屋内で快適に喫煙したいと頭を悩ませていませんか。オフィスや自宅で、「タバコを吸わない人の受動喫煙が気になる……」「家具や衣類につくにおいを気にせずにタバコを吸いたい」と考える愛煙家は多いです。その悩みは、屋内喫煙室を設置することで解決できます。自宅に喫煙ルームを作ると、家族の健康も守れます。快適な喫煙環境と、家族の健康を両立させたい方はぜひ最後まで読み進めてください。
受動喫煙について
受動喫煙が非喫煙者の健康リスクを上げることは、広く認識されています。2020年に改正された健康増進法では、喫煙ルールがさらに強化されました。今やどこに行っても禁煙、分煙。非喫煙者の受動喫煙のリスクも少なくなった今、オフィスや公共施設のみならず、自宅での喫煙環境にも注目が集まっています。
健康増進法
健康増進法は、2003年に制定され、国民の健康維持を目的としています。最初は受動喫煙を防ぐよう努めることを求めていましたが、罰則は設けられていませんでした。
一部の地方自治体では、より厳しい受動喫煙防止の条例を設けているところもあります。
喫煙ブースを増設する方法
屋内に喫煙スペースを設ける方法は大きく三つあります。
- 壁や天井を造作する
- 喫煙ブースユニットを設置する
- 既存の壁や天井にパーテーションを設置する
目的や状況に応じておすすめの方法は異なります。それぞれの特徴を詳しくみていきましょう。
①壁や天井を造作する
喫煙室の設置方法の一つとして、壁や天井を造作する方法があります。リフォームをして喫煙室を造るので、建築会社に依頼する必要があります。このとき、喫煙室には換気設備が必要です。換気設備はタバコの煙を適切に排出することで空気の流れを確保して、タバコの煙が他の部屋に流れ込むのを防ぎます。
②喫煙ブースユニットを設置する
喫煙室設置の別の方法として、喫煙ブースユニットの設置が考えられます。これは、既製品の喫煙ブースを購入して屋内に設置する方法で、壁や天井を造作することに比べると迅速に喫煙室を作れます。また、喫煙ブースユニットは、防煙・防音性能が優れており、専用の換気システムも内蔵しています。これにより、タバコの煙や匂いを効果的に抑え、周囲に迷惑をかけずに喫煙を楽しめます。
③既存の壁や天井にパーテーションを設置する
既存の壁や天井にパーテーションを設置するという方法もあります。屋内の一部をパーテーションで仕切り、専用の喫煙スペースを確保する方法で、大掛かりな工事を必要とせず、比較的低コストで喫煙スペースを作り出せます。自宅に喫煙ルームを作る際は最もおすすめの方法です。
喫煙室の設置基準
喫煙室を設ける場合はいくつかの基準があります。厚生労働省の改正健康増進法の資料では、副流煙の流出防止に関する以下の基準が定められています。
出入り口において室外から室内に流入する空気の気流が0.2m毎秒以上であること
たばこの煙が室内から室外に流出しないよう、壁、天井等によって区画されていること
たばこの煙が屋外又は外部に排気されていること出典:厚生労働省「改正法のポイント」より
これら3つの基準を遵守することで、タバコの煙が他の部屋に漏れ出るのを防ぎ、家族を受動喫煙から守れます。
改正健康増進法における喫煙室の3つの基準
気流の基準 | 気流が0.2m毎秒以上 |
区画の基準 | 壁・天井によって他の室内と区画 |
排気の基準 | 屋外又は外部に排気 |
①気流の基準
喫煙室の設置に際しては、気流のコントロールをする必要があります。気流をコントロールすることで煙が部屋全体への拡散を防げるためです。改正された健康増進法によると、屋内の喫煙所における空気の流速は0.2メートル毎秒以上と定められています。
気流を保つためには、換気装置や空調設備を適切に配置する必要があります。特に換気装置は、煙を効果的に排出するために最も重要な設備です。
②区画の基準
喫煙室は壁と天井で完全に区画する必要があります。壁と天井で囲うことで、タバコの煙や臭いが他の部屋に漏れ出るのを防ぐためです。具体的には、壁と天井で閉じて分離する以外にも、扉や窓も煙が漏れ出ないように密閉性を高くする必要があります。
適切な区画にはコストだけでなく、手間と工期がかかります。なるべく既存の壁や天井を利用できるような計画をたてましょう。
③排気の基準
喫煙室からの排気は、屋外や建物外部に直接排気する必要があります。排気をしなければ、タバコの煙が充満して建物内に漏れ出し、家族に受動喫煙の危険を及ぼす可能性があるからです。具体的には、喫煙室から直接屋外に排気する設備が必要とされています。
屋内に喫煙室を設けるメリット
喫煙室を設けることで大きく3つのメリットがあります。
- タバコのにおいが家具や衣類につくことを防げる
- 屋外と違って天候に左右されずに喫煙できる
- 仕事に集中できる
喫煙室を設けることで、生活や仕事の質が大きく改善します。以下にて詳しく解説します。
①タバコのにおいが家具や衣類につくことを防げる
屋内に喫煙室を設ける最大のメリットの一つは、タバコのにおいが家具や衣類に付着するのを防げることです。タバコの煙は喫煙室の壁や天井で区切られているため、それ以外の場所への煙や臭いの拡散が大幅に防がれます。これにより、家具や衣類、壁紙などにタバコのにおいがつきにくくなり、非喫煙者がタバコのにおいにさらされる機会を減らせます。
②屋外と違って天候に左右されずに喫煙できる
屋内に喫煙室を設けると、タバコを吸うために屋外に行く必要がなくなるため、天候に左右されずに喫煙できます。雨や雪、強風といった悪天候や外気温に影響されることなく、快適な環境で喫煙できるのは大きなメリットです。
③仕事に集中できる
屋内に喫煙室を設けることで、仕事場と喫煙場所の距離が縮まります。これにより、喫煙のために作業を中断して外出する時間を削減でき、結果的に仕事への集中力を高められます。
屋内に喫煙室を設けるデメリット
喫煙室を設けるデメリットは以下の通りです。
- 改修工事が必要
- 改修コストがかかる
- 設置基準を守らなければいけない
これらのデメリットもしっかりと把握したうえで喫煙室を検討しましょう。
①改修工事が必要
喫煙室を設置するには、改修工事が必要です。これには壁や天井の造作、換気設備の設置などの一連の作業が含まれ、費用だけでなく、期間も手間もかかります。工事のために片付ける必要もあるため、前もって計画をする必要があります。
②改修コストがかかる
喫煙室の設置は、改修工事のコストが発生します。工事費用は、設置する場所の広さ、使用する材料、設置する換気設備の種類などにより変動します。また、専門業者に工事を依頼する手数料や、大掛かりな工事になる場合は申請費用なども考慮する必要があります。
③設置基準を守らなければいけない
喫煙室の設置には、健康増進法などの法律で定められた一定の基準を守る必要があります。これには、空気の流れを一定に保つ、タバコの煙を直接外部に排気するなどの要件があります。自宅は公共施設のような罰則はありませんが、これらの基準を守らないと健康被害を防ぐことはできません。
喫煙ブースを安く作るためには
喫煙ブースの設置コストを抑えるためには、工事を最小限に抑えることが重要です。そのためには以下を検討する必要があります。
- 既存の壁や天井を利用する
- 既存の設備を利用する
①既存の壁や天井を利用する
既存の壁や天井を利用することで、工事費用を抑えることができます。新たにつくる壁や天井の範囲を小さくすることができるからです。たとえば、空いている部屋を活用したり、1〜2畳ほどの物入れをそのまま利用したりすることで、造作費用は大幅に節約できます。なるべく壁を作らなくて良い場所に喫煙室を計画することが費用を抑えるコツです。
②既存の設備を利用する
既存の設備を利用することも、喫煙室設置の費用を抑える方法の一つです。電気設備や空調設備の設置は思いのほか費用がかかるからです。たとえば、既存の換気扇やエアコンを活用できれば、新たな換気設備の導入費用を節約できます。既存の設備を活かすことができれば、仕切りを設けるだけで喫煙室をつくることができます。
屋内に喫煙室を増設するには?受動喫煙をなくして快適に過ごす方法【まとめ】
屋内に喫煙室を設けることで、喫煙者自身の快適さと、非喫煙者の健康を両立させることができます。それはオフィスや施設だけでなく、自宅においても重要です。しかし、その設置には技術的な基準や専門的な工事が伴うため、しっかりと計画を立て、必要に応じて専門家の助けを借りる必要があります。生活スタイルや予算を考慮し、家族の健康のために喫煙室の設置を検討しましょう。