オフィスではパソコンや複合機、ビジネスフォンなどの電話機など様々な機器があります。これらの機器は電気を必要とし、パソコンやビジネスフォンなどは電気とは別にLANケーブルや電話線などの配線が必要になります。
このようにオフィスには多くの配線や電源ケーブルがあります。家庭の部屋であれば配線やケーブル類はある程度まとめて壁際に寄せることはできても、オフィスのような広い場所では厳しいため床の上をたくさんの配線やケーブルが這うことになります。
このようなときはOAフロアが大活躍します。今回は煩雑な配線やケーブルをすっきり隠すことができるOAフロアの価格や工事についてご紹介します。
OAフロア【フリーアクセスフロア】の価格の目安とは?
どういう目的でOAフロアを設置するのか、どのような仕様でどのような材質のものにするのか、どのような仕上げ材料を使うのかなどさまざまな要素によって変わります。そのためOAフロアの価格も変わりますし、工事の内容によっても価格は違ってきます。
例えば、OAフロアでよく使われているタイルカーペットを仕上げ材料とした場合、OAフロア工事の価格というのは、だいたい6000円台から16000円台になると言われています。
もちろん、これはあくまでも目安ですので、この価格帯から前後することはあります。これは1m×1m、つまり1平方メートル単位での価格になります。
高く感じられる方もいるかもしれませんが、これにはOAフロア本体と仕上げ材料としてのタイルカーペット、施工費、運搬費、諸経費なども含まれています。
また、移転前の何もないオフィスフロアとすでに入居済みでオフィス家具がたくさんある場合とでもその作業量の違いから料金は大きく変わります。
もし仕上げ材料としてのタイルカーペットを除いた場合には、1平方メートルあたりの価格は4000円台から13000円台あたりまで抑えることができます。
基本的な工事内容が同じであっても、仕上げ材料の有無によってトータルでの価格はかなりの差が出てきます。
よく利用されるOAフロアの床材・種類
OAフロアは大きくわけて以下の2種類があります。
置敷式
床に隙間なく敷き詰めます。使われる素材が樹脂製のものが多く軽量・低コストで、工事も基本的に敷き詰めるだけですので「ねじ」で固定する必要もなく支柱式に比べ早いです。
デメリットとしては並べるだけですので多少のガタつきが発生する場合もあります。また大量の配線を這わせる場合は不向きです。小規模・中規模なオフィスで選ばれる傾向が強いです。
支柱式
高さ調整ができるタイプです。支柱の高さを調整できるので床下の空間が確保でき、大量の配線を這わせることができます。支柱の上に置くパネルは金属性などの素材が多いです。置敷式に比べ安定感があり、配線の取り回しも自由度があります。
デメリットとしては置敷式よりも高価になり、重量があります。施工は調整や固定作業があるので時間はかかります。大容量の配線を這わせるという点で中規模から大規模なオフィスで使われることが多いです。
OAフロアの価格だけで選ぶのはNGである理由
OAフロアに限ったことではないのですが、基本的に価格だけで選ぶというのは好ましいことではありません。価格だけで選んでしまうと、せっかくのオフィス環境が悪化してしまう可能性があるのです。
もし、価格のみで選んでしまうと耐荷重が足らないといった、商品そのものの選択を誤る場合があります。また、価格を抑え過ぎることで業者の選定の際に質の悪い業者にあたってしまう可能性も出てきます。
質の悪い業者だと、OAフロアが原因でタイルカーペットがきれいに敷けていない・見た目はきれいでも歩くと極端なガタがあるなど仕上がりに問題がある場合もあります。
またガタつきが原因で配線をOAフロアではさんでしまう・せっかくの床下配線が断線してしまうなど、別のトラブルが発生する場合も実際にあります。大切なオフィスのことだからこそ、さまざまな角度から業者を吟味していく必要があります。
なお、業者にもよりますが、OAフロアの施工は基本的にオフィス全体の工事となり、OAフロア以外の作業があります。
例えば、OAフロアを敷くときに電源コンセントを増設・移設する場合や、LAN配線を敷くなどの作業がありますが、その場合は電気工事業者や電話工事業者が必要になります。
当然これらの作業は別途費用がかかりますのでよく検討しましょう。
複数のOAフロア施工・工事業者に見積もりを依頼する
価格だけで選ぶのはNGという話をしましたが、だからといって絶対に高い価格で依頼しなければいけないというわけではありません。業者の質にも注意しながら価格を抑える方法があります。
それは複数の業者への見積もり依頼です。特に一括見積もりができると業者間での競争が起こり、より良心的な価格でOAフロアの工事をお願いできる可能性が高まります。
ただ、OAフロアに関する一括見積もりができるサイトというのはそう多くありません。場合によっては、1社1社に見積もりをお願いすることも出てくるでしょう。
そういった場合には、必ず同じ条件で見積もりを出してもらうようにしてください。
また、見積もりをお願いするにあたっては見積書に詳細を明記してもらうようにしてください。
これもOAフロアの工事に限ったことではないのですが、どのような作業をおこなってくれるのか、その作業にどれだけのお金がかかるのかを明らかにしておく必要があります。
「一式」などの曖昧な表現のままでは比較もできませんし、万が一のことが起こったときに水掛け論になってしまう可能性があります。
実績のあるOAフロア施工・工事業者であればより安心できる
OAフロアの工事にあたっては、いろいろなポイントがあります。先で触れた価格もそうですし、何をどこまでしてくれるのか、という工事内容や実際にスタッフの方とやり取りをしたときに受ける印象といった部分もあるでしょう。
もちろん、どれも大切ではあるのですが、OAフロアの工事を成功させるということを考えたら、実績のある業者であることが望ましいです。
OAフロアの工事というのは、本当に小さな面積であればDIYという形で自分たちでおこなっていくことも不可能ではありません。
OAフロアの工事を専門的におこなっている業者であれば、過去の施工例などを画像付きで紹介していることもあります。その中に、自分たちの求めている仕上がりに近いものがあるかどうかといった部分も見ていくといいでしょう。
目的にあったOAフロアを選ぶことも忘れずに
基本中の基本になりますが、OAフロアの工事をお願いする場合には自分たちの目的に合ったOAフロアを選ぶようにしてください。価格だけで判断して、耐荷重やOAフロアの種類などを確認せずに本来の目的から、外れたOAフロアを選んでしまうとOAフロアの工事そのものが失敗に終わってしまいます。
何のためのOAフロアの工事なのかを常に忘れないようにしておきましょう。
配線すっきり!OAフロアの価格の目安や施工・工事について解説【まとめ】
OAフロアの価格はどういう目的でOAフロアを設置するのか、どのような仕様でどのような材質のものにするのか、どのような仕上げ材料を使うのか、どのような工事内容なのかなどさまざまな要素によって左右されてきます。
ただ、価格だけで選んでしまうとOAフロアの工事が失敗に終わってしまう可能性が高まります。見積もりによって業者を比較検討し、実績のある業者に目的に合ったOAフロアの工事をお願いするようにしましょう。