保育園を新設するとき、内装デザインは重要なポイントです。しかし、保育園の内装をどのようにすればいいか悩んでいる方も多いのではないでしょうか?そこでこの記事では、保育園の内装で気を付けたほうがいい7つのポイントを解説していきます。
保育園のコンセプトに合わせた内装にする
保育園の内装は、コンセプトに合わせた内装にするのがポイントです。コンセプトを定めることで、入園する子供や保護者が保育園を選ぶときのポイントになります。例えば、のびのびと過ごせそうな環境の保育園に子供を預けたいと保護者が考えている場合、次のような内装の保育園が入園対象になるでしょう。
- 吹き抜け部分にネット遊具を設置している
- 屋根裏空間があり、展望デッキや絵本のあるロフトにいける
あくまで一例になりますが、このような内装空間の保育園では、のびのびと遊びながら楽しい保育園生活を送れそうだと感じてもらえるはずです。ほかにも、子供が絵本を読みに行きたくなるように森の中にあるような雰囲気の図書館を作ったり、より自然を感じられるように木材をふんだんに使った内装にしたりするなど、コンセプトに合わせて内装デザインを作り上げるのがおすすめです。
保育園の内装デザインで気を付けたい7つのポイント
保育園の内装デザインで、気を付けたい7つのポイントを解説していきます。ポイントを押さえることで、子供の安全を確保しながら、のびのびと過ごせる空間になります。
①子供が走り回れる内装空間にする
行き止まりがなく、回遊性のある空間にすることで、子供たちがのびのびと走り回れます。天気が悪い日でも運動量を確保でき、保育士の目が行き届きやすいのがメリットです。2017年に「グッドデザイン賞」と「キッズデザイン賞」を同時受賞した「あまねの杜保育園」では、中庭を囲んでデッキやスロープなどが設置されています。このような空間では子供たちが走り回れるだけではなく、保育士の目が行き届きやすく、日光や木々の緑などの自然を感じられます。ひさしがついているため半屋外のような空間になり、よほど天気が悪くなければ走り回って遊べる点もメリットです。
②大人の目が届く内装レイアウトにする
知らないうちに怪我をしてしまったり、仲良く遊んでいたのに急に喧嘩したりするなど、子供の行動は想像がつきにくいものです。ですから、なにかあったときに気付きやすいように、大人の目が届きやすい内装レイアウトにするのがおすすめです。例えば、教室の壁をガラスパーテーションで施工することで、教室に居ながら廊下まで見渡せます。ほかにも、保育室や事務室から、園庭が見えやすいようなレイアウト設計にすると、子供の緊急事態にすぐに駆けつけてあげられます。
③安全性に配慮した内装にする
子供が生活するため、安全性に配慮した内装にするのが大切です。遊びに夢中で転倒したり、ほかのことに気を取られて指を挟めたりするなどの可能性があるからです。例を挙げると、クッションでカバーされた引き戸を使用すると、指が挟まれても痛みを軽減できます。ほかにも、転倒時の衝撃を和らげてくれる床材を使用すれば、大きな怪我に繋がりにくくなります。
④自然素材を使用する
自然素材を使用して保育園を作ると、健康的かつ、子供の成長にも良い影響を与えます。例えば、シラス壁を設置すれば空気を浄化してくれるため、綺麗な空気のなかで生活が可能です。スプレーで水を吹きかけても、すぐに吸水してくれるほどの調湿性も兼ね備えているため、梅雨時期のような湿気の多い時期でも生活しやすくなります。ほかにも、自然素材を使用すれば、より身近に自然を感じられます。寝転んだり触れたり匂いを嗅いだりすることで、リラックスしたり材料に興味を示したりするなど、子供達に良い影響を与えてくれるでしょう。
⑤明るいイメージのトイレ
トイレに行きやすくするために、明るいイメージかつ清潔感のあるトイレにすることもおすすめです。トイレは暗くて汚いなどのマイナスイメージを持っている子供もいますが、トイレに行きたくなるような内装にしてあげることで、トイレに足を運びやすくなります。また、トイレに対するイメージを良くすることで、トイレトレーニングもスムーズに行えるようになるでしょう。具体的には、日当たりの良い南側にトイレを設置すれば、日差しが差し込む明るい雰囲気のトイレになります。ほかにも、ポップな色のデザインにすることで、より明るいイメージのトイレに仕上げられます。
⑥ランチルーム
食育の場として、ランチルームを設置する幼稚園も増えています。ランチルームでの食事の結果、給食を残す子供や肥満度を表す指標であるBMIの減少など、子供たちの食事や健康に関するポジティブな結果を確認できる研究結果もあるくらいです。
参考:幼稚園における食育活動~ランチルームでの食事が子どもに与える影響~
また上記の研究では、食事のときに保育室ではなくランチルームに移動して食事をすることで、いつもより行儀よく食事を行うという効果もありました。
⑦「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」に合わせた内装にする
児童福祉施設の設備及び運営に関する基準とは、保育園の方針や施設などに関する、基準を示しているものです。保育園だけではなく、児童家庭支援センターや児童養護施設などの施設も含まれています。一部ですが、記載されているものを次で紹介します。
一 乳児又は満二歳に満たない幼児を入所させる保育所には、乳児室又はほふく室、医務室、調理室及び便所を設けること。
二 乳児室の面積は、乳児又は前号の幼児一人につき一・六五平方メートル以上であること。
三 ほふく室の面積は、乳児又は第一号の幼児一人につき三・三平方メートル以上であること。
四 乳児室又はほふく室には、保育に必要な用具を備えること。
参考:児童福祉施設の設備及び運営に関する基準
保育園の工事を行うときは、児童福祉施設の設備及び運営に関する基準に適合することも重要です。
庭園も重要なポイント
保育園では、内装だけではなく園庭も重要なポイントです。子供たちは、遊びの中で自主性や協調性などを育みますので、外で遊べる園庭にも楽しめるポイントを作ってあげましょう。一例を挙げると、アスレチック広場を作ると、子供たちの体力向上が期待できます。ほかにも、自然あふれる園庭にすることで、自然の変化を感じ、驚きや新しい発見など感性が育まれる一因になります。園庭で動物を飼育して、子供たちが触れ合いやすくするのもおすすめです。
保育園で求められる内装デザイン!安全性とデザインを両立するポイントとは?【まとめ】
この記事では、保育園の内装デザインのポイントについて解説しました。保育園では、デザイン性だけではなく、安全性も求められます。子供たちが、安全に保育園生活を送れるようにするためには、内装でも気を付けるポイントが多数あるのです。工事を行うときは、しっかりとした打合せが必要になりますので、気になる点はなんなりとお申し付けください。