パーテーション工事を行った際に消防法の届け出が必要なケースがあります。
今回は、そのあたりについて詳しく解説していきたいと思います。
パーテーション工事の種類と届け出が必要なものとは
建物の部屋を間仕切りするのにパーテーション等の簡易的な壁を利用することがあると思いますが、これらの工事をするにあたって必要な届け出があるのをご存知でしょうか?
パーテーション工事と言っても様々で、開閉式の天井に隙間がある簡易的なものから、壁と変わらず隙間なく間仕切りするタイプなどがあります。
空間があるタイプのものは、通気性が良い事や元々あった部屋の空調をそのまま利用できるため、低コストかつ工事も短期間で済むのがメリットです。
一方で、空気の流れを遮断する事には変わりなく、設置場所によっては、パーテーション内外で温度の調節が難しくなる、通気性が良い反面、間仕切り内外の音や匂いが漏れてしまうなどの難点もあります。
こちらのタイプを設置するのであれば、事前にエアコンの場所、空気の流れ等をよくチェックしておく必要があります。
また、音漏れなどがあることで、重要で業務機密性の高い会議等に利用する部屋としては難があるでしょう。
一方で、隙間なく天井まで設置するタイプのパーテーション工事だと、先ほどのタイプとメリット、デメリットがきれいに反転する形となります。
音漏れ、匂い漏れなどは少なくなりますが、空調は新規に設置する必要があり、工事が大がかかりになりコストも増大します。
一般的に消防法に基づいて届け出が必要なのはこちらのタイプとなります。
消防法において届け出が必要なパーテーション工事と理由について
天井まで隙間のない間仕切りを設置する場合、消防法に基づき消防署への届け出が義務付けられています。
その理由についてですが、壁を設置することで、機密性が高まり防火性の観点からスプリンクラーの設置等が必要になってくるからです。
すでにスプリンクラーの設置をしており、消防署への届け出が終わっていても、新規に壁を設置する場合は新たに届け出をしなくてはいけません。
その起源については工事の7日前までと法律に定められています。
パーテーション工事の消防法届け出の手続きについて
工事が決まったら、消防署へ届出書を提出する必要があります。
これを「防火対象物工事等計画届出書」と言います。
この届出書は対象の部屋の敷地や住所、氏名、用途などの情報を記載する書類となっています。
それに加えてパーテーション工事の対象となる部屋を平面、立体、断面とそれぞれ詳細が分かる図面を合わせて提出します。
たかが間仕切りと安易に考え、届け出を怠ると消防法違反となり消防署より届け出をするよう指導を行います。
その指導に従わない場合警告、行政処分、設備設置命令違反として懲役1年以下、100万円以下の罪となります。
また、建物に防火基準を満たしていないという標識が張られる事となります。
パーテーション工事を安易に考えない
なぜたかが間仕切りにここまで厳しい手続きを求めるのか、その理由は命や財産を守るためのものなのです。天井に隙間があるタイプのものは、隣の部屋で音や臭い、光等異変が起こればすぐに気が付くことが出来ます。
一方で、遮音性の高い壁一面を覆うタイプのパーテーションの場合、周囲の状況が分からずに消火等の初期対応が遅れるだけでなく、最悪逃げ遅れるなどして命を失うことにも繋がりかねません。
また、消防署にとっても人々を火災から守る専門かとしての観点から、建物の工事の内容に関してしっかりと確認し把握しておく義務があるからです。
まとめ
パーテーション工事をする場合、天井まで隙間なく設置するタイプは消防法に基づき消防署に工事の届け出が必要です。
違反した場合は1年以下、100万円以下の罪に問われる可能性があります。