ハイパーテーションの設置には様々な注意点があることをご存知でしょうか?
今回はパーテーション工事をする上での注意点を解説していきたいと思います。
火災の場合には邪魔にならないように
会議室などでは、会話が漏れないように床から天井までのハイ・パーテーションが望まれますが、室内の風の流れを遮ることにもなります。
特に「いざ火災」というときには人員の退避路とともに、天井に沿って流れる煙の排出路も考えなければなりません。
ビル火災などでの犠牲者は煙に巻かれての窒息死が多い実情に合わせ、消防法でもいろいろな室内の消防設備工事や、消防訓練の実施を義務付けているのです。
煙は温度が高いために天井にたまりやすい性質がありますから、避難する人員はハンカチなどで口や鼻をふさぎ、腰を屈めて退避すれば有毒な煙を吸うことなく避難できる確率が増えます。
なお煙の排出路、人員の退避路はなるべくストレートにする方がよいため、それを邪魔するようにパーテーション工事をするわけにはいきません。
またせっかく設置されているスプリンクラーの邪魔をするのも×です。
パーテーション設置の計画時にちゃんと消防法を確認しておくことも大切ですので、事前に専門部署や専門業者に確認すれば安心です。
場合によっては関係部署を通して消防署と相談するとよいと思います。
ハイ・パーテーションの注意点
オフィス内の照明や空調関係に気を付けるとともに、消防法に則った設備に配慮する必要があります。
特に消防設備は平時は気にかけていないため忘れがちです。
消防法上は個室には煙や熱感知器やスプリンクラー、誘導灯や点検口、録音音声で火事を知らせる非常用スピーカーなどの設置が義務付けられています。完全個室の会議室で火事発生の情報が遅れると非難の機会を逸することになりかねません。
それらの点を考えると天井付近が和室の欄間のように空いている「ランマオープンタイプ」のハイ・パーテーションであれば個室と認められないため問題ないと思われます。
なおランマ部は200mm以上必要です。
消防法でもう一つ気を付ける点は、ホテル火災等で客室隔壁の燃焼と有害ガス発生により大きな犠牲を出した経験から、高層ビル、超高層ビルでのハイ・パーテーションは不燃性でなくてはならない点です。
スチールパーテーションはまず不燃性ですが、アルミパーテーションの場合はパネルの心材にペーパーコア等可燃性物質を使用しているものも多くあり、その場合は使えません。
なお地域によってはオフィスのパーテーションの変更や新たにオフィスを開設した場合は、「パーテーション施工の届出」を最寄りの消防署に提出する必要があります。
これらについても経験を積んだ業者であれば心得ていますし、届け出の作成や提出が煩雑であれば、代行も行ってくれるところも多いので確認してみてください。
照明や空調、電源、電話線などの設備工事追加を含め、消防法に伴う設備工事はなるべくなら避けたいところですが、必要な場合は施工会社に相談すればパーテーション工事と一緒にやってくれます。
その他の注意点
ハイ・パーテーション工事には、床にアンカーを取り付けたり、天上をビスで止めたりすることが多くあります。
貸しビルやテナントの場合にはあらかじめオーナーや管理会社に断っておく必要があります。
同時に施工作業は既成パーテーションのパネルや柱を現場合わせしながら切断するため、かなりの騒音が出ます。施工工事予定が決まったらオーナーや管理会社はもちろん、同ビル内の隣接するオフィスや住人にもあらかじめ知らせておく必要があります。
なお、オフィス街などの場合は、休日や夜間施工の方が近隣への迷惑を少なくできます。
これらの点も施工事例が多い業者さんであればいろいろな事例の経験があるため、相談することもできますし場合によっては挨拶時の簡単な粗品の準備までしてくれるところもあります。
最後に
パーテーション工事の注意点について解説させていただきましたが、いかがでしたでしょうか?
工事前にも工事後にも様々な注意点がありますので、パーテーションの知識や経験が豊富な専門店に依頼すると良いかもしれません。