皆さんは、b工事の法律的な取り扱いについてご存知でしょうか?
本記事では、b工事の法律上の扱いを中心に解説していきます。
b工事についての法律的な取り扱い
店舗やオフィスの入居に際して、賃貸借契約で工事区分を定めることが多く見られます。
工事区分はたいていの場合、a工事やb工事、c工事という分類をします。
支払い責任の所在を確認するためのものですが、一見すると借主に都合が悪いように見えるものもあります。
その代表例がb工事です。b工事では支払いは借主がするのに、物件のオーナーが工事をする業者を決めるため、工事費用が高くなることが多いからです。
法律的にどんな見方をするべきなのかを知ることで、工事区分についての理解を深めることができます。
工事区分のabcは明確に法律的な区分がなされています。
民法上の権利、つまり工事を終えた後の対象物の所有権が誰があるかということです。
これによると、a工事は物件のオーナーが所有権を持ち、b工事もオーナー所有となります。
唯一、c工事が借主の所有権となります。
c工事は借主が発注して支払いも行いますので、当然所有権は借主が持つということは理解できます。
しかし、b工事については、費用負担は借主がしますので、所有権が物件オーナーとなるのは納得がいかないところです。
ただ、ここではあくまでも発注者が誰かという点で所有権を見ます。
b工事の場合は発注者は物件オーナーで、そのため業者の選定も物件オーナーが行います。
こうした理由で、法律上はオーナーが所有権を持つことになってしまうのです。
つまり、テナントやオフィスを退去する時に、b工事に関係する設備や器具を持ち帰ることはできないのです。
c工事の場合は、借主の所有ですので、退去する際にテナントから取り外して持ち帰ることができます。
このように、法律上の所有者が誰になるかを知っていないと、退去時にトラブルの元となりますので注意しましょう。
会計・税務上の取り扱いは借主による
b工事については、法律上は不動産オーナーが主体となるものです。
しかし、実際に金銭を動かすのは借主ですので、会計処理と税務申告については借主が主体となります。
そのため、店舗側が帳簿に記載して経費処理することができます。
ただし、その施設から退去する場合は、支払い目的そのものがなくなりますので帳簿から消さないといけません。
減価償却の対象になる支払いであれば、この点を気を付けるべきです。
まとめ
b工事は支払者と発注者が異なるので、法律上の取り扱いと会計上の取り扱いが違ってきます。
この違いを理解しておくことで、退去時のトラブルや会計処理の間違いを避けられますので、しっかりと確認しておきましょう。