オフィスで快適に業務を行うためには、防音対策が必須となります。しかし、対策といっても様々な方法があるため、何をすればよいのか悩む方も多いのではないでしょうか。本記事では、オフィスや会議室などの防音対策について、メリットや具体的な事例について紹介します。
音漏れの原因は?
音漏れが起きる原因は、大きく分けて2つあります。音は空気の振動により伝わりますが、仮に密室空間だったとしても壁や天井を介して外部に伝達します。そのため、音漏れの原因としては次にあげる2つが考えられるでしょう。
- 隙間
- 壁や天井の材質・厚み不足
①隙間
壁や天井、床に隙間があれば、そこから音漏れが発生します。部屋は、扉を閉め切ったとしても意外と隙間があったりします。例えば、サッシと枠の隙間や建具の周囲などが挙げられます。また、経年劣化により材料が伸縮することで隙間ができる場合もあります。簡単な確認方法として、部屋の換気扇を回して隙間風が入ってくる場所があればそこに隙間があるということになります。
②壁や天井の材質・厚み不足
壁や天井の材質が音を通しやすかったり、壁の厚みが薄かったりする場合、音漏れが発生しやすくなります。音は、壁や天井へ入射した後、壁を貫通する過程である程度吸収されて出ていく仕組みです。どの程度吸収されるかは、壁や天井の材質や厚みによっても変わるため、防音対策を講じていない一般的な壁や天井では音を通しやすくなります。隙間が無いのに、音漏れがすると言う場合は、壁や天井が薄いことが原因として挙げられます。
オフィスで防音対策が必要となる場所
オフィス内で、特に防音対策が必要となる場所を紹介します。すべての部屋に防音対策を行う必要はなく、頻繁に会話する部屋や機密情報のやりとりをする部屋、プライベートな空間にて必要となります。
会議室・ミーティングルーム・応接室
会議室やミーティングルーム・応接室は、オフィス内でも最優先で防音対策を行うべき部屋です。特に、執務スペースが近くにある場合は、会議の声が漏れると業務に支障をきたす可能性があります。また、機密情報のやりとりを行う可能性も考えられるため、打合せの内容が外部に聞こえないような対策を講じる必要があります。
社長室
社長室は、社員全体に好評していない経営に関する情報や、社員の給与のような個人情報についてやりとりする場合があります。従業員へ情報が漏洩しないように、防音対策が必要となります。
トイレ
オフィスを新設する場合は、トイレの防音対策を忘れないようにしましょう。特に、オフィスが狭く、人がいるエリアとトイレの距離が近い場合はしっかりと防音対策を行い、プライベートな空間を確保できるように配慮する必要があります。
オンライン会議専用ブース
自席でオンライン会議を行う場合、近くにいる従業員の業務の妨げとなる恐れがあります。自席に防音対策を講じることは難しいため、オンライン会議を頻繁に行う場合は、専用ブースを設けることで、気を遣わずに会議に参加することができるでしょう。
オフィスにおける防音対策のメリット
オフィスにおいて、必要な場所に防音対策をすることで様々なメリットがあります。ここでは、防音対策のメリットを3つ紹介します。
メリット1:業務に集中できる環境の確保
必要な部屋に防音対策を行うことにより、業務に集中できる環境を確保できます。オフィス内がガヤガヤしていたり、会議の声が丸聞こえだったりすると、業務に集中できず生産性が低下してしまいます。会議室などの防音対策を行うことで、オフィス内が静かになり快適に業務をすすめることができるでしょう。
メリット2:情報漏洩の防止
応接室や社長室など、機密情報を扱う部屋の防音対策を行うことで、情報の漏洩を防止できます。特に、応接室については、会話の声が漏れないようにするだけでなく、執務スペースなどの話し声が応接室内にいる来客の耳に入らないようにできるというメリットもあります。
メリット3:プライバシーの保護
防音対策は、プライバシーの保護にも役立ちます。社長室における個人情報漏洩の防止や、トイレ内の音を遮断することにより、従業員のプライバシーを保護することができるでしょう。
オフィスボールがおすすめする具体的な防音対策
防音対策 | 防音効果 | 可能なタイミング |
隙間をふさぐ | 〇 | 後施工可能 |
遮音カーテン | 〇 | 後施工可能 |
スラブtoスラブの間仕切り | 〇 | 新設時 |
壁・天井にグラスウールの充填 | ◎ | 状況により後施工可能 |
吸音パネル | ◎ | 状況により後施工可能 |
スチールパーテーション | ◎ | 新設時 |
防個室ブースの設置 | ◎ | 後施工可能 |
サウンドマスキング | ◎ | 後施工可能 |
隙間をふさぐ
どこに隙間があるのか把握できる場合は、隙間テープなどで隙間を塞ぐと良いでしょう。隙間があることで音が漏れやすくなるため、完全に塞ぐことで防音効果を体感できるはずです。隙間ができやすい場所は、可動部であるサッシ部分や扉の周囲です。開閉に支障がないように気を付けてテープなどで塞ぎましょう。
防音カーテン
防音カーテンは、通常のカーテンよりも厚く音を吸収しやすい材質です。音が漏れやすいサッシ部分や扉の前に防音カーテンを設置することである程度の音は遮断できます。ただし、根本的な解決とはならないため、あくまで補助的な防音対策として、検討しましょう。
スラブtoスラブの間仕切り
スラブtoスラブ間仕切りとは、壁のボードを上階の床下まで貼り伸ばす施工方法です。一般的な壁は、天井下で止まっていることが多く、天井裏まで壁が伸びていません。そのため、隣の部屋の音が天井裏を介して聞こえてくることがあります。スラブtoスラブは天井裏まで壁が伸びているため、天井を介して音が漏れる心配がなくなります。
壁・天井にグラスウールの充填
壁や天井にグラスウールを充填することで、吸音効果が期待できます。施工のタイミングは、間仕切り新設の際に充填することが一般的ですが、天井がジプトーンとよばれるボード材であれば、後から施工することも可能です。また、グラスウールは断熱性能があるため、省エネにも効果があります。
吸音パネル
吸音パネルは、吸音効果のあるパネルで、後施工できるものがほとんどです。様々な種類があり、グラスウールなどが充填された分厚いパネルや、薄いパネル、穴の開いた有孔ボードも吸音パネルと呼ばれます。施工方法は様々ですが、両面テープなどで手軽に施工が可能な材料もあるため、商品によっては工事不要で設置が可能です。
スチールパーテーション
スチールパーテーションは、防音性・防火性に優れたパーテーションです。パーテーションの中では一番高価な部類ですが、機能性に優れているため、会議室などに使用されることが一般的です。施工性にも優れており、工場で加工したパネルを現地で組み立てるため、埃なども出ず、リフォームに最適な間仕切りです。
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防音個室ブースの設置
個室ブースは、オンライン会議や通話する時に手軽に使用ができる防音性に優れたブースです。様々なメーカーのものがありますが、50万~100万程度が相場です。ある程度の設置スペースが必要なため、オフィス面積に余裕がある場合は採用してもよいでしょう。
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サウンドマスキング
サウンドマスキングは、BGMのような背景音を流すことで会話の声などをぼかし、話し声などの音を聞こえづらくするシステムです。ヤマハやコクヨなど様々なメーカーの商品があります。ある程度の予算が必要なため、1部屋での使用には適しておらず、会議室など防音対策が必要な部屋を多く抱える企業で採用することをおすすめします。
当社での防音対策施工事例
当社では、オフィスの内装工事において豊富な実績があります。その中で、防音対策に関する施工事例を紹介します。
会議室の間仕切り
会議室の間仕切りをスチールパーテーションにて施工した事例です。欄間部分(パネル上部)をクローズにして、防音性を高めています。オフィス内に、会議室や応接室の間仕切りを施工する場合は、短い時間で施工が完了するスチールパーテーションがおすすめです。本工事は、パーテーション設置とモニターの設置を行いましたが、半日で施工が完了しております。
防音室の施工
スチールパーテーションにて防音室を施工した事例です。音が出る機械を設置するため、音が漏れないように防音性の高いスチールパーテーションにて間仕切りを施工しました。また、遮音性を高めるためにパーテーション内にグラスウールを充填しております。外から機械の様子が見えるように扉とパネル部に切窓を設置しました。こちらの工事は1日で完了しております。
ミーティングルームの間仕切り
ミーティングルームの間仕切りをスチールパーテーションで施工した事例です。ミーティングルームのすぐ隣には執務スペースがあるため、スチールパーテーションとして遮音性を高めました。こちらの工事は1日で施工が完了しました。
オフィスの防音対策により快適な環境をつくりましょう
本記事では、オフィスにおける防音対策が必要な部屋や、具体的な防音対策、施工事例について紹介しました。防音対策は、工事が必要な本格的な方法だけでなく、ご自身で簡単にできる防音対策もあります。完璧な防音性能を求める場合は、工事が必要な方法を選択すると良いでしょう。当社では、オフィスの内装工事を専門で行っております。パーテーション工事だけでなく、造作壁による防音対策なども行っておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。