オフィスにおける作業効率の向上には、適度な目隠しが効果的です。昨今ではオープンなオフィスが増えているので、空間にメリハリを付けるためにも目隠しを取り入れてみましょう。本記事では、オフィスでできる目隠しの工夫や、目隠しに便利なパーテーションの選び方や事例も解説していきます。
オフィスの目隠しに期待できる3つの効果
最初に、オフィスに目隠しを取り入れることで期待できる主な効果を解説していきます。
効果1.生産性の向上
目隠しに期待できるのは仕事の生産性向上です。というのも、目隠しによって集中の妨げになる音や視線を遮れるからです。周りで人やOA機器がせわしく動いていると気が散ってしまいます。作業に没頭したい場合にはパーテーションなどで物理的に見えなくしたり、音を聞こえにくくしたりするのが効果的です。
効果2.プライバシーの確保
目隠しにはプライバシーを確保する効果もあります。人は誰かに見られていると感じると緊張し、作業に集中しにくくなります。周りから見えないプライバシースペースにすることで、安心して仕事に取り組めるでしょう。つまり、オフィスを安易に完全なオープンにするのはおすすめできません。心地よく働ける空間にするなら、プライバシーが確保できるかも考慮してください。
効果3.ストレス軽減
パーテーションなどで適度に区切られているオフィスには、ストレス軽減効果もあります。仕切りがない開けたオフィスの場合、ストレスを感じやすく生産性が低下することが分かっています。加えて、仕切りがあるオフィスに比べて社員の病欠日数が多くなるという調査結果もあります。
オフィスでできる目隠しの工夫6選
次に、オフィスでできる目隠しの工夫を6つ紹介していきます。
工夫1.卓上パネルを設置する
レイアウトを変えずに目隠しを取り入れるなら卓上パネルが便利です。簡単に設置と取り外しができる折り畳み式の商品も多く、TPOにあわせて使用できます。
卓上パネルの例
出典:スチールデスクトップパネル 据置き式 DPS-1100
コンパクトな目隠しツールなので、オフィススペースに余裕がない場合でも取り入れられます。
工夫2.バックパネルを設置する
デスクを対面のレイアウトにしているなら、バックパネルを活用して目隠しをする方法もあります。バックパネルはデスクに固定して使う1枚板のようなものです。
バックパネルの例
四方を囲わないため圧迫感が少なく使えます。また対面に仕切りを置くと、飛沫対策にもなります。
工夫2.ローパーテーションを設置する
比較的導入しやすく、レイアウトを自由に変えられるのがローパーテーションです。ローパーテーションは設置方法がさまざまなうえ、高さのバリエーションが豊富です。
ローパーテーションの設置例
席の間に置いて仕切りにするだけでなく、レイアウト次第では半個室のブースも作れます。
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工夫3.ハイパーテーションを設置する
目隠しとして耐久性が高いのがハイパーテーションです。ハイパーテーションとは、天井と床に固定する施工型パーテーションのことで、専門業者に依頼が必要です。
ハイパーテーションの施工例
種類やレイアウトなどをオーダーメイドできるため、エリア分けや個別ブースを好みのデザインに仕上げられます。
工夫5.収納と仕切りを両立する
キャビネットなどの収納を仕切りとして役立てる方法もあります。オフィススペースに余裕がない場合は、目隠し用にパーテーションなどを導入すると、圧迫感が出てしまい、かえって作業に集中しにくくなる可能性があります。オフィスの広さによっては、収納と仕切りを両立させ、座ったときに視線を遮れる程度の目隠しを検討するのがおすすめです。
工夫6.観葉植物を置く
そして、観葉植物を目隠しに活用するのも良いでしょう。圧迫感を出さず、視線を遮れます。植物には空気清浄効果や眼精疲労の緩和、リラックス効果などがあり、心地よく働けるオフィス作りに役立ちます。
観葉植物を設置した施工例
目隠しやリラックス効果を期待するのであれば、フェイクグリーンでも問題ありません。植物のサイズによって、床置きやローキャビネットの上など視線を遮れる高さを選んでください。
オフィスの目隠しに適したパーテーションの選び方
続いて、オフィスの目隠しに適したパーテーションの選び方を4つのポイントに分けて解説します。
ポイント1.高さ
まず、目隠しに必要な高さを検討してください。以下の表にパーテーションの高さと適した主な用途をまとめています。
<パーテーションの高さと適した主な用途>
床からのパーテーションの高さ | 隠れる箇所 | 高さの特徴 | 適した主な用途 |
約100cm | 座った状態:手元 | ・座った状態で周りを見渡せる ・視線を遮らない |
・デスク周り ・カウンター |
約120cm | 座った状態:手元、視線 | ・座って視線を落とすと周りが気にならない ・座って視線を上げると周りを見渡せる |
・デスク周り ・休憩スペース |
約150cm | 座った状態:全身 立った状態:顔から下 |
・座ると全身が隠れ、立ち上がると周りを見渡せる ・作業への集中と周りとのコミュニケーションを両立しやすい |
・デスク周り ・ミーティングスペース |
約180cm | 立った状態:全身 | ・周囲から隔離されやすい ・多くの人は立った状態で全身隠れる |
・個人ブース ・半個室 |
200cm以上 | 立った状態:全身 | ・多くの人は立っても頭まで隠れるため、横を人が通行しても動きが気にならない ・ドア付の個室を作れる |
・個人ブース ・半個室 ・完全個室 |
ポイント2.素材
高さが決まったら、素材の検討です。代表的な素材は以下の通り。
<パーテーションの主な素材>
- 木材
- クロス
- アルミ
- ガラス
- スチール
- ポリエステル
視線を完全に遮るなら透けない素材を選んでください。透過性がある素材は光を通すため、人などの動きを感じるものの、パーテーションが大きくても空間を明るく保ちやすいです。
ポイント3.タイプ
パーテーションの設置タイプも選びましょう。特に、ローパーテーションは種類が豊富です。
<ローパーテーションの主なタイプ>
- 自立式
- レール式
- 吊り下げ式
- 折り畳み式
- 突っ張り式
折り畳み方にはさらに種類があり、連結部分を取り外すものや、蛇腹のように互い違いに折り曲げるもの、アコーディオン式のように伸び縮みさせるタイプなどがあります。施工型パーテーションであれば、天井と床を固定するタイプです。ただし、固定をレールにするなどのバリエーションがあります。
ポイント4.機能性
パーテーションの機能性も確認すべきポイントです。仕切りの素材や加工によっては、画びょうを刺す・マグネットを貼る・ホワイトボードにするなどの使い方ができます。その他にも、防音や防火、抗菌などの加工が施されているパーテーションもあるため、機能もしっかり検討しましょう。
オフィスに目隠しを取り入れた事例6選
最後に、オフィスの目隠しとしてパーテーションを取り入れた事例を紹介します。
事例1:半個室のミーティングスペース
ローパーテーションでテーブルを囲って半個室のミーティングスペースを設置した事例です。ホワイトフレームに、集中力アップが期待できるブルーのパネルでパーテーションを統一しています。ローパーテーションは誰でも設置がしやすいタイプなので、オフィスレイアウトを手軽に変えられます。
事例2:室内が見えないミーティングスペース
シルバーフレームとブラックパネルを組み合わせた施工型パーテーションの事例です。パネルの幅や高さはオフィスに合わせてオーダーメイドで製作しています。透過性のない素材なため、室内が見えず集中できるスペースに仕上がっています。
事例3:可動式の仕切り
施工型パーテーションは天井と床に固定しますが、こちらはレールを使って可動式にした事例です。素材は、ホワイトフレームとアクリルパネルを使用しています。アクリル部分は半透明なため、視線や音を遮りつつ、光は通します。
事例4:個性的な作業スペース
こちらも施工型の事例で、内装デザインにあわせてブラックのフレームとパネルを採用した3段ブロックのアルミパーテーションです。お客様の要望にあわせて、中段をガラス、下段をオープンにするという個性的なカスタマイズをしています。かすみガラスを使用すれば、ガラスであっても周りからの視線を気にせず作業ができます。
事例5:明るさを重視した仕切り
執務室と会議室を施工型パーテーションで仕切った事例です。3段ブロックのすべてにガラスを使用しており、上段と中段にタペシートを貼って中が見えない仕様にしています。かすみガラスにすれば視線が気にならず、明るさを維持できるのがメリットです。
事例6:座れば目隠しになる仕切り
こちらも3段ブロックの施工型パーテーションの事例で、中段と下段にブラックパネルを使用しています。中段以下を不透明なパネルにすることにより、座った状態で反対側が見えなくなる目隠しの効果を発揮します。上段をガラスやオープンにすると光が透過できるため部屋の明るさを妨げません。
オフィスでできる目隠しの工夫6選!パーテーションの選び方や事例も紹介【まとめ】
本記事では、目隠しについて期待できる効果やオフィスでできる工夫などを解説しました。オフィスでよく活用されるパーテーションの選び方や事例も紹介したので、求めている目隠しが具体的にイメージできたのではないでしょうか。当社では、パーテーションの施工業務を専門的に行っております。パーテーションに関することは、ぜひお気軽にお問い合わせください。