「取引先がオフィスの移転をする」というのはよくある話ですが、なぜ移転するのか気になりませんか?事務所移転のお知らせに書いてある場合もありますし、取引先企業の担当者から聞いたりすることも場合によってはあります。しかしその答えは本当の目的なのでしょうか?オフィスの移転となると、コストも時間も労力もかかります。これらコストや時間の課題を抱えてでも移転するのには、しっかりとした理由があります。今回は他社がどのような理由でオフィスの移転をするのかについて、大きく6つの事情に分けて解説します。
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業績が向上し働く社員が増えてきたので移転
企業が会社のオフィスを移転する理由として、使用しているフロアが狭くなったというのが多いです。業績が向上し、中途採用や新卒採用などで働く社員が増えてきたために、働く社員が窮屈で手狭になったことを理由に、もっと広いフロアに引っ越す企業はとても多いです。業績が向上していく過程で、新規事業の立ち上げというのは自然な流れでしょう。当然、新しい部署を設立しなければいけません。そのときに新たに必要な人材を募集します。
必要な人材を確保するために、新卒以外に中途採用を積極的に募集している企業であれば、どのタイミングでも社員は増えていきます。このように成長著しい会社であれば働く社員が増えますし、新興企業でこれから規模が大きくなる会社も、その都度スタッフの人数に応じて移転することになります。働くフロアが狭いと生産性が低下してしまいます。常に全員の働きやすさを求めるならスタッフの人数に応じて移転するのが望ましいです。
オフィス環境を整えるために移転
今まで以上に社員の能力を引き出したり、優秀な人材を確保するためにオフィス環境を整えることを目的として移転することがあります。例えば、求人に応募する方にとっては働きやすいオフィスだと良いイメージを持ってもらえる可能性が高まります。
自社を知ってもらうためにも優秀な人材を確保したいと考えるときに、開放的でキレイなフロアならここで働いてみたいと思ってくれるはずです。圧迫感のあるフロアと開放的なフロアで条件が仕事内容が同じだったしたら、どちらが選ばれやすいのかわかりやすいですね。もちろん既に働いている社員のためにもなります。広いフロアだったりカフェやリラックススペースがあればオンとオフを切り替えることでストレスを発散させることができます。
他にも、社員専用の無料自動販売機やマッサージ室、休憩室、ジム、医務室など、良い環境が整ったオフィスであれば、優秀な人材が入社してくれる可能性が高いですし、福利厚生の一環として開放感のある空間を提供することで働いている社員もやりがいを感じて仕事に取り組むことができます。
またオフィス環境はフロア内の話だけではありません。オフィスの場所や立地による理由もあります。公共交通機関の乗り入れが便利な場所であれば、通勤が便利または、オフィスを起点に色々な場所に打ち合わせや営業で出かけやすいなどのメリットがあります。上記のような人員の確保や、社員のメンタル面でのケアなどオフィス環境を整えるのという理由に加え、好立地という理由が加わることでオフィス移転の価値はさらに高まります。
ブランド・イメージのアップのための移転
先ほどは立地による理由を上げましたが、これは社員だけのメリットではありません。青山や表参道にデザイン・アパレル系の企業であればブランド力・イメージアップすることができます。こういった場所には人が集まるので、最新の商品や流行に触れることが可能です。好立地のエリアには同業の会社も集まりやすいので、情報交換や交流も活発になります。
距離が近いので、企業同士の打ち合わせもしやすいです。またユーザーとの距離も近くなるので、マーケティングもしやすく、あらたなビジネスチャンスを生み出しやすいメリットもあります。
働き方の見直しをするために移転
近年日本では働き方改革の考え方に賛同する企業が増えています。従業員一人当たりの労働生産を向上させる、離職率を低下させて採用を強化する、働く従業員の満足度を高めるなどの取り組みを導入しています。国の考えに賛同するだけでなく、実際に会社で働く従業員のことを考えたとき、生産性を向上させて満足度を高めるには、働きやすい環境を整備してあげる必要があります。
会社の働き方を見直したときにオフィスを移転することがあります。例えば、テレワークを含め、オフィスの外でパソコンを使い仕事ができるように働き方が多様化しています。当然オフィスもそれにあったスタイルに変化します。自社にあったオフィスの形態を選んだ結果、自社でオフィスを所有する会社、狭いオフィスに移転する場合もあれば、レンタルオフィスを利用する場合もあります。
働きやすい環境になれば労働生産性が上がり会社の売り上げに繋がります。会社の売り上げが上がれば新しい人材を採用する必要があります。採用をすることで働き手を増やすことに繋がります。この良い循環を生み出すにもオフィスを移転する理由として理にかなっています。
業績が悪化したため移転
業績が良ければ会社の規模が大きくなり広いオフィスに移転しますが、その反対もあり会社の業績が悪化したためにオフィスを移転することもあります。
一番よくある理由は高い賃料の支払いが厳しくなったときです。
景気が良ければ業績を上げるために賃料が高い広いフロアのオフィスに移転しても問題はありませんが、不景気になれば人件費だけでなく家賃を抑えることを考えなければいけません。
固定費をカットすることで業績の悪化を抑えることができます。賃料は固定費の中で一番高いので、利用しているオフィスの賃料より低いオフィスへの移転をすることでコストカットすることができます。
業務縮小のための移転
新型コロナの影響で、オフィスワークからリモートワーク主体への勤務に強引に変化した企業も多いです。テレワークによりオフィスを利用する従業員が減り、固定費削減も考え業務縮小移転をする会社もあります。
この場合は、業績が悪化したのが理由ではないので、今のオフィスよりも狭いオフィスへの移転=業績悪化とはなりません。ですので、縮小移転の場合はその会社の業務形態がどのようなものなのかを考えると、オフィス移転の本当の理由が見えてきます。
企業がオフィス移転をする本当の理由とは?【まとめ】
このようにオフィスを移転する理由として人員増、自社ブランドの強化、業務縮小、働きやすい環境へのシフトなどが挙げられます。他にも、契約している建物が老朽化したから、どうしても移転しないといけないという、外部的な理由で強制的に移転する場合もあります。勢いがある会社は積極的な人材確保をすることで手狭になるだけでなく、優秀な人材に来てもら為にも移転が必要なケースがあります。
さらにインフラの整備やセキュリティの強化など、入居するビルにメリットを感じて移転することもあります。しかしメリットだけでなく、業績が悪化して規模を縮小するために移転することも考えられます。メリットとデメリットを理解しながら、社員の生産性が向上するために必要なことを第一に考え、身の丈に合っているオフィスを選んで会社を経営していくことが求められます。
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