間仕切り工事とは?費用相場や種類について解説

間仕切り工事は、店舗やオフィス、住宅などの現場で幅広く行われています。様々な種類があり、価格も異なるため、どの手法を選べばよいか迷われる方も少なくありません。本記事では、間仕切り工事の具体的な内容や種類、施工者目線での特徴などについてご説明します。

 

間仕切り工事とは?

間仕切り工事とは、オフィスや店舗などの空間を目的に応じて区切るための工事全般を指します。主な目的は、空間を仕切って会議室や執務室などの個室を作ることです。さまざまな工法があり、それぞれ特性や費用が異なるため適切な工法を選ぶことで働きやすい環境の実現につながるでしょう。

 

間仕切りの種類と費用

間仕切りとして使われる壁は主に2種類あり、それぞれ異なる特徴があります。ここでは費用相場も含めて解説していきます。

 

造作壁

造作壁は、木材や軽量鉄骨を使って下地を作り、ボードを張ってクロスで仕上げる本格的な壁のことです。費用相場は1平方メートルあたり6,000円〜程度で、施工面積や仕様によって変動します。

 

1つの工事で完結しないため工事の手間がかかるといったデメリットもありますが、クロスの色や柄を自由に選べるため、オフィスのデザインに合わせた仕上がりが可能です。工期は2日〜4日程度が一般的で、しっかりとした空間づくりを希望する場合におすすめの選択肢と言えるでしょう。

 

パーテーション

専用のパネルやフレームを組み合わせて設置する壁です。費用相場はパネル1枚あたり7,400円~程度で、素材や機能によって幅があります。造作壁と比べて工期が短く、半日〜2日程度で施工が完了します。また、レイアウト変更時に移設できる点も大きな魅力です。初期費用を抑えつつ、柔軟性を持たせたい場合に適した選択肢でしょう。

 

施工者目線での造作壁について

特徴

造作壁の特徴としては下記のような点が挙げられます。

 

  • 遮音性や耐久性に優れている
  • デザイン性が豊富
  • デザイン変更が容易

 

最大のメリットは、高い遮音性と耐久性を実現できる点です。ボードの枚数を増やしたり、グラスウールを充填したりすることで、音が外に漏れにくい環境を作れます。また、クロスの種類や色を自由に選べるため、オフィス全体のデザインに統一感を持たせやすいのも魅力です。

 

また、一度壁を作ってしまえば、クロスの張り替えや塗装など、後からデザインを変更することも可能です。長期的な利用を前提とした空間づくりには、造作壁が適していると言えるでしょう。筆者の経験上、将来的に壁位置の変更が無い場合は造作壁を採用される方が多い印象です。

 

仕上げの種類

種類 概要
クロス 多くの建物で使用される仕上げ材。薄い壁材で種類が豊富。
塗装 単純に塗るだけでなく、凹凸を出したりまだら模様を付けたりすることも可能。
ダイノックシート クロスよりも厚い仕上げ材。石調やタイル調、木目調など本物に近い質感に仕上げられる。
キッチンパネル 耐水性に優れた3mmほどのパネル。
エコカラット タイルや石のような素材で、調湿効果がある。

 

ボードの上には様々な仕上げ材を張ることができます。一般的にはクロスや塗装が用いられますが、高級感のあるデザインが求められる場合はダイノックシートやエコカラットを使用するケースもあります。また、給湯室やトイレなど耐水性が求められる場合はキッチンパネルが用いられるケースもあります。

 

» ダイノックシートとは?内装工事でのメリットや施工事例を紹介

 

注意点

造作壁の注意点としては下記のような点が挙げられます。

 

  • 移設や撤去が難しい
  • 工期やコストがかかる
  • 工事の際に粉塵が発生する

 

一方で造作壁には、移設や撤去が難しいという課題があります。レイアウト変更の際は解体工事が必要となり、その分のコストと時間がかかってしまいます。また、施工期間が2日以上必要なため、急ぎで壁を設置したい場合には不向きです。さらにパーテーションと比べて初期費用が高くなる傾向にあり、予算が限られている場合は慎重な検討が必要です。

 

施工者目線のデメリットとしては工事の際に粉塵が発生するため、居ながらの工事は難しいといったことも挙げられます。筆者自身も工事に携わる中で、石こうボードをカットするときの粉塵に悩まされることが多くあります。

 

施工者目線でのパーテーションについて

特徴

パーテーションの特徴としては下記のような点が挙げられます。

 

  • 短期間で施工が完了
  • 移設が可能
  • 現場を汚さない

 

大きなメリットは、短期間で施工が完了し、移設も容易にできる点です。多くの場合、半日〜2日程度で設置が完了するため、業務への影響を最小限に抑えられます。また、アルミやスチール、ガラスなど素材の選択肢が豊富で、用途に応じた機能を持つ製品を選べます。

 

スチールならグラスウールを充填して遮音性を高められますし、ガラスなら開放感を保ちながら空間を区切れます。中古品を活用すれば、さらにコストを抑えることも可能でしょう。

 

また、施工者目線でいうと部材カットの際に粉塵が発生しないため、現場を汚さずに施工できる点が挙げられます。そのため、居ながら工事でも簡易的な養生のみで設置ができます。居ながら工事を行う場合や、将来的な移設も視野に入れる場合におすすめです。

 

注意点

注意点としては、下記のような点が挙げられます。

 

  • デザインが限られている
  • デザイン変更の選択肢が限られる
  • 柔軟性に欠ける

 

造作壁と比べてデザインのバリエーションが限られている点が挙げられます。パネルカラーや支柱カラーを選択できますが、造作壁ほど豊富な選択肢はありません。また、デザイン変更の際はパネル部にダイノックシートを貼れる程度で、方法も限られています。

 

施工者目線でいうと、柔軟性に欠けているというデメリットもあります。工場でカットされた支柱とパネルを組み合わせて組み立てるため、複雑な形状を作ることが難しい場面もあります。そのため、デザイン性にこだわる場合は造作壁をおすすめします。

 

部屋を間仕切る方法

部屋を区切る方法はこれまでに紹介した方法以外にもいくつか存在します。パーテーションや造作壁が一般的ですが、簡易的な間仕切りや開放したいタイミングがある場合におすすめの方法を3つ紹介します。

 

アコーディオンカーテン

アコーディオンカーテンは、天井にレールを取り付けてじゃばら状のカーテンで空間を仕切る方法です。少し頑丈なカーテンといったイメージで扉に近い間隔で使用できることが特徴です。鍵付きにもできるため、更衣室などでも使用することができます。ただし遮音性は低く、視覚的な仕切りとしての役割が中心となる点は注意が必要です。

 

ポイント

アコーディオンカーテンは、ホームセンターなどで気軽に購入できるため、DIYで取り付けられる方も増えています。しかし、取り付け後に落下するケースも少なくありません。筆者の経験上、天井の下地が無い部分にレールを取り付けていることが一番多い原因です。

 

天井は、格子状に組まれた下地にボードが張り付けられているため、下地が通っていない部分にはレールの固定ができません。そのため、ご自身で取り付けられる際は下地を確認したうえで施工することをおすすめします。不安であれば専門業者に依頼すると良いでしょう。

 

移動式間仕切り

移動式間仕切りは、天井にレールを付けて、可動するパーテーションにより区切る方法です。会議室やセミナールームに設置することが多く、大部屋を1つの空間として利用する時と2つに分けて別々の用途で使用したい時など、状況に応じて使い分けたい場合におすすめです。

 

» 移動式パーテーションとは?可動式との違いや種類について解説

 

ポイント

移動式間仕切りは、重量のある扉を天井から吊るタイプや、引き戸のようにスライドするタイプなど様々な方法があります。当社でも、タチカワプレイスウィングなど豊富な施工実績がございますので、お気軽にお問い合わせください。

 

家具

本棚やキャビネットなどの背の高い家具を配置して、空間を緩やかに仕切る方法もあります。既存の家具を活用できるため、追加コストを抑えられるのが利点です。また、収納機能も兼ねられるため、限られたスペースを有効活用できます。オープンな雰囲気を保ちながら、ゾーニングを明確にしたい場合におすすめの方法と言えます。

 

間仕切り工事が必要な状況

工事を検討するタイミングは、オフィスの状況により異なりますが、適切なタイミングで工事を行うことで、働きやすい環境を維持できるでしょう。ここでは、間仕切り工事が必要となる主な状況を4つ紹介していきます。

 

オフィス移転

オフィス移転は、間仕切り工事を検討する最も一般的なタイミングです。新しいオフィスでは、会議室や執務室などの個室を新たに作る必要があります。そのため、既存のオフィスを参考にしながら、計画的にレイアウトを検討することで、動線やプライバシーに配慮した空間を実現できるでしょう。

 

ポイント

当社では、オフィス移転の工事も承っております。

 

  • パーテーションの引っ越しや買取
  • 原状回復工事
  • 不要家具の撤去

 

など様々な工事に対応しております。また、当社でパーテーションを新設された場合、将来的な撤去工事を無償でお引き受けするプランもございますので、ぜひお問い合わせください。

 

組織編制の変更

組織編制の変更により、部署ごとのスペースを見直す必要が生じることがあります。新しい部署が増えた場合や、チームの規模が変わった場合には、間仕切りで適切にゾーニングすることが重要です。パーテーションを活用すれば、将来的な組織変更にも柔軟に対応できるでしょう。

 

環境改善のためのレイアウト変更

従業員の集中力向上やコミュニケーション活性化など環境改善を目的とするレイアウト変更を行うケースも増えています。個室ブースを設置したり、休憩エリアを新設したりすることで、働きやすい環境を作ることができるでしょう。造作壁とパーテーションを用途に応じて使い分けることが重要です。

 

個室の造作

会議室や応接室、集中ブースなどの個室を新たに作る場合にも、間仕切り工事が必要です。特にWeb会議が増えた昨今では、周囲への音漏れを防ぐための個室需要が高まっています。用途に応じて適切な遮音性能を持つ間仕切りを選ぶことで、快適な個室空間を実現できるでしょう。

 

当社における間仕切り工事の事例

当社では、オフィスの間仕切り工事について豊富な実績がございます。ここでは、実際に施工した4つの事例を紹介していきます。それぞれ異なる種類の事例を紹介するため、用途に応じた選び方の参考にしてみてください。

 

ダブルガラスパーテーション

ダブルガラスパーテーション

中央区のオフィス内にある会議室の仕切りとしてダブルガラスパーテーションの施工を行いました。ブラックフレームを採用し、ランマクローズで施工しております。ガラスをダブルにすることで開放感を保ちながら遮音性も高められた事例です。こちらの工事は2日で完了しております。

 

アルミパーテーション

アルミパーテーション

株式会社Abody様のオフィス内に、中古アルミパーテーションを施工しました。コマニー製の白を基調としたシンプルなパーテーションを選定しております。中古パーテーションを活用することで、コストを抑えながらも機能的な間仕切りを実現できた事例です。こちらの工事は1日で完了しております。

 

スチールパーテーション

スチールパーテーション

株式会社ヤンバ様のオフィス内に、新品のスチールパーテーションを設置しました。遮音性を高めるため、パネル内にグラスウールを充填し、ドアは両開きタイプを採用しております。防音性能が求められる個室に最適な間仕切りを設置した事例です。こちらの工事は1日で完了しております。

 

造作壁

造作壁

東京都新宿区にあるオフィス内に、執務室と隣の部屋を仕切る造作壁の新設を行いました。木目調のクロスを使用し、オフィスの雰囲気に合わせた仕上がりとなっております。遮音性やデザイン性を優先した間仕切りの事例です。こちらの工事は2日間で完了しております。

 

適切な間仕切りを選定して快適な空間を作りましょう

本記事では、間仕切り工事について、種類や費用相場、必要な状況など筆者の実体験を踏まえて網羅的に解説しました。造作壁とパーテーションにはそれぞれメリットとデメリットがあり、用途や予算に応じた選択が重要です。当社は、造作壁の新設からパーテーションの設置、移設まで幅広く対応しております。間仕切り工事をご検討の際は、お気軽にご相談ください。

 

 

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