今回は間仕切り壁の防音効果について詳しく解説していきます。
オフィスで使われる間仕切り壁
一般家庭でも、間仕切り壁を後から作ることがあります。来客があった時に生活感の出ているところを見られたくない、自宅で大きな音を出せるスペースが欲しいなどの理由で用いられる間仕切り壁ですが、オフィスで取り入れられるケースも珍しくはありません。
120cm、160cmなど最初から高さが決まっているパーテーションもオフィスではよく使われていますが、壁の役目を果たす工事が必要な間仕切り壁もあります。
間仕切り壁として使われるパーテーションには欄間があるタイプと欄間がないタイプがあり、このタイプによって防音効果も大きく変わってくるのです。
間仕切り壁の欄間
本来の欄間は、古来からの日本の住宅で天井と鴨居の間に空いている部分のことなのですが、現在では和風洋風を問わず扉の上部に空いているスペース全般のことも欄間と呼ばれます。
欄間があるパーテーションの場合、上部にスペースがあるので風通しがよいのが魅力です。
一方で、防音効果の面ではやや劣っており、仕切りの中で行われる会話などの音が外に漏れる危険性も十分にあります。
欄間がないパーテーションの場合、空間を完全に仕切ってしまえば防音効果にも十分な期待が持てるため、そのセキュリティ性の高さが魅力です。
一方で、空間をパーテーションで完全に仕切る場合にはデメリットも多く、問題の1つがエアコンです。
欄間があるパーテーションと比べれば風通しが悪いため、エアコンによる気温の調整は欠かせません。
そのため、パーテーションとあわせてエアコンの工事が必要なケースも多く、コスト面での負担はやや大きいのです。
間仕切り壁の素材と防音
そして、間仕切り壁の素材によっても防音効果は変わり、特に注目したいのはグラスウールです。ガラス素材で作られているグラスウールは、断熱材として壁、天井など建物の様々な場所で用いられています。
このグラスウールは防音効果の面でも優れており、実際に新幹線の防音壁にも使われているほどです。
そのため、グラスウールが中に使われているパーテーションを選ぶことで、防音効果は高まります。
石膏ボードも同様に防音効果が期待できるため、グラスウールと石膏ボードの両方が使われているスチールパーテーションは防音を意識する際に有力な選択肢です。
逆に、アルミパーテーションは安価で使いやすくはあるものの防音効果はあまり期待はできません。
間仕切り壁の注意点は
間仕切り壁の素材を吟味し、欄間なしで覆った場合でも得られる防音効果には限界があります。
ある程度は防音効果を得られるものの、ほぼ音が漏れないような空間を作るためには間仕切り壁だけでは厳しいのが実情です。
そのような極めて優れた防音効果を持つ空間を作るためには、間仕切り壁で対処するのではなく始めから専門の業者に依頼するしかありません。
ある程度の防音効果が得られればよければパーテーションでも十分、それ以上を望むのであれば業者に相談するという風に使い分けてください。
また、パーテーションをオフィスに取り入れることにはもう1つの注意点があり、それが法律です。欄間があるかないかに関わらず、天井まで届くパーテーションを新たに設置する場合には消防署に届け出ないといけません。
これを怠ると消防法違反に問われるため、天井まで届くパーテーションの設置には法律も絡んでくると考えてください。
最後に
欄間があるかないか、それに間仕切り壁に使われている素材によって防音効果は高められます。
ただし、間仕切り壁だけでは完璧な防音効果は得られないこと、消防法が絡んでくることは押さえておきたいポイントです。
ある程度の防音効果であれば間仕切り壁だけでも得られるので、オフィスの状態とも相談しつつ間仕切り壁を新しく設置するのもよいでしょう。
2020年現在