クロス型(卍型)レイアウトは、デスクを十字型に配置するためおしゃれな空間を作ることができます。また、見た目だけでなく企業にとって様々なメリットもあるため、昨今人気のレイアウトです。本記事では、クロス型(卍型)レイアウトについて網羅的に解説いたします。ぜひ参考にしてみてください。
クロス型(卍型)レイアウトの概要
クロス型(卍型)レイアウトについて、具体的な内容やおすすめのオフィスなどを解説します。
クロス型(卍型)レイアウトとは?
クロス型(卍型)レイアウトは、4台のデスクを中央で十字に向かい合わせて配置するレイアウトです。集中とコミュニケーションのバランスを図りやすいため、チーム作業に適したレイアウトとして昨今注目されています。
クロス型(卍型)レイアウトにおすすめのオフィス
レイアウト | 導入コスト | 向いている業種 |
クロス型(卍型) | 中~高 | 集中業務とコミュニケーションが必要な業種 |
背面式 | 低 | 様々な業種に対応 |
対向式 | 低 | 様々な業種に対応 |
同向式 | 低 | 個人で完結する業種 |
クラスター型 | 中~高 | 集中が必要な業種 |
ブーメラン型 | 高 | 少数チームでコミュニケーションが必要な業種 |
オフィスデスクのレイアウトは、こちらの表のように様々な種類があります。その中でも、クロス型(卍型)レイアウトが向いているオフィスや業務内容について3つ紹介します。
その1:コミュニケーションを重視するオフィス
クロス型(卍型)レイアウトはコミュニケ―ションを重視するオフィスに最適です。点在するデスク群によりいくつもの動線パターンができるため、他のチームメンバーとのコミュニケーションが生まれやすくなります。また、オープンなオフィスでの採用が向いているため、チーム内外にて円滑なコミュニケーションを取ることも可能です。情報共有などのスピードも向上し、組織全体において業務効率にも好影響をもたらすでしょう。
その2:少人数チームが多い組織
4人程度の小規模なチームで業務を進める体制が多い場合、クロス型(卍型)レイアウトは最適です。1ユニットごとに独立性を保ちながら配置できるため、プロジェクト単位での業務がスムーズになります。また、チームごとにユニットを分けて配置することで、業務中は周囲との干渉を最小限に抑えることができます。プロジェクト制を採用している企業に特に向いてるといえるでしょう。
その3:集中とコミュニケーションの両方を求められる業務内容
クロス型(卍型)レイアウトは、個々の作業に集中しやすい一方で、振り向くだけで会話が可能な距離感にあります。そのため、集中とコミュニケーションの両方が求められる業務に適しています。たとえば、クリエイティブ職やマーケティング職のように個人作業とチームでの議論を頻繁に行き来する職種には、このレイアウトが最適です。
クロス型(卍型)レイアウトのメリット
クロス型(卍型)レイアウトには、集中力向上やコミュニケーションの促進など多くの利点があります。ここでは、採用することで得られる代表的な4つのメリットを紹介します。
メリット1:業務に集中できる
クロス型(卍型)レイアウトは、デスクが互い違いに配置されるため、業務中は隣り合う従業員と視線が合いません。そのため、自然と集中しやすい環境を作ることができます。特に背面や側面に壁や仕切りを設けることで、より周囲の雑音や視線を遮断でき、業務効率の向上が期待できるでしょう。
メリット2:コミュニケーションが取りやすい
隣り合う従業員と視線が合わない一方で、同じチームのメンバー同士が近くにいるために声をかけやすく、コミュニケーションが取りやすいというメリットがあります。会話のハードルが下がることで、業務上の確認や相談も即時にでき、情報共有などがスピーディに行うことができます。特にコミュニケーションを取りながら進めていくようなスピード感を求められる業務に適しているといえるでしょう。
メリット3:プライバシーの確保
対面式ではありつつも、十字に配置されたレイアウトは隣の人との距離が適度にあり、視線が合いにくいことでプライバシーが確保されます。そのため、他人の視線を過度に気にせずに作業できることも特徴といえるでしょう。机の上に卓上パーテーションを設ければ、さらにプライバシーを確保できます。
メリット4:おしゃれなレイアウトになる
クロス型(卍型)レイアウトはデスク群が点在するため、一般的なオフィスとは異なりおしゃれな印象を与えられます。来客の多いオフィスやデザイン性を重視する企業にとって、オフィスのブランディングにもつながるでしょう。カラーコーディネートや什器選定を工夫すれば、よりおしゃれなレイアウトを実現することができます。
クロス型(卍型)レイアウトのデメリット
クロス型(卍型)レイアウトはメリットもある一方で、注意点や導入に向かないケースも存在します。ここでは4つのデメリットを紹介します。
デメリット1:スペースが必要
クロス型(卍型)レイアウトは、4つのデスクを1つの塊として複数配置する必要があるため、ある程度のオフィス面積が必要です。広いオフィスでの導入には適していますが、狭いオフィスや異形のオフィスでは、窮屈に感じられる場合があります。採用を検討する際は、必ず配置検討を行いましょう。
デメリット2:横から視線が気になる場合がある
クロス型(卍型)レイアウトは、隣り合う従業員と視線が合わないというメリットがある一方で、近接しているため作業中に隣の席からの視線が気になることがあります。必要に応じて卓上パネルを設置するなど、視線対策を講じると良いでしょう。
デメリット3:人数編成が難しい
レイアウトの特性上、4人で1つのユニットになるため、人数が奇数だったり変動が大きいチームには向きません。4人単位のチームでない場合は、空席ができてしまい、バランスが崩れる可能性もあります。そのため、チーム編成も踏まえた配置計画を行うことが重要です。
デメリット4:デスクによっては窮屈に感じる
デスクの奥行きや横幅によっては、隣の人と近すぎて窮屈に感じる場合があります。対向式や背面式などで用いられる一般的なデスクサイズの場合は、間隔を空けるといった工夫が必要です。理想としては、横に長いタイプのデスクが最適なため、予算に応じて導入を検討することをおすすめします。
クロス型(卍型)レイアウトを採用する際の注意点
効果的にクロス型(卍型)レイアウトを導入するには、注意点を抑えておく必要があります。ここでは導入の際に注意すべき5つの注意点を紹介します。
注意点1:最適なデスクサイズを検討
導入前にデスクの幅・奥行き・高さをしっかりと確認しましょう。先ほども紹介しましたが、デスクが小さいと窮屈となるため、横に長いデスクの採用が向いています。しかし、デスクを大きくすることで専有スペースが増えるため、オフィス面積との兼ね合いも重要となります。機能性とサイズ感のバランスを踏まえて検討を行いましょう。
注意点2:適切なチーム編成
クロス型(卍型)レイアウトは「4人1組」のチーム構成が基本です。チーム内で役割分担やコミュニケーションがしやすくなる反面、人員の変更や不在によってレイアウトが崩れやすくなるため、柔軟に対応できる体制づくりが求められます。人数の増減に対応できる施策を検討しておくと良いでしょう。
注意点3:配置検討を行う
クロス型(卍型)レイアウトは、背面式・対向式レイアウトと比較すると占有する面積が多くなるため、詳細な配置検討を行う必要があります。図面上でレイアウトを行い、動線の確保やコピー機のような什器との位置関係も正確に検討しましょう。人の流れが交差するレイアウトのため、できるだけストレスの少ない環境づくりを意識することが重要です。
注意点4:照明器具の配置も視野に入れる
デスク群の配置と照明の位置関係も視野に入れる必要があります。デスク向きや配置によって照明の当たり方にムラが出ることがあるため、必要に応じて照明を移設又は増設することも必要です。
注意点5:目的を明確化する
クロス型(卍型)レイアウトは特殊なレイアウトなため、目的を明確化した上で最適なレイアウトかどうか検討を行いましょう。例えば、集中作業を行いたいといった場合、クラスター型レイアウトを採用したり、個室ブースを作るといった別の手段も考えられます。そのため、オフィス面積や、業務内容なども加味した上で失敗のないような検討が重要となります。
クロス型(卍型)レイアウトにおすすめな内装工事
クロス型(卍型)レイアウトを快適に運用するには、レイアウトに合わせた内装工事が効果的です。ここでは、おすすめの工事内容を4つ紹介します。
照明器具の移設・増設
クロス型レイアウトでは、机の向きや配置が従来とは異なるため、照明が手元に届きにくくなる場合があります。そのため、必要に応じて照明器具を移設したり、増設したりすることで、明るく快適な作業空間を確保することができます。
コンセント・LAN工事
クロス型(卍型)レイアウトを導入する際には、中央部分に複数のデスクが集まるため、電源やネットワークの配線を整理する必要があります。一般的にコンセントやLANポートは壁に設置されているため、床に増設する工事が必要です。オフィスの床がOAフロアではない場合は床に設置することができないため、天井からおろすと良いでしょう。
間仕切り解体によるオフィス拡張工事
クロス型(卍型)レイアウトは横方向・縦方向に余裕をもった配置が理想的なため、オフィススペースを広く使う必要があります。場合によっては、不要な間仕切りを解体し、空間全体を一体化させる工事も必要です。使われていない会議室や倉庫などを解体するのもひとつの方法です。
タイルカーペットの張り分け
レイアウトの区分けを明確にするには、床面のタイルカーペットをエリアごとに色分けするといった方法があります。例えば、デスクゾーンは落ち着いた色に統一し、通路やコミュニケーションエリアは明るい色にすることで、視覚的にも動線がわかりやすくなります。デザイン性を高めることもできるため、おしゃれなオフィスを作りたい場合に有効です。
オフィスの状況に合わせてクロス型(卍型)レイアウトを採用しましょう
本記事では、クロス型(卍型)レイアウトについて概要やメリットデメリットを解説しました。集中とコミュニケーションのバランスが取れた優れたレイアウトですが、導入にあたってはスペースの確保やチーム編成、設備面の調整といった検討事項も多くあります。そのため、配置等を十分に検討した上で導入することが重要です。
当社では、オフィスの内装工事を専門に行っております。レイアウト検討など、ささいなことでも構いませんのでお気軽にご相談ください。