昨今、働き方改革の推進により働きやすい職場を作る動きが活発化していますが、何から始めれば良いかわからないという方も多いかと思います。本記事では、改善すべき理由や職場におけるよくある悩み、具体的な改善方法など網羅的に解説します。ぜひ最後までご覧ください。
従業員が抱える悩みとは
良い職場を作るためには、従業員が抱えるよくある悩みを知ることが重要です。ここでは、厚生労働省の調査をもとに、具体的な不安・悩み・ストレスの原因となる3つの悩みについて解説します。
仕事の失敗・責任
仕事の失敗・責任の発生については、厚生労働省の調査において上位に上がる項目です。仕事を行う上で失敗することや、責任を負うことは当たり前ですが、フォロー体制が整っていない環境ではかなりの重圧となり、強い不安などに繋がるといえます。一人に責任が重くのしかかるような体制ではなく、チームでフォローしあえるような体制作りが重要です。
仕事の量
無理のある仕事の量を抱えることで、残業が増加したり休日出勤を行ったりなど、身体的な負担が大きくなります。筆者自身、部署全体で一時的にかなりの業務量を抱えた経験がありますが、十分な睡眠が取れなかったり、疲労が蓄積したりなどの影響がありました。
その結果、
- 判断力の低下
- 処理スピードの低下
- 仕事の質が悪化
といったことが頻繁に発生し、部署全体でのパフォーマンスに悪影響を及ぼしました。企業の評価にも影響するため、業務量の調整は重要といえるでしょう。
対人関係
対人関係も、職場におけるストレス要因の1つとして挙げられます。上司との関係だけでなく同僚や取引先なども含めて、良好な関係性を築くことが重要です。そのため、個別面談の実施やチームの入れ替えなど、対人関係の悩みが発生しにくいような予防施策を行うことも有効といえるでしょう。
職場環境が悪い会社の特徴
居心地の悪い職場の特徴を知ることで、自社の職場における環境を客観的に確認することができます。ここでは、代表的な特徴を4つ紹介します。
1人あたりの業務量が多い
人員不足や業務の効率化が進んでいない企業では、一人当たりの業務量が多くなりがちです。その結果、残業や休日出勤が頻発するため、従業員の健康面に悪影響が生じるだけでなく、業務の品質低下や顧客対応の遅延といった問題も発生します。
ハラスメントが横行している
管理者による権力の濫用や、従業員を拘束するような職場は、環境が悪い会社といえるでしょう。例えば、毎日怒号が飛び交っていたり、残業を強要したりなど、昔であれば普通だったことも、昨今では大きな問題となります。これらの問題を放置すると、法的リスクの増大や企業イメージの悪化に繋がるため注意が必要です。
無理なノルマ設定
現実的でない目標設定や過度な成果主義の導入は、従業員に無理なプレッシャーを与える要因にもなります。結果として業務量が増えたり、成果を達成できないことで上司が部下を叱責したりと、環境が悪化する原因にもなります。
窮屈な執務スペース
狭い場所で業務を行うことは、プライバシー確保が難しく、集中力の低下や過度なストレスを感じる原因にもなります。また、コピー機などの什器を設置する場所も限定されてしまうため、作業効率の悪化にも繋がるでしょう。
職場環境を改善する方法
職場環境を改善するためには、様々な方法があります。自社の状況や業務内容に応じて、バランスよく導入を行いましょう。
業務効率化
業務効率化を行うことで、労働環境の改善や生産性向上に繋がります。具体的には、無駄な業務を簡素化したり、ツールを使用して自動化を行ったりなど、自社の業務内容に沿った方法を採用しましょう。
働き方の見直し
残業時間の規制やテレワークの導入により、多様な働き方に対応できます。働き方を見直すことにより、ワークライフバランスの改善や通勤によるストレスの軽減が期待でき、結果的に生産性の向上にも繋がるでしょう。
ポイント
働く時間や場所についての規定を変更する場合は、業務内容に応じた細かなルール設定が必要です。筆者の経験上、テレワーク＝楽といったイメージを持った従業員が一定数存在するため、日々の業務を管理する規定の導入や、日数制限や出社日の指定などを行う必要があると考えています。
コミュニケーション活性化の促進
組織内のコミュニケーションを活性化させることで、居心地の良い職場環境を作ることができます。
- 休憩所や打合せスペースの設置
- 定期的な情報共有の場の設定
- ランチ会などで雑談の機会を設ける
これらの方法により、チーム間だけでなくチームを超えた連携強化にも繋がるでしょう。
従業員を守る制度を強化
あらゆるハラスメントを防止するため、相談窓口を設置するなど、従業員を守る制度を強化することも重要です。また、産業医による定期的な健康相談の実施や、ストレスチェックの導入も有効な施策の一つといえるでしょう。
オフィスボールが提案する改善方法
| 具体的な施策例 | 効果 |
| パーテーションによる個室設置 | ・プライバシーの確保 ・業務に集中できる ・テレビ会議などで周囲に迷惑をかけない |
| ミーティングスペースの設置 | ・打合せのハードルが下がる ・他の人に聞かれたくないような報告や相談が可能 ・コミュニケーション活性化 ・一人だけの空間を作れる |
| 休憩スペースの設置 | ・部署を超えたコミュニケーション活性化 ・リフレッシュ効果 |
| クラスター型レイアウト | ・プライバシーの確保 ・業務に集中できる |
パーテーションによる個室の設置
パーテーションにより完全個室の集中作業スペースを作ることで、周りを気にせず作業に没頭できる空間を作ることができます。基本業務はオープンスペースで行い、状況に応じて個室を使えるようにすることで、生産性向上も期待できます。また、テレビ会議や通話の際にも活用でき、他の従業員を気にすることなく業務に集中できます。
≫ パーテーション工事の費用を種類ごとに解説！選び方や施工事例も紹介
ミーティングスペースの設置
ミーティングスペースは、簡単な打合せから悩み相談など汎用性が高く使い勝手の良いスペースです。筆者は、ローパーテーションで囲まれた半個室のミーティングスペースが設置されたオフィスで勤務していた経験があります。
- ちょっとした打合せ
- 他の人に聞かれたくないような報告や相談
- 一人になりたいとき
といった様々なシーンで活用されていました。パーテーションにより、執務スペースと切り分けることで、プライバシーを確保することができます。
休憩スペースの設置
オフィス内に休憩ができるスペースを作ることも有効です。リフレッシュ効果だけでなく、部署を超えたコミュニケーションの活性化も期待できます。
- ソファ
- カフェテーブル
- 自販機
- オフィスグリコ
こういった設備を整えることで、より快適な空間を作ることができます。また、筆者の経験上、執務エリアから見えないような工夫をすることをおすすめします。
理由としては、
- 業務中の人が目に入るとくつろげない
- 上司が気になってなかなか休憩に行けない
- さぼっていると思われる
こういったデメリットを排除することができるため、パーテーションなどで区分けすると良いでしょう。また、休憩時間を設定したり、1日何分までとルールを決めたりすることで、気兼ねなく利用することができるでしょう。
クラスター型レイアウト
クラスターレイアウトとは、2列にデスクを並べて列同士の机の向きを反転させて配置を行います。さらに、個々の座席にローパーテーションを設置することで半個室を作ることができ、プライバシーの確保が可能となります。
- 上司から監視されずに落ち着いて業務ができる
- 自分だけの空間ができるため、業務に集中できる
こういったメリットがあるため、働きやすい職場を作ることが可能です。
≫ 左右対向型レイアウトとは？クラスター式のメリット・デメリット
職場環境を改善する際の注意点
意味のある職場環境改善を行うためには、いくつか注意点があります。従業員の混乱を招いたり、表面的な改善のみで実際は何も変わっていなかったりといったことを防ぐためにも、ここで紹介する注意点を意識したうえで取り組みましょう。
従業員の意見を尊重する
改善施策の効果を最大化するためには、現場で働く従業員の生の声を積極的に収集し、施策に反映させることが重要です。匿名アンケートの実施や、施策案についてフィードバックを募るなど、生の声を反映した施策を検討することが重要です。
効果測定を行う
改善施策を実施して終了ではなく、定期的な効果測定を行うことが重要になります。例えば、残業時間の制限を設けた場合は、残業の実態を調査するといった調査が有効です。机上の空論にならないよう、現実的な施策を行うためには効果測定を行いながら長期的に改善していく方法が効果的といえるでしょう。
段階的な導入
大規模な変更を一度に実施するのではなく、段階的に導入していくことで無理なく取り組むことができます。まずは小規模な試験導入から始めて、問題点を洗い出し、改善を重ねながら施策を進めると良いでしょう。例えば、一部の部署のみ試験導入したり、テレワークを行う場合は、目標日数の半分で試験したりと、小さく進めていくことが有効です。
環境を改善して働きやすい職場を作りましょう
職場環境の改善は、従業員の満足度向上だけでなく優秀な人材を定着させることにも繋がるため、企業の競争力強化にもなります。ツール導入や社内規定の変更といったソフト面と、レイアウト変更などのハード面を共に改善することで、より良い職場作りに繋がります。
当社は、オフィス内装を専門に行っており、数々のオフィス環境改善を行ってきました。レイアウト変更など、物理的なオフィス環境改善を検討される場合は、お気軽にご相談ください。レイアウトのご提案など、組織に応じた最適なプランをご提案させていただきます。
