど、目的に応じて使い分けると効果が最大化します。

 

当社の施工現場でも、この組み合わせを採用したお客様から「電話口でのクレームが減った」というお声をいただいており、現場で実証されている定番の組み合わせです。このように防音性能を見るときは、遮音と吸音の両方をチェックすることが大切です。

 

≫防音・吸音パーテーションおすすめ3選!費用の比較や注意点

 

ポイント2.高さ

パーテーションの高さは、業務効率と空間の開放感のバランスを左右する重要な要素です。コールセンターでは、高さ120〜180cm程度のローパーテーションが標準的。とはいえ、使い方や求める防音性によって高さは変わります。例えば、120cm以上の高さの場合、以下のような違いがあります。

 

<高さ別のメリット・デメリット>

高さ メリット デメリット 向いているケース
120〜140cm ■着席時の視線をカット

■立てば隣と会話可

■開放感あり

■SVから全体を見渡せる

■立ち上がると音が抜けやすい

■集中度はやや低め

■一般的なオペレーター席

■チーム連携を重視するセンター

150〜180cm ■立っていても視線が遮られる

■集中度が高い

■吸音効果も高まる

■圧迫感が出やすい

■SVから席内が見えにくい

■機密性の高い通話

■個別集中を優先するブース

天井まで

(ハイパーテーション)

■防音性が最も高い

■独立した部屋として機能

■音漏れほぼゼロ

■工事が必要

■コスト高

■レイアウト変更が困難

■新設のコールセンター

■会議室

■SV席

■リフレッシュスペース

※SV:スーパーバイザー(オペレーターを管理・指導する管理者・監督者)

 

パーテーションの選定時は業務内容と監督体制を考慮しましょう。低すぎれば音や視線が抜けて効果が薄れ、高すぎれば圧迫感が出たり、スーパーバイザー(SV)からの指示が通りにくくなったりするケースもあります。

 

≫オフィス・会議室の防音対策を解説!音漏れの原因や事例を紹介

 

ポイント3.素材

パーテーションを選ぶ際は、素材も必ずチェックしましょう。素材によって防音性能、コスト、施工性が大きく変わってくるためです。

 

例えばスチールパーテーションは防音性が非常に高く、大規模なコールセンターや機密性の高い通話に向いています。一方でコストは高めで、施工に専門業者の工事が必要です。アルミは防音性・コスト・施工性のバランスが取れており、中規模センターや将来的にレイアウト変更を想定する場合にも重宝します。

 

吸音フェルトや布張りタイプは、軽量で工事不要。デスク仕切りや小規模なブースに最適で、コストも抑えられます。

 

<主な素材の防音性・コスト・施工性の比較>

素材 防音性 コスト 施工性 適したシーン
スチール

(ハイパーテーション)

 非常に高い

高め

施工が必要

大規模新設・機密重視
アルミ

(ハイパーテーション)

 中〜やや低め

中程度

比較的容易

中規模・将来変更あり
吸音フェルト・布張り

吸音特化

低め

工事不要

デスク仕切り・小規模

 

このように、素材ごとに得意分野と価格帯が大きく異なります。「どの規模のコールセンターで使うか」「予算はどのくらいか」「将来的にレイアウト変更する可能性はあるか」を整理したうえで、最適な素材を選びましょう。

 

≫防音工事にかかるリフォーム費用と事例を紹介【店舗の防音】

 

ポイント4.設置スタイル

設置スタイルは大きく分けて2種類あります。事業規模や導入スピードの希望によって最適な選択が変わります。

 

<主な設置スタイルと特徴>

タイプ 特徴 工事 防音性 向いているケース
ハイパーテーション(施工型) ■床と天井を固定する

■独立した部屋として機能

■安定性が高い

必要 最も高い 新設の本格コールセンター
ローパーテーション(組み立て型) ■天井に届かない自立型

■レイアウト変更が自由

不要 標準的 既存オフィス内の席単位仕切り

 

新設のコールセンターならハイパーテーションは取り入れやすく、既存環境に手早く取り入れるならローパーテーションが一般的です。両者を組み合わせて部屋の外周はハイ、内部の席仕切りはローという構成も人気があります。

 

≫防音タイプの可動式間仕切り壁について解説!種類や製品を紹介

 

【施工なし】コールセンター向けパーテーション例

【施工なし】コールセンター向けパーテーション例

続いて、工事不要で、すぐに導入できるパーテーションを一覧で紹介します。コストを抑えたい、短期間で環境を整えたいという方におすすめな選択肢です。

 

<施工なしで設置できるパーテーション例>

タイプ 商品例 特徴
ローパーテーション(布張り) ローパーテーション(布張り)
出典:
PN1218
■吸音性に優れる

■連結・解体が容易

卓上吸音パーテーション 卓上吸音パーテーション
出典:
GL-1400
■デスクに置くだけ

■軽量で持ち運びできるタイプもある

セミクローズ型ワークブース セミクローズ型ワークブース出典:ASO-SP3W ■周囲を囲うことで音を遮断

■連結・折りたたみ収納可

 

短期導入や試験運用には、まず卓上パーテーションから始めて効果を見る方法もおすすめです。本格的に席を仕切るならローパーテーション、在宅オペレーター向けならワークブースなど、用途に合わせて使い分けましょう。

 

【施工あり】コールセンター向けパーテーションの活用例

【施工あり】コールセンター向けパーテーションの活用例

本格的なコールセンターを構築するなら、施工型パーテーションが基本です。防音を最優先するならスチールが定番。パネルの間にロックウールやガラスウールを充填するなどして、遮音と吸音を両立できます。

 

≫【都内某所案件】防音材のグラスウールを使用し、スチールパーテーション工事を行いました

 

施工型を導入する際におすすめなのが「コールセンターブース全体を防音パーテーションで囲う」+「各デスクには吸音デスクトップ型を併用する」という組み合わせです。1人ずつ個室化するのはコスト・運用の両面で現実的ではないためです。

 

施工型パーテーションで囲う+各デスクにデスクトップパネルを設置するイメージ▼

施工型パーテーションで囲う+各デスクにデスクトップを設置するイメージ

この方法なら、外部への音漏れはスチールパーテーションで遮断しつつ、隣席との音問題はデスクトップ型吸音パネルで緩和できます。完全個室化と比べてコストを抑えられたり、管理者からの指示も通りやすかったりと、運用面のメリットも大きい構成です。

 

コールセンターの騒音対策一覧

コールセンターの騒音対策一覧

パーテーション以外にも、コールセンターの騒音対策にはさまざまな方法があります。複数の対策を組み合わせれば、効果はさらに高まります。代表的な5つの対策は以下の通り。

 

<パーテーション以外の主な騒音対策方法>

対策方法 概要 メリット 向いているケース
ノイズキャンセリングヘッドセット ■マイクが周囲の雑音を抑える

■相手の声だけを拾いやすくする

■導入コストが低い

■即効性あり

■通話品質が向上

■すぐ取り入れたい

■個人単位での対策

防音パネル・吸音材 ■天井や壁面に取り付けて反響音を軽減 ■空間全体の騒音を下げられる

■デザイン性も豊富

■パーテーションと併用したい

■内装にこだわりたい

内窓 ■既存の窓の内側にもう一つ窓を設置し二重窓構造にする ■外部騒音をカット

■遮音性が高い

■車の走行音や近隣の生活音が気になる
防音ボックス ■1人用の小型防音ブースを設置 ■声漏れ・外部音の侵入を最小限に

■多目的に活用可

■重要な通話

■Web会議

■商談用スペース

会議室・コワーキングスペースの利用 ■自宅以外の業務スペースを確保 ■家族の声や生活音から離れて集中できる ■在宅オペレーターの集中環境確保

 

すべての対策を一度に導入する必要はありません。自社の規模・予算・課題感に合わせて、優先順位の高いものから取り入れていきましょう。

 

コールセンターはパーテーションで騒音対策をしよう!

コールセンターはパーテーションで騒音対策をしよう!

コールセンターの騒音問題は、応対品質、従業員の集中力、離職率といった経営指標に直結します。パーテーションは、これらの課題に対する有効かつ現実的な解決策です。本記事で紹介した「防音・吸音性能」「高さ」「素材」「設置スタイル」を確認して、自社にあったアイテムを導入しましょう。

 

当社では、コールセンター向けのパーテーション設置・撤去から、内装工事、電気工事、オフィス移転までワンストップで対応しています。現場調査から施工後のアフターフォローまで一貫して承れますため、コールセンター新設・改装をご検討の際はぜひお気軽にご相談ください。

 

 

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