オフィス移転の時にスタートアップ・ベンチャー企業がAmazonのウィッシュリストを公開しているSNSを見かけませんか。今回はオフィス移転の時にウィッシュリストを公開してみたい、と考えている人向けにその効果やお礼の方法、掲載ランキングとその作り方を解説しました。
» 【オフィス移転・事務所移転】スケジュールと流れを徹底解明
オフィス移転の時にウィッシュリストを公開する効果
実際にいただいたものを、破棄せずに使用することができるというのがウィッシュリストでお祝いを受け取る/贈るの最大の効果です。法人同士のお祝いは胡蝶蘭の贈呈が良く見られますが、玄関に並べて枯れると破棄することになってしまいます。一方でウィッシュリストは希望の品をリストに入れるため、利用や活用の意思を持ってお祝いの品を受け取ることができるので、送る側と受け取る側にとって、お互いが快いプレゼントとなります。また、例えば、コーヒーメーカーなど従業員のみんなが使うことができるものは社員にとっても嬉しい贈り物となり、社員満足度の向上につながります。
オフィス移転で公開されたウィッシュリスト人気ランキング
では実際にどういったものをウィッシュリストに載せているか、その事例を見てみます。今回は筆者がWeb上でオフィス移転の際にウィッシュリストを公開した企業を無作為に30社調査(2021年7月4日時点)したところ確認できたウィッシュリストの人気品物ランキングです。自社のウィッシュリストを作る時の参考にしてください。
第5位 コーヒーメーカー・コーヒーサーバー
豆を入れるものやポーションを入れるものなど種類は様々ですが、出来立てのコーヒーを味わうためのマシンが好まれる結果となりました。お値段も1万円前後と比較的贈り物として手を出しやすい品物のため、送る側としても送りやすく、かつ長く使えるという点でサステナブルな贈り物です。
第4位 著名人の書籍
学習意欲や向上心が高いスタートアップ・ベンチャー企業ならではの欲しいものとして書籍がランクインしました。書籍の種類は様々でしたが、ジャンルとしてはビジネス書がほとんどで、かつ自身のビジネスに通じるような書籍を選ぶ傾向があり、これらをウィッシュリストに選ぶ姿から強い成長意欲が感じられます。
第3位 空気清浄機・サーキュレーター
オフィス空間をより快適にする電化製品が第3位となりました。オフィスの中でも換気をすることが当たり前になったコロナ禍という関係もあってか、空気清浄機は家電量販店でも売れ筋のシャープ製のプラズマクラスターが人気でした。
第2位 観葉植物
観葉植物はもともとオフィス移転のお祝いとしてもよく贈られるものですがウィッシュリストでも人気の第2位となりました。ウィッシュリストに載せる場合は、自分で欲しいものを選ぶため、観葉植物のその種類によってオフィスの雰囲気に合わないかも、という心配は不要です。近年、森林浴はリラックス効果があるという研究がされて久しく、オフィス空間に緑を置く企業も増えてきました。働く環境をよりよくするためのお祝いは、これからの企業の発展を祈願するのに最適と言えるでしょう。
» オフィス移転祝いで贈る【祝い花】お花の選び方とマナーとは?
第1位 お茶・水・ジュース・ビール
飲み物は業種や年齢に関わらず、どなたにでも手に取っていただきやすいものとして、お中元やお歳暮にもよく見られますがウィッシュリストでは堂々の第1位でした。後ほど詳しく述べますがウィッシュリストの作成者側からの意図として、贈りやすい高価すぎないもの、使用しやすいものであることが、第1位になる理由だと考えられます。番外編として、ウィッシュリストがスタートアップやベンチャー企業に使われやすい特性上だからか、ギフトとしての飲み物の中にレッドブルやモンスターなどエナジードリンクをリストアップする企業が数社見られました。
ウィッシュリストに含まれる傾向(ジャンル別)
先述したランキングの調査時に分別されたジャンルは以下の通りです。
上記をまとめると、オフィスの引っ越しということもあり当然のことですが、社内の全体的に役に立つものが多い傾向が見られました。ウィッシュリストを考えることは社内のコミュニケーションにもつながるので社員同士で考えてみるのも良いでしょう。
» 失敗・失礼ナシ?オフィス移転のお祝いを贈る正しい方法を解説!
番外編
上記以外のジャンルとして複数見られたのは災害用の食事という社員を守るための品物の他に、ヘルメット、ティッシュ、トイレットペーパーなど生活必需品をウィッシュリストに含み、いただきものは必ず活用したい、という気持ちが表れている企業も散見されました。その他に、一番高価なものとして、Macbookがあった一方で、ペヤングカップ焼きそばを掲載する企業もありました。ウィッシュリストの品物は、お茶や水といった一般的に送りやすいものを掲載する一方で、それぞれの企業で個性的な品物を掲載し、その企業の特性や性質を表すようなラインナップとなっていました。
ウィッシュリストの作り方と公開方法
最後にウィッシュリストの作り方を説明します。Amazonのアカウントをお持ちの方は、サイトの右上にある「アカウント&リスト」のメニューから、「ほしい物リスト」を選択すると作成画面に進むことができます。
「リストを作成する」という項目をクリックして、ご自身がウィッシュリストに入れたいものをリストアップしてください。詳しい説明はAmazon公式サイトの欲しいものリストを作成するにてご確認ください。
次に欲しいものリストを作成し、後に、欲しいものリストを公開します。「リストを共有する」をクリックします。
クリックすると『リンクのコピー』という項目がポップアップで表示されるので、リンクをコピーして公開したいウェブサイトやSNSにリンクを掲載して公開します。
ウィッシュリストならではの移転祝いのお礼の報告
ウィッシュリストを公開した時の特有のお礼の方法として、お祝いの品をウェブ上で公開する方法があります。近年は自社でブログを作成する企業が多く、ウェブサイト上にてどの品物が、誰から贈られたものなのかを公開し、お礼とそのお祝いの品を使用している姿を見せています。この見せるという行動により、他社との親交がより深まる効果が期待できます。また、お礼は本人に直接伝えるのがマナーです。当然のことですが、お祝いはその企業の発展と繁栄を祈願して贈られます。稀に匿名で贈る方もいるようですが、ウェブ上で報告するだけではなく、贈り物を受け取ったら贈り主にそのお礼を必ず連絡するようにしましょう。
オフィス移転でウィッシュリストを公開する方法とその効果【まとめ】
オフィス移転をする時にAmazonのウィッシュリストを公開するというのは近年はじまった文化です。欲しいものを「ください」と表明することは『恥の文化』と言われる日本ではソーシャルな場面では少し言いにくさを感じる人が多いのではないでしょうか。一方で2011年に起きた東日本大震災では、被災者の方への支援品として送られてきたものの中に、使用できないほど劣化した古着が多くあったと報道されました。被災地のボランティアが被災者への支援ではなく、支援品の仕分けをするという皮肉な支援をしたニュースが報じられて以降、使えるものだけ送る、不用品は送らないという観点から千羽鶴は送らない、などという配慮が注目されるようになりました。
そういった意味ではAmazonのウィッシュリストを公開するというのは今の時代の贈り物への考え方を表しているのではないでしょうか。廃棄物を増やさない、使えるものを必要な数だけ送るサステナブルな贈り物としてAmazonのウィッシュリストをオフィス移転の時に一度検討してみてください。