オフィスや事務所の原状回復工事は、住居物件のそれとは異なる部分が多いため、自宅の移転の時と同じ流れ・タイミングで良いと考えているとギリギリになって大慌てすることがあります。
オフィスの原状回復工事を始めるタイミング
原状回復における住居物件とオフィス物件の大きな違いの1つは、回復工事のタイミングと言えるかもしれません。
というのも住居物件の場合原状回復工事は入居者の退去後に実施することが多いのに対し、オフィス物件の場合は賃貸契約期間内に実施するという契約になっていることが多いからです。
この違いに気づかず住居物件と同じタイミングで良いと考えていると、退去時のギリギリ数日前になって違いに気づき大慌てしたり、退去時にオーナーとトラブルになったりします。
できるだけ速やかに、オーナーや管理会社と良い関係を保ったまま退去できるよう、契約書を確認し、原状回復が求められている日から工事期間を逆算して工事の開始日を割り出すようにしましょう。
原状回復工事の期間
住居物件の場合、入居者による大きな損傷は別として、自然損耗や経年劣化などの修繕はオーナー側が負担しますが、オフィスや事務所の場合は基本的に全て賃借人側が負担しなければなりません。
具体的には、床のタイルやカーペットの張り替え、天井ボードの補修や交換、窓やブラインドの回復等など。
退去時にはこれらを全て原状回復させていなければならないため、修繕箇所の数や大きさ、それぞれにかかる時間を考えて工事期間を見積もらなければならないのです。
従って原状回復に必要な期間はオフィスによって異なるのですが、業者による見積もり期間も含めると、大体30坪ほどの事務所で1～2週間程度、50坪～100坪のオフィスだと1ヶ月弱かかると考えておきましょう。
勿論同じ大きさの事務所でも修繕箇所が多ければ多いほど、また使用期間が長ければ長いほど、工事期間も長くなります。
またオフィスの入れ替えが多い時期やオリンピックなど特別なイベントのある年・場所では業者も混雑し人手不足により思った以上に時間がかかってしまうこともあるため注意が必要です。
原状回復工事の流れ
オフィステナントの原状回復工事にかかる期間を概算するために、工事の一連の流れを確認しておきましょう。
(1)業者への問い合わせ・依頼
施工を依頼したい業者へ、電話やホームページの問い合わせフォームを通して原状回復したい旨を伝えます。
大抵の場合オーナーや管理会社側で選定した業者にしか依頼できない契約になっていますが、中には賃借人が施工業者を選定できる場合もあるため、契約書を見直して確認しておきましょう。
問い合わせの段階で希望価格なども伝えておくと良いでしょう。
(2)現場調査
問い合わせ内容を基に業者の専門スタッフが実際に現場調査を行い、具体的にどの程度原状回復工事を行うかを相談します。
(3)見積もりと施工計画書の作成
現地調査と打ち合わせを基に施工計画書と見積書を作成します。
施工計画書と見積書をしっかり見合わせ、作業内容とそれぞれにかかる費用を全てきちんと確認しましょう。
相場よりかなり高いと感じたなら、あきらめずにまずは交渉しましょう。
この時他の業者にも相見積もりをとってもらうと交渉に有利になります。
こうして金額の折り合いが付けばここではじめて正式に契約します。
(4)工事着工
工事中も業者任せにするのではなく、できる限り様子を見て疑問な点があればその都度確認をとるようにしましょう。
(5)工事完了前確認
工事が完全に終了し引き渡しが行われる前に、最終的な現場確認をしておきましょう。
オーナーや管理会社にも立ち会ってもらい、確認を取っておくと後々のトラブルを回避できます。
(6)工事完了・引き渡し
計画書通りに工事が行われたどうかを確認し、オーナーへの引き渡しとなります。
最後に
原状回復工事の手配は、なるべく早いタイミングで余裕を持って行うと良いでしょう。
相見積もりをする時間がないと、余計なコストが掛かりますのでご注意下さい。
