オフィスに社員食堂を導入すると、従業員の健康管理や福利厚生の充実につながります。近年、健康経営の観点からも社員食堂の重要性が再認識されています。導入を検討している企業向けに、社員食堂のメリットや家具の選び方、おしゃれな事例について解説します。
社員食堂とは?
まず、オフィスに設けた社員食堂の役割や食事の提供方法、運営方法について解説します。
社員食堂とは
オフィス内の食事を提供するためのスペースです。一般的には、省略して『社食』と呼ばれることが多いでしょう。企業が社内に設置し、従業員の健康管理や福利厚生の充実を目的として運営します。
社員食堂の運営方法
オフィスの社員食堂には、主に次の3つの運営方法があります。
- 直営式
- 外部委託式
- ハイブリッド式
それぞれの特徴とメリット・デメリット、導入に向いている企業を表にまとめました。
社員食堂の運営方法 種類とメリット・デメリット | ||||
運営方式 | 特徴 | メリット | デメリット | 向いている企業 |
直営方式 | 企業が自社で運営・管理 | ・従業員の健康管理がしやすい ・コスト管理しやすい ・ 従業員のニーズを反映しやすい ・メニューや価格、提供時間等を自由に設定可能 |
・運営コストや人件費がかかる ・専門知識やノウハウが必要 ・初期投資や運営負担が大きい |
・食に対するこだわりが強い ・専門の人材を確保できる ・中~大規模 |
外部委託 方式 |
専門の業者に運営を委託 | ・専門業者のノウハウを活用できる ・メニュー開発力が望める ・衛生管理への安心感がある ・初期投資や運営負担が軽減できる |
・委託コストがかかる ・ 従業員のニーズを反映しにくい ・自由度が低い |
・食堂運営のノウハウがない ・手間をかけずに導入したい ・ 比較的規模が小さい |
ハイブリッド 方式 |
一部の業務を外部委託
(例:調理は委託、メニュー企画は自社等) |
・ 自社の強みを活かして、外部の専門知識も活用できる ・ 運営コストをある程度コントロールできる |
・運営の範囲を明確にする必要がある ・責任の所在が不明確になりやすい | ・ 従業員のニーズとコスト削減を両立したい ・中規模 |
社員食堂での食事の提供方法
社員食堂での食事の提供方法には、主に次のような種類があります。
●定食形式
定食形式は、主食(ご飯や麺類)、主菜、副菜、汁物などの組み合わせで提供します。メニューやセットがあらかじめ決まっているため、スムーズに提供できます。また、アレルギーに対応しやすいことや、栄養バランスを調整しやすいこともメリットと言えます。
●カフェテリア形式
セルフサービス方式で、カウンターやテーブルに並んだ料理やデザートから好きなものを選べます。自分でトレイを持ってカウンターを進み、最後に会計します。その日の気分や体調に合わせて好きなものを選べるため、従業員の満足度が高く、飽きにくいことも魅力です。
●弁当形式
ほかの場所で調理した弁当を宅配や移動販売してもらう方法です。オフィス内に調理場を設けないため、導入しやすいことがメリットと言えます。バリエーションを豊富に取り揃えられ、選ぶ楽しさがあります。また、購入した弁当を自席など食堂以外の場所で食べることも可能です。忙しいと食事を疎かにしてしまいがちな人も、手軽にカロリーや栄養に配慮した食事が可能になります。
●置き形式
オフィス内に、惣菜やサラダ、フルーツ、レトルト食品などが入った冷蔵ケースや自動販売機を置く方法です。新しいスタイルの社食で、例えば、『オフィスおかん』や『オフィスで野菜』などのサービスがあります。
社員食堂を導入するメリット
次に、オフィスの社員食堂のメリットや効果について解説します。
従業員の健康維持
オフィスの社員食堂は、健康の維持や促進に役立てられます。旬の素材を取り入れるなど、栄養バランスの良いメニューを提供することで、心身の健康をサポートします。病気や欠勤の頻度を抑えられたり、医療費の負担を軽減できたりといった効果が期待できます。
社内コミュニケーションの活性化
オフィスの社員食堂には多くの従業員が集まるため、社内コミュニケーションの活性化が期待できます。執務空間とは異なったリラックス感があり、会話が弾みやすくなります。
従業員の満足度アップ
オフィスに社員食堂を設けることは、従業員の満足度アップにつながります。一般的な社員食堂では、料金を周辺の飲食店よりもリーズナブルな価格に設定します。
生産性の向上
オフィスに社員食堂を設けることで、業務効率アップや生産性の向上も期待できます。昼休憩はリフレッシュタイムとしても重要な役割を果たします。社内で気軽に食事とリフレッシュができれば、時間や移動コストの削減になり、パフォーマンスの向上や業務効率アップにつながるでしょう。また、健康で安心して働けるオフィス環境を整えることで、生産性の向上も期待できるようになります。
企業価値の向上
社員食堂を設けることで『従業員を大切にしている企業』というイメージがつき、企業価値の向上やブランディングにも役立ちます。近年、優秀な人材の確保や定着率アップは多くの企業にとって重要な課題となっています。福利厚生の充実度は働きやすさにつながります。また、取引先や顧客、就職を検討している学生、投資家などからも安心できる企業だと認識されやすくなるでしょう。
社員食堂にぴったりな家具の選び方
社員食堂にはテーブルやチェアなどの家具が必要です。おしゃれな社員食堂にぴったりな家具の選び方を解説します。
チェア
おしゃれな社員食堂には、明るい色使いや丸みをおびたフォルムのチェアが向いています。食事の時間は、モチベーションを高めるための大切なリフレッシュタイムでもあります。明るい気持ちでリラックスできることが望ましいでしょう。
テーブル
社員食堂用のテーブルは、天板にナチュラルな木目柄や清潔感のある白を選ぶと良いでしょう。社内コミュニケーション活性化のためには、グループで利用できるサイズのテーブルが必要です。
プラントボックス
プラントボックスを置くと、社員食堂の空間をおしゃれに仕切ることができます。プラントボックスは、鉢植えの植物や人工グリーンを並べて置き、空間をゆるやかに仕切るために利用されます。プランターボックスやプランターパーテーションと呼ばれることもあります。社員食堂にグリーンを取り入れるとリラックス感がアップし、空間のアクセントにもなります。
ガラスパーテーション
社員食堂を設ける際、オフィスを間仕切るならガラスパーテーションがおすすめです。ガラスパーテーションは明るくオープンな雰囲気を作り出し、従業員同士が交流しやすい空間になります。パーテーションに用いるガラスは、透明だけでなく、半透明やカラーガラスなども選択できます。また、シート張りも可能なため、おしゃれなカフェのようなデザインを演出できます。
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おしゃれな社員食堂の事例4選
最後に、おしゃれな社員食堂の事例4選を紹介します。それぞれどのようなポイントにこだわっているのか詳しく解説します。
おしゃれなカフェ風の事例
インテリアや家具にこだわり、まるでおしゃれなカフェのような雰囲気になっています。高さの異なるテーブルやデザインの違うチェアを置くことで、空間に動きや遊びココロが加わります。その日の気分や用途によって席を選べるため、飽きずに利用してもらえるでしょう。空間の照度を落とし、執務空間とは全く異なる雰囲気を作ることで気分転換しやすくなります。
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一人でも利用しやすい事例
一人でも利用しやすいように、小さめのテーブルを多く配置しています。壁側にソファ席を置くことで、2人が横並びで座ることも可能です。コーヒーショップのようなリラックス感のある空間では、居心地の良い時間が過ごせます。
メンテナンス性にこだわった事例
木とブラックを基調にしたおしゃれな見た目に加え、メンテナンス性の高さにもこだわっている事例です。チェアには、耐久性があって汚れに強いメラミン化粧板が使われています。また、ひくときに掴む部分は最も汚れやすいため、ブラックパイプの仕様になっています。
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多目的な用途を想定した事例
社員食堂を多目的に使うことを想定し、席のバリエーションを増やした事例です。オフィスの面積が限られている場合、ランチタイム以外にもミーティングやソロワークなどに利用できれば、スペースの有効活用につながります。
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テーブル席やソファ席、カウンター席など多様な席を設けることで、用途や人数にあった選択ができ、利便性がアップします。また、ホワイトを基調としたインテリアや、ガラスを用いた間仕切りによって、小さくても開放感のある空間になっています。
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オフィスに社員食堂はいる?導入メリットとおしゃれな事例4選【まとめ】
社員食堂はオフィスに設けられた食事の提供スペースです。近年、健康経営の観点からも社員食堂の重要性が再認識されています。オフィスへの社員食堂の導入は、従業員の健康維持や社内コミュニケーションの活性化につながり、生産性の向上も期待できます。