オフィスリニューアルでは、看板の材料に「カッティングシート」を使うことがあります。とても便利な素材でさまざまな場面に利用することが可能です。今回は看板制作にピッタリなカッティングシートについて紹介していきます。
カッティングシートとは?
カッティングシートとは、装飾用のシートで、メーカーの中川ケミカルから発売されている商品名です。構造は裏面に糊がついたシート本体と、保護シートの2重構造。施工をおこなうときに保護シートを剥がして本体の貼りつけをします。ラインナップはレギュラー、メタリック、透明色など全11シリーズ。色はシリーズトータルで273色もあり、好みに合わせたカラー選定ができます。カッティングシート最大の特徴は自由な切り貼りができる点です。カッターナイフなどで簡単に切って貼ることができるため、ロゴなどの作成には最適の素材と言えるでしょう。
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一般的な用途は、オフィスの看板内装、ガラスへのサインなど幅広いです。さらに剥がすことも簡単なため、「仮のオフィスで数年間しか借りない」「原状回復を気にしている」などの状況には、看板施工の材料としてマッチしています。
カッティングシートのシート費用・施工料金
メーカー価格を紹介
カッティングシートのメーカー価格はシリーズごとに差があります。今回はスタンダードなレギュラーシリーズ、メタリックシリーズの金(品番813 )を例に紹介します。サイズの表記は幅(mm)×長さ(m)です。
シリーズ | サイズ | 価格 |
レギュラー | 450mm×12m | 1000円 |
レギュラー | 1010mm×20m | 2170円 |
メタリック 金(品番813) | 450mm×20m | 1230円 |
メタリック 金(品番813) | 1010mm×20m | 2670円 |
施工にかかる費用は?
カッティングシートでロゴ(文字列)を制作する場合はサイズによって値段が変化します。表は「オフィスボール」という文字列を制作する場合です。
文字の高さ | 料金の目安 |
10mm | 3000円 |
20mm~40mm | 2500円 |
50mm~100mm | 3800円 |
※ 料金は使うカラーや材料によって変化します。
貼り方
カッティングシートの貼り方は「ドライ貼り」「水貼り」の2種類です。それぞれの施工にメリットや注意点があります。また、どちらの貼り方もリタックシートを使っての作業がほとんどです。リタックシートとはカッティングシート本体の上からかぶせるように貼りつける台紙のことで、細かな切文字がばらばらになるのを防ぎます。
ドライ貼り
ドライ貼りとは、シート糊の粘着力だけでおこなう貼り方です。一般的なシールを貼るのと似ています。
ドライ貼りの方法は?
まず、カッティングシートにリタックシートをセットしておきます。次にシートを貼る場所を決めましょう。位置を決めたらマスキングテープを使ってシートを施工面に仮止めします。次に片側から裏面の保護シートを剥がし、徐々に貼りつけをしていきましょう。専用のスキージで伸ばすように圧着させます。保護シートを剥がし終わり、シート本体を完全に貼りつけ、最後にリタックシートを剥がして作業は完了です。
水貼り
水貼りは水を使用してシートを貼る作業です。ガラスとシートを水で濡らすことで細かな位置調整ができるようになる、気泡が抜きやすく綺麗に仕上がるなどの利点があります。
水貼りの方法は?
使用するカッティングシートにリタックシートをセット。最初にシートを貼る箇所の清掃をおこないます。シート設置面にホコリが付着していると、施工後浮き上がりなどで目立つ可能性があるためです。霧吹きに一定量の洗剤を混ぜた洗剤水を用意し、施工面にまんべんなく吹きかけます。その後、水切りを使って設置面の水をホコリと一緒に取り除きましょう。設置面が綺麗になったら再度洗剤水を吹きかけます。まんべんなく濡らしたらシートの位置を決めていきます。位置が決定したら貼りつけをおこないましょう。水貼りは設置面が水で滑り、シートを動かすことができるため貼りつけをした後でも位置の調節が可能です。位置が確定したら専用のスキージを使って外へ伸ばすように気泡や余分な水を抜いていきます。スキージで伸ばすように圧着したら、リタックシートを慎重に剥がして作業は完了です。
どちらの貼り方が良い?
2種類の貼り方には、施工する場所やシートのサイズによって向き不向きがあります。ドライ貼りは主に小さなシートに向いている貼り方です。手間がかからないことがメリットでスピード重視の作業に向いています。たくさんのロッカーにステッカーを貼りたいなど。また、湿度が高く水が乾きにくい環境でも使われる方法です。ただし、ドライ貼りは1度貼ってしまうと細かな調節ができません。失敗してしまうとやり直しになる可能性があります。
カッティングシートの施工で失敗しないためには?
イメージとの違いに注意
看板の施工ではイメージと異なった結果になることがあります。実際に貼ってみると小さくて目立たなかった、思っていた色とは違っていたなど。色やサイズは実際に確認しないと、イメージと現物が違っている可能性も考えられます。色やツヤなどは実物のサンプルを見て選ぶといいでしょう。また、大きな看板はサイズを聞いただけでは、施工後の想像がしづらいです。紙で作ったサンプルを実際の設置位置で合わせてみるなど、確認をしてからおこなうとミスを防ぐことができます。
工事の二度手間に注意
パーテーションの工事をするときに看板の取り付けも検討している場合は同じタイミングでの施工がおすすめです。特にガラス面に大きなシートを貼りつける工事など。稼働しているブースで工期を分けてしまうと、既存の什器などの物を移動させなければ貼りつけができないといった手間が発生します。物を移動させると、ぶつけてしまって傷をつけてしまうことも。慎重に作業をしていてもリスクを伴う可能性があるため、複数の工事を検討している場合はまとめての施工が良いでしょう。
看板の取り付けは業者に頼むべき?
看板の取り付けは業者への依頼がベストです。素人の作業では水平にならない、曲がってしまうことも。ドライ貼りをおこない失敗するとやり直しが難しい、水貼りでは床がビショビショになってしまうなどトラブルにもつながります。また、看板は人目につくため、曲がっているなどすると企業のイメージダウンになる可能性も。オフィスの顔である看板の施工はプロに任せるようにしてください。
施工のおすすめ場所は?
ガラス面に会社のロゴを施工
外から見えるガラス面は大きなサイズのカッティングシートを施工するのにピッタリです。通行人の目につくため営業時間やサービス内容などを掲載すると宣伝効果が期待でき、来客にもぱっと見て場所が分かりやすいなどメリットが多くあります。オフィスの窓に看板を取り付ける場合は、ガラスの幅を最大限利用した大きくて目立つサインがおすすめです。大通り沿いにあるなど人通りが多く目立つ場所にある事務所では、看板施工によって収益アップが望めるかもしれません。
オフィス入り口に会社のロゴ
オフィス入り口や受付の背景に社名のロゴを貼りたいときにも、デザイン性に富んだカッティングシートは丁度良いでしょう。既存のデザインが決まっていても、273色の選択肢から最適な色を選ぶことができます。また、カッティングシートは接着面を傷つけにくいため、今後移転を考えているときにも向いています。オフィスの入り口では社名のサインを取り付けるケースが多いです。中には壁に穴を空ける、強力な接着剤を使うサイン工事もあり、設置面を傷つける作業も。原状回復などを気にする場合にはシールの糊のみで接着するためピッタリです。
ゴミ箱やロッカーに分かりやすい看板
燃えるゴミやリサイクル用紙など、表記が文字だけだと分かりにくいと思った経験はありませんか? 分別が多いゴミ箱では、文字だけだとあまり気にしていなくて捨てる場所を間違えてしまうことも考えられます。見ただけで分かるマークを作って貼ると捨て間違いのミスを減らすことができるでしょう。また、見ただけで分かるマークは日本語が読めない外国の人にも伝わります。マークの施工は、さまざまな国の人が働いている企業のオフィスではとても重要です。さらに、小さなシートはドライ貼りで短時間の施工が可能なため、たくさんあるロッカーへのナンバリングやロゴの貼りつけにも最適な方法と言えます。
会議室などのルーム名に
カッティングシートは会議室など、オフィス各部屋のルーム名を分かりやすくお洒落にすることも可能です。部屋の名前が書いてあるサインはオフィス内での看板の役割をになっています。似たような雰囲気の部屋が並んだ通路では、あまり来たことがない訪問者が迷ってしまうことも。利用するすべての人が便利に使えるようにするためには、分かりやすい看板の設置が大切です。また、お洒落なシートによるロゴは社員のモチベーションアップにもつながります。休みの日に工事をおこない新しいサインを取り付けると、出社日にリニューアルが話題になることも。貼りつけだけでオフィスのイメージアップをすることができるため、短期間でオフィスリニューアルをしたい場合は良いでしょう。
≫ サイン工事とは?オフィス内看板の種類や取り付け例を紹介!
看板制作ならカッティングシート!シート価格や施工費用を解説【まとめ】
加工が簡単で色も豊富なカッティングシートは、オフィスの看板に最適な素材です。また、料金の目安は1箇所2500円程度~となっています。窓ガラスやドアなどにロゴを貼りたい場合には施工を検討してみてください。