オフィスの重要な要素として「空間デザイン」があります。内装やインテリアにこだわることで、快適に仕事を進めることができるなど、多くの利点があります。ポイントをご紹介するので、改装や移転をきっかけに雰囲気をガラッと変えて、それぞれの職場に合わせた環境を今一度考えてみませんか。
オフィスにおける空間デザインとは?
空間デザインとは、壁や床、家具といったインテリアを総合的に考えることです。オフィスの内装が変わると気持ちにも変化が生まれ、様々なメリットがあります。
モチベーションUPが作業効率UPに繋がる
長い時間を過ごすオフィスの内装を変えると、働く人々の気持ちに大きく影響します。自分の職場を好きになると、向上心も高まりますよね。気持ち良く過ごせることで、仕事の質も上がるんです。自社製品を持った企業の場合、商品を手にできる場所があると良いです。具体的に、飲料メーカーであれば、無料で自社の飲料が飲めるスペースを設けると、福利厚生になると同時に商品理解も深まります。社員のために何かを提供してあげると、働く側も応えようという気持ちになります。社員が喜ぶ環境作りはやる気に繋がります。
企業のビジョンを共有できる
企業理念をオフィスに反映すると、ビジョンの共有になります。経営者や経営方針が変わった時、内装も変化させてみてはどうでしょうか。社内の雰囲気を一新することで、社員も気持ちを新たに取り組めます。
新たな人材の確保につながる
快適な職場は採用活動においても強みになります。より良い人材を確保するには、より良い環境を提供しなければなりません。同じ業務内容でも、レストランのように落ち着きのある食堂があるとより魅力的に感じます。専門の機械が必要な場合は業務スペースを変えるのに限界がありますが、憩いの場を充実させると社員には喜ばれます。ただ多くの人間を集めるのではなく、企業にマッチした人材に注目されるとスムーズに採用に進みます。
来訪者へのプロモーションになる
内部だけでなく、外部の人間に対してもオフィスは重要です。内装からもどんな企業なのか感じ取ることができます。商談内容だけでなく目に見えるものも印象的だと、他社と差をつけられます。
空間デザインのポイント
では、実際により良い環境にしたいと思った場合には、どのようなことに注意したら良いのでしょうか。空間デザインで重視するべきポイントを解説していきます。
まずは企業理念に沿うコンセプトを決める
いざ改装をしようと思っても、何から始めたら良いのか分からない場合も多いですよね。コンセプトがしっかり固まっていればやるべきことも自ずと見えてきます。そのためには、企業理念を理解することが必要です。企業の考えと内装が違っていると、社員の気持ちも定まりません。コーポレートカラーをメインに使用するだけでも団結力が高まります。その上で空間の方向性を考えていきます。長く居たいと思えるような要素を持たせるのがおすすめです。
例えば、おしゃれなカフェに入るとつい長居してしまいますよね。カフェのような場所をコンセプトにした場合、見た目にもこだわった家具を配置したり、木目調の壁紙で雰囲気を出したりといった工夫ができます。
≫ カフェの内装工事費用の相場はどのくらい?費用を抑える方法とは?
機能性を考える
見た目を良くしても、使い勝手が良くなければストレスになってしまいます。機能性においても快適にするにはどうしたら良いのか考えていきましょう。
効率の良い導線を考える
導線とは、人が行動する時の通り道を線で表したものです。動線がうまく考えられていると、余計な動きが減って生産性が上がります。ポイントは『できる限りシンプル』に計画することです。目的地までに障害物が多かったり袋小路に出会ったりしてしまっては、時間がかかってしまいます。また、複数の線が交わる事態も避けなければなりません。同時に移動した際にぶつかってしまっては危険です。利用頻度の多い道具までの距離を調節し、複雑にならないようにレイアウトするとスムーズです。
目的に合わせた空間を考える
一言にオフィスといっても、様々な機能を持った空間が存在します。それぞれの機能に合わせた空間構成が重要です。具体的な例として照明計画を考えてみます。照明を変えるだけでも場面の転換が可能です。作業をする時は明るさが確保されていないと心身共にストレスがかかります。うす暗い中でパソコンの画面を見ていると目の健康にも良くないです。対して、休憩したい時には明るすぎると落ち着かないですよね。休憩室は照度を少し落とすとリラックスできます。メリハリを持たせることで気持ちの切り替えができ、より業務が捗ります。
≫ 【オフィス照明の選び方ガイド】種類や特徴を知り賢い選択を
それぞれの空間の境界を考えることも必要です。事務的な作業はしっかりと空間を分けた方が集中できます。逆に、クリエイティブな作業は気分に合わせて気軽に移動できた方が想像力が広がります。天井までの壁や扉を減らし、座った時に隠れるくらいの高さのみパーテーションで隠すと、プライバシーを確保しつつ移動しやすくなります。
コミュニケーションの空間を作る
社員の創造力を生むために、コミュニケーションの空間をどうすればよいか考えることは非常に重要です。1人でデスクに向かって作業をするより、他人と会話をするほうがアイディアは生まれます。企画力の問われるクリエイティブな企業では、特に利点があります。面積の問題で会議室を充実させることが難しい場合、ちょっとしたミーティングテーブルを置くだけでもコミュニケーションを引き出す効果があります。普段から気軽に人と話せる空間を設けると良いです。
また、コミュニケーションを取りやすくする工夫として、ガラスを活用した視線の操作があります。例えば、社長室と聞くと他の社員と離れた個室を想像する場合が多いのではないでしょうか。社長室と社員の業務室とを、目線の高さを隠したガラスパーテーションで区切ったとします。お互いの動きが見えると、距離が縮まり話しやすい雰囲気ができます。社員の意見を拾い上げて、常に企業を進化させていくことも可能です。
時代に合わせた空間デザイン
技術の向上や経済の状況など、時代によって求められる職場も異なります。これからの社会に合わせて考えていく必要があります。
働き方に合わせたフレキシブルな空間
テレワークを採用する企業が増えてきた昨今では、オンラインとオフラインの両方に対応する必要があります。在宅で働く社員が多い場合、デスクの数は全員分である必要はありませんし、余剰分を他の目的で使えます。会議や商談をリモートで行う場合は個人用のブースがあっても良いです。自宅でできる内容でも、集中して仕事がしたい場合は出勤できるよう、誰でも使えるデスクを設けると効率が良いです。
仕事内容にプラスαした複合性のある空間
複合性のあるオフィスにすると、気分転換ができるのでより快適に過ごせます。自社製品を使った独自の工夫をすると、他社との差別化にもなりおすすめです。例えば、キャンプ用品の会社なら、キャンプで使う椅子とテーブルを使ってワーケーション気分を味わえると楽しめます。屋外にもスペースがあるなら、青空の下でテントを張るとリフレッシュできます。遊び心のある要素をプラスすると、斬新な発想にも繋がります。また、リラックスができるオフィストイレ作りにも気を遣ってみてください。
≫ オフィストイレを快適な空間にしよう!働きやすい環境作りの教科書
4.空間デザインにこだわったオフィスの事例
アットセル株式会社
情報発信サイト、マッチングサイトを運営している企業です。テクノロジーを利用して日々の生活を豊かにすることを理念としています。企業の顔となるエントランスにこだわっている事例です。自然を感じる内装で、常に変化し続ける姿勢や時代に合わせたグリーンデザインを表しています。
ブルーテックジャパン株式会社
建築調査や不動産を扱っている企業です。パーテーションによってミーティングスペースを構成している事例になります。話し合いの場を完全に閉ざすのではなく、周りから見えるようにすることで会議が活性化します。目線を隠しているので集中力も保てます。
理想のオフィス空間とは?空間デザインの効果とポイント【まとめ】
企業のあり方や社員の働き方によって求められる内容は異なります。使いやすさはもちろん、精神的にも過ごしやすいことが大切です。独自の色を出してオリジナリティを意識すると、自社のPRにもなります。誇りをもって仕事に励んでもらえるよう、利用する全員に喜ばれる職場を叶えてみて下さい。