多額の費用がかかる内装工事。工事後に、「今回の内装工事は失敗したな…」とは感じたくないものです。そこでこの記事では、内装工事を行うときに気を付けておきたい注意点を解説します。覚えておくと、「知っていれば失敗しなくて済んだのに…」という事態を防ぐことができます。
内装工事で失敗しないための6つの注意点
内装工事で失敗しないためには、次の6つのポイントに注意する必要があります。
- 複数の業者に相談する
- 規模や状態、業種によって費用が異なる
- 近隣への挨拶を行う
- 事前にオーナーやビルとの契約内容を確認する
- 事前にコンセプトを伝える
- 工程・納期を確認しておく
内装工事を行う前に確認しておくと、失敗が少なくなるので安心です。
①複数の業者に相談する
内装工事を行うときは、ひとつの会社だけではなく、複数の業者に相談するのがおすすめです。よりよい施工方法を提案してくれたり、人柄がよく信頼できる担当者に当たったりするなど、実際に相談しないとわからないことが多くあるからです。また、それぞれの業者に見積もりをもらっておけば、かかる費用の目安を把握できます。ほかにも、依頼するときは、金額よりも実績を優先して業者を選ぶことをおすすめします。あまりにも安い場合には、なにか理由がある可能性があります。例えば、イメージと違った仕上がりになってしまうことが多い業者なため、依頼があまり来ず、安く仕事を請け負っているかもしれません。
②規模や状態、業種によって費用が異なる
建物の大きさや状態、業種によってかかる費用が変わってきます。例えば、天井や壁などがなくコンクリート(躯体)むき出し状態のスケルトン物件、内装や設備が残った状態の居抜き物件では、かかる費用が異なります。
≫ 居抜き・スケルトンの違いとは?飲食店開業にかかる内装費用
仮にカフェを開業したいと考えている場合、カフェの内装が残っている居抜き物件を購入すれば初期費用を抑えられます。しかし、設備を一新しようとしていたり間取りを大きく変更しようとしていたりする場合は、居抜き物件だと解体費用がかかるため、スケルトン物件の方がコストがかからないかもしれません。ですから、物件の状態を確認し、理想としているイメージの内装にどのくらいの金額で近づけられるか確認するのも重要です。
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③近隣への挨拶を行う
着工する前に、近隣への挨拶を行っておくといいでしょう。これから近隣の方とお付き合いしていくため、できるだけいいイメージを持ってもらえるようにすることをおすすめします。工事期間中のことを例に挙げれば、工事で発生する騒音や匂い、車両の問題などで、近隣の住人や店舗からクレームが入ることがあります。事前に内装会社が張り紙や手紙などで告知をしていることも多いですが、想像を上回る騒音や匂い、止められたくない場所に停車しているなどでクレームが入ってしまうのです。内装工事会社が近隣への挨拶を行ってくれることもありますが、自らも行っておくといいでしょう。
≫ 内装工事でよく起こるトラブル・クレームを未然に防ぐための対策
④事前にオーナーやビルとの契約内容を確認する
事前に契約内容を確認し、どのような工事を行えるか確認しておくのがおすすめです。工事を行う寸前に把握できればまだいいかもしれませんが、工事後だと施工したものを解体しなくてはいけなくなるかもしれません。例えば、壁に木を貼りたいと思っていても、ビル全体を不燃にするために、燃えやすい木材を使用できないケースがあります。オーナーやビルごとに異なるルールもあるので、事前に把握しておくことは重要です。また、内装工事にはA工事とB工事、C工事の3種類の工事区分があります。施工業者を自ら選べたり費用負担が変わったりするので、併せて確認しておくといいでしょう。
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⑤事前にコンセプトを伝える
内装工事を始める前に、お店やオフィスなどのコンセプトを伝えておきましょう。例えば、飲食店の場合では、狙う客層やサービスなどによって、内装が大きく変わります。周辺の競合店との差別化を図り、自店を印象付けるためにも、コンセプトを伝えておくことが重要です。また居抜き物件を使用する場合は、清潔感を保つことも欠かせません。お客様の印象に直結する部分ですし、初期段階で行うほうがコストがかからないため、柱や机などを綺麗にしておくのがおすすめです。綺麗にならない箇所には、修繕や交換など適切な処置を行いましょう。
⑥工程・納期を確認しておく
工事を行う前に、工程や納期、引き渡し時の現場の状態などを確認しておきましょう。仮にオープン日が遅れてしまうと、予定されていた売り上げが立ちませんし、家賃がかかってしまい、手持ちが目減りしてしまいます。特に、飲食店の内装工事では、調理器具や設備の設置に時間がかかり、納期が遅れがちです。また、オープンまでにスタッフのトレーニングを行う場合は、その日程も加味して工程を組んでもらうようにしましょう。引き渡しが遅れた場合に備えて特約を組んでおけば、納期が遅れたときに発生する売り上げの損失をカバーできます。
内装工事の費用に関する3つの注意点
内装工事の費用に関する注意点は、次の3つです。
- 支払い方法・見積もりを確認する
- 融資を受けるなら日本郵政金融公庫か銀行
- 追加工事が発生した場合は再度見積もりをもらう
お金に関する部分なので、事前に確認しておくのがおすすめです。
①支払い方法・見積もりを確認する
内装工事を行うときは、支払い方法に注意しましょう。内装工事では、基本的にローンを組めないため、現金が必要になるからです。例えば、500万以下の工事を行った場合、契約時に半額、完工後に半額という支払い方法をとることが多くあります。500万円を超えた場合は、契約時と途中、完工後の3回というような形です。また、施工内容や金額を確認し、見積もりより多く請求されていないか確認するといいでしょう。見積もりに不明点がある場合は、業者に確認し説明を求めると、わからなかった部分が明確になります。
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②融資を受けるなら日本政策金融公庫か銀行
融資を受ける場合、日本政策金融公庫か銀行のどちらかを選択するのが一般的です。まず銀行に融資を依頼し、断られたら日本政策金融公庫という流れで行うといいでしょう。ちなみに営業実績がない場合は、銀行が融資してくれない場合があります。実績があっても、利益が出ていることを説明できなければ融資を受けられないので、あらかじめ説明できるような準備をしておくといいでしょう。イメージとしては、新規で出店する(営業実績がない)場合は日本政策金融公庫、安定した利益を生み出していて改装を行う場合は銀行で融資を受けるという形です。
③追加工事が発生した場合は再度見積もりをもらう
追加工事が必要になった場合は、再度見積もりをもらうのがおすすめです。例えば、床下や壁の中にある木材の状況(腐食やひび割れなどなど)は、工事を行うまではわかりません。工事中に発見してから追加工事の予定をたてるため、事前にもらっている見積もりには記載されていないのです。また、工事中に棚やコンセントを追加したい場合も同様です。
引き渡しまでの2つの注意点
引き渡しまでに気を付けておきたいことは、次の2つです。
- こまめに現場を確認する
- 引き渡し時に細かくチェックする
労力を必要としますが、内装工事で後悔しないように、行っておきたいポイントです。
①こまめに現場を確認する
工事が始まったら、自分の目でこまめに現場を確認するのがおすすめです。工事過程を確認することで、意図とずれている箇所に気付けますし、手抜き工事を防ぐことにも繋がります。仮に、完工後に意図とずれている箇所に気付いた場合、修理費用がかかったり完工までにより時間がかかったりしてしまいます。また店舗(飲食や美容室など)では、設備が機能していないと、営業が難しくなります。特に、水回りの問題や匂いが発生するなどが起きてしまうと、一時的に店を閉めなくてはいけなくなるかもしれません。定期的に現場を確認し、担当者や職人とコミュニケーションをとっておくと、意図のずれや施工不良などに気付ける可能性があがります。
②引き渡し時に細かくチェックする
引き渡し時には、小さな傷やへこみなどがないかチェックしておくといいでしょう。明らかな施工ミスは業者が無償で手直ししてくれますが、そうでない場合は有料になることもあります。また、業者で施工不良を認めないこともあるので、注意が必要です。小さな傷やへこみなどを確認したら、写真を撮っておき証拠を残しておくと、揉めたときに役に立つことがあります。
内装工事で失敗しないために覚えておくべき11つの注意点とは【まとめ】
この記事では、内装工事を行うときの注意点について解説しました。大きな費用がかかる内装工事を行うときは、この記事で挙げた11のポイントを確認し、後悔しないようにしたいものです。