そろそろWeb会議に最適なオフィス環境作りをしたいと考えてる方も多いのではないでしょうか。今回はオフィスの会議室をWeb会議用にレイアウトしようと考えている方向けに導入方法とレイアウト変更に関する主な注意点を解説します。
Web会議用の会議室は必要?
近年、日本政府は「働き方改革」を掲げて各企業にテレワークを推奨してきましたが、2020年初めの頃から広まった新型コロナウィルスの影響で緊急措置としてテレワーク、リモートワークの導入が一度に進みました。そういった背景により、物理的に同じ場所にいなくてもオンライン上で打ち合わせが可能なWeb会議は今や働く人にとっては欠かせない手段となりつつあります。さらに、働き方の多様性、たとえば出産後の育児で出勤が難しい従業員にも対応できるため、今後はもっとWeb会議が増えるでしょう。
最近のトレンドとしての会議室の役割
安定した環境でWebミーティングを行うことができる
設備を整えた会議室ではWebミーティングを非常にスムーズに行うことができます。例えば、テレビモニターに人物の顔を映し出し、複数人が話しても音声を拾うWeb会議用のマイクがあれば、マイクはハウリングをすることなく、まるでその場所にいるかのように会議が行えるので移動の時間が不要になります。また、社内なので通信環境も安定しているため、途中で通信環境が悪く『通話が切れてしまった』というアクシデントも起きにくくなるでしょう。
セキュリティ/ 機密性の高さ
社内ネットワーク環境ならセキュアなため、社外でWi-fiを利用してリモートワークをするときよりも、PCがハッキングされ情報が漏洩するリスクが低くなります。また不特定多数が出入りしない空間のため、情報の機密性が高く、秘密保持の観点からセキュリティが高いと言えるでしょう。カフェや喫茶店など不特定多数の人が集まる場所とは違い、会議の話し声が外部の人に漏れることはなく、安心してオンラインでの打ち合わせが可能です。
Web会議用の設備
Web会議を実施する部屋ではシステム機器があり防音・遮音に気を配らなければなりません。では、何が必要かを見ていきましょう。
機材関係
複数人の音声を拾えるマイク
一度に複数人がそれぞれPCを用いてオンライン上で同じWeb会議用のシステムにアクセスするとPCに内蔵されたマイクが干渉し合うためハウリングしてしまいます。そのため、一人ひとりがマイクを使うのではなく、複数人のマイクを拾うことができるWebミーティング用のマイクを設置すると良いでしょう。最近の収音マイクは、ノイズキャンセリング機能が搭載されていて、会議の話し声以外の雑音は拾わない機能が搭載されています。例えば、YAMAHA製のWebミーティング用のマイクは、人声が発せられた方向の音を優先的に収音したり、マイクに近い人と遠い人の音量をほぼ均一にする機能も搭載しています。少々値段は張りますが、話し声が聞こえないと会議にならないので予算は惜しまずにしっかりしたものを購入しましょう。
スピーカー
音声に関しては音楽を聴くわけではないので、音質にはこだわる必要はありません。先述したマイクにスピーカー機能が搭載されているものも多いので、電源の確保の手間を省き、機器の整理整頓をするためにも単独で買うのではなく、マイクとスピーカー機能が付いている機器の購入をお勧めします。
モニター
プロジェクターとスクリーンがある会議室ではそれらを用いてメンバーを映し出すか、もしくは少人数用の会議室の場合はTVモニターを用いると良いでしょう。Webミーティングを頻繁に行う会議室なら、TVモニターを設置し、マイクやスピーカーを常時接続しておくと、コードを繋ぐだけですぐにWeb会議ができます。
Webカメラ
最近ではUSBに繋げるだけで作動するシンプルな仕様のカメラが安価で販売されるようになりました。1対複数人だと、どうしても複数人を一人一人映し出すことが難しく、わざわざ会議の時にカメラワークを行うこともないので、カメラの質をそこまで重視する必要はありません。一人一人の表情を映し出すことが必要な場合は、マイクがハウリングしないように別室で行うか、イヤフォンを装着する、また同じ部屋であれば発言者以外はマイクとスピーカーをオフにするなどの工夫が必要です。
防音のため空間作り
壁・天井
壁と天井を一度取り外しリフォームすることができれば、外壁と内壁の間や天井の中に遮音シートと吸音材を入れると防音効果を図ることができます。また、遮音、収音効果に優れたパーティションを使用することで防音効果を得ることも可能になります。
窓
防音効果が一番高いのは二重窓ですが、そこまでの手間をかけることができなければ遮音テープやグラスウール製やポリエチレン製のシートを貼ることで遮音効果が図れます。ただし、一度貼り付けると窓を開けることができなかったり、採光性や通気性が落ちてしまうデメリットがあります。遮音カーテンもありますが、どちらも見た目を変えてしまうので窓からの騒音があまり気にならないようであれば造作はしなくて良いでしょう。
扉
遮音ができる扉を設置する方法が一番ですが、扉自体を変えることが難しい場合は、ドアと壁の隙間をテープで埋めることが遮音に有効です。特にグラスウール製やポリエチレン製の収音パネルを用いて、アンダーカットと言われるドアの下辺の隙間を埋めることにより遮音効果が上がります。
ブースの設置
少人数のWebミーティング向けとなりますが会議室を作り変えずとも、専用ブースを設置するという手段もあります。仕様はそれぞれ異なりますが、設置するだけのボックスタイプは防音効果に優れていて、手間がかからず、費用と設置する広ささえあればすぐに使用が可能です。その他にはパーティションで区切られていて天井は空いているブースタイプや背面だけブースになっているなど形は様々です。ブースはWeb会議用だけでなく、集中して作業を行える空間としても活用ができるため、フリーアドレスのレイアウトを導入しているオフィスには、大人数の集まる場所と、個人の作業スペースと切り替えができるので導入がしやすいでしょう。
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Webミーティング用の会議室を造作した後の注意点
Web会議を社内で上手に運用するための注意点をまとめました。
換気性
遮音性にこだわり過ぎると、閉ざされた気密性の高い空間となり、会議室の換気状態が悪くなってしまいます。こまめな掃除や換気、空気清浄機を設置することを念頭に会議室作りを行いましょう。
利用状況の管理システム
Web会議をより快適に行うためには、Web会議室の管理システムも導入することをお勧めします。これまでのアポイントや打ち合わせがWeb会議に切り替わると、会議室の利用頻度が増えると考えられます。会議室の入り口にタブレットを設置して、会議室の予約や現在の使用状況を社内のスケジュール管理システムに、連携させるサービスは多数あります。間違っても来客があった時のバッティングが起きないよう、予約や現在の利用状況を確認できるシステムを導入し従業員に利用しやすい運用方法を選んでください。
オフィスの会議室をWeb会議用にレイアウトする主なポイント
今回はオフィスの会議室をWeb会議用にレイアウト変更をするときのポイントについてお伝えしました。新型コロナウィルスのパンデミックが収束したとしても、Webミーティングの文化は利便性が高いため、なくなることはないでしょう。Web会議を快適にできるオフィスは生産性を高めるオフィスと言えます。Webミーティングに適切なシステムや機器は日々アップデートされるので『たかがWebでの会議』と侮らず、従業員にとって最も快適となるオフィス空間作りに励んでください。