スタンディングワークは立って行う新しい働き方です。業務中はどうしても座る時間が長くなります。しかし近年、座りっぱなしは心身に悪影響を及ぼすと言われています。今回は、立ち姿勢で行うスタンディングワークの効果や最適なデスクの選び方、おすすめの周辺グッズをご紹介します。
スタンディングワークとは
スタンディングワークがどんな働き方なのか、座りっぱなしを避けるべき理由について解説します。
スタンディングワークってなに?
パソコンなどの業務を立ち姿勢で行うことを言います。座って作業したりスタンディングワークを行ったりすることで、身体への負担が軽くなると考えられています。一般的な働き方は、高さ70cm程度のオフィスデスクに向かい、チェアに座ってパソコンなどの作業を行います。
なぜスタンディングワークが注目されてるの?
スタンディングワークは、世界保健機関(WHO)や厚生労働省などが問題視している『座りっぱなし』を防ぐ方法として注目されています。著者も座ってパソコンに向かう時間が長く、首・肩・腰に痛みを感じることや、ふくらはぎがむくむことがあります。
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『座りっぱなし』はどうしてよくないのか
座っている姿勢が長時間続くと心身の病気のリスクが高まると言われています。日本を含む諸外国の研究により下記のことが分かってきています。
- 座位行動が長いと総死亡率および心血管疾患死亡率、がん死亡率などが高くなる
- メンタルヘルスや認知機能にも悪影響
- 日本は、世界20ヵ国のなかで座りっぱなしの時間がもっとも長い
参考:WHOガイドライン、厚生労働省アクティブガイド、厚生労働省 座位行動、座り過ぎのリスク
スタンディングワークの効果やメリット
次はスタンディングワークに期待される効果を解説します。
集中力アップ
スタンディングワークは集中力アップに役立ちます。一般的に事務作業では長時間同じ姿勢でパソコンに向かいます。ときには立って仕事をすることで、姿勢や目線が変わり、身体や脳に良い刺激を与えられるでしょう。
業務効率の向上
日常的な業務も、環境や姿勢を変えるとパフォーマンスや効率アップが期待できます。同じ環境で仕事をしていると安心して取り組める一方で、モチベーションやパフォーマンスが下がってしまうことがあります。
健康の促進
従業員の健康を促進させる取り組みとしてもスタンディングワークは有効です。長時間の座りっぱなしは、腰痛や肩こりをはじめ、心身の不調の原因になると言われています。ときどき立って仕事をすることで、血流や代謝の低下を防ぐ効果が見込めます。
スタンディングワークをオフィスに取り入れる動きは、健康経営の一環としても進められています。
社内コミュニケーションの円滑化
スタンディングワーク中は、従業員同士のコミュニケーションが円滑化しやすくなります。例えば、一般的な居酒屋と立ち飲み屋では、立ち飲みの方が気楽に入れたり、居合わせた客同士で話せたりしませんか。著者も立ち飲みを何度か利用したことがあります。
スペース効率アップ
スタンディングワーク用のスペースは、狭い面積でも設けられるため、効率良くオフィスを活用できます。一般的なオフィスデスクの奥行きは70~80cm程度です。チェアを合わせると約1m50cm必要です。
スタンディングワークに最適なデスクの選び方
続いて、立って作業しやすいデスクを選ぶ方法を解説します。
≫ デスク選びはサイズ(寸法)が肝心【オフィス家具通販ファニチャー】
高さ固定か昇降か選ぶ
スタンディングワークに適した天板の高さは、90㎝~1m10㎝程度です。デスクは高さ固定式か、昇降式かどちらかを選びます。
固定式
ハイテーブルやハイカウンターとも呼ばれ、立って使うほかハイチェアと一緒に利用できます。短時間の利用やフリーアドレス席の選択肢などにも向いています。
昇降式
天板を好きな高さに変えられます。70㎝程度にして座って使ったり、1m程度にして立って利用したりできるため、パーソナルデスクに向いています。
昇降方法で選ぶ
昇降デスクの高さを変える方法は、『電動』または『手動』のどちらかを選択します。電動タイプは、手元のボタンで天板を上下させられる製品が多くあります。メモリー機能が付いたものは、よく使う高さをあらかじめ設定しておけます。
天板の形で選ぶ
スタンディングワーク用のデスクは、天板の形で印象が変わります。天板の形は、一般的な四角や長方形のほかに、丸型やビーンズ型などの種類があります。例えば長方形は、気軽にさっと集まって行うミーティングなどに適しています。
脚のタイプで選ぶ
スタンディングワーク用のデスクやテーブルは、脚の形状の種類が豊富です。種類と特徴をまとめた一覧を参考にして頂き、好みや用途に合うものを選んで下さい。
スタンディングワーク用デスク 脚の種類と特徴 | |
種類 | 特徴 |
4本脚 | ・天板の四隅に脚があるシンプルなデザイン
・強度が高く安定感がある |
T字脚 | ・天板の両端の脚がT字を逆さにした形
・足元が広々として動きやすい |
L字脚 | ・天板の両端の脚がL字型
・足元がすっきりとしてシャープな印象を与える |
1本脚 | ・天板中央に1本の脚があり、主にソロテーブルに採用される
・ベースは十字型や丸型、スクエア型などの種類がある |
パネル脚 | ・天板の両端をパネル板で支えている
・カウンターテーブルとも呼ばれる |
ループ脚 | ・天板の両端の脚がロの字型
・おしゃれで安定感がある |
X字脚 | ・両端の脚がX字型で個性的な印象
・主に折りたたみ式や卓上式などに採用されている |
スタンディングワークを充実させる周辺グッズ
最後に、スタンディングワークの環境をより良くさせる周辺グッズを紹介します。
マット
マットを使うとスタンディングワーク中も足や腰が疲れにくくなります。立っている時間が長くなると、筋肉に乳酸などの疲労物質が蓄積しやすく、血流やリンパの流れも悪化します。疲れは足から腰や背中へと広がり、全身がだるくなってしまう場合もあります。
昇降チェア・ハイチェア
スタンディングワークで疲れたとき、昇降チェアやハイチェアがあると便利です。オフィスチェアの座面の高さは50㎝程度になります。一方、スタンディングワークには座面の高さが70㎝程度のハイチェアが合います。
卓上スタンディングデスク
卓上スタンディングデスクがあれば、専用デスクを買わなくてもスタンディングワークが可能です。既存のデスクの上に置くだけで、立って作業ができます。専用デスクを購入するより安く抑えられることがメリットと言えます。
スタンディングワークを取り入れて快適に働こう
スタンディングワークを行うメリットやデスクを選ぶ方法、周辺グッズについて解説しました。スタンディングワークは、オフィスワーク中の長時間の『座り過ぎ』を防ぐ方法として注目されています。