オフィスのリノベーションは、従業員の変動や働き方の変化、老朽化が進んだ場合に必要となります。しかし、漠然と考えてはいるけど何から手を付ければ良いのかわからずに悩んでいる方も多いのではないでしょうか。本記事では、事例紹介だけでなく、費用相場や手順など網羅的に解説します。
オフィスリノベーションとは?
「リノベーション」とは、直訳すると改修や刷新という意味で、建物や内装を改修して現状より性能や機能を上げ、新たに価値を与えることを指します。古民家リノベーションが良い例で、建物や設備が古くなり価値が下がってしまった古民家を、カフェやコワーキングスペースとしてアップデートさせます。
とはいえ、同じような意味で使われる場合もあるため、臨機応変に使い分けると良いでしょう。
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オフィスリノベーションを行うメリット
既存のオフィスをリノベーションすることで、様々なメリットが期待できます。ここでは、オフィスリノベーションを行う主なメリットを3つ紹介します。
引越しせずに環境を改善できる
既存のオフィスをリノベーションすることで、引越しをせずに環境の改善が可能となります。例えば従業員が増えたり、グループ編成が変わったり、新しいチームが出来たりなど、既存のオフィスでは対応できない状況となった際、広いオフィスに引っ越すといった対応も可能です。
従業員のモチベーションアップにつながる
オフィスリノベーションを行うことで、綺麗なオフィスへと生まれ変わるため従業員のモチベーションアップにもつながります。業務に没頭したい場合に使用できるブース席や、従業員同士のコミュニケーションが取りやすくなるファミレス席を設置することで、業務効率も上がり、結果的に業績の向上につながる可能性もあります。
対外的なアピールにつながる
綺麗でおしゃれなオフィスにリノベーションすることで、対外的なアピールにもつながります。企業のコンセプトカラーを取り入れたり、ブランドロゴを設置したりすることで、来訪されるお客様に向けてアピールができるだけでなく良い印象を与えることができるでしょう。また、コーポレートサイトに新しいオフィスのイメージを掲載することで、より多くの人へアピールが可能となります。
オフィスリノベーションの種類と費用相場
リノベーションといっても、工事の規模によって種類や費用が異なります。ここでは、リノベーションの種類と、費用相場を紹介します。ただし、費用相場は現場の状況や内装のグレードによっても異なるため、あくまで概算費用として記載します。
フルリノベーション
フルリノベーションは、内装や設備などをすべて新しく作り変えます。オフィスの規模によりますが、かなり大がかりな工事となるため、ある程度まとまった予算が必要です。坪単価(約3.3㎡あたりの単価)でいうと10万~30万が費用相場となります。
部分リノベーション
部分リノベーションは、オフィスの一部分だけを改修する工事となります。工事箇所を一部の部屋だけに絞ったり、天井や壁、床といった部材に絞ったりする場合があります。
工事内容 | 単価 |
造作壁 | 5,000円/㎡~ |
パーテーション | 7,400円/枚~ |
クロス | 1,200円/㎡~ |
塗装 | 1,000円/㎡~ |
フロアタイル | 4,000円/㎡~ |
フローリング | 55,000円/6帖~ |
タイルカーペット | 3,000円/㎡~ |
トイレ | 100,000円/箇所~ |
洗面化粧台 | 200,000円/箇所~ |
照明交換 | 10,000円/箇所~ |
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オフィスリノベーションの目安となる工期
オフィスリノベーションは、工事範囲や工事の種類によって工期が異なります。ここでは、目安となる工期を紹介します。
フルリノベーション
フルリノベーションの場合、1ヶ月~2ヶ月程度の工事期間が必要です。ただし、オフィスの面積や、オフィスの階数、エレベーターの有無などにより異なります。詳細な工程につきましては、工事内容が確定した段階で工事業者に確認する必要があります。
部分リノベーション
部分リノベーションであれば、半日~2週間程度の工事期間が必要です。部分リノベーションの場合、工事内容や工事範囲により大きく異なります。壁や床の張り替え、間仕切りの新設といった比較的短期間で終わる工事から、エントランスリノベーションといった様々な工種が絡むために日数が必要な工事まで、工期に幅があります。そのため、半日で終わることもあれば2週間以上かかる場合もあり、スケジュール作成の際は余裕をみておくことをおすすめします。
おすすめのリノベーション業者を選ぶ流れ
リノベーションを行う場合、工事業者を選ぶ必要があります。ここでは、業者を選ぶ流れを紹介します。
① まず1社と打合せ
オフィスリノベーションの方針が決まった段階で、まずは1社と打合せを行います。業者の探し方は、インターネットで探す方法が一般的です。HPを確認し、オフィスの内装工事の施工事例が豊富な業者を選ぶと良いでしょう。
② 2社に合見積もり
1社から見積が来たら、価格の整合性を確認するために追加で2社程度見積を依頼しましょう。その際、1社目の業者が設計したレイアウトが気に入ったのであれば、同じ仕様にて見積を依頼して価格の比較を行います。色々なレイアウトを提案してほしい場合は、新たにレイアウト設計をお願いしても良いでしょう。
③ 金額比較や担当者との相性により決定
合計3社からの見積が揃った時点で、業者の比較を行いましょう。比較検討の際、金額が極端に安い業者には注意が必要です。他の業者では見積に入っているような細かい項目が抜けている可能性があります。他社の見積と項目の比較も行い、適正な価格を把握しましょう。
オフィスリノベーションを成功させるポイント
リノベーションを成功させるために、いくつかポイントがあります。ここでは、3つのポイントを紹介しますので、オフィスリノベーションを進める前に必ず確認しておきましょう。
1. 管理会社に確認
リノベーションを行う前に、管理会社に確認を行いましょう。
具体的な確認事項としては、
- リノベーション工事が可能かどうか
- 工事や現地調査の際に申請書は必要かどうか
- 工事を行って良い時間帯など条件の確認
- 原状回復工事について
これらを確認する必要があります。これらの条件によっては、工事費用が変動する可能性もあるため、業者へ見積依頼する前に必ず確認してきましょう。
2. 予算、目的に応じてリノベーション範囲を決める
予算に応じて、リノベーション範囲をある程度決めておきましょう。フルリノベーションの坪単価目安としては10万~30万程度ですので、予算に合わない場合は部分的なリノベーションを検討する必要があります。予算が合わない可能性がある場合は、リノベーションするエリアの優先順位を決めておくことをおすすめします。
3. リノベーション中の業務体制
工事前に、リノベーション中の業務体制を整えておく必要があります。工事中もオフィス内で業務を行う場合、工事をするエリアを分割して、工事の進捗に合わせながら業務スペースを移動するといった計画が必要です。
オフィスリノベーションの価格を抑えられる補助金や助成金について
オフィスリノベーションを行う場合、補助金や助成金により工事価格を抑えられる可能性があります。ここでは、補助金・助成金活用についてメリットデメリットや、使える可能性のある補助金・助成金を紹介します。
補助金・助成金を活用するメリット
補助金・助成金を活用することで、工事価格を抑えられるといったメリットがあります。予算が限られている場合だけでなく、補助金や助成金を予算の上積みとして捉えて、当初の計画よりもグレードアップさせたオフィスにすることも可能です。採択されるためには、一定の要件を満たす必要がありますが、活用できるものは申請を行うことをおすすめします。
補助金・助成金についてのデメリット
補助金・助成金のデメリットは少ないですが、申請が必要なことが挙げられます。必要書類のまとめなどは、基本的に施工業者が行うため、発注者側としては施工業者の指示通りに書類を準備するといった作業が必要です。また、もう一つのデメリットとしては、補助金や助成金の種類によっては、振込みのタイミングが工事費用の支払いタイミングの後になるため、一時的に建て替えが必要といったことが挙げられます。
なお、振込のタイミングは補助金・助成金の種類によって異なるため、公募要領を詳しく確認することをおすすめします。
オフィスリノベーションで申請可能な補助金・助成金の事例
オフィスリノベーションにおいて、申請できる可能性のある補助金・助成金の事例を紹介します。本記事では、概要のみの紹介となるため、要件が該当するかどうかは、公募要領をご確認ください。補助対象となる企業は主に中小企業で、資本金や従業員数、業種等に応じて細かく定められております。
事業継承・引継ぎ補助金
事業承継・引継ぎ補助金は、高齢化に伴う事業承継や、引継ぎを行う中小企業や小規模事業者に対して、会社再建に伴い発生する費用の一部を補助することを目的とした補助金です。例えば、新部門の設立に伴うオフィスの改修工事費や、新たな支店の新築費なども該当します。そのため、高齢化による事業承継やM&Aによる引継ぎ後、リノベーションが必要な場合に活用することができます。
参考:事業継承・引継ぎ補助金
事業再構築補助金
事業再構築補助金は、新型コロナウイルス感染症の長期化に伴う売上の低迷からの回復を図るため、新市場の開拓や事業転換といった事業再構築にかかる費用を補助することを目的とした補助金です。事業計画を実施するために必要な建物の建設・改修費も補助対象として認められます。
参考:事業再構築補助金
受動喫煙防止対策助成金
受動喫煙防止対策助成金は、職場において非喫煙者を守るために必要な設備費用などを補助することを目的とした助成金です。そのため、オフィスリノベーションの際に、専用喫煙室を設置するといった場合に活用することが可能です。ただし、喫煙室の前室や喫煙室内に設置する机・椅子などの什器は補助対象外となり、あくまで喫煙室の設置に直接的に関わる費用のみが補助対象となるため、注意が必要です。
参考:受動喫煙防止対策助成金
オフィスリノベーションの具体的な流れ
リノベーションを行うにあたって、具体的な流れを紹介します。リノベーションをスムーズに進めるために、ここで紹介する流れを把握したうえでリノベーションの計画を行いましょう。
1. リノベーションの範囲を決める
まずはリノベーションの範囲を決めます。フルリノベーションを希望する場合でも、予算が合わなかった場合、部分的なリノベーションに変更せざるを得ない可能性があります。そのため、まずはどのエリアを優先したいのかを決めておきましょう。
2. 管理会社に確認
リノベーション範囲の決定後、管理会社に問い合わせを行いましょう。そもそも工事の可否や工事する場合の条件、原状回復工事についてなど、あらかじめ確認をしておきましょう。特に、工事申請を出す必要がある場合、着工の何日前までに提出が必要かを聞いておきましょう。
3. スケジュールの立案
次に、スケジュールの立案を行いますが、このタイミングでは工事にどのくらいの期間がかかるかわからないため、工事期間以外の項目をまとめます。具体的には、工事を完了したい日を決め、そこから逆算でスケジュールを組み立てます。
4. 業者選定、レイアウトの相談
まずは1社目の業者を選定し、レイアウトの相談を行います。おおよその金額感を打合せ段階で確認してみて、大幅に予算を超えそうであれば部分リノベーションの相談もしてみましょう。
5. 合見積もり
1社目からレイアウト図や見積書、工程表をもらったら、合見積もりを徴収しましょう。他社と比較することで適正な価格を見極めたうえで社内でも協議し、業者を決定します。
6. スケジュールの調整
工事期間が決まったら、全体のスケジュールを見直しましょう。工事の完了予定日からの逆算で着工日が決まるはずです。着工に合わせて備品の移動などが発生するため、そのような細かい流れもスケジュールに落とし込むことが重要です。
7. 業務体制の整備、社外周知
工事期間中の業務体制を検討し、社内周知を行いましょう。同時に、来訪する可能性のある取引先などにも、通達しておくことをおすすめします。
8. 工事、引き渡し
工事完了後に検査を行い、問題が無ければ引き渡しとなります。工事中、停電や断水などを伴う場合もあります。業者と細かな打合せが必要となりますので、状況に応じて対応しましょう。
当社施工のオフィスリノベーション事例12選
ここでは、当社で行ったオフィス内装工事の事例をご紹介します。
事例1:オフィス内の部分リノベーション
こちらの事例は、オフィスを部分的に改修した事例です。パーテーション工事、セキリュティ工事、電気工事、クロス工事を行いました。部分的な工事でしたので、1日で工事が完了しております。
事例2:執務室、打合せ室の増築
こちらも部分リノベーションの事例ですが、ガラスパーテーションを設置して執務室や打合せ室を増築しました。間仕切り工事のみですので、工事は1日で完了しております。
事例3:オフィスの間仕切り施工と内装仕上リノベ―ション
こちらの事例は、天井壁の塗装、床のタイルカーペット張替え、パーテーション工事を行いました。工事エリアは、エントランス、執務室、会議室、役員室で、オフィス全域にわたって工事を行いました。工事期間は3日間で完了しております。
事例4:執務室と施術室の間仕切り施工
オフィス内にブラックパネルのアルミパーテーションを施工した事例です。パネルの一部にガラスを入れたりパネル上部と下部を開口にしたりと、完全オーダーメイドにて施工しております。こちらの工事期間は1日です。
事例5:オフィス入口の建具工事
オフィスの入口をフルガラスにし、セキュリティロックを設けました。セキュリティは、Ei-Lockを自社で取付しました。入口をフルガラスにすることで、開放感のある空間をつくることができました。工事期間は1日です。
事例6:ガラスパーテーションによる間仕切り設置
オフィス内の執務エリアやミーティング室をガラスパーテーションにて間仕切りました。外窓に面した空間を間仕切りにて区画すると暗いオフィスになるため、ガラスパーテーションにて採光性を意識したレイアウトにしました。ブラックフレームにすることで、既存のサッシとも調和するようなデザインとしております。こちらの工事は1日で施工が完了しております。
事例7:執務スペースの区画
執務スペースをブラックフレームのガラスパーテーションにて区画しました。ガラス部分に大きなサインを貼ることで、おしゃれなデザインになるだけでなく適度な目隠しにもなります。こちらの工事は1日で完了しております。
事例8:プライバシー性を確保した打合せスペース
ガラスパーテーションにて複数のミーティングルームを作りました。オープンなスペースとクローズドなスペースを組み合わせたミーティングスペースのため、様々な使い方が可能となります。ガラスパーテーションにすることで、間仕切りを設置しても圧迫感を感じづらい空間を作ることができました。こちらの工事は2日で施工が完了しております。
事例9:喫煙ブースの設置
喫煙ブースを設置した事例です。完全オーダーのブース型パーテーションのため、お客様の要望に応じてダウンライトや換気扇を設置しております。一部をガラスにすることで、外部から使用者の存在を確認することができます。こちらの工事は1日で完了しております。
事例10:エントランスの部分リノベーション
オフィスのエントランス周りのリノベーションを行いました。造作壁の設置や、フェイクグリーンを用いた社名サインなど内装工事を一式で承りました。エントランスはオフィスの顔となる部分ですので、部分リノベーションを行う場合におすすめのエリアです。こちらの工事は7日間で完了しました。
事例11:落ち着いた雰囲気のパーテーション
木目調扉とガラスパーテーションを施工しました。ガラス部分をくもりガラスにすることで、プライバシーを守りつつも採光性の良い空間を作ることができました。こちらの工事は、1日で施工が完了しております。
事例12:可動間仕切りの設置
ミーティングルームに可動間仕切りを設置しました。ホワイトアルミフレームとアクリルにて施工しているため、引き心地も軽くなっております。使用時は閉鎖し、使用後は開放することでオフィス空間を無駄なく使うことが可能です。こちらの工事は1日で完了しております。
オフィスのリノベーション事例12選を紹介!費用相場や手順も解説【まとめ】
本記事では、オフィスのリノベーションについて、費用相場やリノベーションの流れ、当社の施工事例を紹介しました。当社では、オフィスの内装工事を専門に行っており、予算に応じてご提案させていただきます。リノベーションを検討されている方は、お気軽にご相談ください。