タイルカーペットは手軽に施工ができ、ご自宅だけでなくオフィスなどでも使用されます。一度床に張ったものでも簡単に剥がせるため、汚れた場合や模様替えの際に手軽に張替えが可能です。本記事では、タイルカーペットのメリットとデメリットを、内装工事を専門とする当社がプロの目線で解説します。
タイルカーペットとは?
主要メーカー | 代表製品 |
東リ | GA-100シリーズ、GA-400シリーズ |
サンゲツ | NT-700シリーズ |
スミノエ | PXシリーズ |
タイルカーペットは、40cm~50cm角(特殊な形状を除く)のタイル状のカーペットです。接着剤を塗布して貼り付ける場合もありますが、商品によっては床に置くだけで施工が完了するものもあります。
汚れた場合でもその部分だけ剥がして洗えたり、張り替えたりすることができるため、使い勝手が良く人気の床材です。様々なメーカーの商品がありますが、東リやサンゲツ、スミノエが人気のメーカーとなります。
≫ オフィスの模様替えにおすすめ!タイル素材の床材の種類と特徴
タイルカーペットの種類
タイルカーペットといっても、様々な種類があります。ここでは、家庭用と業務用に分類してそれぞれの特徴を解説します。
家庭用
家庭用のタイルカーペットは裏面に特殊な加工がされており、床に置くだけで吸着してずれにくくなっています。接着剤が不要なので、誰でも簡単に施工が可能なことが特徴です。商品も様々なラインナップが用意されており、子供向けのキャラクターが印字されたものから、畳のような固い素材のものまで多くのデザインのものがあります。
業務用
業務用のタイルカーペットは、家庭用のように滑り止め加工がなく接着剤を塗布して施工を行います。ただし、敷き詰めるよりも商品ラインナップが豊富で、一般的なタイルカーペットから、厚みのある高級感のある仕様まで、様々な種類から選ぶことが可能です。
タイルカーペットの貼り方
タイルカーペットには主な貼り方が2種類あります。多くの場合、タイルカーペットの裏面に矢印の印字があり、矢印の向きを変化させることで同じタイルカーペットでも床のデザインを変えることができます。ここでは、主な2種類の貼り方を紹介します。
流し貼り
流し貼りは、タイルカーペットの向きを同方向に揃えて貼る方法です。単調な貼り方ですが、長手方向に向けて矢印を合わせることできれいな仕上がりとなります。しかし、少しでもずれてしまうと、その部分が目立つというデメリットがあるため、あまり一般的な貼り方ではありません。商品によっては、流し貼りが推奨されている場合があるため、デザインに応じて選定すると良いでしょう。
市松貼り
市松貼りは、矢印を交互に貼っていく方法です。流し貼りよりも、市松貼りの方が一般的に用いられる施工方法となります。カーペットの縫製の向きが交互になるため、グラデーションのような仕上がりになることが特徴です。1枚ごとに向きが異なるため、施工時のずれが目立ちづらく、採用されることが多い貼り方となります。
タイルカーペットのメリット
タイルカーペットは、様々なメリットがあり人気の床材です。ここでは、3つのメリットについて紹介します。
メリット1:簡単に施工ができる
家庭用タイルカーペットであれば、接着剤が不要で床に並べるだけのため、誰でも簡単に施工ができることが特徴です。業務用カーペットを使用して工事を行う場合においても、施工ペースが早いため、広い面積でも短期間で工事が完了します。業者が一度施工した後に、部分的に張替える場合は、少しコツが必要ですがご自身でも張替えが可能なため、気軽に採用しやすい床材です。
メリット2:手入れが簡単
タイルカーペットは手入れが簡単で、汚れた部分だけ剥がして洗うことができます。また、サイズが小さいので、干す場所に困ることもありません。洗い方や干し方については、商品や材質によっても異なりますので、メーカーの説明書をご確認いただいた上でメンテナンスを行いましょう。
メリット3:サイズの調整がしやすい
タイルカーペットは40cm角~50cm角程度のサイズが一般的で、部屋のサイズや貼る面積に応じて自由にサイズ調整が可能です。テーブルの下だけ貼る場合や、部屋全体に敷き詰める場合など、状況に応じて枚数を用意しましょう。部屋全体に敷き詰める場合は、カッターナイフで簡単にカットできるため、自由に施工することが可能です。
タイルカーペットのデメリット
タイルカーペットは、メリットだけでなくデメリットもあります。使用を検討されている方は、ここで紹介するデメリットも理解した上で採用することをおすすめします。
デメリット1:クッション性が少ない
タイルカーペットは、絨毯と比較するとクッション性が少ないと言うデメリットがあります。商品によって異なりますが、厚みが7mm~10mm程度の商品が多く、パイル部分(柔らかい部分)は3.5mm~6.5mm程度となるため、衝撃吸収性は高くありません。
デメリット2:通気性がない
タイルカーペットは、表面はパイルとよばれる柔らかい素材ですが、下地は通気性の少ない材質を使用しています。そのため、水をこぼしてしまったり、床下から湿気が上がってきたりする場合に、カーペットの下に湿気がこもることがあります。放置しているとカビが発生する可能性もありますので、定期的に干したり部屋を換気したりする必要があります。
デメリット3:ずれる可能性がある
部分的にタイルカーペットを敷いている場合や、接着剤を使用せずに施工している場合は、タイルカーペットがずれる可能性があります。家庭用のタイルカーペットは、滑りづらい加工がされていますが、床との相性によっては効果が少ない場合も考えられます。頻繁にずれる場合は、滑り止めシートなどを敷くことをおすすめします。
当社がお伝えするタイルカーペット施工前の注意点
当社では、タイルカーペットの施工実績が豊富にあります。ここでは、実際にタイルカーペットをご検討されている方に向けてお伝えしている注意点について紹介します。
≫ 床工事の種類・費用相場や内装工事依頼前に確認すべき3点!
注意点1:床との相性を確認する
家庭用のカーペットの場合、裏面が床に吸着しやすい加工となっていますが、床との相性によっては吸着しない場合もあります。施工前にサンプルを取り寄せて確認することをおすすめします。
注意点2:床に跡が残る可能性あり
接着剤を使用せずに施工する場合でも、裏面の素材によっては床に跡が残る可能性があります。メーカー発行の注意事項などを確認いただき、商品の特性を理解した上で床材を選定しましょう。
注意点3:床暖房の場合は対応商品を選定する
タイルカーペットは、床暖房仕様のフローリングにも貼ることができます。ただし、商品や施工方法によっては、使用できない場合もありますので、床暖房対応商品を選定しましょう。
注意点4:段差が気になる場合は見切り材を使用する
タイルかーペットは、厚みが7mm~10mm程度の商品が一般的です。部分貼りの場合は、貼っていない部分との段差が気になる場合もあります。カーペットの小口部分に使用する見切り材が各メーカーより出ていますので、必要であれば採用を検討しましょう。
注意点5:2色貼りの場合は厚みと寸法を確認
タイルカーペットを2色貼りする場合、厚みや寸法の相性を確認しましょう。寸法については400角や500角の商品が多いため、同サイズにて選定する必要があります。厚みが異なる商品を選定する場合、段差が大きくなると歩行しづらくなる可能性もあるため、サンプルを取り寄せてイメージを確認しておくことをおすすめします。
注意点6:廃版になる可能性あり
タイルカーペットのラインナップは毎年変わります。ある日突然、廃版となる可能性もあるため、長く使いたい場合は、予備を用意しておくと良いでしょう。汚れたり損傷した場合に、予備のタイルカーペットと張り替えることができるため、状況に応じて予備品の準備をしましょう。
タイルカーペットの施工事例
当社では、オフィスや店舗の内装工事実績が多く、タイルカーペットの張り替えなどを行っています。ここでは、当社で施工したタイルカーペットの張り替え事例を2つ紹介します。
事例1:会議室のタイルカーペット張り替え
会議室のタイルカーペットを施工した事例です。オフィスのクロスに合わせて落ち着いたデザインの商品を施工しました。貼る面積が広い場合や荷物移動が発生する場合は、工事会社に依頼することをおすすめします。こちらの工事では会議室以外の張り替えも行い、2日で工事が完了しました。
事例2:オフィス全体のタイルカーペット張替え
執務室と会議室のタイルカーペットを施工した事例です。タイルカーペット以外に、ガラスパーテーションの施工も行いました。ホワイトフレームのガラスパーテーションと、グラデーション調のタイルカーペットの相性が良く、開放的なオフィスになりました。本工事は、1日で完了しております。
適切なタイルカーペットを選定しましょう
本記事では、タイルカーペットのメリットデメリットや、施工前の注意点について解説しました。タイルカーペットは家庭用、業務用の2種類がありますが、当社ではデザインが豊富で長く使用できる業務用をおすすめしております。既存の床材に応じて適切なタイルカーペットを選定しますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。