OAフロアというのはオフィスに欠かせない存在と言っても過言ではありません。オフィスの土台となる存在とも言えるでしょう。ただ、OAフロアにもいろいろな種類がありますので、どのように選んでいくべきかで迷ってしまう方は少なくありません。ここでは、OAフロアの高さの調整ができるのか、それとも調節できないのかという部分に着目して、OAフロアについて触れていきたいと思います。
高さに着目するとOAフロアは2タイプに分類できる
OAフロアと一口に言っても本当にいろいろなものがあります。種類も豊富で、分類の仕方も実にさまざまです。ただ、そういった中でもOAフロアというのはその高さに注目した場合、主に2つのタイプの分類することができます。ひとつは支柱で高さを調整していく「支柱タイプ」と呼ばれるものです。「支柱調整式」と呼ばれることもあります。もうひとつは高さの調節ができない「置敷タイプ」と呼ばれるものです。「置敷式」と呼ばれることもあります。
これらの2種類は簡単に言ってしまえば、高さが調節できるのか、それとも高さの調節ができないのかという部分での分類になります。高さの調節の有無によって、それぞれでまったく違った特徴を持つことになります。その特徴を理解した上で選択していくことが大切です。
支柱タイプの利点と注意点
では、まず高さの調節ができる支柱タイプのOAフロアについてです。支柱タイプというのは高さの調節ができる支柱の上にパネルを乗せて、設置していくことになります。だからこその利点もあれば、注意点もあります。
支柱タイプは高さのレベル調節ができる
支柱タイプの利点は、やはり高さ(レベル)の調節ができるという点がまず始めに挙げられます。1本ずつ支柱の高さを調整していくことができますので、斜めになっているような水平ではないフロアにも施工できるのです。「斜めになっているフロアなんてそうそうない」と思っている方もいるかもしれませんが、これは意外に多いです。立って歩いている分には気づかないものの、オフィス家具など何かを設置したときに設置物が傾いてしまって業務に支障をきたしてしまうような可能性もあります。そういったところでも、支柱タイプであれば水平なフロアに仕上げていくことができます。
また、支柱が床に固定されるということもあって、耐震性にも優れています。日本はもともと地震大国ですし、特にここ最近はさまざまな規模の地震が各地で頻発しています。そういった意味では、支柱が床に固定される支柱タイプはそれだけで安心感があるのです。
支柱タイプは施工時間が長い
高さの調節ができて、おまけに耐震性も期待できる支柱タイプなのですが、注意点もあります。というのも、支柱タイプの場合にはどうしても施工に時間がかかってしまうのです。支柱を固定するためにビスを打ち、高さを調節していくということを考えれば時間がかかってしまうのも納得でしょう。また、支柱を固定するためにビスを打つという場合は床を傷つけてしまいます。自宅をオフィスとするのであればそこまで問題にはならないかもしれませんが、賃貸のオフィスであれば原状回復工事のことも考えなければいけません。
置敷タイプの利点と注意点
一方で、置敷タイプのOAフロアはどうでしょうか。置敷タイプというのは支柱を立てずに、そのままパネルを床に直接置いていく方法をとります。隙間がないように敷き詰めて設置していきます。自宅でタイルカーペットなどを使っている方であれば、イメージしやすいでしょう。高さの調節はできないのですが、こちらにも利点と注意点があります。
置敷タイプは建物にキズが付かない
置敷タイプの場合、基本的には敷き詰めていくだけなので施工にはそう時間はかかりません。そのため、「とにかく早くフロアだけでも何とかしないと!」というときでも工事に対応できる可能性があります。フロアが早くに仕上がることによって、その後の内装や設備工事などの作業も進めやすくなるでしょう。また、支柱が必要ないため、床にビスを打つ必要もありません。それがスピーディーな施工にもつながってくるのですが、同時に床を傷つけることもありません。原状回復工事などのことを考えても、建物を傷つけずに済むというのはやはり安心です。
置敷タイプの注意点は高さ調節ができない
置敷タイプの注意点として、支柱タイプのような高さの調整ができない点が挙げられます。水平であることがわかっている床にしか施工できませんし、仮に床が斜めになっていたとしても高さの調節ができないため、斜めのまま施工することになります。また、敷き詰めていくだけなので、パネルと床が固定されるわけではありません。そのため、どうしても支柱タイプと比べると耐震性は低くなってしまいます。
基本的には床の現状に応じて高さ調節の有無を選ぶ
OAフロアの高さは調節できたほうがいいのか、それとも調節できなくてもいいのかという部分に関しては、結局のところ、床の現状から判断していくことになります。床が水平でないなら高さ調節のできる支柱タイプを選ぶべきですし、床が水平で高さ調節が必要ないなら置敷タイプでも問題はありません。他にも支柱タイプであれば配線がより収納できるということもありますし、置敷タイプであればコストが抑えられるといった部分もあります。床の状態にプラスして、いろいろな角度から最適なOAフロアを選んでいくようにしましょう。
OAフロアの高さは調節できるの?レベル調整はできたほうがいい?【まとめ】
OAフロアは高さ(レベル)の調整ができるのか、高さの調節ができないのかといった視点からでも種類の分類ができます。ただ、どちらにも利点と注意点がありますので、どちらが一概にいいということはありません。大切なのは床の現状を把握した上で、できるだけいろいろな角度から検討して最適なOAフロアを選んでいくことです。