内装工事を行い、店舗をおしゃれにしたいと考えている方は多いと思います。しかし、ポイントを抑えてリノベーションを行わないと、費用をかけて工事を行っても思ったような効果は見込めません。そこでこの記事では、内装工事でおしゃれな店舗にするメリットと抑えておくべきポイントを解説していきます。
リノベーションとは|店舗内装をおしゃれにする工事
リノベーションとは、内装デザインやレイアウトの一新、設備の追加など、店舗をさらに良くするために行う工事のことです。一例を挙げると、大衆居酒屋に間仕切りを施工して、個室居酒屋にするような工事が該当します。ほかにも、美容室にパーテーションで個室を作る、白を基調にしたデザインにするといった工事も当てはまります。
ちなみに、リフォームという言葉も同じようなニュアンスで使われますが、リノベーションとの意味の違いの定義はあいまいです。リフォームは老朽化したものを新しいものにするイメージで、例を挙げると、古くなったトイレや厨房設備などの交換などが挙げられます。リノベーション協議会によって記載されている定義を、表にまとめたのでご覧ください。
リノベーション | 機能、価値の再生のための改修 その家での暮らし全体に対処した、包括的な改修 |
リフォーム | 原状回復のために修繕営繕不具合箇所の部分的な対処 |
参考:リノベーション協議会
内装リノベーション工事で店舗内装をおしゃれにする3つのメリット
内装をおしゃれにリノベーションすることで得られるメリットは、次の3つです。
- 顧客満足度の向上
- 集客力の向上
- 従業員のモチベーションアップ
それぞれのメリットについて、詳しく解説していきます。
①顧客満足度の向上
おしゃれな内装にすることで、顧客満足度の向上を期待できます。とくに内装は、顧客の心理や行動に強く働きかけられるので、内装の雰囲気や居心地の良さなどに気を配る必要があります。顧客に大きな影響を与える色を例に挙げると、赤やオレンジなどの暖色系を取り入れることで、心が高ぶり楽しさや食欲が増進するため、飲食店と相性が良いといわれています。
②集客力の向上
おしゃれな内装にすることで、話題になり集客力の向上に繋がります。とくに、写真や口コミなどと一緒に投稿できるSNSで拡散されると、広告費を抑えながら宣伝が可能です。Twitterフォロワー数1万人越えの「不純喫茶ドープ」は、SNSを活用した集客に成功している店舗です。レトロな雰囲気の内装、どこか懐かしい雰囲気のメニューが人気を集めており、おしゃれさだけではなくコンセプトがしっかりと練られています。独自の世界観が出来上がっているため、魅力的で注目を集めているのでしょう。
③従業員のモチベーションアップ
おしゃれな内装デザインは、従業員のモチベーションアップに繋がります。話題になるようなおしゃれな内装の店舗で働くことで、周囲にうらやましがられたりステータスに感じたりするなどのメリットがあります。結果的に、意欲的に接客したり働くことに魅力を感じてもらえたりするなど、モチベーションアップに繋がるのです。また、従業員のモチベーションが高い店舗では離職率が下がるため、採用コストがかからなくなります。長く働いてくれるためサービスの向上や育成コストの削減などにも繋がります。
内装リノベーション工事でおしゃれな店舗にする4つのポイント
おしゃれな内装の店舗にするときは、次の4つのポイントを抑えておくとより効果的です。
- 商品やサービスのコンセプトを表現する
- SNS映えするデザインにする
- ターゲット・立地とマッチした内装にする
- 内装と外装の統一感がある
それぞれのポイントについて、詳しく解説していきます。
①商品やサービスのコンセプトを表現する
商品やサービスのコンセプトを表現した内装にすると、魅力があり統一感のある空間を作れます。提供する価値やメッセージが伝わり、おしゃれさや魅力を感じた顧客がファンやリピーターになるのです。例を挙げると、スターバックスのコンセプトは「サードプレイス」で、家でも職場でもないリラックスできる第3の居場所を表現しています。アースカラーの素材を組み合わせた内装や日差しの遮られたテラス席などで、リラックスできる雰囲気の空間を作り上げているのです。
②SNS映えするデザインにする
SNS映えするおしゃれな内装にすれば、SNSの投稿や口コミから集客効果が見込めます。例えば「韓国に行かなくても韓国が楽しめる」がコンセプトのソウルラブ(大阪)では、ピンクのネオンライトや金網のある席など、韓国の最新カルチャーを感じられる内装を作り上げています。撮影用のステージもあり、SNS投稿用の写真撮影を行いやすい空間でもあります。
③ターゲット・立地とマッチした内装にする
コンセプトに基づいたおしゃれな内装でも、ターゲットや立地が不適切だと集客を見込めません。例えば、オフィスが立ち並ぶエリアでは、平日のランチタイムにビジネスパーソンが集まります。価格が安かったり料理の提供が早かったりするなど、ランチに求めている物が違うので、基本的にはおしゃれな内装との相性は良くありません。店舗が求めるターゲットに好まれるデザインにする必要があるので、立地選びも重要です。
④内装と外装の統一感がある
内装と外装に統一感を持たせることで、顧客満足度を上げた事例があります。外装を見て入店する方もいるため、内装と外装の世界観(色や使用している素材など)があまりに違うと、顧客の期待を裏切ってしまう可能性も。一例を挙げると、ルイ・ヴィトン 銀座並木通り店は、海の青や水の流れを表現した3次元曲面の外装が特徴的です。
おしゃれな店舗の内装リフォーム工事の流れ|費用相場も確認する
おしゃれな店舗の内装工事の流れは、次の通りです。
- コンセプトを決める
- 物件を探す
- 費用相場を確認する
- 相見積もりをとる
スムーズかつ費用を抑えて工事を行うためには、これらのステップを踏むのがおすすめです。
①コンセプトを決める|おしゃれな内装デザインを参考に
工事を行う前に、店舗のコンセプトを決めましょう。ターゲットや雰囲気、商品やサービスの価格帯などを考慮して、店舗に合うコンセプトを設定する必要があります。また、雑誌やネットでおしゃれな内装デザインを見るのがおしゃれな内装にするポイントです。実際に他店舗に足を運び、実物を目で見て内装デザインを参考にするのもいいでしょう。許可をもらえれば写真に残しておくと、後で見返せます。コンセプトを軸にし、おしゃれな内装デザインを参考に設計することで、失敗が少なくなります。
②物件を探す|新規の場合
新店舗の物件選びの際には、ターゲットのいるエリアに物件を取得する必要があります。市場調査を行い、ターゲットがよく出入りするエリアに出店することで、効果的な集客が可能です。また、賃料の高すぎる物件は運用コストが高くなるので、賃料の安い物件を選ぶとコストを削減できます。例えば、商圏(しょうけん)調査や立地調査などを行い、効果的に集客できる物件を探しましょう。このとき、分析や予想がずれてしまうと集客効果を見込めないので、基本的には専門家に依頼するのがおすすめです。ほかにも、居抜き物件やスケルトン物件など物件の状態によっても、内装工事の内容が異なります。
≫ 居抜き・スケルトンの違いとは?飲食店開業にかかる内装費用
③おしゃれな内装工事費用の相場を確認|予算設定
内装工事の費用は、業種や物件の種類、規模などによって異なります。おしゃれな内装の場合、資材のコストが上がり、工事の難易度も上がることが予想されるため、基本的に坪単価が高くなります。おおよその坪単価は30〜50万円くらいですが、条件によって大きく異なるので、施工前に確認することが重要です。例えば、飲食店の居抜き物件の客席のみをリノベーションする場合は、坪単価10〜20万くらいでも施工できる可能性があります。しかし、スケルトン物件だったりデザイン性と機能性を求めたりすると、坪単価が50〜80万円くらいになることもあるでしょう。ですから、条件に合わせておおよその費用相場を確認してから、予算内に収める工夫が必要です。
④相見積もり|契約する
内装工事にかかる費用は決して安くないので、コストを抑えたい方は相見積もりを行いましょう。複数の業者に相見積もりをとることで、工事内容や施工方法などの比較が可能です。また、坪単価などの費用の比較を行えます。例を挙げると、相見積もりによって、真摯に対応してくれる担当者に出会えたり工事費用の安い業者に出会えたりすることが可能です。
【リフォーム】内装リノベ工事でおしゃれな店舗にしよう!
内装工事でおしゃれな店舗にすると、顧客満足度や集客力の向上などが見込めます。しかし、ターゲットや立地にマッチした内装にしなければ、これらの効果が薄まるため事前調査が欠かせません。また、内装工事でおしゃれな店舗にするときは、この記事で解説した複数の要素が絡み合います。ですから、プロに依頼するだけではなく、自分の理想や都合なども伝え、理想とする店舗をともに作りあげていく心構えも大切です。