「クロスを自分で貼ってみたい」、「クロス貼りの手順を知りたい」と思いませんか?クロスを自分で貼れればコストを抑えられますし、DIY好きの方なら楽しんで作業できるでしょう。そこでこの記事では、クロス貼りの手順を解説していきます。クロスの貼り方の種類や必要な道具などについても解説しました。
【内装】クロス工事とは
クロス工事とは、壁や天井などにクロス(壁紙)を貼る工事のことです。マンションや住宅などの新築工事での貼り付け、汚れや黄ばみなどによる貼り替えなど、様々な場面でクロス工事が行われています。クロス工事を簡単そうな作業に感じる方もいるかもしれませんが、些細なことで仕上がりに影響してしまうため、最新の注意を払いながら作業が行われています。例えば、クロスの間にゴミやホコリが入ってしまうとデコボコした仕上がりになってしまうため、基本的に他業者と被らないような工程が組まれています。また貼り付けたばかりのクロスは、ずれたり剥がれやすいため、乾くまで他業者は立ち入れないようにスケジュールを組んでいます。
クロス張替え工事の手順
クロスの張り替え工事は、次のような手順で行われます。
- 既存のクロス剥がし
- 下地処理
- 新しいクロスの貼り付け
それぞれの手順を詳しく解説していきますので、ぜひご覧ください。
既存のクロス剥がし
クロスを貼る前に、既存のクロスを剥がしていきます。クロスを剥がす前に、コンセントやスイッチ、照明などを取り外しておくと、スムーズに作業に移れます。既存のクロスに重ねて貼りたいと考えている方もいるかもしれませんが、古いクロスの上に貼ると剥がれやすく、クロスの端と端(ジョイント部分)に隙間ができやすくなります。ですから、新しいクロスを貼る前に、既存のクロスを剥がす必要があるのです。まず、クロスのジョイント部分(つなぎ目)をカッターでめくり、大きく剥がしていきます。クロスの端から端まで斜めにカッターで切り込みを入れ、三角形になった部分の頂点から剥がすのが綺麗に早く剥がすコツです。壁の角やドアの枠などにはコーキング(ジョイントコーク)をしていることがあるので、コーキング部分に沿ってカッターを入れると綺麗に剥がせます。
下地処理
クロスを貼る前に、貼り付け面が平らになるように、下地処理を行います。まず、不要になったクロスなどの上にパテをだし、水を加えて練っていきます。クロスの裏紙が剥がれてしまったところ、ビス跡などの段差を埋めるように、薄くパテを塗りのばしましょう。パテが乾燥したら、紙やすりをあて、平らにしていきます。冬は、パテがすぐに乾かないので、ドライヤーやヒートガンを使用して乾かすこともあります。パテが焦げる可能性があるので、乾燥させるときは注意して作業してください。
またクロスが貼れない下地(コンクリート・モルタルなど)の場合は、シーラーを塗り、クロスが貼れる下地にしてあげる必要があります。シーラーを塗り下地に被膜(ひまく)を作ることで、被膜にクロスの糊(のり)が付き、クロスを貼り付けられるようになるからです。厚手のクロスを貼るときは、下地処理が必要ないこともありますが、このような流れで下地処理を行っていきます。
新しいクロスの貼り付け
パテが乾燥したら、新しいクロスを貼り付けます。まず、糊付け機を使用して、クロスに糊をつけていきましょう。次に、刷毛(はけ)を使い、空気を抜きながらクロスを貼っていきます。クロスの間に空気が入ると剥がれやすくなるため、しっかりと空気を抜いていきましょう。余分なクロスは、カッターで切り落としていきます。クロスのジョイント部分には、クロスと同じ色のコーキングを使用して、継ぎ目が目立たないようにします。
クロスの貼り方の種類
クロスの貼り方には、主に次の2種類があります。
- 突き付け貼り
- 重ね切り
それぞれの貼り付け方について解説していくので、施工時の参考にしてください。
突き付け貼り
突き付け貼りとは、クロスを重ねずに、端(はじ)と端を合わせて貼り付ける手法です。下地を切らずに施工できるものの、クロスのミミを切り落とす必要があり、少しのズレも許されない、職人向けの貼り方です。突き付け貼りでは、まず糊付け機のスリッターでクロスをカットしていきます。スリッターを使用しない場合は、定規とカッターを使用して、真っすぐにカットしてください。そして、クロスの端に合わせて貼り付け、ジョイント部分が目立たなくなるようにローラーをかければ完成です。薄いクロスや柄の入っているクロスには向かない手法なので、施工前にクロスに合っている手法か確認するのがおすすめです。
重ね切り
重ね切りとは、クロスを重ねて貼り、重なっている部分を定規やカッターで切り落とす手法です。クロスに糊をつけ、貼りつけてあるクロスに少し重ね、貼り付けていきます。柄物のクロスの場合は、柄を合わせて貼り付けることで、仕上がりを綺麗にすることが可能です。クロスを貼り付けたら、ヘラを使用して、空気や余分な糊をしごき出しましょう。最後に、重なっている部分のクロスを切り落としていきます。糊付け機を使い下敷きテープをクロスに貼れば、下地を傷つけずにクロスをカットできます。また値は張りますが、レーザー墨だし器を使用すると、真っすぐにカットしやすくなります。
下地処理の重要性
クロスを貼りつける前に、下地処理を行なわなければいけません。クロスの下地には石膏ボードが使用されることが多いですが、ボードの継ぎ目やビスなどがあり、がたつきのある状態です。そのまま貼り付けてしまうと、クロスにしわができてしまう可能性があるため、下地処理が必要なのです。ほかにも、石膏ボードの表面が割れているとき、古いパテにひび割れがあるときなども、下地処理が欠かせません。また、石膏ボードがへこんでいるときは、石膏ボードの張り替えも必要になるでしょう。仮にへこんでいる部分だけをカットしたい場合は、へこんでいるボードをカットし、切り抜いた場所に木を入れ、ビスで木と石膏ボードを固定します。カットした部分と同じサイズの新しい石膏ボードを入れ、ビスで新しい石膏ボードを木に打ち付けていけばへこみを解消できます。最後に下地処理を行い、クロスを貼っていきましょう。
クロス貼りに必要な道具
クロス貼りに必要な道具は、次の通りです。
道具 | 役割 |
カッター | クロスを剥がすときや切り目を入れるときに必要。小型のカッターを使うのがおすすめ。 |
スクレーパー | クロスが剥がれにくいときに使用する。 |
コーキング | ジョイント部分を目立たなくするために必要。また、クロスを剥がれにくくする効果もある。 |
ヒートガン | パテを早く乾かすのにあると便利。 |
パテ | 下地処理に必要。 |
パテ板 | パテを塗るときに使用する。 |
パテベラ | パテを塗るときに使用する。 |
やすり | パテを削り、下地を整えるのに必要。 |
もちろん、クロスや糊なども必要です。DIYで行うのであれば、価格の高い糊付け機は使用しないで、糊付きのクロスを購入するのもいいでしょう。ほかにも、レーザー墨だし器があればカットがスムーズになりますし、家庭用のドライヤーがあればパテを乾かすときに便利です。
まとめ
この記事では、内装工事で行う、クロスの貼り付け方法を解説しました。クロスの貼り付け方法には、「突き付け貼り」と「重ね切り」があるので、ご自身のやりやすさや材料に合わせて選択するのがおすすめです。クロスを貼るときには、下地処理の出来によって綺麗に仕上げられるかが決まるので、下地処理も丁寧に行うといいでしょう。クロスの施工方法や手順を紹介しましたが、下地によって施工方法が変わり、綺麗に貼るためには経験が必要です。初めから綺麗に貼ることは難しいので、綺麗な仕上がりを求めるなら業者に依頼するのが確実です。
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