パーテーションを事務所に導入するメリットと失敗しない選び方

事務所の使い勝手や働きやすさを高めるうえで、パーテーションの設置は有効な手段です。集中環境の確保、デザイン性向上、動線整理など多くの効果が期待できます。本記事では、パーテーションを事務所に設置するメリットや選び方のポイント、さらに施工事例まで詳しく解説していきます。

 

事務所におけるパーテーションの種類

事務所におけるパーテーションの種類

最初にパーテーションの主な種類である「ハイパーテーション」と「ローパーテーション」の違いを確認していきましょう。

 

ハイパーテーション

まずハイパーテーションとは、施工型パーテーションとも呼ばれるものです。床と天井に固定するタイプで、専門業者による工事が必要です。

 

ハイパーテーションの例▼

ハイパーテーションの例

天井との隙間がかなり少なく、場合によっては隙間を作らないため、防音性や遮音性に優れており、セキュリティ対策にも有効なパーテーションです。

 

≫【施工型パーテーション】オフィスに最適なパーテーション3選

 

ローパーテーション

一方、主にデスクや床に立てて設置するタイプがローパーテーションで、衝立(ついたて)や間仕切りとも呼ばれる場合があります。ローパーテーションは、高さごとにタイプが分かれており、用途に応じて選べます。

 

<ローパーテーションの種類と主な特徴>

種類 イメージ 主な特徴
ロータイプ ロータイプ ■高さ:~1399mm

■座ったときの視線を適度に遮り、開放感を保ちながら個人スペースを確保できる

■空間全体を見渡せるため、コミュニケーション重視のオフィスに適している

ミドルタイプ ミドルタイプ ■高さ:1400mm~1799mm

■座った姿勢では視線を完全に遮り、立つと見渡せる高さ

■集中と会話がバランス良く保ちやすい

ハイタイプ ハイタイプ ■高さ:1800mm以上

■防音性・プライバシー性が高く、半個室に近い空間を作れる

画像出典:GL-1400PPN1014TS-ES1812WB

 

ローパーテーションは設置や移動が比較的簡単です。パネルがホワイトボードになっている商品などもあるため、目的に応じたパネルを選ぶと良いでしょう。

 

≫ローパーテーション活用術!工事不要のオフィス仕切り事例4選

 

パーテーションを事務所に設置するメリット

パーテーションを事務所に設置するメリット

続いて、パーテーションを事務所に設置するメリットを解説していきます。

 

メリット1:パフォーマンスが向上する

まずパーテーションで仕切りを設けることによって、従業員のパフォーマンスが上がる効果が期待できます。

 

実際に「騒音制限のないオープンスペースから、静かな個室に切り替えた場合に従業員のパフォーマンスが21.9%も向上した」という研究結果があります。さらにこの研究では、騒音制限がないオープンスペースでは従業員のパフォーマンスが著しく低下し、静かなスペースとして運用するとパフォーマンスが16.9%向上することも示されています。(参照:PMC7543894

 

つまり、従業員が作業内容に応じて適切に場所を選べることや、作業に集中できる静かな環境が事務所には必要です。従業員の働きやすさ向上を目指して、事務所のデザインを検討していきましょう。

 

≫職場環境を改善する方法は?具体的な事例や注意点について解説

 

メリット2:セキュリティ性を確保できる

パーテーションは物理的に視線や音を遮れるため、セキュリティ対策になるのもメリット。例えば、来客対応や機密情報を扱う業務、サーバールームなどでは、情報漏洩を防ぐために空間の区切りが欠かせません。施工型パーテーションの設置で、外部からの視認や盗聴のリスクを軽減できます。

 

特に経営企画や管理部門など、社内でも秘匿性の高い情報を扱う部署では、会議や打ち合わせを個室で行うことが求められます。筆者自身も、社内秘の資料を扱う際は必ず個室でミーティングを行うよう指示されていました。このような場合に対応できる環境を整えておけば「聞かれてしまうかも」という心理的な負担が減り、業務に集中しやすくなるというメリットもあります。

 

情報保護は社内外からの信頼にも直結します。ぜひパーテーションを活用し、安全で安心できる事務所環境を構築してください。

 

≫サーバールームに必要な性能とは?設置時の注意点3つも解説

 

メリット3:防音・遮音ができる

近年では、オンライン会議の増加を背景に防音ニーズが高まっています。その対策に、パーテーションの導入は有効で、中でも「スチールパーテーション」は最も高い防音性能を備えています。

 

スチールパーテーションの施工事例▼

スチールパーテーションの施工事例

話し声などの漏れを軽減できるため、会議室や集中ブース、応接室など、防音対策が必要なスペースも、施工型パーテーションなら柔軟に増設できます。

 

≫オフィスの防音対策について解説!具体的な方法や対策事例を紹介

 

メリット4:デザイン性が上がる

パーテーションの使いどころは、空間の印象を左右する大切な要素です。例えば、ガラスパーテーションを用いれば、開放感を保ちながらスタイリッシュな印象に。また、木目調やカラーパネル、ロゴデザインなど、素材や色を工夫するとブランドイメージの強化にもつながります。

 

ロゴを施したパーテーションの施工事例▼

ロゴを施したパーテーションの施工事例

オフィス全体のトーンを意識しながら、パーテーションのカラーやデザインを選びましょう。おしゃれな職場は、従業員のモチベーション向上にも寄与します。

 

≫おしゃれな個人事務所のレイアウト!具体的な作り方や注意点を解説

 

メリット5:部屋や動線が明確にできる

パーテーションを活用すると、受付や会議室、執務室、応接室などのエリア分けが容易にできます。エリア分けはゾーニング計画があってこそ。ゾーニングでは動線計画も行うため、来客や業務対応に伴う人の移動が整理され、混雑や交錯を防ぎやすくなります。

 

さらに、施工型パーテーションであれば取り外しや再配置も比較的容易です。将来的な増員やフリーアドレス制への移行によるレイアウト変更にもフレキシブルに対応できます。

 

機能性と快適性を両立した事務所にするために、まずはゾーニングの見直しから始めてみるのも良いでしょう。

 

≫オフィスレイアウトにおけるゾーニングとは?考え方や事例を紹介

 

失敗しない事務所パーテーションの選び方ポイント5つ

失敗しない事務所パーテーションの選び方ポイント5つ

ここでは、失敗しないパーテーションの選び方を5つの視点から解説します。

 

ポイント1:目的を明確にする

目的によって素材や設置方法などが変わるため、まずはパーテーション設置の「目的」を明確にしましょう。

 

<目的と適したパネルの例>

目的 適したパネル 施工例
パネルのカラーにこだわりたい アルミ アルミ
簡易的に仕切りたい
施工費を抑えたい
遮音性や防音効果を高めたい スチール スチール
欄間を塞ぎたい
明るい空間を保ちたい ガラス ガラス
おしゃれにしたい

 

目的を整理して、最適なコストバランスで施工をしていきましょう。何を最優先の目的とすべきか迷った際は、お気軽にお問い合わせください。経験豊富な専門スタッフがご要望をお伺いしたうえで、最適なご提案をさせていただきます。

 

≫【事例多数!】おしゃれで機能的なオフィスパーテーションの選び方

 

ポイント2:パネル素材を選ぶ

目的に適したパネルを選ぶためにも、主なパネル素材の特徴を把握しておきましょう。

 

<主なパネルの種類とメリット・デメリット>

パネルの種類 メリット デメリット
アルミ ■施工型パーテーションのなかでは一番安価
■カラーバリエーションが豊富
■軽量で施工しやすく、施工時間が比較的短い
■遮音性が低い
■強度が低め
スチール ■遮音性や防音効果が高い
■パネルの表面にダイノックシート(化粧フィルム)を貼りやすいためデザイン性が高い
■重量がある
■高価
ガラス ■デザイン性が高くおしゃれ
■明るさを保てる
■外からの視線が気になる
■ガラス取付費が別途必要な場合が多い

 

素材によって見た目はもちろん、遮音性などの機能性や価格が異なります。素材の特徴をおさえて、目的に合ったパネル素材を選んでください。

 

≫施工型パーテーションの価格と工事費用、施工例を紹介

 

ポイント3:パネルの構造を決める

施工型パーテーションは「1枚パネル」か「ブロックパネル」か、パネルの構造にも種類があります。どのタイプを選ぶかによって、空間の印象や施工費などが異なります。

 

1枚パネルとブロックパネルの施工例▼

1枚パネルとブロックパネルの施工例

例えば1枚パネルなら、継ぎ目が少ないため見た目がすっきりし、遮音性・気密性が高いのが特長。清潔感やシンプルさを重視した応接室・役員室・会議室に適しています。一方、ブロックパネルは、ブロックごとに素材を変えられます。そのため、デザイン性や採光性を高めることも可能。

 

理想的な施工にするためにも、空間の用途と求める印象に応じて構造を選びましょう。

 

ポイント4:設置方法(欄間)を検討する

建築において天井と鴨居の間に設けられる開口部のことを欄間(らんま)と呼びますが、天井上部にある空間施工型パーテーションの設置は、欄間の有無も検討が必要です。施工型パーテーションは床と天井にを固定するため、どのパネル素材でも、一定の遮音性・気密性・耐久性を確保できます。そして、欄間を塞ぐことで、それらの機能をさらに上げられるのです。

 

欄間オープン/クローズの施工事例▼

欄間あり/なしの施工事例

ただし、欄間は消防法に則った対応が必須。建物の構造や設置位置によっては塞げない場合もあるため、専門業者にしっかり確認しておきましょう。

 

一方、欄間を開けておくと空調や照明の効率が良くなりやすいのが特徴。欄間の有無は、音・光・空気の流れを左右する重要な設計要素です。エリアの用途に合わせて、完全密閉型にするか、空調効率を優先するかなどを判断してください。

 

≫欄間(ランマ)オープン・欄間(ランマ)クローズの違いとは?【メリット、デメリットを解説】

 

ポイント5:ドアの有無や種類を決める

施工型パーテーションで仕切りを作る場合、ドアの有無や種類も選べます。通路の幅や利用頻度を考慮し、開閉時に動線を妨げない設計にするようにしましょう。主なドアタイプは以下の通りです。

 

<主なドアタイプと特徴>

ドアタイプ イメージ 特徴
片開きドア 片開きドア ■押したり、引いたりして左右どちらかに開閉するドア
親子ドア 親子ドア ■横幅の異なる2つの片開きドアを組み合わせたタイプ
両開きドア 両開きドア ■観音開きで開くように2枚のドア組み合わせたタイプ
スライドドア スライドドア ■軽い力で開閉しやすく、左右どちらかにスライドさせるドア

 

紹介した4パターンが最もオーソドックスなドアの種類です。ドアの材質や鍵も決めるべき要素なので、ドアを取り付ける際はあわせて検討してください。

 

≫【施工例】ドア付きパーテーションの種類や選び方を徹底解説

 

事務所のパーテーション施工事例

事務所のパーテーション施工事例

最後に、当社の施工事例を紹介します。事務所に取り入れるパーテーションの参考にしてみてください。

 

事例1:三角スペースを会議室に有効活用

事例①三角スペースを会議室に有効活用

デッドスペースになっていた三角形の角に、会議室を増設した事例です。施工型パーテーションなら、基本的にどこでも施工可能なため、部屋の形に左右されず、好きな形に囲えます。

 

事務所にこの事例のようなデッドスペースがある場合は、パーテーションで直角を作りつつ、囲ったスペースを会議室や倉庫などに有効に活用してみてはいかがでしょうか。

 

≫【事例有】オフィスレイアウト変更の手順は?費用と効果も解説

 

事例2:ガラスパーテーションで遮音性とプライバシーを両立

事例②ガラスパーテーションで遮音性とプライバシーを両立

こちらはダブルガラスで会議室を増設した事例です。ガラスパーテーションは採光性に優れていて、デザイン性も高い素材ですが、周囲の視線や音漏れが気になるケースもあります。そこで採用したのが、すりガラスを2枚重ねたガラスパネル。採光性を保ちながら、遮視性や遮音性も備えています。

 

ガラスパーテーションでも、遮音性やプライバシー性を確保する工夫は十分可能です。「ガラスだと音が漏れるから無理」と諦めずに、理想のデザインや使い方をぜひ当社にご相談ください。

 

≫すりガラスシートのおすすめは?窓用目隠しフィルムの機能も紹介

 

事例3:木目調パネルで温かみと機能を両立

事例③デザイン性を重視した木目調パーテーションの導入

こちらの事例では、全体を木目調で揃えたことで温かみを演出し、3段パネルの上下とドア中央にガラスを入れることで室内の明るさも保てる会議室に仕上げました。加えて、視線の高さと被る3段パネルの上段とドアの中央にはすりガラスを採用し、セキュリティ性に配慮しています。

 

このようにデザイン性を優先しながらも、会議室として欠かせない機能も同時にまかなえるのが施工型パーテーションの強みです。

 

≫木目調インテリアで遊び心をプラス!魅力的なオフィスデザインを実現するコツ

 

パーテーション導入で画期的な事務所にしよう!

パーテーション導入で画期的な事務所にしよう!

事務所にパーテーションを導入するメリットや、失敗しない選び方について解説しました。当社の施工事例も紹介しながら解説したので、自社に取り入れたいパーテーションがイメージできたのではないでしょうか。

 

パーテーションは働きやすい環境を整える重要アイテムの一つです。当社は、施工型パーテーションの施工を専門的に承っております。些細なことでも構いませんので、迷った際はお気軽にご相談ください。経験豊富なスタッフからご提案やアドバイスをさせていただきます。

 

 

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