テラス席とは?設置ルールやメリット、注意点について解説!

テラス席を設置することで、特徴のある店舗にすることができます。しかし、設置するためには4つのルールと注意点があり、基準を満たさなければいけません。そこでこの記事では、テラス席の設置ルールやメリットなどを解説します。工事を失敗させないためにも、ぜひこの記事をご覧ください。

 

テラス席とは?書類の提出が必須

テラス席とは

テラス席とは、店舗の外にある席のことです。屋外の開放的な雰囲気のなかで食事を行えるだけではなく、新型コロナウイルスの感染対策になる3密を回避できるなどのメリットがあります。レストラン(飲食店営業)、カフェ(喫茶店営業)などの店舗で設置できますが、設けるためには事前に書類を提出しなければなりません。

 

例えば、新規出店するときは、営業許可申請を届け出るときに「屋外客席営業設備の大要」にテラス席の配置や店舗の境界線などを記載します。既存店で、新たにテラス席を設けるときは、変更届を届け出るときに「屋外客席営業設備の大要」を提出する流れです。

 

また、工事着手前に設計図などの書類を持参し、事前に保健所に相談に行かなければなりません。ちなみに、公有地などでは、「屋外客席設置届」を届け出ます。テラス席に関する疑問点がある方は、事前に各自治体の保健所に相談しておくと安心です。

 

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テラス席に関する4つのルール

お客様に喜んでもらえる空間にするのも大切なことですが、基準に適合したテラス席を作らなければ営業を行えません。その他にも守るべきルールがあるので、事前にルールを確認しておくと安心です。

 

①店舗内の客席と隣接させる

従業員がテラス席を衛生的に管理できるように、店舗内の客席と隣接させなければいけません。例えば、店内とテラス席を行き来しやすいような設計にすることで、テラス席の管理や接客などを従業員が行いやすくなります。仮に、お客様が料理やドリンクをこぼしてしまったときに、離れた場所にテラス席があると対応が遅れてしまいます。対応が遅れることで、こぼれた料理、ドリンクの汚れがとれにくくなるなどのトラブルに繋がるかもしれません。

 

しかし、道路の占用許可(せんゆうきょか)を受けていれば路上利用などが可能です。とくに現在は、新型コロナウイルスの感染拡大により、道路占用許可基準が緩和されています。残念ながら店舗単体での申請は受け付けていないので、このケースでは、道路占用許可基準が緩和されている場所に店舗を構えている必要はあります。

 

②店舗内の客席規模を超えない

テラス席は、店舗内の客席を超えない規模に設計します。なぜなら、衛生管理を徹底するため、周辺環境への影響を少なくするなどの理由があるからです。ほかにも、店内の方が規模が小さければ、ゲリラ豪雨のような天気の変化でテラス席が使用できない状態でも、お客様が店内の客席に移動できません。

 

例外的に、営業者の遵守事項(じゅんしゅじこう)を徹底して行い、衛生上問題ないと判断されれば、テラス席のみ、店舗内の客席よりも多い客席のテラス席などを設けられます。

 

③範囲を明確にする

テラス席の範囲は、誰が見てもわかりやすいようにする必要があります。一例を挙げると、ウッドデッキを設置すると、段差によって範囲が明確になります。ほかにも、観葉植物や植木、ロープ付きのポールなどを使用すると、区画がわかりやすくなります。もちろん、テラス席の範囲を超えて、近隣の土地、道路などに客席を作ることはできません。

 

④調理設備は設置できない

テラス席に調理設備を設置できないのは、衛生的に管理するのが難しいためです。一例を挙げると、サラダバーやバイキング、フリードリンクコーナーなどを設置することで、虫が混入してしまう可能性があります。しかし、保健所長が衛生上問題ないと判断したときなどは、次の2つの設備を設けられます。

 

  • フリードリンクコーナー
  • お客様が使用する焼台

 

従業員はテラス席での調理を行えませんが、上記の通りお客様が使用するための焼台は設置できます。しかし、近隣住民などに迷惑がかかると判断された場合は、使用できません。例を挙げると、周辺と隔離されている緑に囲まれている場所、隣接する建物のないビルの屋上などが、焼台を設けられる場所です。

 

テラス席を設ける3つのメリット

テラス席を設けることで、3つのメリットがあります。それぞれについて、詳しく解説していきます。

 

①集客効果がある

テラス席は、通行人の目にとまりやすいため、集客効果があります。歩いているときに、店舗の雰囲気が伝わりやすかったり、食事やコーヒーの匂いなどで興味を引けたりするためです。また、お洒落なテラス席の場合は、若い女性がSNSに投稿してくれる可能性もあります。ほかにも、歩いているときにテラス席に多くのお客様が来店していれば、どのような店なのか気になり、来店するきっかけになるかもしれません。メニュー看板を設置したり、店舗の紹介動画をモニターに流したりするなど、お客様が気になるような仕掛けを、路上から見える場所に設置することで、より来店を促せるでしょう。

 

②開放感を演出できる

テラス席には、屋外特有の開放感があります。壁に囲まれていないオープンな環境なため、季節、天気などを感じながら食事をできるのもメリットです。開放的なテラス席とマッチさせるために、季節の変化に合わせたメニューを作るのもいいでしょう。例えば、テラス席から桜が見える場合、桜をコンセプトにした期間限定メニューを作ると、季節感を感じながら食事を楽しめます。花見気分を味わいながら飲食できるので、お店の売りになるでしょう。

 

③飲食以外のニーズにも答えられる

テラス席を設置すると、様々な要望のあるお客様に、満足してもらいやすい店舗作りを行えます。例えば、テラス席にドッグランを設置すれば、犬を飼っているお客様が通いたいと思えるような空間にできます。ほかにも、リードフックや水洗式のドッグトイレなどを完備すれば、飼い主も快適に過ごせるでしょう。また、屋外のため3密を回避できます。テラス席の間隔を空ければ、お客様が安心して過ごせる空間になります。

 

テラス席を設けるときの7つの注意点

これから紹介する7つのポイントに注意することで、テラス席の環境を良くすることができます。それぞれの注意点について、詳しく解説していきます。

 

①近隣に配慮する

テラス席を設けるときは、近隣に配慮しなくてはいけません。騒音や匂い、排煙など、近隣住民からのクレームに繋がる恐れがあるからです。例を挙げると、テラス席で飲酒しているお客様の声が大きくて、近隣住民の方が迷惑しているケースが考えられます。このようなケースでは、テラス席の開放時間を工夫する、あまりに声の大きいお客様には店内座席に移動してもらう、などの対策が必要です。ちなみに、「日常生活等に適用する規制基準」によると、日常生活で発していい音量は次の通りです。

 

単位:デシベル

区域 6-8時 8-19時 19-23時 23-6時
第一種区域

(第一種低層住宅専用地域等)

40 40 40 40
第2種区域

(第一種中高層住宅専用地域等)

45 50 45 45
第3種区域

(商業地域、工業地域)

55 60 55 50
第4種区域

(商業地域の一部)

60 70 60 55

日常生活等に適用する規制基準

 

第一種区域とは、いわゆる住宅街のことで、19〜8時の間は40デシベルの音量しか出せません。40デシベルは、鳥のさえずりくらいの音量なため、この時間帯のテラス席での営業は現実的ではありません。

 

②暑さ・寒さ対策

暑さや寒さの厳しい季節は、テラス席を利用したがるお客様が減ってしまいます。ですから、お客様が快適に過ごせるように、暑さや寒さを軽減できる空間にしてあげましょう。夏には、屋内外エアコンや大型扇風機を設置すると、気温が高くても快適に過ごせます。ほかにも、水を霧にして噴射するミストシャワー、ビニールカーテンなどを用意するのもいいでしょう。冬には、屋外用業務ガスストーブ、屋外用パラソルヒーターなどで、快適に過ごせるくらいの温度にしてあげるのがおすすめです。

 

③悪天候に対応できるようにする

テラス席は屋外にあるため、天候に左右されてしまいます。悪天候でも使用できる環境にしてあげれば、天気の悪い日でも稼働できます。一例ではありますが、軒を設置すれば、雨や雪の影響を少なくできます。ほかにも、パラソル、オーニングテントを設置するのもおすすめです。使用しないときに収納できるオーニングテントを使用すれば、日差しが強いときや雨が降っているときなど、状況によって使用できる点が便利です。

 

台風のような強風時に、パラソルや椅子などの設備は、店内に収納しないと通行人やお客様に怪我を負わせてしまうリスクがあります。急な天候の変化にも対応できるように、店内に保管できるスペースを確保しておきましょう。

 

④耐久性のあるものを使用する

雨や雪などにさらされる可能性のあるテラス席では、耐久性のあるものを使用するのがおすすめです。テーブルや椅子だけではなく、テラス席の床材も耐久性のあるものにすると、長期間使用できます。例を挙げると、外の環境に対応できるほどの耐久性のある、ガーデンファニチャーを設置することをおすすめします。

 

テーブルやソファなどもあるので、一通りのものはガーデンファニチャーで揃えられます。ほかにも、床材は木製ではなく、木粉とプラスチック樹脂が混ざっている人工木材を使用するのがおすすめです。人工木材は、初期費用は高くなってしまうものの、耐久性とメンテナンス性に優れています。

 

≫ ガーデンファニチャー

 

⑤こまめに清掃する

テラス席は、風によって砂ぼこりやゴミなどが飛んでくることがあります。放置しておくと、お客様が快適に過ごせなかったり衣服が汚れたりするなど、不満やトラブルに繋がる可能性もあります。お客様が快適な時間を過ごせるように、こまめに清掃するのがおすすめです。例えば、テーブルにクイックルワイパーのような清掃道具を用意するのもいいでしょう。お客様ご自身で気になる部分の汚れを清掃できますし、それぞれのテーブルに用意すれば清掃道具を取りに歩く手間を省けます。ほかにも、テラス席にゴミ箱を設置している場合は、悪臭が漂わないように、こまめに清掃するのも重要です。

 

テラス席を使用していないときは、テーブルやイスなどを収納しておけば、汚れなくて済みます。また、テラス席からの景色を綺麗にするために、周辺道路のゴミ拾いをしておくのもおすすめです。

 

⑥虫除け対策をする

虫が飛んでくるテラス席では、虫除け対策が必要です。なぜなら、食事やドリンクなどに、虫が混入してしまう可能性があるからです。虫が寄ってくるゴミを放置しない、ボウフラの発生源になる水たまりを作らないなどの対策を行いましょう。また、ハーブを育てたり虫をおびきよせる殺虫ライトを設置したりするなどの方法も有効です。全ての虫除け対策を行う必要はありませんが、できる範囲の対策を行っておくとトラブル回避に繋がります。

 

⑦排気ガス対策をする

テラス席が道路に面している場合には、排ガス対策を行うのがおすすめです。排ガスや匂いが気にならなくなることで、お客様が快適かつ安心して食事を楽しめます。しかし、排ガス対策に気を取られるあまり、テラス席特有の開放感がなくなってしまっては本末転倒です。透明なビニールカバーを軒下からぶら下げて固定し、外の景色が見えるようにすると、排ガスの影響を受けずにテラス席特有の開放感も味わえます。

 

テラス席とは?設置ルールやメリット、注意点について解説!【まとめ】

この記事では、テラス席の設置ルールやメリット、注意すべきポイントについて解説しました。テラス席は、開放感があり気持ちよく食事を楽しめる空間です。しかし、設置ルールや注意するべきポイントが多くあるので、工事を行う前にポイントを確認しておきたいところです。どのようなテラス席にするかお悩みの方は、一人で抱え込まずに、お気軽にご相談ください。

 

 

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