オフィスや店舗などを構えるにあたって、さまざまな工事が必要になってきます。その中でもよく見聞きするのがスケルトン工事と呼ばれるものです。このスケルトン工事とよくセットで登場するのが内装解体です。
ここではスケルトン工事と内装解体の違いやその費用について触れていきたいと思います。
スケルトン工事とは?
一般的なオフィスというものをイメージしてみましょう。床にカーペットが敷かれていて、その上にデスクやイス、棚などが並べられています。照明も設置されていて、場合によっては天井から何かをぶら下げているかもしれません。見えないところに配線なども通っているでしょう。
スケルトン工事では、こういったものをすべて取り去っていくことになります。オフィスの床にカーペットを敷いているのであれば、そのカーペットを取り去って、照明も外して、天井からぶら下げているものも、配線などの設備もすべて取り外します。
簡単に言ってしまうと、その建物が完成したときの状態、何も手を加えられていない状態にするのがスケルトン工事なのです。
コンクリート製の建物であれば、壁も柱もコンクリート打ちっぱなしの状態になります。天井は配管やそれをささえる支柱などの骨組みが見えます。
このように「骨組みだけの状態」になるからこそ、スケルトン工事と呼ばれるわけです。スケルトン工事は他にも「スケルトン戻し」「スケルトン仕上げ」と呼ばれることもあります。
スケルトン工事と内装解体との違い
骨組みだけの状態にするのがスケルトン工事なのですが、内装解体とはどのような違いがあるのでしょうか。内装解体というのはスケルトン工事をおこなっていく上で必要になってくる作業のひとつです。スケルトン工事をする前に内装解体をすることもありますし、内装解体単体で工事がおこなわれることもあります。
内装解体では何をするのかというと、その名前の通り、内装の解体をおこなっていきます。例えば、オフィスとしてそこを借りる際に新しく仕切りを作ったり、場合によってはカウンターを作ったりしていたとしましょう。自分たちで手を加えた部分を解体して、撤去するのが内装解体です。
ただ、内装解体というのは退去するときだけにおこなうものではありません。作った仕切りが邪魔になったのでなくしてしまいたい、カウンターが必要なくなったのでどかしてしまいたい、というときにも内装解体で撤去することができます。
このように改装のための内装解体というのもあり得るわけです。
スケルトン工事にはどれくらいの費用がかかるのか?坪単価は?
では、スケルトン工事をする場合にはどれくらいの費用がかかるのでしょうか?その規模にもよるのですが、坪単価で言うと3万円から5万円ほどかかるケースが多いようです。当たり前のことなのですが、撤去するものが多ければ多いほど費用もかさんできます。
撤去するものは多岐にわたります。代表的なものとしては次のようなものがあります。
- 間仕切りの撤去(LGSやパーテーション)
- 鏡の撤去
- 壁の撤去(間仕切りとは別の壁 断熱材などの撤去)
- 床の撤去
- 電気や配線・設備などの撤去
これらが撤去するものです。次に、撤去したものは処分場に運ぶ必要があります。
自分で持ち込む場合でも、運搬業者がは運ぶにしてもどちらも法で定められたルールがあるので注意しましょう。簡単に説明しますと廃棄物を適正に処理するために、誰が廃棄物を排出し、運搬し、処分したのかを明確にするため、廃棄物処理法という法律があります。
よっぽどのことがない限り、解体工事を請け負った業者さんが解体後の処分(運搬から処分まで)の手配をしてくれます。
適正な処分が行われないと、排出業者つまりあなたの責任を問われることになりますので、この辺りは見積もりや打ち合わせの時にしっかりと確認を行いましょう。
例えば、木材は木材だけ、石膏ボードは石膏ボードだけに分ける必要があります。その処分費は木材よりも石膏ボードのほうが割高になっています。つまり同じ広さでも、使われている素材に違いがあると金額は変わってくるのです。
このほか、工事の現場がビルの4階にあり諸事情でエレベーターが使えない、またはエレベーター自体がない場合は搬出費用が割高になったり、エレベーターを使う場合や通路、ビルエントランスの養生が必要な場合は養生費がかかります。
「広さが同じだからこの金額になるだろう」とWEBサイトの金額を鵜吞みにすると大きな差が出る場合があるのです。
スケルトン工事の利点
骨組みだけの状態にするスケルトン工事というのは言うまでもなく大変ですし、お金もかかります。それでもスケルトン工事の需要はとても高いのです。そうせざるを得ないという部分もあるのですが、スケルトン工事によっては得られる利点もあります。
自由度が高くなる
スケルトン工事というのは、言ってしまえば、そのスペースをまっさらな状態に戻す工事です。そのため、「ここに仕切りがあるから邪魔になる」「ここにカウンターがあるからここを受付にするしかない」などの制限がありません。
何もないからこそ「こうしたい!」と思ったら、希望通りに仕上げることができます。
もちろん、何もないからこそデザイン設計の大変さもあります。ただ、ゼロから自分の思う設計通りのに作り上げていきたいという方にとっては、まっさらな状態に戻してくれるスケルトン工事はありがたい限りなのです。
設備関係のトラブルが起こりにくい
居抜き物件などであれば、もともとあった設備をそのまま使うということもできるでしょう。一見すると便利に思えるかもしれませんが、もともとあった設備にまったく問題がないかというとそれは使ってみないとわかりません。見た目が綺麗でも実は想像以上に劣化しているというケースもあります。
スケルトン工事であれば、そういった設備も含めて綺麗サッパリなくなっていますので、必要なものは自分たちで新調することになります。新しいものを持ってきて使うからこそ、設備関係のトラブルが起こりにくくなるのです。
スケルトン工事の注意点
スケルトン工事は注意点が二つあります。一つは費用です。スケルトン工事自体にもかなりの費用がかかるのはもちろんなのですが、スケルトン工事によってまっさらにされた状態から自分たちの理想の空間を作り上げるのには、かなりの費用が必要になってくるのです。
もう一つは時間です。ゼロに近いなにもない状態ですので、打ち合わせを含め、工期は2~3か月かかるでしょう。
スケルトン工事とは?内装解体との違いやその費用までを解説【まとめ】
スケルトン工事というのは名前の通り、骨組みだけのまっさらな状態にする工事のことを指します。その前に内装解体をおこなうこともありますし、改装などで内装解体のみの工事をおこなうこともあります。
費用については現場の広さだけではなく、解体撤去の素材、現場の広さ以外の状況によっても費用が変わってくるということ。
スケルトン工事や内装解体をおこなうからこそ得られる利点もあるのですが、どうしても費用がかかってしまいます。その点は注意しておきましょう。
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